資料2 POSデータの分析状況と 新指標への活用可能性について 平成29年2月21日 総務省統計局 POSデータの分析状況について(まとめ) 現在、総務省で入手済※のPOSデータについて分析を進めており、その一端を紹介。 ○POSデータの商品分類について(P.2参照) ・各社の分類体系と家計調査の収支項目分類との対応付けが課題。 ※今回分析に用いたPOSデータは ・スーパー、コンビニ、ドラッグストア等:6社 ・家電量販店、PC専門店等:2社 ○加盟店舗の範囲(カバレッジ)について(P.3参照) ・加盟店舗の範囲は日々変化しており、販売額の推移にはこの影響が含まれる。 ○各社POSデータ、家計調査結果の比較(食料品・家電)(P.4~6、9参照) ・油脂・調味料などについては、各社POSデータの動きは近く、家計調査の推移とも比較的近い。 ・穀類などについては、各社POSデータの推移に違いが見られ、家計調査の推移ともかい離している。 ○店舗の業態別の販売額比較(P.7参照) ・同一の品目においても、店舗の業態別に販売額の推移に違いが見られる。 ○購入者の属性(性別)による販売額比較(P.8参照) ・購入者の男女別に販売額を見ると、女性の割合が圧倒的に高く、販売額の傾向は男女で大きく差が見られる。 ⇒POSデータの商品・店舗のカバレッジ、購入者の範囲・分布は限定的で偏りが存在。単純に集計 しても、消費動向を包括的に捉えることは困難。 ⇒更に多角的な視点で具体的な実証分析・データ検証を進め、新指標の補完・補強データとしての 活用を検討する。 1 POSデータの商品分類について ・POSデータの商品分類については、JANコード統合商品情報データベース(JICFS)の分類に準 拠しているところもあるが、独自の分類体系を採用している社もある。 ・各社のデータの統一的な分析、家計調査との対応付けをどのように行うかが課題。 <JICFSと家計調査の対応> <各社POSデータの分類と家計調査の対応> JICFS(小分類) 1107 冷凍食品 細分類 冷凍水産素材、冷凍畜産素材、冷凍 農産素材、冷凍調理、冷凍ピザ・グ ラタン類、冷凍麺、冷凍米飯加工品、 氷、その他冷凍食品 複数の分類にまたがる 家計調査(小分類) 1.1.3 麺類 1.2.1 生鮮魚介 1.3.1 生鮮肉 1.5.1 生鮮野菜 1.9.1 主食的調理食品 1.9.2 他の調理食品 ・・・ 家計調査(品目分類) 231 粉ミルク 232 ヨーグルト 233 バター 234 チーズ 中分類 1.4乳卵類 ・・・ その他の品目 乳卵類 油脂・ 調味料 各社POSの分類(例) 菓子類 デザート・ ヨーグルト 2 POSデータの加盟店舗の範囲(カバレッジ)について ・各社POSデータの加盟店舗の範囲(カバレッジ)は常に変化している(基本的には増加傾向にあ る。)。 ・販売額の推移はそのままでは、加盟店舗の範囲の変化の影響も含んでいる。加盟店舗の範囲の 変化の影響を取り除く方法について、研究・検討が必要。 図 各社POSデータにおける食料の販売額推移 (店舗数調整なし) 図 各社POSデータにおける食料の販売額推移 (店舗数調整済※) (2014年=100) (2014年=100) 160 160 140 140 120 120 100 100 80 80 A-1社 A-2社 A-3社 A-4社 60 40 A-1社(店舗数調整済) A-2社(店舗数調整済) A-3社(店舗数調整済) A-4社(店舗数調整済) 60 40 20 20 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 2012 2013 7 10 1 4 2014 7 10 1 2015 1 4 7 10 2016 4 7 10 1 4 7 10 1 4 2012 ※ 2013 7 10 1 4 2014 7 10 1 2015 4 7 10 2016 1店舗当たり販売額 3 各社POSデータの食料品の内訳構成比について 食料における各費目の構成比を家計調査と比較 ・B-1社の構成比を見ると、生鮮食品の大半が含まれていないため、家計調査の構成比と大きく異なる。 ・B-2社は生鮮食品を含むが、それでも家計調査とは一定の差異が存在する。 (購買商品・サービスのカバレッジ、消費者の範囲・分布は限定的で偏りが存在しているものと思われる。) B-1社 家計調査 B-2社 1.11 酒類 (%) 100 1.10 飲料 90 90 90 1.9 調理食品 80 80 80 1.8 菓子類 70 70 70 1.7 油脂・調味料 60 60 60 1.6 果物 50 50 50 1.5 野菜・海藻 40 40 40 1.4 乳卵類 30 30 30 1.3 肉類 20 20 20 10 10 10 0 0 1.2 魚介類 1.1 穀類 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 2014 2015 (%) 100 (%) 100 0 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 2016 2014 (ポイント) 30 2015 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 2016 「B-1社」-「家計調査」 2014 (ポイント) 10 2015 2016 「B-2社」-「家計調査」 8 20 6 4 10 2 0 0 -2 -10 -4 -6 -20 -8 -30 -10 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 2014 2015 2016 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 2014 2015 2016 4 各社POSデータの販売額比較(食料品-油脂・調味料) ・油脂・調味料の販売額の推移をみると、各社POSデータは概ね同じような推移を示している。ま た、家計調査結果とのかい離も比較的小さい。 図 各社POSデータにおける「油脂・調味料」の販売額推移 (2014年=100) 150 140 130 120 110 100 90 80 70 家計調査 C-1社 C-2社 C-4社 C-5社 C-6社 C-3社 60 1 3 5 7 2014 9 11 1 3 5 7 2015 ※家計調査は二人以上の世帯の結果、世帯数の変化を考慮している。 9 11 1 3 5 7 9 11 2016 5 各社POSデータの販売額比較(食料品-穀類) ・穀類の販売額の推移をみると、各社POSデータの動きには違いが見られる。また、家計調査結果 とのかい離も比較的大きい。 図 各社POSデータにおける「穀類」の販売額推移 (2014年=100) 150 140 130 120 110 100 90 80 70 家計調査 C-1社 C-2社 C-4社 C-5社 C-6社 C-3社 60 1 3 5 7 2014 9 11 1 3 5 7 2015 ※家計調査は二人以上の世帯の結果、世帯数の変化を考慮している。 9 11 1 3 5 7 9 11 2016 6 店舗の業態別の販売額比較 ・酒類について業態別の販売額の推移をみると、ドラッグストアとスーパーマーケットでは、異 なる推移を示している。 図 D社POSデータにおける業態別 酒類の販売額推移 図 D社POSデータにおける業態別 酒類の販売額推移(12ヶ月後方移動平均) (2014年=100) (2014.12=100) 160 110 108 140 106 104 120 102 100 100 98 80 96 家計調査 D社計 D社(ドラッグストア) D社(スーパーマーケット) 60 3 5 7 2014 9 11 1 3 5 7 2015 9 11 1 3 5 7 2016 9 D社計 94 D社(ドラッグストア) 92 40 1 家計調査 11 D社(スーパーマーケット) 90 1 3 5 7 9 11 1 2014 3 5 7 2015 9 11 1 3 5 7 9 11 2016 ※家計調査は二人以上の世帯の結果、世帯数の変化を考慮している。 7 購入者の属性(性別)による販売額比較 ・E社における食料の販売額の推移を購入者の男女別に見ると、男女により傾向が異なっている ことが分かる(男性の方が増加傾向にある)。 ・しかし、男性の割合は女性の割合に比べて非常に少なく、性別不詳のデータも多い。 図 E社POSデータにおける購入者の男女別 食料の販売額推移 図 (2014年=100) (%) 140 100 130 120 女性 90 男性 80 不詳 70 E社POSデータにおける食料の販売金額 購入者の性別構成比の推移 不詳 男性 女性 60 110 50 40 100 30 20 90 10 0 80 1 3 5 7 2014 9 11 1 3 5 7 2015 9 11 1 3 5 7 2016 9 11 1 3 5 7 2014 9 11 1 3 5 7 2015 9 11 1 3 5 7 9 11 2016 8 POSデータの分析状況について(家電等) 家電等のPOSデータについては、代表的な2社のデータについて、比較分析を行った。 ・販売額の推移は、短期的視点ではかなり近い動きを示している。 (市場に対するカバー率が高いこと。また両社に共通する店舗が相当数存在すると思われる。) ・一方で長期的視点でみると、両者の動きがかい離する場面が見られる。 (加盟店舗拡大の影響やカバレッジの違いなどが影響している可能性。) ・POSデータにはインバウンドによる消費や、一部の企業消費が含まれており、個人消費の動向の 的確な把握のためには、これらの影響について更に研究・検討が必要。 図 各社POSデータによる「テレビ」の販売金額の推移(月・指数) (2012年=100) 200 180 F-1社 160 F-2社 140 120 100 80 60 40 20 0 1 3 5 7 2012 9 11 1 3 5 7 2013 9 11 1 3 5 7 2014 9 11 1 3 5 7 2015 9 11 1 3 5 7 2016 9 11 9
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