校長だより第 74 号 平成 29 年 3 月 2 日 旅立ちのとき それぞれの道へ 昨日 3 月 1 日、平成 28 年度 第 115 回卒業証書授与式を行いました。卒業生 156 名、280 席準備 した保護者席もほぼ埋まり、1・2 年生 299 名、教職員 58 名、そして来賓の皆様には 27 名の方々に ご臨席をいただき、総勢約 820 名で行った卒業式でした。 卒業式前日の 2 月 28 日は卒業生会「松農会」入会式も行われ、倉井毅松農会副会長様より、これ から社会人となる卒業生に対し、 “名前を呼ばれたらきちんと「はい!」と返事をすること”、 “生き物 を相手にし、命と向き合ってきた 3 年間を大切にするためにも「いただきます」という言葉を大事 にしてほしい”というお話をしていただきました。名前を呼ばれたら「はい」と返事をすることも、 生き物の命をいただく「いただきます」も当たり前のことなのですが、できていない大人の社会があ るようです。 松農会入会式 平成 29 年 2 月 28 日 このような話しを受けて、昨日の卒業式でした。担任が卒業生一人一人の名前を呼び、返事をして その場に起立する。どこの卒業式でも見られる光景なのですが、卒業という人生の節目(転機)を、 決意も新たに新しい生活への希望や意欲が持てるように仕掛けることが必要です。そして、厳粛で清 新な中で集団の場における規律や、気品ある態度を育てる意味でも、大きな声で返事をし、姿勢良く 背筋を伸ばして起立するということを大切にしています。さらに、名前を呼ぶという担任の行為一つ にとっても、担任のその生徒に対する想いがあり、クラスへの愛情が溢れるものです。厳粛な中にも 愛情があり規律と品格がある式ができたかどうかが私たちの評価になります。「卒業証書授与」のこ の場面では、4 つのクラスの全てが立派に返事をして、姿勢良くスッと起立してくれました。1 時間 を超える式でしたが、式場となった体育館は、 “閑かさや岩にしみ入る蝉の声”と松尾芭蕉が詠んだ 俳句の風景が想像できるような、小さな物音が静寂を強調するような雰囲気を醸し出していました。 しゅんじゅう み と せ 在校生送辞では、先輩方が築かれた本校のすばらしい伝統を守り受け継ぎ、実りある 春 秋 三年を 送るために一層団結、精進し努力を重ねていくことを誓い、卒業生答辞では、どうしてもここで伝え たかったという家族への感謝の言葉や、生徒会のメンバーで本音をぶつけ合って議論した体育祭の出 来事などを自分の言葉で丁寧に語ってくれました。 最後に、卒業生・在校生・教職員、そして出席者全員で校歌を斉唱し、自立した社会人となるかの ようにまっすぐ前を向いて退場していく卒業生の姿が印象的でした。 皆様のご協力・ご支援をいただき、第 115 回目の松江農林高等学校の卒業証書授与式は、校訓で ある「質実・剛健」となるような卒業式となりました。ありがとうございました。
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