西予市 地域公共交通網形成計画(素案) 平成29年●月 西 予 市 目 次 第1章 西予市地域公共交通網形成計画策定の背景と目的 ............................ 1 第2章 西予市地域公共交通システム「おでかけせいよ」の現状 ...................... 2 2.1 西予市の概要 .................................................................. 2 2.1.1西予市の位置と面積 ......................................................... 2 2.1.2西予市の人口 ............................................................... 2 2.1.3地形と人口分布 ............................................................. 7 2.1.4学校 ....................................................................... 9 2.1.5運転免許の保有 ............................................................ 10 2.1.6通勤流動 .................................................................. 11 2.1.7観光動向 .................................................................. 12 2.2 「おでかけせいよ」の概要 ..................................................... 14 2.2.1鉄道 ...................................................................... 16 2.2.2バス ...................................................................... 17 2.2.3タクシー .................................................................. 20 2.2.4スクールバス .............................................................. 21 2.2.5温泉バス .................................................................. 22 2.3 「おでかけせいよ」のこれまでの取組 ........................................... 23 2.4 市民の意向 ................................................................... 24 2.4.1アンケート調査の概要 ...................................................... 24 2.4.2公共交通の利用状況(一般市民・高校生) .................................... 24 2.4.3移動の状況(一般市民) .................................................... 26 2.4.4公共交通への要望(一般市民・高校生) ...................................... 27 2.5 第3章 関連計画の整理 ............................................................... 28 西予市の公共交通の課題 ................................................. 31 3.1 社会情勢による課題 ........................................................... 31 3.2 地域概況等からみる解決すべき課題 ............................................. 31 3.3 地域公共交通網の持続性に対する課題 ........................................... 33 第4章 西予市地域公共交通網形成計画の基本的な方針、区域、目標 ................. 34 4.1 基本的な方針 ................................................................. 34 4.1.1基本理念 .................................................................. 34 4.1.2地域公共交通が果たすべき役割 .............................................. 34 4.1.3基本方針 .................................................................. 34 4.2 地域公共交通網形成計画の区域 ................................................. 36 4.3 地域公共交通網形成計画の期間 ................................................. 36 4.4 地域公共交通網形成計画の目標 ................................................. 37 4.4.1地域公共交通網の考え方 .................................................... 38 4.4.2目標の達成度を示す評価指標 ................................................ 40 第5章 目標を達成するために行う事業「新 おでかけせいよ」 と実施主体 .......... 42 5.1 市内拠点及び市外拠点を結ぶ路線バスの運行 ..................................... 42 5.1.1基幹バスの運行 ............................................................ 42 5.1.2基幹バスのサービス改善 .................................................... 46 5.1.3目標達成のための事業 ...................................................... 47 5.1.4基幹バスの評価 ............................................................ 48 5.2 市内すべての集落からの移動サービスの提供 ..................................... 49 5.2.1支線バスの運行 ............................................................ 49 5.2.2支線バスのサービス改善 .................................................... 60 5.2.3目標達成のための事業 ...................................................... 61 5.2.4支線バスの評価 ............................................................ 66 5.3 交通結節点の整備 ............................................................. 67 5.3.1交通結節点の整備の考え方 .................................................. 67 5.3.2目標達成のための事業 ...................................................... 69 5.3.5交通結節点整備の評価 ...................................................... 69 5.4 「新 おでかけせいよ」の利用促進 ............................................. 70 5.4.1利用促進の考え方 .......................................................... 70 5.4.2目標達成のための事業 ...................................................... 70 5.4.3「新 おでかけせいよ」利用促進の評価 ...................................... 71 5.5 「新 おでかけせいよ」実施体制の整備と実施手順 ............................... 72 5.5.1「新 おでかけせいよ」の実施体制整備 ...................................... 72 5.5.2目標達成のための事業 ...................................................... 72 5.5.3「新 おでかけせいよ」実施の評価 .......................................... 72 5.5.4「新 おでかけせいよ」実施スケジュール .................................... 73 第1章 西予市地域公共交通網形成計画策定の背景と目的 西予市(以下「本市」という)は、平成 16 年度に旧5町(明浜町・宇和町・野村 町・城川町・三瓶町)が合併し誕生したが、野村・城川地域には公共交通空白地域が 点在し、合併時に路線バス8路線が廃止になる等により、これまで以上に公共交通の 維持・確保が課題となっていた。このため、公共交通不便者の移動手段を確保し、住 民の安心な暮らしを確保することが必要であった。 また、市が運営するバス路線が多数あり、ほとんどが合併前の形態を受け継いでい たため、料金体系は路線バス事業者による区間距離制運賃と市営バスによる料金均一 性が混在しており、同じ距離を利用しても料金の違いが大きく、不公平感があった。 なお、路線バスが廃止になった補填として廃止路線代替バスや生活福祉バスを運行 してきたが、互いの連携がとれておらず、目的地も同じであることから、多くの違う 種類のバスが同じ道路を運行することが行われており、非効率であった。 さらには、鉄道と路線バスや市営バスの時刻調整のとれた一体的なネットワークの 形成もできておらず、高校生の通学バスとしての機能も弱く高齢者の移動についても 問題を抱えている状況であった。 そこで、市内の公共交通について総合的に検討するため、平成 22 年に西予市地域 公共交通活性化協議会を設置するとともに、市内における公共交通網ネットワークの 構築を目的に、平成 23 年3月に「西予市地域公共交通総合連携計画」(計画期間: 平成 23 年度から 27 年度)を策定した。この計画に基づき、いつまでも暮らしていけ る西予を考える交通システム「おでかけせいよ」が可能となる交通体系の確立を進め、 ①公共交通空白地域への生活交通バス及びデマンド乗合タクシーの導入、②市営バス の生活交通バスへの一本化及び運賃体系の区間距離制(10km 毎に 100 円)への統一、 ③市営バス停看板及び待合所の設置、④スクールバス空き時間による公共交通空白地 域の運送等、新たな交通システムを導入することで、市民の生活交通としての移動手 段の確保と乗継環境の改善をおこなってきたところである。 しかし、自家用車による移動や少子高齢化の進行により、公共交通利用者は減少の 一途をたどっており、路線バス事業者への欠損に対する補助金の支出額は増え、市の 公共交通費用は年々増加している。 本市の公共交通を活性化するためには、関係者が市民アンケート、地域聞き取り調 査、利用者アンケート等から問題を把握し、解決策を議論することが必要である。そ して、課題を解決するための事業を実施していくことで、公共交通の利便性を高め、 公共交通利用者を増加させ、日常生活の移動手段を将来にわたって継続していくこと が可能となる。 本市は、第2次総合計画で「人口が減少している周辺部の小さなコミュ二ティにつ いては、その生活を支えるためICTを活用して、日常生活の利便性を維持しつつ、 地域交通を可能な限り維持する」ことを掲げている。この実現に向けて、地域公共交 通総合連携計画の成果や課題を踏まえつつ、住民の意向に対し、行政・事業者・住民 が役割分担して本市の多様な交通体系のネットワーク化に取り組み、望ましい公共交 通網を形成するため、地域公共交通網形成計画を策定するものである。 1 第2章 西予市地域公共交通システム「おでかけせいよ」の現状 2.1 西予市の概要 2.1.1西予市の位置と面積 本市は、愛媛県の南部、南予地方の中心 に位置し、北側は八幡浜市、大洲市、内子 町、久万高原町に、南側は宇和島市、鬼北 町に、東側は高知県に接している。 面積は 514.34km2 と、愛媛県内では久万 高原町(583.7km2)に次いで2番目に広大 な面積を有する。そのうち山林が 74.8% を占め、宅地は 2.8%と少ない。 図2-1 位置図 2.1.2西予市の人口 (1) 総人口の推移 本市の総人口は、平成 27 年時点で 38,919 人となっており、これまで一貫し て減少傾向が続いている。 年少人口及び生産年齢人口は減少を続けている一方、老年人口は増加が続い ており、平成 27 年時点で老年人口割合は 40.8%となっている。 人口(人) 80,000 70,000 60,000 年齢3区分割合(%) 79,525人 120% 110% 69,278人 100% 61,009人 57,528人 56,175人 80% 51,893人 8,826 50,000 90% 54,804人 9,720 49,022人 11,143 63.3% 13,047 40,000 30,000 70% 42,080人 14,589 15,421 15,540 38,919人 34,256 21.0% 31,799 28,538 40% 40.8% 30% 26,344 24,114 19.8% 21,795 18,841 10,000 15.7% 11,772 0 10,828 8,951 昭和35年 昭和40年 昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 (1960年) (1965年) (1970年) (1975年) (1980年) (1985年) (1990年) 年少人口(人) 年少人口割合(%) 60% 15,876 50% 48.4% 35,577 20,000 47,217人 44,948人 7,437 20% 10.8%10% 6,284 5,413 4,745 4,202 0% 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 (1995年) (2000年) (2005年) (2010年) (2015年) 生産年齢人口(人) 生産年齢人口割合(%) 老年人口(人) 老年人口割合(%) 図2-2 総人口及び年齢3区分人口の推移注 1 注1 年齢3区分人口には「年齢不詳人口」が含まれるため、 年齢3区分人口の構成比で按分し補正している。 出典:総務省「国勢調査」 2 (2) 地域別人口の推移 平成 16 年合併前の旧5町を単位とし、地域別に人口の推移(昭和 35 年人口 を 1.0 とする)をみると、いずれの地域においても減少傾向が続いている。 昭和 35 年から平成 27 年までの地域別の減少率は、宇和地域では 0.74 である が、その他の地域では 0.5 以下と過半を下回っている。 老年人口割合は、明浜地域では平成 27 年時点で 50.3%に達するなど、いずれ の地域でも高齢化が進行している。 昭和35年 昭和40年 昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 (1960年) (1965年) (1970年) (1975年) (1980年) (1985年) (1990年) (1995年) (2000年) (2005年) (2010年) (2015年) 地域 明浜地域 宇和地域 野村地域 城川地域 三瓶地域 合計 9,602 22,803 20,850 11,124 15,146 79,525 8,385 20,010 17,889 9,047 13,947 69,278 6,918 18,362 15,548 7,489 12,692 61,009 6,362 18,047 14,288 6,715 12,116 57,528 6,204 18,305 13,751 6,212 11,703 56,175 6,014 18,252 13,307 5,950 11,281 54,804 5,574 17,765 12,508 5,608 10,438 51,893 5,116 17,484 11,691 5,193 9,538 49,022 4,678 17,550 11,093 4,835 9,061 47,217 4,182 17,610 10,241 4,408 8,507 44,948 3,750 17,234 9,373 3,933 7,790 42,080 3,319 16,865 8,359 3,425 6,951 38,919 1.00 1.00 0.80 0.74 0.60 0.46 0.40 0.35 0.31 0.40 0.20 昭和35年 昭和40年 昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 (1960年) (1965年) (1970年) (1975年) (1980年) (1985年) 明浜地域 宇和地域 平成2年 (1990年) 平成7年 (1995年) 野村地域 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 (2000年) (2005年) (2010年) (2015年) 城川地域 三瓶地域 図2-3 地域別の人口の推移 出典:総務省「国勢調査」 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 (1980年) (1985年) (1990年) (1995年) (2000年) (2005年) (2010年) (2015年) 地域 明浜地域 宇和地域 野村地域 城川地域 三瓶地域 市平均 19.6% 15.7% 14.4% 16.9% 14.6% 15.7% 21.5% 17.8% 16.7% 19.5% 15.9% 17.7% 25.6% 20.6% 20.7% 24.8% 19.7% 21.5% 31.6% 24.5% 26.3% 32.0% 25.2% 26.6% 37.2% 27.5% 31.6% 37.4% 29.9% 30.9% 41.8% 29.6% 36.3% 41.3% 34.3% 34.3% 45.7% 31.2% 39.0% 44.6% 39.0% 36.9% 50.3% 34.7% 42.7% 49.1% 44.6% 40.8% 50.3% 49.1% 44.6% 42.7% 50.0% 40.0% 34.7% 30.0% 20.0% 19.6% 16.9% 15.7% 14.6% 10.0% 14.4% 昭和55年 (1980年) 昭和60年 (1985年) 明浜地域 平成2年 (1990年) 宇和地域 平成7年 (1995年) 平成12年 (2000年) 野村地域 平成17年 (2005年) 城川地域 平成22年 (2010年) 平成27年 (2015年) 三瓶地域 図2-4 地域別老年人口割合の推移 出典:総務省「国勢調査」 3 (3) 世帯の推移 総世帯数の推移をみると、平成 17 年の 17,485 世帯をピークに減少傾向に入 っており、平成 27 年時点では 16,301 世帯となっている。 世帯の種類別に見ると、核家族世帯は平成 17 年まで増加傾向にあったが、そ の後減少傾向に入っている。単身世帯は、現在まで増加傾向が続いている。 総世帯数 単身世帯 核家族世帯 その他 1世帯あたり人員 (人/世帯) 平成2年 (1990年) 16,924 3,005 9,636 4,283 3.1 平成7年 (1995年) 17,056 3,390 9,922 3,744 2.9 平成12年 (2000年) 17,395 3,944 10,172 3,279 2.7 平成17年 (2005年) 17,485 4,352 10,381 2,752 2.6 平成22年 (2010年) 17,039 4,650 10,090 2,299 2.5 1世帯あたり人員 (人/世帯) 4 世帯数 18,000 16,000 14,000 16,924世帯 4,283 3.1 17,0563世帯 3,744 17,485世帯 17,395世帯 2,752 3,279 2.9 2.6 10,000 8,000 9,636 9,922 17,039世帯 16,301世帯 2,299 1,821 3.5 3 2.7 12,000 平成27年 (2015年) 16,301 4,849 9,631 1,821 2.4 10,381 10,172 2.5 10,090 2.4 9,631 2.5 2 1.5 6,000 1 4,000 2,000 3,390 3,944 4,352 4,650 4,849 3,005 平成2年 (1990年) 平成7年 (1995年) 平成12年 (2000年) 平成17年 (2005年) 平成22年 (2010年) 平成27年 (2015年) 0 0.5 0 単身世帯 核家族世帯 その他 1世帯あたり人員(人/世帯) 図2-5 世帯の推移 出典:総務省「国勢調査」 (4) 将来推計人口 平成 27 年以降の将来人口について、国立社会保障・人口問題研究所(以下「社 人研」という)による将来人口推計と、本市が平成 27 年度に策定した人口減少 の克服に向けた指針となる「西予市人口ビジョン」による推計を次頁に示す。 本市の人口は、平成 27 年国勢調査では 38,919 人となっている注 2 が、社人研 の推計によると、平成 52(2040)年には 25,242 人に減少すると予測されている。 人口ビジョンによる推計では、人口動態が現状よりも悪化した場合の低位推 計注 3 での平成 52(2040)年人口は 24,436 人・平成 72(2060)年人口は 15,614 人、 人口動態が現状のまま進んだ場合の中位推計での平成 52(2040)年人口は 25,082 人・平成 72(2060)年人口は 16,714 人、人口動態が減少よりも改善した場合の高 位推計注 4 での平成 52(2040)年人口は 26,411 人・平成 72(2060)年人口は 19,403 人となっている。 4 本計画の期間(5 年間)である平成 33(2021)年には、本市の人口は、社人研 の推計では 35,552 人、人口ビジョンの低位推計では 36,521 人、中位推計では 36,716 人、高位推計では 36,921 人になると推計される。 平成33(2021)年 推計人口 社人研推計:35,552人 人口ビジョン推計(低位):36,521人 人口ビジョン推計(中位):36,716人 人口ビジョン推計(高位):36,921人 40,000 35,000 30,000 26,411 25,242 25,082 24,436 25,000 20,000 19,403 16,714 15,614 15,000 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 平成72年 (2015) (2020) (2025) (2030) (2035) (2040) (2045) (2050) (2055) (2060) 社人研による推計 人口ビジョンによる推計: 低位推計 中位推計 高位推計 図2-6 将来推計人口 注2 この推計には、平成 27 年国勢調査の結果は反映されていないため、平成 27 年人口の値は国勢 調査結果と異なる。 注3 低位推計:出生数が現状よりも 10%減少(合計特殊出生率が 1.67 から 1.50 に低下)、人口移 動が多い 20~34 歳で市街転出が現状よりも 1.0%増加。 注4 高位推計:合計特殊出生率 1.67 から 2.00 に上昇、現状の社会減少率が 2045 年までに段階的 に半減、2045 年以降はその状態を維持。 出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」、 西予市「西予市人口ビジョン」を基に作成 地域別の将来人口推計(低位推計・中位推計・高位推計)について、次頁よ り示す。 5 地域別人口推移(低位推計) 40,548 40,000 35,000 30,000 25,000 37,227 7,226 6,391 3,625 3,126 8,846 33,697 5,524 2,674 7,880 30,284 4,709 2,274 6,928 20,000 27,173 3,964 1,915 6,039 5,259 24,436 3,314 1,608 4,588 15,000 17,291 10,000 16,690 15,893 14,980 14,131 13,338 21,751 2,717 1,317 3,560 3,140 2,678 2,282 1,904 1,588 2,223 1,081 17,426 1,818 893 2,917 15,614 3,378 12,459 11,651 10,876 10,091 1,316 1,093 922 778 3,942 5,000 0 19,426 1,491 745 2,509 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 平成72年 (2015) (2020) (2025) (2030) (2035) (2040) (2045) (2050) (2055) (2060) 明浜 35,000 30,000 城川 三瓶 37,391 7,226 6,410 3,625 34,018 5,558 3,135 2,688 25,000 野村 地域別人口推移(中位推計) 40,548 40,000 宇和 8,846 7,912 30,738 4,756 2,296 6,992 20,000 27,749 4,018 1,944 6,126 25,082 3,371 1,634 5,370 4,709 15,000 17,291 10,000 16,783 16,081 15,251 14,482 13,747 22,498 2,777 1,343 4,073 20,307 2,289 1,107 3,523 3,560 3,151 2,699 2,309 1,935 1,621 1,888 921 3,072 16,714 1,566 771 2,674 12,948 12,246 11,567 10,868 1,357 1,142 976 835 5,000 0 18,424 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 平成72年 (2015) (2020) (2025) (2030) (2035) (2040) (2045) (2050) (2055) (2060) 明浜 35,000 30,000 城川 三瓶 37,544 7,226 34,429 6,429 5,609 3,625 3,143 2,719 25,000 野村 地域別人口推移(高位推計) 40,548 40,000 宇和 8,846 7,944 31,458 4,840 2,349 7,070 20,000 28,782 4,135 2,009 6,259 5,552 26,411 3,513 1,708 4,934 24,132 2,938 1,420 4,342 15,000 17,291 10,000 16,871 16,313 15,662 15,092 22,295 2,463 1,191 20,785 2,076 1,017 19,403 3,841 3,440 1,758 871 3,078 14,563 13,993 13,562 13,166 12,740 1,693 1,439 1,238 1,086 956 5,000 0 3,560 3,157 2,718 2,348 1,994 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 平成72年 (2015) (2020) (2025) (2030) (2035) (2040) (2045) (2050) (2055) (2060) 明浜 宇和 野村 城川 三瓶 図2-7 地域別の将来推計人口(上から低位推計・中位推計・高位推計) 出典:西予市「西予市人口ビジョン」を基に作成 6 2.1.3地形と人口分布 (1) 地形の状況 本市は、東部の四国山地のカルスト台地から、西部の宇和海に接する海岸ま で、標高差約 1,400mに及ぶ変化にとんだ地形をもち、豊かな自然と優れた景観 を有している。 東部は山(深い谷)、西部は海(リアス式海岸)となっており、まとまった 平地は宇和地域のみである。この他の地域には平地が少なく、域内移動がしに くい地形である。 図2-8 標高図 出典:西予市「西予市都市計画マスタープラン」より抜粋 (2) 集落・人口の分布 平地から山すそ、浦(海が陸地に入りこんでいる箇所)にかけて、集落が形 成されてきた。各地域における人口分布の状況は、以下の通りである。 表2-1 各地域の人口分布 地域 明浜 宇和 野村 人口分布 「浦」ごとに人口が分布している。 四国旅客鉄道㈱(以下「JR」という。)の卯之町駅周辺及び国道 56 号沿線に おいて、人口が多い。山すそにも人口が分布している。 野村支所を中心として、幹線道路沿線に人口が分布している。谷あいにも人口が 分布している。 城川 幹線道路沿線に人口が分布している。谷あいにも人口が分布している。 三瓶 三瓶支所周辺において、人口が多く、「浦」ごとに人口が分布している。 7 8 ステップ1:平成28年公表の国土基盤情報の建物のうち「普通建物」データを用い、1kmメッシュ別の「普通建物建築面積割合」を算定。 ステップ2:平成22年の1kmメッシュ別の国勢調査人口に上記に算定した「普通建物建築面積割合」を乗じて、「建物別のH22年人口数」を算定。 ステップ3:「建物別H22人口数」を、100mメッシュ別に集計し「平成22年(2010年)の100mメッシュ人口」を算定。 ステップ4:市域全体の平成27年国勢調査人口速報値(38,927人)を上記「平成22年(2010年)の100mメッシュ人口」の人口数の比率で按分し、 「平成27年(2015年)100mメッシュ人口」を算定。 ※平成27年(2015年年)100mメッシュ人口は、平成27年国勢調査による西予市の人口(38,919人)から以下の方法により算定。 図2-9 人口の分布状況(平成 27 年) 2.1.4学校 表2-2に居住地域別の進学先(高等学校)を示す。 概ね地域内の高等学校(明浜地域からは宇和高校、城川地域からは野村高校) への進学、または市外の高等学校への進学が多いが、宇和地域から野村高校や 城川地域から宇和高校等への進学も見られる。 平成 25 年から 27 年までの各地域から各学校への進学者の合計を平成 27 年時 点の通学人数とすると、明浜地域から野村高校への通学が2名、宇和地域から 野村高校への通学が 13 名・三瓶高校への通学が5名、野村地域から宇和高校へ の通学が1名、城川地域から宇和高校への通学が4名ある。 表2-2 居住地別進学先高等学校 進学先 宇和高校 野村高校 三瓶高校 市外の高校 H25 進学 8 0 0 11 明浜 H26 進学 13 0 0 14 地域 H27 進学 7 2 0 8 28 2 0 33 H25 進学 63 1 1 62 宇和 H26 進学 74 3 3 89 地域 H27 進学 居住地 合計(H27 通学人数) 59 9 1 83 196 13 5 234 H25 進学 0 61 0 9 野村 H26 進学 0 46 0 17 地域 H27 進学 1 42 0 15 1 149 0 41 H25 進学 0 18 0 7 城川 H26 進学 4 24 0 11 地域 H27 進学 0 21 0 11 4 63 0 29 H25 進学 0 0 44 21 三瓶 H26 進学 0 0 25 24 地域 H27 進学 合計(H27 通学人数) 合計(H27 通学人数) 合計(H27 通学人数) 合計(H27 通学人数) 0 0 36 20 0 0 105 65 出典:西予市資料 9 2.1.5運転免許の保有 (1) 免許保有の状況 表2-3に運転免許の保有状況を示す。 人口に占める運転免許保有者の割合は 64.2%で、県平均(67.6%)を若干下 回っている。 性別の免許保有率は、男性 74.2%、女性 55.4%となっており、男性の方が高 い。高齢者(65 歳以上)における免許保有率は 52.7%であり、男性が 76.9%、 女性が 35.7%でとなっている。男性ほど免許保有率が高いという傾向が顕著で ある。 免許保有者における高齢者の割合は 32.8%で、男性が 36.4%、女性が 28.5%と なっている。 表2-3 市内の運転免許保有状況 人口(人) (高齢者数(人) ) 運転免許保有者数(人) (免許保有者のうち高齢者数(人) ) 免許保有率(%) 男性 女性 19,001 21,425 (6,681) (9,490) 14,095 11,867 25,962 (5,138) (3,384) (8,522) 74.2 計 55.4 40,426 (16,171) 64.2 (高齢者の免許保有率(%) ) (76.9) (35.7) (52.7) (免許保有者における高齢者率(%) ) (36.4) (28.5) (32.8) 出典:西予市「住民基本台帳人口(平成 27 年 12 月 31 日現在)」、内閣府「交通事故白書」 (2) 免許返納の状況 表2-4に運転免許の返納の状況を示す。 平成 27 年度における免許返納者数は 185 人、平成 26 年度は 156 人、平成 25 年度は 107 人であり、 運転経歴証明書注 5 の取得比率は平成 27 年度時点で 50.8% である。運転免許返納者数は増加傾向にあるが、運転経歴証明書の取得にはつ ながっていない。 表2-4 市内の運転免許返納状況 平成 27 年度 平成 26 年度 平成 25 年度 運転免許返納者数 185 156 107 運転経歴証明書取得者数 94 64 77 運転経歴証明書取得比率 50.8% 41.0% 72.0% 注5 運転経歴証明書とは、運転免許証を自主返納した場合に交付を申請することが出来る証明書のこと。 出典:西予警察署資料 10 2.1.6通勤流動 本市における従業者は 17,800 人(平成 22 年国勢調査による)であり、その うち市内への通勤者は 15,702 人と、全体の約 9 割を占める。 他市町への通勤流動は、流出は八幡浜市が最も多く 1,225 名となっており、 流入では宇和島市が最も多く 668 名となっている。 図2-10 通勤流動(流出) 図2-11 通勤流動(流入) 出典:総務省「国勢調査(平成 22 年)」 11 2.1.7観光動向 本市には、全国的に知名度の高い観光地は無いものの、海から山までの多様 な自然と美しい景観が広がっている。平成 25 年には本市の全域が「四国西予ジ オパーク」として日本ジオパークに認定された。 西予四国ジオパークは、4つのエリア、76 のジオサイトがあり、ジオパーク を活かした「ジオツーリズム」による観光誘客を図っているところである。 ジオパーク、ジオサイトの状況を次頁の図2-12に示す。 12 13 図2-12 ジオパークの状況(ジオサイト位置図) 出典:西予市資料 2.2 「おでかけせいよ」の概要 本市の公共交通として、鉄道(JR)、民営路線バス、廃止代替バス、デマ ンド乗合タクシー、市営(生活交通)バスが運行している。 また上記の他、民間事業者によるタクシー、小・中学校のスクールバス、温 泉施設を巡回する温泉施設巡回バスが運行している。 本市の公共交通の運行状況を次頁の図2-13に示す。 14 15 図2-13 公共交通の運行状況 2.2.1鉄道 JR予讃線が宇和地域を横断しており、市内には特急停車駅の卯之町駅をは じめ、伊予石城駅、上宇和駅、下宇和駅の4駅が立地している。市内の利用者 としては、通勤・通学による利用が多い。 各駅への運行本数(1日当たり)を表2-5に示す。卯之町駅においては、 平日、土休日とも、松山方面に1日 27 本、宇和島方面に 28 本の往復 55 本が運 行されている。その他の駅については、往復 22 本となっている。 また、卯之町駅の利用状況は表2-6に示すとおりで、1 日平均乗降者数は約 507 人である。 表2-5 JR予讃線・各駅への運行本数(1日当たり) 方面 松山 宇和島 合計 行き先 松山 八幡浜 宇和島 卯之町駅 24 本 3本 28 本 往復 55 本 伊予石城駅 8本 3本 11 本 往復 22 本 上宇和駅 8本 3本 11 本 往復 22 本 下宇和駅 8本 3本 11 本 往復 22 本 出典:JR四国ホームページ 表2-6 JR卯之町駅の利用状況 旅客区分 1日平均乗降者数 (人/日) 発 32,671 90 着 9,946 28 発 8,212 23 着 34,249 94 上り(松山方面) 発 64,302 177 下り(宇和島方面) 発 34,591 95 183,973 507 上り(松山方面) 普通 下り(宇和島方面) 定期 人数(人/年) 合計 出典:愛媛県「愛媛県統計情報データベース(平成 25 年度)」 16 2.2.2バス (1) 民営路線バス 宇和島自動車株式会社が、市内あるいは市外を結ぶ 17 路線を運行している。 路線一覧を表2-7に示す。 すべて公的補助が充当されており、6路線は国および県からの補助を受けて 運行されており、平成 27 年度は 41,741 千円が交付されている。残り 11 路線は 市の単独補助路線であり、平成 27 年度は 39,922 千円が交付されている。いず れも運賃は距離制である。 表2-7 市内の路線バス運行状況注 6 (すべて宇和島自動車㈱が運行) 路線名 区間 運行本数 平日 6 往復 日祝日 4 往復 学休日 1 往復減便 1 宇和島 ~野村線 東高校前~北宇和 病院~野村病院 2 八幡浜 ~周木線 八幡浜市立病院~ 布喜川~周木 八幡浜 ~下泊線 田之浜 ~宇和島線 八幡浜市立病院~ 蔵貫村~下泊 5 西予市民病院 ~野村線 西予市民病院~下 宇和駅~野村 6 俵津 ~西予市民病院線 7 野村~上辰ノ口線 俵津車庫前~西予 市民病院 野村病院~上辰ノ 口 平日 6 往復 日祝日 4 往復 学休日 1 往復減便 平日 5 往復 学休日 1 往復減便 平日 4 往復 日祝日 3 往復 三瓶~歴史博物館 3 4 8 9 10 11 12 13 14 15 三瓶 ~歴史博物館線 野村 ~白髭線 野村 ~オズメッセ線 野村 ~城川支所前線 西予市民病院 ~城川支所前線 三瓶 ~上和泉線 三瓶~谷 ~上和泉線 卯之町 ~西予市民病院線 16 大洲~宇和島線 宇和島 ~卯之町線 - 田之浜線~岩松線 17 キロ程 (km) 年間輸送 人員(人) 車両の 定員(人) 公的補助 の状況 23.0 28,703 55 国・県 10.0 18,603 55 国・県 15.7 33,975 55 国・県 19.1 23,037 55 国・県 19.8 17,192 55 国・県 14.4 18,627 55 国・県 13.0 10,689 55 市 平日 5 往復 18.2 12,623 55 市 畜産試験場~白髭 平日 6 往復 16.2 16,734 55 市 野村~卯之町~大 洲 IC 口 1 日 1 往復 27.2 3,136 55 市 13.5 2,475 55 市 33.3 4,672 55 市 8.9 1,690 55 市 7.0 34 55 市 4.0 749 55 市 16.2 2,703 55 市 5.0 1,359 55 市 19.1 (22,068) 55 国・県 田之浜~バスセン ター~天赦園 野村~城川支所前 西予市民病院~城 川支所前 三瓶~上和泉 三瓶~谷~上和泉 卯之町~西予市民 病院 大洲駅前~卯之町 ~バスセンター バスセンター~卯 之町 田之浜~岩松 注6 平日 6 往復 日祝日 5.5 往復 学休日 1 往復減便 平日 9 往復 日祝日 6.5 往復 平日 8 往復 日祝日 7 往復 平日 1 往復 日祝日 1 往復減便 1 日 1 往復 日祝日運休 1 日 1 往復 日祝日運休 1 日 1 往復 日祝日運休 1 日 4 往復 日祝日運休 1 日 1 往復 1 日 1 往復 日祝日運休 - 輸送人員は、平成 26 年 10 月 1 日~平成 27 年 9 月 30 日の実績。 田之浜~岩松線は、平成 28 年現在、田之浜~宇和島線に統合。 17 (2) 廃止代替バス 野村地域における路線バスの廃止に対応し、道路運送法第 4 条に基づき、野 村ツーリスト有限会社に運行委託し、廃止代替バスを運行している。平成 28 年 4月現在、4路線を運行している。いずれも運賃は距離制である。 表2-8 市内の廃止代替バス運行状況注 7 (すべて野村ツーリスト㈲が運行) 路線名 区間 1 中筋線 野村病院~榎 1 日 3 往復 2 三石橋線 野村~荷刺 ~三石橋 1 日 2 往復 3 野村・榎・ 三石橋線 三石橋~榎 ~野村 4 阿下線 野村病院 ~城の下 土日祝運休 年間輸送 人員(人) 車両の 定員(人) 運行 地域 8.6 1,290 野村 11.7 28 野村 1 日 1 便往復 三石橋方面 土日祝運休 24.7 1,275 1 日 2 往復 9.1 1,115 注7 (3) キロ程 (km) 運行本数 すべて 14 人 (小型自動車) 野村 野村 輸送人員は、平成 27 年 4 月 1 日~平成 28 年 3 月 31 日の実績。 デマンド乗合タクシー デマンド乗合タクシーとは、市民が利用前に予約を行って利用することので きるタクシーのことである。平成 23 年度より、順次、市内の公共交通空白地域 等に対して、デマンド乗合タクシーによる区域運行を開始している。 料金体系は、10km100 円といった低廉な距離制運賃を採用している。 表2-9 市内のデマンド乗合タクシー運行状況注 8 路線名 運行 主体 区間 運行本数 車両の 定員(人) 年間輸送 人員(人) 1 惣川地区 デマンド乗合タクシー ㈲惣川 惣川地区 週 4 日運行 5 225 2 遊子川地区 デマンド乗合タクシー 魚成タクシー ㈲ 遊子川地区 1 日 6 運行 土日祝日 2 運行 4 1,334 3 土居地区 デマンド乗合タクシー ㈲土居どろん こタクシー 土居地区 1 日 6 運行 土日祝日 2 運行 5、10 1,158 4 高川地区 デマンド乗合タクシー ㈲土居どろん こタクシー 高川地区 1 日 6 運行 土日祝日 2 運行 14 2,028 5 宇和地区 デマンド乗合タクシー ㈲卯之町タク シー - 4,164 注8 宇和地区 平日土曜日 1 日 3.5 運行 日祝日運休 輸送人員は、平成 27 年 4 月 1 日~平成 28 年 3 月 31 日の実績。 18 (4) 市営バス(西予市生活交通バス) 公共交通空白地域等における市民の生活を守る交通手段との位置づけで、市 が運行する生活交通バス(道路運送法 79 条に基づく市町村有償運送)が 29 路 線ある。 主に高齢者等を対象とした運行を行っており、平成 23 年度からは、運行形態 の統一に取り組んできた。 料金体系は、10km100 円といった低廉な距離制運賃を採用している。 表2-10 市内の生活交通バス運行状況注 9 (すべて西予市が運行) 路線名 区間 運行本数 キロ程 (km) 年間輸送 車両の 人員(人) 定員 運行 地域 明浜 1 田之浜~下泊線 田之浜~下泊 週 1 往復 7.5 58 10 2 仁土線 仁土~西予市民病院 ~西予市役所 週 1 往復 5.8 274 10 宇和 3 西予市民病院 ~板ヶ谷線 西予市民病院 ~板ヶ谷 19.8 3038 26 宇和 西予市民病院 ~游の里線 西予市民病院 ~游の里 16.7 2482 26 宇和 5 田野中 ~西予市民病院線 田野中 ~西予市民病院 1 日 1 往復 10.3 364 26 宇和 6 田野中 ~游の里線 田野中 ~游の里 土曜 1 往復 23.7 242 26 宇和 7 伊賀上 ~西予市民病院線 伊賀上 ~西予市民病院 1 日 1 往復 9.1 106 26 宇和 8 伊賀上~游の里線 伊賀上~游の里 20.7 300 26 宇和 9 河成~大久保線 河成~大久保 28.7 4989 14 野村 10 舟坂線 舟坂~野村病院 週2日 月木運行 17.8 207 14 野村 11 次の川線 次の川~野村病院 週2日 月水運行 5.7 415 14 野村 12 蔵良本村線 蔵良本村~野村病院 週2日 火木運行 11 492 14 野村 13 大暮線 大暮~野村病院 週2日 火金運行 7.4 184 14 野村 14 深山線 ほわいとファーム ~野村病院 週2日 水金運行 11.2 302 14 野村 15 中通川線 中通川~野村病院 週2日 月木運行 6.9 394 15 野村 16 植木線 植木~野村病院 週2日 火金運行 9.7 227 15 野村 17 大領地~坂石線 大領地~野村病院 週1日 火運行 16.9 (258) 15 野村 18 奥白髭~長谷 ~河西線 奥白髭~野村病院 週2日 月木運行 9.5 (159) 15 野村 19 瀬間行線 瀬間行~野村病院 週2日 月木運行 10.9 638 15 野村 4 三瓶 1 日 2 往復 土曜 1.5 便 日祝日運休 1 日 1.5 往復 土曜 1.0 便 日祝日運休 土日祝日運休 日祝日運休 土日祝日運休 土曜 1 往復 日祝日運休 1 日 5 往復 日祝日 4 往復 19 路線名 区間 運行本数 20 西~栗木線 西~野村病院 週2日 火金運行 21 堂野窪線 松尾~野村病院 週1日 22 小振~奈良野 ~長谷~汗嵐線 小振~野村病院 23 伏越・広田・今田・ 魚成中津川 ~野村病院線 24 岩本・杭 ~野村病院線 25 キロ程 (km) 年間輸送 車両の 人員(人) 定員 運行 地域 10.5 718 15 野村 水運行 19 702 15 野村 週1日 水運行 21 (488) 15 野村 伏越~野村病院 週1日 木運行 20.3 885 15 城川 岩本~野村病院 週1日 水運行 21.3 390 15 城川 松尾瀬・成穂・今田・ 魚成中津川 松尾瀬~野村病院 ~野村病院 週1日 木運行 21.7 842 15 城川 26 岩本・杭 ~土居診療所 岩本~野村病院 週1日 月金運行 13.5 188 15 城川 27 魚成中津川・今田 ~土居診療所 中津川~野村病院 週2日 月水運行 10.5 105 15 城川 28 松尾瀬・成穂 ~土居診療所 松尾瀬~野村病院 週2日 火金運行 15.1 81 15 城川 29 下惣川・安家谷 ・伏越~土居診療所 下惣川~土居診療所 週1日 木運行 13.1 187 15 城川 注9 輸送人員は、平成 27 年 4 月 1 日~平成 28 年 3 月 31 日の実績、 ( )は路線変更前の実績数値。 2.2.3タクシー タクシーは、宇和地域に2つ、野村地域に3つ、城川地域に3つ、三瓶地域 に1つの事業所がある。 表2-11 市内のタクシー事業者の状況 地 域 宇和地域 野村地域 城川地域 三瓶地域 タクシー業者名 住 所 ㈲卯之町タクシー 宇和町下松葉 721 ㈱丸之内八西交通 西予営業所 宇和町卯之町 2-421 明陽タクシー㈲ 野村町野村 12-760-3 ㈲惣川 野村町惣川 283-1 ㈱丸之内八西交通 野村営業所 野村町野村 12-672-2 奥伊予観光㈲ 西予市城川町嘉喜尾 4854-1 魚成タクシー㈲ 城川町魚成 3616 ㈲土居どろんこタクシー 城川町古市 2040-1 みかめ観光㈱一二三タクシー 三瓶町朝立 1-545-2 20 2.2.4スクールバス スクールバス(専用)に関しては、明浜地域4路線(明浜小・中学校)、野 村地域8路線(野村小・中学校)、城川地域7路線(城川小・中学校)、三瓶 地域4路線(三瓶小・中学校)の運行を行っている。利用状況等は表2-12の とおりとなっている。 表2-12 市内スクールバス運行状況(平成 27 年度) 地 利用児童・生徒数 車両購 入年度 児童生徒 以外の利用 (km) (年度) (―) 20 H15 無 (人) 34 20 8 34 16 16 34 H15 無 38 10 40 H26 無 田之浜線 明浜 小学校 45 25 14 14 68 H26 無 5 野村中学校寄宿舎 生徒送迎用 野村 中学校 26 8 8 87 H12 無 6 西線 34 26 26 60 H26 有 7 白髭線 29 20 20 40 H26 有 8 高瀬線 34 26 26 60 H26 有 9 河成線 34 23 23 32 H26 無 10 釜川線 14 8 8 30 H26 有 11 長谷線 14 11 11 52 H26 無 12 富野川線 14 12 12 42 H26 無 13 野井川線 29 15 15 44 H3 無 14 寺野線 29 8 8 50 H13 無 15 川津南線 15 7 7 52 H21 無 16 遊子川線 - - - - - 無 17 土居線 - - - - - 無 18 高川安尾線 - - - - - 無 19 高川本村線 - - - - - 無 20 北地区線 18 10 24 H21 無 21 南地区線 三瓶 中学校 60 60 12 10 48 H21 無 22 北地区線 40 23 36 H25 無 23 南地区線 三瓶 小学校 45 45 32 23 72 H25 無 354 278 域 (人) 明浜 中学校 川 1日延べ 運行距離 うち 遠距離 (人) 城 乗車 定員 バス路線 明 浜 1 高山線 2 田之浜線 3 高山線 4 ※1 学校 野 村 野村 小学校 城川 中学校 城川 小学校注 10 三 瓶 合計 注 10 城川小学校のスクールバスは平成 28 年度より運行のため、利用状況等は記 載していない。 21 スクールバスの利用者数を予測するため、平成 28 年度現在の小学校・中学校 における児童・生徒数と、平成 29 年度以降の見込み児童数を表2-13に示す。 表2-13 小学校・中学校の児童・生徒数(平成 28 年 12 月 31 日現在) 地域 明浜 宇和 野村 城川 三瓶 地域 明浜 宇和 野村 城川 三瓶 学年 将来の全校児童数見込注 11(年度) 合計 3 年生 4 年生 5 年生 6 年生 H29 H30 H31 H32 H33 H34 13 12 16 20 84 78 77 78 80 85 87 15 13 5 9 65 67 69 61 53 47 42 24 21 24 22 142 142 144 142 141 128 125 7 17 12 13 75 71 70 62 66 68 71 87 89 89 74 509 507 492 472 472 462 428 6 13 13 5 61 94 88 82 91 84 82 3 4 5 4 27 15 10 14 16 77 71 64 69 61 64 67 63 57 57 59 333 325 317 313 296 297 271 3 1 1 2 10 9 8 9 6 6 6 1 0 0 0 3 4 4 6 8 7 8 16 20 21 19 102 100 97 88 91 81 86 44 43 42 39 249 249 245 233 230 207 203 校名 小学校 明浜小学校 多田小学校 中川小学校 石城小学校 宇和町小学校 皆田小学校 明間小学校 田之筋小学校 野村小学校 大野ヶ原小学校 惣川小学校 城川小学校 三瓶小学校 1 年生 2 年生 14 9 10 13 28 23 13 13 91 79 10 14 8 3 11 11 59 38 1 2 1 1 12 14 33 48 校名 中学校 明浜中学校 宇和中学校 野村中学校 城川中学校 三瓶中学校 学年 1 年生 2 年生 3 年生 13 25 19 167 158 151 69 51 69 28 30 18 52 46 39 注 11 合計 57 476 189 76 137 各小学校区に平成 28 年1月現在居住する未就学児数から将来の児童数見込みを算出している。 2.2.5温泉バス 温泉施設(はま湯、游の里、乙亥の里カロト温泉、クアテルメ宝泉坊)への 巡回バスが5路線運行している。施設別、地域別の利用者数及びそれにかかる 経費は表2-14のとおりである。 表2-14 温泉施設巡回バス利用者数及び経費(平成 27 年度) 1,035 人 694 人 949 人 1,380 人 - 利用者数合計 運行経費 利用者 1 人当たり経費 市民 1 人当たり負担額 注 12 注 12 地域別の 利用者数 施設別の 利用者数 はま湯 游の里 乙亥の里カロト温泉 クアテルメ宝泉坊 - 明浜 宇和 野村 城川 三瓶 627 人 1,477 人 448 人 451 人 1,055 人 4,058 人 3,573 千円 約 880 円 約 88 円 市民1人当たりの負担額は住民基本台帳人口 40,158 人(平成 27 年 12 月 31 日現在)による。 22 2.3 「おでかけせいよ」のこれまでの取組 平成 22 年度に策定した西予市地域公共交通総合連携計画に基づき、市内各地 区において公共交通網の再編を進めてきた。地域の実情に合った運行内容とす るため、再編する地域では、最初に全戸を対象とした詳細なアンケート調査を 実施し、地域住民の意向を反映した交通体系としている。 平成 23 年 12 月に、宇和島自動車路線バス野村病院~天神線の廃止に伴い、 惣川大成から三島・天神を経由した大久保を結ぶ区間において、一部予約に応 じて運行をおこなう路線不定期運行の生活交通バス大成~大久保線(現在は河 成~大久保線)の運行を開始した。宇和島自動車野村~大成線に結節したダイ ヤとし、運賃は、路線バスに乗り継ぐ事も考慮して、低廉で利用しやすい 10km100 円による設定とした。利用者からは気軽におでかけが出来る乗り物ということ で、親しまれ利用されている。 平成 24 年 10 月には、遊子川地区を運行していた廃止代替バス野井川線を廃 止し、利用者からの予約に応じて、区域運行により旅客の運送を行う遊子川地 区デマンド乗合タクシーの運行を開始し、同じく 10km100 円による運賃と宇和 島自動車宇和島~野村線に結節したダイヤとしている。車両を小型化して各集 落まで運行できるため、利便性が向上し、廃止代替バス運行時よりも利用者が 増加している。 平成 25 年 10 月には廃止代替バス寺野線及び高川線を廃止し、土居地区デマ ンド乗合タクシーと高川地区デマンド乗合タクシーが遊子川地区と同じ区域運 行による運送を開始し、これらの運行においても廃止代替バス運行時よりも利 用者は増加している。(10km100 円による運賃と宇和島自動車宇和島~野村線に 結節したダイヤとしている。) 平成 26 年 9 月下旬においては、宇和地区を運行する生活交通巡回バスを 1 台 廃止し、10 人乗り車両 2 台を用いた、宇和地区デマンド乗合タクシーの運行を 開始した。宇和地区の公共交通空白地域であったところからでも、西予市民病 院や西予市庁舎、また西予市生活交通バスへの乗り換えは必要であるが、游の 里まで移動できるようになっている。宇和地区デマンド乗合タクシーの運賃は、 5km100 円で 200 円を上限としている。 平成 27 年 5 月からは、統合した野村小学校のスクールバスの空き時間を利用 し、公共交通空白地域に対する生活交通バスの運行を開始しており、高瀬・愛 農・野村地区の運送を行っている。 これらにより、西予市中心部から離れた地域においても総合病院への通院や 商業店舗への買い物、金融機関での用足し、生涯学習・福祉・温泉施設への移 動が可能となった。 なお、民営路線バス利用者に対しては、75 歳以上の高齢者に対して、「高齢 者路線バス利用助成事業」により、民営路線バス利用者の運賃を市が半額補助 する制度を開始し、料金の不公平感を是正している。 23 2.4 市民の意向 2.4.1アンケート調査の概要 平成 28 年 10 月に西予市内に居住する 20 歳以上の一般市民約 3,000 人、西予 市内に居住する高校生約 900 名に対しアンケートを行い、公共交通に関する市 民の意向を把握した。 表2-15に調査の概要を示す。 表2-15 アンケート調査の概要 区分 対象 調査 期間 調査方法 調査票 配布数 回収数 (回収率) 一般市民 市内に居住する 20 歳以上の男女 平成 28 年 10 月 郵送により調査票 を配布・回収 3,098 1,336 (43.1%) 高校生 市内及び近隣他 市の公立高校に 通う高校生 平成 28 年 10 月 学校の協力を得て 調査票を配布・回収 907 885 (97.5%) 2.4.2公共交通の利用状況(一般市民・高校生) 一般市民の路線バスの利用状況、高校生の通学手段をみると、一般市民で路 線バス等を「利用している」は 10.3%、高校生では「路線バス(宇和島自動車)」 の利用が 13.9%、「廃止代替バス(野村/野村あさぎりバス)」の利用が 1.5% である。 一般市民・高校生ともに、路線バスを利用する人は極めて少ない状況である。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 49.5% 自転車 路線バスの利用状況 利用している 10.3% 44.6% 家族等の送迎 31.9% 徒歩 JR(鉄道) 19.7% 路線バス (宇和島自動車) その他 利用していない 89.7% 13.9% 7.0% 廃止代替バス (野村/野村あさぎりバス) 1.5% バイク・原付 1.4% n=1262 n=868 図2-15 通学手段(複数選択) (高校生) 図2-14 路線バスの利用状況 (一般市民) 24 一般市民について、年齢別に公共交通の利用状況をみると、20 歳代及び 60 歳 以上の高齢者で、「利用している」が比較的多く、特に高齢者をはじめとした 利用者に向けた利便性の確保等が引き続き必要である。 路線バスを利用しない理由としては、「自家用車を運転するから」が特に多 く、次いで「家族が車で送迎してくれるから」が多い。 高校生について、バス通学しない理由としては、「必要に感じないから」が 特に多い。自転車や徒歩による通学が多いことが要因と考えられるが、家族等 の送迎により通学している高校生も多い状況である。 路線バスを利用しない理由として、路線バスの利便性や運賃等に因らない理 由が多いため、路線バスに関する意識啓発や移動需要の創出等による利用促進 を検討する必要がある。 年齢別 路線バスを利用しない理由 路線バスの利用状況 0% 50% 100% 83.3% 自家用車を運転するから 全体 10.3% 89.7% n=1262 20歳代 9.8% 90.2% n=51 30歳代 1.0% 40歳代 5.0% 95.0% n=120 時間がかかり不便だから 6.5% 50歳代 3.4% 96.6% n=203 自宅からバス停・バス停から目的地が遠い から 5.4% n=356 運賃が高いから 5.2% n=290 その他 2.5% n=131 運行時刻が正確でなく待ち時間が長いから 1.8% 92.4% 60歳代 7.6% 83.1% 70歳代 16.9% 80歳以上 n=102 99.0% 73.3% 26.7% 利用している 家族が車で送迎してくれるから 15.3% 便数が少なく利用したい時に利用できない から 14.8% 利用していない 0% バス通学しない理由 その他 3.5% 運賃が高いから 7.8% 近くに使えるバス停が ないから 4.7% 20% n=1,229 40% 60% 図2-17 路線バスを利用しない理由 (一般市民) 図2-16 年齢別・路線バスの利用 状況(一般市民) 時間が合わないから 10.0% 9.6% 交通機関を使って外出することがないから 必要に感じないから 73.9% n=548 図2-18 バス通学しない理由(高校生) 25 80% 2.4.3移動の状況(一般市民) 居住地域別(旧5町)、移動の交通手段別(公共交通による移動と自家用車 による移動)に、移動の目的地(目的:通勤通学・買い物・通院・公共施設の 合計)の割合を図示すると、以下のようになる。 図2-19 公共交通による移動の様子(一般市民) 図2-20 自家用車による移動の様子(一般市民) 公共交通による移動、自家用車による移動いずれにおいても、宇和地域及び 野村地域は地域内移動が多く、三瓶地域にも一定の地域内移動が見られ、拠点 としての機能を持つ。また、市内各地域から宇和地域へ、また、城川地域から 野村地域への移動が多く見られる。 公共交通・自家用車の違いをみると、公共交通による移動ほど、明浜地域か ら宇和島市へ、野村・城川地域から大洲市・宇和島市方面へなど、市外への移 動が多くなる傾向であり、公共交通による市内の移動(拠点間の移動)促進が 課題である。 26 2.4.4公共交通への要望(一般市民・高校生) 路線バスの利用状況に加えて、路線バス利用の可能性(「毎日公共交通を利 用できる」、「週に一度利用できる」、「月に一度利用できる」、「年に数回 利用できる」、「公共交通を使うことは全く考えられない」の5択)を調査し、 その属性ごとの路線バスへの要望を把握した。 路線バスを利用している人(月に一度以上、公共交通を利用できる)からは、 「運賃を安くする」、「運行本数を多くする」といったことが望まれている。 路線バスを利用していないが、将来利用する可能性のある人(月に一度以上、 公共交通を利用できる)からは、「運行本数を多くする」、「乗り降りをしや すくする」といったことが望まれている。 路線バスの利用の有無別 公共交通利用意思別 路線バスに望むこと 0% 路線バスを利用している 月に一度以上、公共交通を利用できる 17.6% 50% 33.8% 年に数回、公共交通を利用してもよい 4.5% 31.8% 100% 25.0% 36.4% 20.6% 150% 32.4% 16.2% 25.0% 36.4% 18.2%13.6% 200% 250% 300% 20.6% 14.7%17.6% 22.7% n =68 31.8% n =22 4.5% 公共交通を使うことは全く考えられない 100.0% 100.0% 路線バスを利用していない 月に一度以上、公共交通を利用できる 15.4% 26.9% 34.6% 11.5% 34.6% 7.7%19.2% 26.9% 11.5% 30.8% 5.4% 年に数回、公共交通を利用してもよい 16.2% 29.7% 35.1% 3.7% 3.7% 公共交通を使うことは全く考えられない 14.8% 22.2% 16.7% 18.5% 停留所を利用しやすい場所に移す 運行時刻を改善する 停留所を快適にする 特にない 13.5% 21.6% 100.0% n =1 n =26 5.4% 24.3% 37.8% 24.3% n =37 7.4% 14.8% 25.9% 38.9% 運賃を安くする 運行本数を多くする 路線や時刻などの情報を入手しやすくする n =54 乗り降りをしやすくする 路線(ルート)を改善する その他 図2-21 路線バスに望むこと(一般市民) 上記の他、一般市民・高校生から公共交通に関する要望を把握(自由記述形 式)すると、以下のような要望が多数あった。 ・使いやすい時間帯の便を増やしてほしい、使いやすい時間帯に変えてほしい。 ・今は自家用車で移動しているが、高齢者になった時に不安。 ・公共交通に対する市の支出を減らしてほしい。しかし、へき地等に路線バスが 無くなると生活できない。 ・路線バス、スクールバス、福祉バスなど、色々なバスが同じ場所を走っており、 非効率ではないか。 27 2.5 関連計画の整理 公共交通網の構築には、幹線バスの利便性を高め、持続可能な公共交通となる よう改善を繰り返していくことが求められる。このため、地域公共交通総合連携 計画の成果や課題を踏まえつつ、本市の多様な交通体系をネットワーク化し、学 生から高齢者までの幅広い年齢層が利用しやすい公共交通網を形成することが必 要である。 計画の策定にあたっては、当市の総合計画などにおける交通関連施策との整合 を図ることが必要となる。公共交通総合連携計画での課題と成果、また、総合計 画、西予市まち・ひと・しごと総合戦略、都市計画マスタープラン、過疎地域自 立促進計画ならびに地域福祉計画、高齢者福祉計画・介護保険事業計画の中での交 通関連施策の内容及びこれら関連計画との連携の方向性は、以下の通りである。 ◇西予市公共交通総合連携計画(2011~2015) いつまでも暮らしていける西予を考える交通システム「おでかけせいよ」の確 立を目標とし、市内の公共交通網のネットワーク構築を図る計画である。 公共交通総合連携計画では、本市の公共交通の問題として、①同じ地区内を異 なる料金体系の路線バスが運行しており、サービス・料金の不公平感が強い、② 同じ道路を異なる系統のバスが走る重複路線があり非効率、③公共交通空白地帯 が点在、④民営路線バス・市営バス・鉄道の連携が弱くネットワーク化できてい ない、⑤高校生の通学・高齢者の移動の機能に問題がある、の5点を掲げている。 これらの課題に対して、公共交通総合連携計画に基づき、路線バスの料金体系 の公平化、路線バスの重複路線の解消、公共交通空白地帯の解消といった取組を 進めてきた。 ◇第2次西予市総合計画(2016~2025) まちづくりの将来像を「変革、それこそ夢と希望を叶える唯一のすべである」 とした第2次総合計画を策定した。 基本構想の第1章3未来に向けて解決すべき市の重要課題の3:まちデザイン の項目では、①人が多く集まるところを中心に、公共施設等を整備しなければ、 市の財政を維持することは不可能である。②人口が減少している周辺部の小さな コミュニティについては、その生活を支えるためICT注 13 を活用して、日常生活 の利便性を維持しつつ、地域交通を可能な限り維持することが重要であるとして いる。 注 13 ICTとは、情報処理や通信に関連する技術、設備、サービスなどの総称。 28 ◇西予市まち・ひと・しごと創生総合戦略(2016~2020) まち・ひと・しごと創生法(平成 26 年施行)にもとづき、少子高齢化の進展に 的確に対応し、本市の特性を活かした独創的で質の高い政策を果敢に実行し、市 民が安心して暮らせるまちづくりの実現のための施策を位置づけている。 「Ⅳ政策パッケージ まちの創生 コンパクトシティ」の中で、今後の人口減 少、財政状況を考慮すると、政策の集中と選択、効率化による財政の集約化が必 要でるとの課題認識のもと、各公共交通との連携と効率的な運行により、交通の 利便性の向上と車のみに頼らず、徒歩や自転車、次世代モビリティとの総合的な 交通マネジメントを行うことを位置づけている。 ◇西予市都市計画マスタープラン(2007~2025) 地域特性や地域住民の意見をもとに、まちづくりの基本的な考え方、方向性を 示すものである。 「3.都市づくりの目標(2)市民生活を支える都市・生活基盤の整備 ア.道 路交通体系の整備」の中で、円滑な交通体系の確保・整備が主要な課題となってい ることと、高齢者等の移動制約者に配慮した公共交通の確保も重要な課題であり、 バス路線等の確保と充実に努めることとしている。 ◇西予市立地適正化計画(策定中) 人口減少・高齢化の中で持続可能な都市経営を諮る為、「コンパクト・プラス ネットワーク」のまちづくりを推進するために、平成 26 年に創生された制度であ る。 本市では、平 28 年から平成 30 年までの 3 カ年をかけて策定予定。 ◇西予市過疎地域自立促進計画(2016~2020) 過疎地域の指定を受けている本市は、5年ごとに実施される国勢調査によると、 この 20 年間で総人口が 9,813 人(18.9%)も減少している。平成 27 年度に策定し た本計画では、自立促進の基本方針を、「住民がいきいきと住み続ける集落づく りを推進する」としている。 交通関係では、①バス廃止路線をはじめとする地域生活交通を確保する、②市 独自の代替バス等の運行をはじめとする新たな地域生活交通システムの構築等の 対策を講じる、③通勤・通学・通院等、市民の生活福祉施策として、交通体系を維 持確保するなど、地域住民の安全・安心の確保と日常生活の利便性の向上に努める こととしている。 29 ◇西予市地域福祉計画(2014~2018) 社会保障制度に基づく公的なサービスだけでは対応できない細かな支援ニーズ に対し、地域としての全体的なつながりを深め、相互に支援しあう仕組みを築き 上げていくことを目的に策定された。 「第6章地域福祉の展開 4 安心して暮らせる地域づくりを支援する項目」 の具体的施策で、公共交通機関の充実をあげており、鉄道やバスの充実、連携に よる公共交通機関の確保に努め、市民ニーズにあった運行体系に努め、市民バス の充実を図ることとしている。 ◇西予市第6期高齢者福祉計画・介護保険事業計画(2015~2018) 当市の持続可能な高齢者福祉施策の総合的な推進と、介護保険の円滑な実施を 図るために策定された。 「第5章 推進する施策 基本目標2 2.高齢者が暮らしやすい生活環境の整備 いつまでも安心して暮らせるまち (1)生活環境の整備 の中で、新た な生活交通システム「おでかけせいよ」の推進をあげ、公共交通機関の利便性の 向上に努めることとしている。 以上より、関連計画と本計画の連携の方向性は、以下のように整理できる。 上位計画や立地適正化計画の中で、まちの集約化(集約型都市構造への転換) と連携しながら公共交通網を形成すること、地域福祉計画等の関連計画の中で、 地域住民の安全・安心の確保と日常生活の利便性の向上のために交通サービスを 充実することが求められている。 図2-22 関連計画と地域公共交通網形成計画の連携の方向性 30 第3章 西予市の公共交通の課題 3.1 社会情勢による課題 (1) 集約型都市構造への転換 少子高齢化、人口減少社会の進行への対応として、分散型から集約型の地域 構造へ転換を図ることが求められており、総合計画等の上位・関連計画にもこ のような方向性が示されている。集約型都市構造への転換と連連した公共交通 網の形成を図り、財政面及び経済面において費用効率の高い地域をつくりあげ ていく必要がある。 (2) 自家用車に依存しないまちづくりの構築 本市においては、高齢者の免許保有率が 64.2%(男性:76.9%、女性:35.7%) となっており、特に高齢者の男性で免許保有率が高い。 全国的に、高齢者による交通事故が多発しているため、自治体や民間事業者 との協力のもと自主返納支援制度を充実させる必要がある。 また、免許返納後の高齢者をはじめとした自家用車を運転できない方が、不 自由なく生活できるよう、社会基盤としての公共交通網を整備し、自家用車に 依存しないまちづくりを実現していくことが急務となっている。 (3) 運転士の確保 全国的な傾向と同じく、本市においても運転士の不足が懸念されている。将 来的に人・車両等の不足から、路線バスの本数削減や路線の廃止が見込まれる ため、事業者においては魅力的な職場としてPRし、運転士の確保に努める必 要がある。 3.2 地域概況等からみる解決すべき課題 (1) 市内東西を横断する公共交通網の充実 路線バスを利用する人は極めて少なく、主に自家用車により、三瓶地域から は八幡浜市方面へ、また、明浜地域からは宇和島市方面へ、野村・城川地域か らはそれぞれ、大洲市・宇和島市方面へと、南北を走る国道を通って買い物等 へ出かける人の流れとなっている。生活サービス機能を市外に求める傾向が強 く、JR卯之町駅周辺の中心市街地の衰退を招いている。 この要因の一つとして、各地域を結ぶ公共交通ネットワークが不十分である ことが考えられる。これに対し、公共交通により西予市東西を横断し、各地域 の拠点を連携する公共交通ネットワークを構築することが必要である。 31 (2) 卯之町駅における鉄道とバスの乗り換え利便性の向上 市内を運行する宇和島自動車の路線バスの結節は、卯之町営業所において主 に松山~宇和島線との調整を行なっており、JR卯之町駅で予讃線との結節を 行う場合においては朝・夕の時間帯に制限されている。 (3) 公共交通不便地域の解消 バス停から半径 500m までをバス停勢圏とした場合、バス停勢圏からはずれた 地域を公共交通空白地域とした場合の、公共交通空白地域の人口数は、図3- 1及び表3-1に示すように約 950 人で、市域全体の 2.4%となっている。 平成 23~27 年度までの公共交通網の再編により解消が進み、残る地域からも 公共交通需要のない場合においては、公共交通サービスの提供は必要ないとの 回答を頂いている。 ただし、地域で需要が発生した場合においては、地域住民協議会において検 討し、公共交通不便者の移動手段を確保し、地域住民の安心を確保することが 必要である。 小松集落 寺山集落 鴫山集落 伊勢井谷集落 双津野集落 図3-1 バス停徒歩圏・デマンドバス運行範囲と公共交通空白地域 表3-1 バス停徒歩圏・デマンドバス運行範囲の人口と公共交通空白地域の人口 バス停徒歩圏・デマンドバス運行範囲 カバー人口(人) カバー圏内 カバー圏外(公共交通空白地域) 32 人口カバー率 約 37,980 97.6% 約 950 2.4% (4) 高校生の通学バスや高齢者の移動手段としての機能強化 高校生の交通手段として、路線バスの利用率は 15%程度と低く、多くは自転 車・徒歩による通学となっているが、家族等の送迎による通学も 44.6%を占め ている。バス通学しない理由としては「必要と感じないから」が多く、路線バ スの使いやすさ等の問題から、家族等の送迎による通学に頼っている状況が考 えられる。 一方、高齢者についても移動手段は自家用車に依存しており、路線バスの利 用率は 60 歳代で 7.6%、70 歳代で 16.9%、80 歳以上で 26.7%である。地域公 共交通総合連携計画策定時に実施した同様のアンケートでは、60 歳代で 14.6%、 70 歳代で 32.3%、80 歳以上で 36.6%の公共交通の利用があった(いずれも西 予市地域公共交通網総合連携計画より)が、減少傾向である。 高校生・高齢者ともに利用率が低く、使いづらい状況があると考えられ、通 学バスや高齢者の移動手段として、機能の強化が必要である。 (5) スクールバスの有効活用 スクールバスは、明浜・野村・城川・三瓶地域において運行を行っているが、 路線バスとスクールバスがほとんど同じ路線を重複して運行している状況であ る。車両の有効活用が望まれている。 スクールバスの運行体系及び路線バスとの重複状況については、第5章、図 5-15、図5-16、図5-17に示す。 (6) 温泉施設巡回バスの効果的・効率的な運用 市内4地域から温泉施設を巡回する温泉施設巡回バスが運行しているが、現 在、利用者は年間 4,000 人程度と多くない。公共交通との接続や温泉施設との 運用面においての連携が乏しいことが要因と考えられる。また、路線バスと温 泉巡回バスの路線重複もみられる。このため、温泉施設巡回バスは、利便性の 向上や車両の有効活用、運行効果を高める取組が必要である。 3.3 地域公共交通網の持続性に対する課題 (1) 公共交通に対する財政の効率化 本市の地域公共交通に対する財政支出は平成 27 年度実績で年間 1 億 3 千 8 百 万円にのぼり、これにスクールバス及び温泉施設巡回バスの費用を加えると 2 億 2 千 4 百万円となる。 地域公共交通の維持においては、自治体が一定の責務を負うことは自明であ るものの、市の財政負担が増加しないよう費用の抑制が求められる。 33 第4章 西予市地域公共交通網形成計画の基本的な方針、区域、目標 4.1 基本的な方針 4.1.1基本理念 前計画である西予市地域公共交通総合連携計画の意思を継ぎ、基本理念を「い つまでも暮らしていける西予を支える交通システム『新 おでかけせいよ』の確 立」とし、自家用車が使えない住民にとっても「おでかけ」が可能となる交通体 系を確立する。 生活交通システム「新 おでかけせいよ」の確立 ~みんなでつくる、誰もが自由に移動できるまち~ 4.1.2地域公共交通が果たすべき役割 「新 おでかけせいよ」が果たすべき具体的な役割として、主なところは以下 の2点である。 ・市内のすべての集落からの日常的な「おでかけ」を確保し、生活保障のた めの運行(週2回2便以上)を行う。 ・複数の高校への通学が可能となる交通体系を確立する。 また、地域住民のみならず、来訪者にとっても利用可能な移動手段を確保 する。 さらに、交通手段を地域・利用者・住民でさせる意識を醸成する。 4.1.3基本方針 生活交通システム「新 おでかけせいよ」の確立を図るため、基本方針を次の ように設定する。 基本方針その1 拠点を結ぶ一体感のある公共交通網の実現 近隣の旧5町が合併して 13 年が経過するが、同じ市内であっても生活圏に違い があるため、路線バスの主な幹線については、それぞれの地域から近隣の市外に 向けた路線となっており、一体感が図られていない。 市民には、このような市の抱え込む事情も理解して頂き、明浜・宇和・野村・ 城川・三瓶の地域間を結ぶ路線の結節を整え、西予市を東西に横断する横に太い 線を形作り、回り道だがJR予讃線で、卯之町駅から県都松山市まで行ける路線 34 体系とし、選択と集中により出かける機会を増やす。 詳しくは、地域公共交通網は市外と市内、そして市内においては、公共施設が 集まる拠点、生活拠点を結ぶ役割を果たすものとする。 基本方針その2 来訪者が利用しやすい公共交通の整備 平成 25 年 9 月に日本ジオパーク協会より四国西予ジオパークの認定を受け、年 間 2,000 人程の来訪者がジオガイドより説明を受け、ジオサイトを訪れている。 ジオサイトまでの移動手段としては自家用車が多いが、市内のバス路線沿いに は多数のジオサイトがあるため、観光客が公共交通でも訪れることのできる環境 を整備し、観光の活性化を図り、収入につなげる。 基本方針その3 公共交通を利用した健康なまちづくり 西予市旧5町のうち三瓶町を除く4つに温泉施設があり、各温泉施設へは巡回 バスが曜日により路線を変え、5路線運行している。 この温泉施設巡回バスについては、路線バスと同じ路線を通る路線も多く、高 齢者の利用も多いため、効率的にバスを運行し、温泉施設とタイアップした健康 増進を兼ねた取組により、双方の相乗効果を生み出す。 基本方針その4 地域が一体となった公共交通の確保・維持 地域公共交通総合連携計画の推進により、地域の交通体系再編時から、市内全 体を 17 ブロックに分けた地域公共交通を協議する体制が設けられている。 地域によっては、公共交通に対する理解度や協力体制に差はあるものの、将来 的には自分も利用者となる可能性があり、“公共交通は、地域においてなくては ならないも”のといった共通理解がある。 このため、行政と交通事業者だけではなく、地域住民が公共交通の維持、整備 に参画しやすい環境を整えていく。 基本方針その5 将来的な公共交通利用者の育成 市内では、小学校の再編に伴い、児童の住む集落から小学校までの送迎のため、 スクールバスが運行されている。しかし、このスクールバスについては、ほとん どが路線バスと同じ路線となっている。スクールバスによって通学できる間は問 題ないが、将来的に、現在の小学生が高校へ進学する頃には、路線バスの運行便 数等に影響が出ることが懸念される。 35 このため、児童・生徒を対象に路線バス利用促進の学習会等を開催し、市は公 共交通に対してこのように考えているとのメッセージを伝え、理解と利用を促進 し、日常的に子ども達が路線バスを使う生活スタイルを形成していく。 基本方針その6 地域公共交通に係る費用の抑制 全国的にも少子高齢化が進み、路線バス利用者の減少から運行事業者の費用が 増大傾向にある。そのような中、路線の再編により市内においても公共交通に係 る費用が年々増加の一途をたどっているが、需要に応じた運行サービスを提供し、 スクールバスの有効活用等も検討し、限られた予算を効率的に配分していく。 基本方針その7 JR卯之町駅前広場を市民が集まる拠点に 本市では、JR卯之町駅前を魅力的な場所とするため、民間の資金、経営能力 及び技術的能力の活用により「新しいまちづくりの拠点整備」として、卯之町「は ちのじ」まちづくり整備事業を進めている。 このため、JR卯之町駅においては、できる限り路線バスとデマンド乗合タク シーとの結節を整え、タクシーも含め利用しやすい公共交通環境の充実に努める。 4.2 地域公共交通網形成計画の区域 西予市地域公共交通網形成計画の区域を、次のように定める。 西予市(明浜町・宇和町・野村町・城川町・三瓶町) 4.3 地域公共交通網形成計画の期間 西予市地域公共交通網形成計画の期間を次のように定める。 平成 29 年度~平成 33 年度(5ヶ年) 36 4.4 地域公共交通網形成計画の目標 西予市地域公共交通網形成計画の目標を、次のように定める。 目標① みんなが「おでかけ」できる公共交通体系をつくる 効率的に公共交通サービスを充実させるため、公共交通の利用率の向上が図 りやすい路線を抽出し、維持・向上を図っていく。 具体的には、複数の高校への通学、主要病院への通院、市外からの来訪等を 目的として、西予市内の公共施設等の都市機能施設が集まる拠点及び市外の主 要な都市の拠点とを結ぶための路線を基幹バスとして位置づけ、サービスの充 実を図る。 さらに、公共交通空白地域の解消を図り、市内のすべての集落からの日常的 な「おでかけ」、すなわち、通院、商業店舗への買い物、金融機関等での用足 し、生涯学習・福祉・温泉施設への移動を確保する。 目標② 市外からの来訪者が利用しやすい公共交通にする 交通結節点においては、ダイヤ調整やバス待ちの環境整備により、市外から のスムースな乗継を図り、来訪者が利用しやすい公共交通を整える。 なお、バス停は四国西予ジオパークと整合性のある統一デザインとする。 目標③ 地域みんなで公共交通を支える 地域及び利用者が「自らの足を守る」という意識を醸成することが必要であ る。そのため、バス運行の計画や実際の運行に参画しやすいよう地域住民協議 会を開催し自主的なダイヤ・ルートを検討し、将来的には、地域住民が主体的 にバス運行を担うような仕組みも生み出していくことを目指す。 なお、運行費用については、利用する地域住民や商店街、病院等もそのバス サービスがあることにより便益を受けている主体と考え、路線を維持するため の一定の負担を求める。ただし、この負担は金銭的な負担だけと捉えるのでは なく、運行への意見表明や協力など、各自ができることをできる範囲で行うこ とを想定する。 その他、事業にかかる収支・補助についての情報開示を行う。また、サポータ ー制を導入し、会費を払うことで公共交通を支える一方、乗車割引や施設優待 利用が受けられる仕組みを構築する。 37 目標④ みんなが公共交通を大事に思い、利用する 公共交通に対する意識の変革と利用促進が必要である。 このため、公共交通の需要が高いと思われる高校生の利用促進のため、教育 機関に協力を依頼し、中学生に対して公共交通で通学可能な進学先、および通 学方法を示す。また、通学者との意見交換の場を設け、改善につなげる。 高齢ドライバーに対しては、公共交通利用の安心・安全さを周知する。 これらにより、日常的に公共交通を利用する者を新たに確保するとともに、 市外への人口流出の防止及び地域の交通安全に対する意識の向上を図る。 目標⑤ 持続的に公共交通を運営する 公共交通の持続的・効率的な運営を目指すため、重複路線の解消や運行効率 の向上などにより運行費用を抑える取組を実施する。 目標⑥ JR卯之町駅から“誰でも・どこへでも行ける”環境をつくる JR卯之町駅周辺の卯之町「はちのじ」まちづくり整備事業の中で位置づけ られている、卯之町駅前の整備事業を推進するともに、乗り換え利便性の向上 や観光案内・バス利用の案内の充実を図るなど公共交通サービス向上に向けた 取組を進める。 4.4.1地域公共交通網の考え方 地域公共交通網の考え方は次のとおりとする。 ● 市内の中心拠点(中心市街地)、地域拠点、生活拠点及び市外拠点を結ぶ バスを基幹バスと定義し、日常生活に最低限必要な便数及び市外から市役所 (支所含む)への来訪に必要な便数を確保する。西予市地域公共交通網の拠 点は次のとおりとする。 □中心拠点:卯之町駅及び市役所本庁舎周辺 □地域拠点:野村支所周辺・三瓶支所周辺 □生活拠点:明浜支所周辺・城川支所周辺 □市外拠点:八幡浜市・大洲市・宇和島市・松山市 ● 基幹バス以外の路線バス等を支線バスと定義し、基幹バスが経由しない集 落については、支線バスをはじめとする生活に必要な各種交通サービスを提 供する。 38 図4-1 西予市地域公共交通網の概念 39 4.4.2目標の達成度を示す評価指標 地域公共交通網形成計画の目標の達成度を示す評価指標について、表4-1 に示す。 なお、目標値は本計画の期間(5年間)である平成 33 年度の目標値であり、 本計画を推進していく中で、必要に応じて見直していくこととする。 表4-1 目標の達成度を示す評価指標 評価指標 平成 27 年度 目標値 西予市の公共交通利用者数の 合計(以下の合計) 251 千人/年 253 千人/年 185 千人/年 187 千人/年 基幹バス みんなが「おでか 目標① け」できる公共交通 体系をつくる その他路線バス 支線 バス デマンド乗合 目標③ 地域みんなで公共 交通を支える 公共交通の集落人口カバー率 ※1) 路線バスの待ち時間短縮の調 整件数 バス停整備件数 地域住民協議会の開催回数 みんなが公共交通 通学者との意見交換、乗り方 目標④ を大事に思い、利用 教室の開催、又は車内アンケ する ートの実施回数 目標⑤ 持続的に公共交通 を運営する 66 千人 /年 9 千人 タクシー 市生活交通バス 市外からの来訪者 目標② が利用しやすい公 共交通にする 37 千人 (廃止代替バス含む) 公共交通に対する市支出額 ※2) JR卯之町駅から “誰でも・どこへで 都市再生整備事業進捗率 目標⑥ も行ける”環境をつ ※3) くる 66 千人 /年 20 千人 97.6% 97.6% 0 路線/年 1 路線/年 1 件/年 1 件/年 10 回/年 10 回/年 0 回/年 1 回/年 138 百万円 /年 100 百万円 以下/年 0% 100% ※1) 公共交通の集落人口カバー率の算出方法 鉄道駅から半径 800m バスから半径 500m圏域内の集落人口の割合 ※2) 公共交通に対する市支出額の算出方法 基幹バスの及び支線バスの運送費用計(温泉バス・スクールバス除く) ※3) 都市再生整備事業進捗率の算出方法 卯之町駅前整備累計支出額/卯之町駅前全体整備費(5 年間) 40 41 第5章 目標を達成するために行う事業「新 と実施主体 おでかけせいよ」 5.1 市内拠点及び市外拠点を結ぶ路線バスの運行 5.1.1基幹バスの運行 本市内の各拠点間及び各拠点と市外拠点を結ぶ1日3便以上運行する基幹的 な路線バスを「基幹バス」として定義し、そのうち国補助路線を広域路線、そ れ以外の路線を地域間路線として運行する。 基幹バスの条件及び路線、路線ごとに求める主たる役割を示す。 ●中心拠点・地域拠点・生活拠点・市外拠点を結ぶ定時定路線の民営路線バス 広域路線(平成 28 年 4 月現在) 路線名 1 2 3 4 宇和島 ~野村線 八幡浜 ~周木線 八幡浜 ~下泊線 田之浜 ~宇和島線 求める主たる役割 野村町から宇和島市へのアクセス、JR予讃線との連絡、 市立宇和島病院への通院輸送、宇和島市の高等学校への通学 輸送 三瓶町周木方面から八幡浜市へのアクセス、JR予讃線との 連絡、市立八幡浜総合病院への通院輸送、八幡浜市の高等学 校への通学輸送 三瓶町下泊方面から八幡浜市へのアクセス、JR予讃線との 連絡、市立八幡浜総合病院への通院輸送、八幡浜市の高等学 校への通学輸送 明浜方面から宇和島市へのアクセス、市立宇和島病院への通 院輸送、宇和島市の高等学校への通学輸送 ●市内の各拠点を結ぶ定時定路線の民営路線バス 地域間路線(平成 28 年4月現在) 路線名 5 6 7 8 求める主たる役割 西予市民病院 野村町から宇和町へのアクセス、 ~野村線 西予市民病院への通院輸送、宇和高等学校への通学輸送 俵津 明浜町から宇和町へのアクセス、JR予讃線との連絡、 ~西予市民病院線 西予市民病院への通院輸送、宇和高等学校への通学輸送 野村 野村町惣川地区及び横林地区から野村町中心部へのアクセ ス、野村病院への通院輸送、野村高等学校への通学輸送 ~上辰ノ口線 三瓶 ~歴史博物館線 三瓶町中心部から宇和町中心部へのアクセス、西予市民病院 への通院輸送、宇和高等学校・特別支援学校への通学輸送、 三瓶高等学校への通学輸送 平成 28 年4月現在、基幹バスは8路線を運行している。 基幹バスの運行体系を図5-1、図5-2、図5-3に示す。 42 43 図5-1 基幹バスの運行体系 44 図5-2 基幹バスの運行体系(明浜・三瓶・宇和) 45 図5-3 基幹バスの運行体系(野村・城川) 5.1.2基幹バスのサービス改善 平成 28 年に実施の「地域公共交通網形成計画の策定に係る調査事業」による と、基幹バスの改善に対して、以下のような要望が多数あった。 (全地域共通) ・ちょうど良い時間の便が少ない。 ・観光地(ジオサイト)を巡回する路線があっても良いのでは。 ・路線や運行時刻に関する情報提供、周知を強化すべき。 ・路線バスによる市内各拠点間の移動が弱い。(利用者が多くない) (明浜地域) ・明浜から宇和方面へ行く際、俵津での乗り換えが不便。宇和高等学校の登校時 刻に合わせた時間調整が必要。(田之浜~宇和島線と俵津~西予市民病院線の 乗り換え調整) (宇和地域) ・生活圏(大洲市・八幡浜市・宇和島市)で総合的に考え、市外便を検討すべき。 (野村地域) ・野村から宇和高校の登校時刻に合わせた時間調整が必要。(西予市民病院~野 村線) ・野村と惣川地区の接続の際、河成での乗り換えが不便。(野村~上辰ノ口線と 生活交通バス河成~大久保線の乗り換え) ・野村~上辰ノ口線の野村発時刻を早めてほしい。(13:33 発便) (城川地域) ・7:35 城川支所前発を高川発にすれば、高校生が通学で利用できる。 ・野村への便を増便してほしい。野村を経由した宇和地域への乗り継ぎを改良し てほしい。(宇和島~野村線) (三瓶地域) ・三瓶~歴史博物館線と鉄道(JR卯之町駅)との接続を向上する。 ・学生が定期券を安く購入できるようにしてほしい。 これらを踏まえ、需要を精査し、サービス改善の方向性を検討するものとする。 46 5.1.3目標達成のための事業 目標達成のための事業(地域公共交通再編事業に関する事項を含む)を以 下に示す。 基本方針1 事業名 ①市内外ネットワーク構築事業 拠点を結ぶ、一体感のある 公共交通網の実現 目 標1 みんなが「おでかけ」できる 公共交通体系をつくる 実施地域 事業の 背景 事業 内容 市内全域 交通事業者による路線バスの輸送量が年々減少している中、本市の 公共交通の活性化のためには、市外拠点と市内拠点を結ぶ鉄道・広域 バスの運行内容の充実が必要であり、幹線の維持確保が求められてい る。 また、市内における公共交通ネットワークが不十分であるため、三 瓶地域からは八幡浜市方面へ、また、明浜地域からは宇和島市方面へ、 野村・城川地域からはそれぞれ、大洲市・宇和島市方面へと主に自家 用車の利用により、南北を走る国道を通って買い物等へ出かける人の 流れとなっており、生活サービス機能を市外に求める傾向が強い。 このため、西予市東西を横断し、市内外の拠点を連携する公共交通 ネットワークが必要である。 集落から各拠点までの輸送と基幹バスへの乗り継ぎ、さらには基幹 バスから目的地までの輸送を充実させる。 具体的には、市内外の県立高校へ通学する高校生が、公共交通を利 用して通学できる交通体系を確立できるよう、需要に沿った運行を実 施する。 また、JR卯之町駅での結節調整や各地区宇和島自動車営業所での 乗継時間を短縮し、市内における移動をスムースにする。 ●宇和島・宇和方面の利用を考慮した宇和高等学校及び西予市民病 院への通学・通院にあった俵津~西予市民病院線の時刻変更を行 う。(明浜地域) ●宇和地域から野村地域への乗継改善と宇和高等学校の登校時刻 に合わせて、西予市民病院~野村線と野村~上辰ノ口線の集約と 時刻変更を行う。(野村地域) ●宇和島~野村線の野村における宇和方面との乗継改善を行う。 (野村地域・城川地域) ●八幡浜~周木線・八幡浜~下泊線と三瓶~歴史博物館線の時刻変 更を行う。(三瓶地域) 実施主体 市・交通事業者 実施時期 平成 29 年度から随時 47 5.1.4基幹バスの評価 基幹バス路線の評価手順について、図5-4に示す。 毎日の乗降記録等から、評価指標(187 千人/年)の確認を行うとともに、地 域住民協議会を開催し、サービス改善等の要望を把握する。 評価指標を達成していない場合や協議会からの要望がある場合、対策を検討 し、サービス見直しが必要となる場合は路線ごと運行基準(3人/便)を確認 した上で、住民要望を踏まえたサービス改善または廃止も含めて検討を行う。 利用促進が必要となる場合は、地域住民協議会と連携した利用促進策について 検討する。 基幹バスの運行計画の作成 運 行 評価指標の確認 基幹バス利用人数 187千人/年 未達成 達成 要望無し(又は住 民要望を踏まえたサ ービス改善は不可) 地域住民協議会 意向確認 要望あり (検討可能) 対策の検討 (サービス見直しの場合) (利用促進の場合) 路線ごと 運行基準の確認 3人/便 達成 未達成 住民要望を踏まえた サービス改善の検討 廃止も含めた 検討 図5-4 基幹バス路線評価手順 48 利用の促進 について検討 5.2 市内すべての集落からの移動サービスの提供 5.2.1支線バスの運行 各拠点(中心拠点、地域拠点、生活拠点)から市内の各地域・集落を結び、 市内を移動するための交通手段となる路線バス等を「支線バス」として定義す る。 支線バスは、その役割に応じて、以下に分類する。 (1) その他の路線バス 基幹バス以外で、市内・外各地域を結ぶためのバス路線を指す。 その他の路線バスの条件及び路線、路線ごとに求める主たる役割を示す。 ●西予市内の各拠点と各地域・集落等を結ぶ定時定路線の民営路線バス (平成 28 年 4 月現在該当する路線) 路線名 求める主たる役割 1 野村~白髭線 渓筋地区から野村中心部へのアクセス、野村病院への通院輸送、 野村中学校・野村高等学校への通学輸送 2 野村~オズメッセ線 野村町から大洲市へのアクセス、JR予讃線との連絡 3 野村~城川支所前線 野村病院への通院輸送、野村高等学校への通学輸送 4 西予市民病院 ~城川支所前線 城川町から野村町を経由して西予市民病院へのアクセス 5 三瓶~上和泉線 和泉地区から三瓶中心部へのアクセス、三瓶小学校への通学 6 三瓶~谷~上和泉線 三瓶町から和泉地区へのアクセス、三瓶小学校への通学 7 卯之町 ~西予市民病院線 卯之町地区から西予市民病院までのアクセス 8 大洲~宇和島線 宇和島市から宇和町経由の大洲市までのアクセス 9 宇和島~卯之町線 卯之町から宇和島市までのアクセス ●西予市内の各拠点と各地域・集落等を結ぶ定時定路線の廃止代替バス (平成 28 年 4 月現在該当する路線) 路線名 求める主たる役割 10 中筋線 中筋地区から野村中心部へのアクセス、野村病院への通院輸送 11 三石橋線 貝吹地区から野村中心部へのアクセス、野村病院への通院輸送 12 野村・榎・三石橋線 中筋地区から野村中心部へのアクセス、貝吹地区から野村中心 部へのアクセス 13 阿下線 阿下地区から野村中心部へのアクセス、野村病院への通院輸送 平成 28 年 4 月現在、その他の路線バスは 13 路線を運行している。 その他の路線バスの運行体系を図5-5、図5-6、図5-7に示す。 49 50 図5-5 その他の路線バスの運行体系 51 図5-6 その他の路線バスの運行体系(明浜・三瓶・宇和) 52 図5-7 その他の路線バスの運行体系(野村・城川) (2) デマンド乗合タクシー 市内の公共交通空白地域等を対象に、移動困難者の移動を補助するためのデ マンド乗合タクシーを指す。 平成 28 年4月現在、デマンド乗合タクシーは、宇和地域で1区域、野村地域 で1区域、城川地域で3区域の計5区域で運行している。 デマンド乗合タクシーの運行体系を図5-8、図5-9、図5-10に示す。 (3) 西予市生活交通バス 市が運行する生活交通バス(道路運送法第 79 条に基づく市町村有償運送)を 指す。 生活交通バスは、平成 28 年4月現在、明浜・三瓶地域で1路線、宇和地域で 7路線、野村地域で 14 路線、城川地域で7路線の計 29 路線が運行している。 生活交通バスの運行体系を図5-11、図5-12、図5-13、図5-1 4に示す。 53 54 図5-8 デマンド乗合タクシーの運行体系 55 図5-9 デマンド乗合タクシーの運行体 系(宇和地区) 図5-10 デマンド乗合タクシーの運行体系 (惣川・遊子川・土居・高川地区) 56 図5-11 生活交通バスの運行体系(明浜・三瓶) 57 図5-12 生活交通バスの運行体系(宇和) 58 図5-13 生活交通バスの運行体系(野村) 59 図5-14 生活交通バスの運行体系(城川) 5.2.2支線バスのサービス改善 平成 28 年に実施の「地域公共交通網形成計画の策定に係る調査事業」による と、支線バスの改善に対して、以下のような要望が多数あった。 (全地域共通) ・ちょうど良い時間の便が少ない。 ・デマンド乗合タクシーの利用方法が分かりにくい。 ・デマンド乗合タクシーの予約受付時間を長くしてほしい。 ・スクールバスを有効に使えるようになると良い。(スクールバスと路線が重複 している) (明浜地域) ・田之浜~下泊線の待ち時間が長い。 (宇和地域) ・デマンド乗合タクシーの帰り方面の時間帯を早めてほしい。 (野村地域) ・惣川地区から野村中心部まで、直通になると良い。(生活交通バス河成~大久 保線) ・惣川地区から野村方面へ行く際、河成での乗り換えが不便。(生活交通バス河 成~大久保線と基幹バス野村~上辰ノ口線の乗り換え) ・富野川地区に廃止代替バスを運行できないか。 (城川地域) ・各デマンド乗合タクシーで野村まで行けるようにしてほしい。 ・デマンド乗合タクシーの目的地にジオサイト、温泉施設を追加してはどうか。 (三瓶地域) ・小、中スクールバスと宇和島自動車が同じ路線を運行している。 これらを踏まえ、需要を精査し、サービス改善の方向性を検討するものとする。 60 5.2.3目標達成のための事業 目標達成のための事業(地域公共交通再編事業に関する事項を含む)を以 下に示す。 事業名 ②路線バス運行効率化事業 実施地域 基本方針6 地域公共交通に係る費用の抑制 目 持続的に公共交通を運営する 標5 市内全域 少子高齢化、自家用車の普及等により路線バス利用者が年々減少傾向 にあるなか、本市の地域公共交通に対する財政支出は平成 27 年度実績 事業の で年間 1 億 3 千 8 百万円にのぼる。今後、市の財政負担が増加しないよ 背景 う費用の抑制が求められる。 路線バスのOD調査結果から、運行形態の見直しの必要な路線があ る。 事業 内容 平均乗車密度が低い路線を中心に、土・日・祝日・学休日の利用状況 から便数の影響を考慮して減便を実施する。 ●廃止代替バスの運行内容の見直し(野村地域) 実施主体 市・交通事業者 実施時期 平成 29 年度から随時 基本方針1 事業名 ③宇和地区デマンドダイヤ 拠点を結ぶ、一体感のある 公共交通網の実現 目 充実事業 標1 みんなが「おでかけ」できる 公共交通体系をつくる 実施地域 宇和地域 宇和地区デマンド乗合タクシーの利用者から、病院又は宇和地区中心 事業の 部からの帰り便の時刻設定が遅い為、現在より早めた時間設定としてほ 背景 しいとの要望が多いため。 事業 内容 デマンド乗合タクシーの運行時刻を滞在時間に合わせ、帰り便を現在 より速めた運行に変更する。また、CATVを活用した周知も図る。 実施主体 市・交通事業者 実施時期 平成 29 年度 61 事業名 実施地域 ④温泉施設おでかけ事業 基本方針1 拠点を結ぶ、一体感のある 公共交通網の実現 目 みんなが「おでかけ」できる 公共交通体系をつくる 標1 城川地域 事業の 背景 城川地域には温泉施設としてクアテルメ宝泉坊があるが、現在、デマ ンド乗合タクシーの目的地となっているのは、高川地区デマンド乗合タ クシーのみである。 このため他の地区においても利用できる環境を整える必要がある。 事業 内容 デマンド乗合タクシー及び生活交通バスの目的地にクアテルメ宝泉 坊を追加し、遊子川地区・土居地区・魚成地区でも利用できるように改 善し、利用促進を図る。また、CATVを活用した周知も図る。 実施主体 市・交通事業者 実施時期 平成 29 年度 事業名 実施地域 ⑤スクールバス有効活用事業 基本方針1 拠点を結ぶ、一体感のある 公共交通網の実現 目 みんなが「おでかけ」できる 公共交通体系をつくる 標1 市内全域 事業の 背景 市内小学校の再編により、スクールバスの運行が開始されたが、路線 バス(廃止代替バス含む)とスクールバスの運行路線が重複したものと なっており、効率化を図る必要があるため。 事業 内容 今後、教育委員会・学校・保護者等の関係者と協議し、スクールバス と路線バスの調整や有効活用を検討する。 実施主体 市・交通事業者・教育委員会 実施時期 平成 29 年度から検討・調整 事業名 ⑥健康増進おでかけ事業 実施地域 基本方針3 公共交通を利用した 健康なまちづくり 目 みんなが「おでかけ」できる 公共交通体系をつくる 標1 市内全域 生活交通バスの時刻設定は、集落から地域の中心部に出かける内容で 事業の 作成されているため、中心部から帰りの便(回送便の意味合いの便)に 背景 は利用者が少ない。 このため、便の有効利用を考える必要がある。 事業 内容 利用者が長時間滞在できる施設を通過する路線については、生活交通 バスの回送便を利用したノルディック愛好者によるジオサイトの散策 等、地域資源を楽しむ活動を呼び込み、充実した往復便の活用を行う。 実施主体 市・地域団体 実施時期 平成 30 年度 事業の⑤「スクールバス有効活用事業」に関して、スクールバスの運行体系 と路線バスとの路線重複状況について、次頁より示す。 62 63 図5-15 スクールバスの運行体系 64 図5-16 スクールバスの運行体系と路線バスとの路線重複状況(明浜・三瓶) 65 図5-17 スクールバスの運行体系と路線バスとの路線重複状況(野村・城川) 5.2.4支線バスの評価 支線バス路線の評価手順について、図5-18に示す。 毎日の乗降記録等から、評価指標(66 千人/年)の確認を行うとともに、地 域住民協議会を開催し、サービス改善等の要望を把握する。 評価指標を達成していない場合や協議会からの要望がある場合、対策を検討 し、サービス見直しが必要となる場合は路線ごと運行基準(路線ごとに定める) 及び公共交通集落人口カバー率への影響を確認した上で、住民要望を踏まえた サービス改善または廃止も含めて検討を行う。利用促進や運行体制の見直しが 必要となる場合は、地域住民協議会と連携した対策について検討する。 支線バスの運行計画の作成 運 行 評価指標の確認 支線バス利用人数 66千人/年 未達成 達成 要望無し(又は住 民要望を踏まえたサ ービス改善は不可) 地域住民協議会 意向確認 要望あり (検討可能) 対策の検討 (利用促進 の場合) (サービス見直しの場合) 路線ごと 運行基準の確認 (運行体制 の場合) 未達成 0.5人/便 達成 公共交通集落 人口カバー率の確認 影響 あり カバー率 97.6% 影響 なし 住民要望を踏 まえたサービス 改善の検討 廃止も含 めた検討 利用の促進 について 検討 図5-18 支線バス路線評価手順 66 地域住民による バスの運行 について検討 5.3 交通結節点の整備 5.3.1交通結節点の整備の考え方 (1) JR卯之町駅前の整備 現在進められている、卯之町「はちのじ」まちづくり整備事業の中で位置づ けられている、JR卯之町駅前の整備事業を推進する。 図5-19 (2) 現在のJR卯之町駅周辺の様子 ジオパークと連携した交通体系づくり 「ジオツーリズム」による観光誘客を図るため、基幹バス・路線バスとジオ パークとの連携を図り、ジオサイトと整合したバス停の整備・充実を図る。ま た、バス停や案内表示等の整備にあたっては、ジオパークのデザインと整合し たデザインに努めることとする。 主要なジオサイトと整合するバス路線・バス停については、次頁の図5-2 0に示す。 (3) 交通結節点の魅力向上 公共交通の利用を拡大するためには、移動の利便性向上だけではなく、バス 停等関連施設の整備・充実を図るとともに、交通結節点や沿線地域の魅力向上 等により、移動需要そのものを創出していくことが必要である。 その結果、地域住民が地域に愛着を感じるとともに、地域外の人々にとって は訪れてみたいまちとして、地域全体の魅力向上につなげていくことが期待で きる。 67 68 図5-20 主要なジオサイトと整合するバス路線・バス停 5.3.2目標達成のための事業 目標達成のための事業を以下に示す。 事業名 ⑦駅前おでかけ案内事業 基本方針7 JR卯之町駅前広場を市民の集まる場所に 目 JR卯之町駅から“誰でも・どこへでも 行ける”環境をつくる 標6 実施地域 宇和地域 宇和島自動車路線バスは、卯之町営業所において松山~宇和島線と 市内路線バスの結節を行っており、JR卯之町駅での予讃線との結節 事業の は少ない。 背景 このため、卯之町「はちのじ」まちづくり整備事業と合わせて、駅 舎前における路線バスとの結節環境を整える必要がある。 公共交通に関する問い合わせ、案内、観光ガイドを一貫して行う「お でかけ総合案内センター」を設置する。 また、鉄道による観光誘客を図るため、西予地域の玄関口として卯 事業 之町駅の機能強化を図る。そのため、卯之町駅における鉄道とバスの 内容 乗り継ぎが分かりやすくなるための案内板を整備し、市内主要観光地 への経路や周遊パターンを示し、鉄道の利用促進を図るとともに、観 光客の来訪を促す。 実施主体 市・事業者 実施時期 駅前開発に合わせる 事業名 ⑧交通結節点整備事業 基本方針2 来訪者が利用しやすい公共交通の整備 目 市外からの来訪者が利用しやすい公共交通 にする 標2 実施地域 市内全域 交通結節点や沿線地域の魅力向上等により、移動需要そのものを創 事業の 出していくことが必要である。また、今後「ジオツーリズム」による 観光客の増加を図るため、路線バスにおけるアクセスの環境を整える 背景 必要がある。 JR予讃線、基幹バス、支線バス、スクールバス、デマンド乗合タ 事業 クシー等を相互に乗り継ぐ拠点となる結節点を整備する。 内容 また、快適なバス待ち、乗継が可能となるバス停待合所を結節点に 整備し、案内板を設置する。 実施主体 市・交通事業者 実施時期 平成 29 年度から随時 5.3.5交通結節点整備の評価 表5-1に示す交通結節点整備の評価指標に基づき評価を行い、必要に応じ て施策を見直すこととする。 表5-1 交通結節点整備の評価指標 評価指標 目標値 卯之町駅都市再生整備事業進捗率 100%(H33 年時点) バス停整備件数 1 件/年 69 5.4 「新 おでかけせいよ」の利用促進 5.4.1利用促進の考え方 市民の通院、買い物の移動手段は、65~70%以上が自家用自動車に頼っている 状況である。このため、「新 おでかけせいよ」の発展には、公共交通利用者 の維持のみならず、新たな利用者の確保が必要となる。 そこで、効果的に公共交通に関する情報提供・PRを行うために、対象者ご とに適した内容・方法により、公共交通の必要性や利便性向上策について情報提 供・PR・周知し、公共交通の利用促進を図る。 5.4.2目標達成のための事業 目標達成のための事業を以下に示す。 基本方針2 事業名 ⑨市民・来訪者への公共交通 目 ホームページ充実事業 来訪者が利用しやすい公共交通 の整備 標4 みんなが公共交通を大事に思い、 利用する 実施地域 市内全域 公共交通の利用状況や必要性と効果、利用方法(主要施設・地点へ 事業の 背景 の経路、料金、滞在可能時間)等について、市ホームページを通じて 具体的に示すことで、公共交通への意識変革を促し、利用につなげる 必要があるため。 事業 内容 市民・来訪者に対し広く行う利用促進策として、以下の事業を実施 する。 ●西予市地域公共交通活性化協議会の取組内容の市ホームページ への掲載 ●市内の公共交通マップの作成と掲載 ●市内の各種組織や会合等における公共交通の必然性を考えて頂 く機会の創出 実施主体 市 実施時期 平成 29 年度から随時 事業名 実施地域 事業の 背景 事業 内容 ⑩公共交通利用者への利用促進 基本方針5 目 事業 標4 将来的な公共交通利用者の育成 みんなが公共交通を大事に思い、 利用する 市内全域 公共交通を現在既に利用している利用者を対象として、適切なニー ズを把握し、継続した利用を促す対策を行う必要があるため。 公共交通の具体的改善内容や目的地(主要施設)までの経路、料金、 滞在可能時間を市ホームページへ具体的に示すことで、公共交通への 理解を促す。 70 また、公共交通の利用を促すため、バスに対する地域の愛着の醸成 を図る。一例として、ラッピングバス、バスマスクの導入を実施する。 実施主体 市 実施時期 平成 29 年度から随時 事業名 ⑪潜在的公共交通利用者への バス乗り方教室・通学促進事業 実施地域 基本方針5 目 将来的な公共交通利用者の育成 標4 みんなが公共交通を大事に思い、 利用する 市内全域 事業の 背景 潜在的公共交通利用者(現在は公共交通を利用していないが、将来 的に利用する可能性が高い市民)として、小学生・中学生、高校生、 高齢者等が考えられ、利用を促すための理解向上策が必要であるため。 事業 内容 現在、市内の小学生・中学生は、地域によってはスクールバスで通 学しているが、高校に進学する時期には、路線バス等の利用を通して 公共交通の重要性を認識することとなる。その準備として、若年層へ の公共交通の啓発活動を実施し、若い時期から公共交通に関する理解 の向上・利用促進策を実施する。 また、全国的に高齢者が運転する自動車事故の増加が社会問題とな っていることを踏まえると、今後、免許返納者が増加することが予想 される。そのため、高齢者向けの理解向上策を実施する。 ●児童・高齢者に対して、学校敷地や高齢者施設等に路線バスを乗 り入れて、バス乗り方教室を実施する。 ●中学生、高校生に対しては、公共交通アドバイザーから「公共交 通を利用した通学について」説明を行い、意見交換を行う。 実施については、対象者毎に隔年で実施する。 実施主体 市・事業者・学校・地域組織(老人会等) 実施時期 平成 30 年度から随時 5.4.3「新 おでかけせいよ」利用促進の評価 表5-2に示す「新 おでかけせいよ」利用促進の評価指標に基づき評価を 行い、必要に応じて施策を見直すこととする。 表5-2 「新 おでかけせいよ」利用促進の評価指標 評価指標 目標値 地域住民協議会の開催回数 10 回/年 通学者との意見交換、乗り方教室の開 催、又は車内アンケートの実施回数 1 回/年 路線バス待ち時間短縮の調整 1 路線/年 71 5.5 「新 おでかけせいよ」実施体制の整備と実施手順 5.5.1「新 おでかけせいよ」の実施体制整備 平成 29 年度から平成 33 年度の 5 カ年の計画期間において、「新 おでかけ せいよ」を運営する体制を図5-21に示す。 西予市 地域公共交通活性化協議会 西予市 地域公共交通活性化協議会 幹事会 地域住民協議会 地域住民協議会 図5-21 「新 「新 おでかけせいよ」 に関する事業統括 事務局 関係機関の協議・調整 地域の意向・ 内容調整 地域住民協議会 おでかけせいよ」の実施体制 5.5.2目標達成のための事業 目標達成のための事業を以下に示す。 事業名 ⑫「新 おでかけせいよ」推進 体制整備事業 実施地域 基本方針4 地域が一体となった公共交通 の確保・維持 目 標3 地域みんなで公共交通を支える 市内全域 事業の 背景 市民が自らの問題として地域協議会に参画し、路線・時刻・運賃等 についての意見を出し、地域の実状にあった持続可能な交通手段を将 来にわたって地域で維持確保していくことが必要であるため。 事業 内容 平成 23 年度からの再編で組織した地域住民協議会(区長、地域づく り団体、民生児童委員、老人会、交通安全、PTA役員等)を活用し て各再編案についての地域協議を行う。 市内の各種組織や会合等における公共交通の必然性を考えて頂く機 会を創出してもらう。 実施主体 市・交通事業者・地域組織 実施時期 平成 29 年度から随時 5.5.3「新 おでかけせいよ」実施の評価 表5-3に示す「新 おでかけせいよ」実施の評価指標に基づき評価を行い、 必要に応じて実施体制及び施策全体を見直すこととする。 表5-3 「新 おでかけせいよ」実施の評価指標 評価指標 目標値 公共交通に対する市支出額 100 百万円以下/年 72 5.5.4「新 おでかけせいよ」実施スケジュール 実施事業 H29 年度 H30 年度 市内拠点及び市外拠点 H31 年度 H32 年度 H33 年度 摘 要 路線集約 市内全域の鉄道・路線バス乗継改善 ①市内外ネットワーク構築事業 事業実施主体 市・交通事業者 を結ぶ路線バスの運行 時刻変更 効率運行 ②路線バス運行効率化事業 4 月 9 月協議 効率運行 4 月 9 月協議 効率運行 4 月 9 月協議 効率運行 4 月 9 月協議 効率 減便 市・交通事業者 見直し 4 月 9 月協議 ③宇和地区デマンドダイヤ充実事業 時刻変更 市・交通事業者 時刻変更 ④温泉施設おでかけ事業 城川地域 市・交通事業者 目的地追加 市内すべての集落から の移動サービスの提供 市・交通事業者・ ⑤スクールバス有効活用事業 有効活用 有効活用検討 教育委員会 市内全域 ⑥健康増進おでかけ事業 市・地域団体 回送便活用 ガイド ⑦駅前おでかけ案内事業 駅前開発に合わせる 市・事業者 案内板 交通結節点の整備 バス停待合 市内全域 ⑧交通結節点整備事業 市・交通事業者 所設置 ⑨市民・来訪者への公共交通ホーム マップ ページ充実事業 「新 おでかけせい ⑩公共交通利用者への利用促進事業 随時 更新 市 市内全域 市 掲載 市・交通事業者・ 教室開催 学校・地域組織 出張事業 市・交通事業者・ 地域協議会 地域組織 の開催 掲載 よ」の利用促進 ⑪潜在的公共交通利用者へのバス乗 り方教室・通学促進事業 「新 おでかけせい よ」実施体制の整備 教室 児童・高齢者 ⑫「新 おでかけせいよ」推進体制整 事業 中・高校生 市内全域 備事業 73 教室 児童・高齢者 事業 中・高校生
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