平成 29 年 3 月 2 日 平成 29 年度茨城大学一般入試(前期日程)における不適切な出題について 茨 城 大 学 このたび、2 月 25 日(土)に実施した本学の一般入試(前期日程)の個別学力検査において、 不適切な出題があったことが判明しました。 不適切な出題があったのは、理学部・工学部・農学部の受験者を対象とした化学の共通問題で す。化合物の示性式を答えさせる問題において、解答が複数存在することが発覚しました。問題 文及び解答用紙は、複数解答を想定した体裁になっておらず、それにより受験者の解答に混乱を きたした可能性があることから、当該の小問1問とそれに関連した小問1問の計2問について、 受験者全員を正答として扱い、採点する措置をとることにしました。 なお、理科の選択科目間の得点調整は行いません。その上で合否判定を行い、3 月 6 日(月) に合格者を発表する予定です。 このような事態は、入学試験の公平性、信頼性を損なうものであり、深く反省し、再発防止に 努めてまいります。 1 不適切な出題の内容 本学の平成 29 年度一般入試(前期日程)の理学部・工学部・農学部の受験者(一部)を対 象とした化学の共通問題において、化合物の示性式を答えさせる小問について、解答が複数存 在することが発覚しました。 不適切な出題があったのは、エステル化合物の反応とその生成物の反応に関する大問の一部 で、加水分解反応によって得られる化合物の示性式を書かせる問題です。この問題については、 「CH3CH2OH」と「CH3-CHO」 (または「CH2=CH-OH」 )という2種類の示性式が解答 として考えられます。加えて、この小問の解答は、加水分解で同時に得られる別の化合物の構 造式を書かせる小問5の解答にも影響を与えるものです。 しかし、出題においては、当該の小問について解答が複数あることを問題文にて明確に説明 しておらず、また、解答用紙もそれを想定した体裁になっていなかったことから、受験者の解 答に混乱をきたした可能性があります。 【問題】 大問5 (略) …分子式が C10H16O4 であるエステルの加水分解反応を行うと, 炭素,水素,酸素だけからなる3つの化合物A,B,Cが得られた。 この化合物A,B,Cに対して以下の実験を行った。 実験1 化合物Aと二クロム酸カリウムの希硫酸溶液を反応させ ると酢酸が生じた。 (略) 1 実験4 化合物Cを加熱すると分子内で脱水反応が進み,化合物H が生じた。 小問2 実験1について,化合物Aの示性式を書け。 小問5 化合物C,Hの構造式を書け。 【解答】 小問2の解答 用意していた解答 小問5の解答 化合物Cの構造式 化合物Hの構造式 化合物Cの構造式 化合物Hの構造式 CH3CH2OH の組合せ CH3-CHO 別の解答の組合せ または CH2=CH-OH 2 対応 解答(示性式)の複数存在が発覚した当該小問(問2)、及びそれに関連した化合物の構造 式を書かせる小問(問5)の計2問については、問題文や解答用紙が複数解答を想定した体裁 になっていないなど不充分な点があり、解答に混乱をきたした可能性があるため、受験者全員 を正答として扱い、採点する措置とします。なお、理科の選択科目間の得点調整は行いません。 その上で合否判定を行い、3 月 6 日(月)に合格者を発表する予定です。 3 要因と再発防止について 出題にあたっては、複数教員による点検、チェックシートを用いた確認を行っていました が、複数解答の存在については、いずれの点検段階でも気付くことができませんでした。 今後は、問題文をはじめ出題内容・方法の改善を行うとともに、引き続き複数の教員の体制 による確認の徹底を図り、再発防止に努めてまいります。 2
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