高精度・高速な単電子操作を実証しました

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基礎研究
シリコンナノデバイスにおける単電子制御を用いた極限エレクトロニクス
高精度・高速な単電子操作を実証しました
E-1
ナノ(10億分の1)メートルスケールのシリコン微細トランジスタ*1を用いて電子を1個ずつ正確に制御することで、新機能を持つデバイスの
実現をめざした研究を進めています。電子を1個ずつ周期的に運ぶ単電子転送素子では、精密測定により高速・高精度動作を実証しまし
た。また、高感度電荷センサにより電子の個数を読み取り、その結果に基づいたフィードバック制御を行う新しい動作の実証も行いました。
単電子を運ぶ
ゲート(門)
100 nm
e-
ON
OFF
シリコン
ee-
OFF
・1周期に1電子e(C)を転送
OFF
正確な電流ef (A)
・1秒でf 個(1/s)の電子を転送
ON
1次標準*2利用
周波数: f
e-
センサ電流
フィードバック
電圧印加
e-
ゲート(門)
シリコン
(電子チャネル)
電流
測定
フィードバック
制御(PC)
室温
フィードバック無し
センサ電流
ノード
100 nm
電子1個
電荷
センサ
徴
■ シリコン単電子転送素子から生成した電流を高精度に測定し、
GHz領域での世界最高精度を実証(1GHz動作で100万回に1
回以下の転送エラー)
■ 単電子を室温で検出できるシリコン高感度電荷センサを利用し、
単電子レベルでの熱揺らぎを観測
■ 単電子数のフィードバック制御により、電子の熱揺らぎの抑制
に成功:フィードバックによる新しい単電子制御
ゲート電圧
単電子
単電子を読み取る
ef プラトー
フィードバック有り
利用シーン
ノード電子数
OFF
熱揺らぎ
■ 電流の物差しに相当する高精度な電流標準の実現
■ 単電子を利用した低消費電力回路や乱数発生器
■ 電荷センサによる分子や機械振動の高感度センシング
ノード電子数
高精度
電流測定系
電流値
低温(∼1K)
(電子
チャネル)
特
時間
*1 トランジスタ:コンピュータのLSI回路などを構成する半導体素子
*2 1次標準:測定量(電流、電圧など)の物差しに対応する基準。英国立物理学研究所保有の高精度標準を使用
揺らぎ抑制
■ フィードバック制御による単電子転送のエラー訂正
■ 廃熱を積極的に利用した新しい動作原理のエコな回路
確率
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