ラオス人民民主共和国への歯科用CT寄贈プロジェクト

ラオス人民主共和国への歯科用CT寄贈プロジェクト
新井嘉則理事
ラオス人民主共和国は急激な経済発展のなかにあり、モータバイクの急増にともにない
交通事故による顎顔面頭部外傷が急増しています。このような状況にあって、2008年
モリタ製作所(京都、森田隆一郎社長)から日本大学歯学部の技術援助を受けて歯科用 X
線デジタルパノラマ装置がラオスサイエンス大学歯学部に寄贈されました。現在まで8年
間以上にわたり稼働することができ、一般的な歯科の診断のみならず交通外傷による顎骨
骨折の診断治療に力を発揮してきました。その間に、日本大学総長特別研究が実施され歯
科医師やスタッフの教育が行われ、ラオスと日本大学を結んだ遠隔診断も実施されるよう
になり、診断情報が有効に活用されてきました(写真 1-1,1-2)
。しかし、このラオス唯一の
パノラマ装置は耐容年数を超えるようになり、装置の更新の問題を抱えるようにもなりま
した(写真 2-1,2-2)。
そこでこれらの実績を踏まえて、このほど最新の歯科用 CT(Veraview 3Df モリタ製作
所
京都)が、その発明者の日本大学歯学部特任教授;新井嘉則からラオスサイエンス大
学歯学部へ寄贈されることになりました。すでに、詳細な打ち合わせがラオスサイエンス
大学歯学部との間で行われ、2017 年3月中旬に現地に設置が予定されています(写真 3)。ま
た、ソフト面では日本大学歯学部が撮影や読像方法の技術指導を実施することが決定して
います。これらによって、ラオス初の歯科用 CT の稼働が開始され 3 次元的な画像診断が可
能となり、診断精度が飛躍的に向上することでラオス国民のみなさんに大きな福音をもた
らすことが期待されています。
GIAHN では、これらの実施のあたり、今回ラオスへ寄贈が予定されている歯科用 CT は
日本仕様(写真 4)となっていることから、学校法人格では難しい“現地仕様にバージョン
アップに必要な周辺器機備品の購入”などの資金面の支援と“運営支援の人材の交流”を
サポートすることで、このプロジェクトが確実に実施されていくように支援をしていきた
いと考えています。ここに皆様のご理解とご賛同をいただけると幸いです。
写真 1;ヘルスサイエンス大学内の遠隔画像診断システム(ViewSend ICT 社製)
写真 2-1,2-2;長年にわたりラオス稼働した歯科用デジタルパノラマ装置とスタッフの皆
さん(2016 1 12)
写真 3;歯科用 CT 設置会議後の記念写真(2016 年 12 月)
写真4;ラオスに向けて歯科 CT の分解・輸送
(日本仕様からのラオス仕様へ変更予定)