衆議院 - 参議院

..... Secretariat of the House of Councillors .....
議事課
議案課
委員部
原則として、すべて
の 法 案はい ずれか
の委員会に付 託される。
議案課において、付託の
手続を進める。
委員部の担当の仕事は、
委員会の開会に向けて、主任は各会
法案が委員会に付託され
派の理事をまわりながら、委員会運営
る前から動く。政府側、衆議院
に関する会派間の合意形成を図る。委員長
側からの情報収集は主にサー
はもちろん、理事・委員と一対一で接し、意
ドが行う。ときには、
さながら新
見を調整していくのは主任の役割だ。
聞記者のように国会を動き回る (注)理事:国会内の役職の一つ。各委員会
こともある。収集した情報はす
ごとに委員数の5分の1の数だけ理事がお
ぐさま課内に報告し、
チーム全
り、会派勢力に応じて各会派に割り当てら
体で共有する。さらに、質疑時
れている。委員会の運営は、理事の協議に
間、賛否の態度等法案審査の
基づいて行われる例となっており、
この協
過去例を調査し、来るべき委員
議の場を理事会(非公式的に開かれる場合
会の開会に向けた準備を行う。
には理事懇談会、通称「理事懇」
と呼ぶ。
)
と
いう。
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与野党が対立する法案では、理事会等
の場が紛糾し、休憩をはさみ長時間に
わたってやり取りが行われる場合も少なくな
い。その際、委員部として気を付けなければ
ならないのは、委員会における意思形成過程
が適正な審議手続に則したものなのかとい
うことである。そのため、成文化された議事
関係法規のみならず、過去の慣行の積み重
ねである先例を正確に理解した上で、理事会
等をサポートしていく。協議がまとまり、次回
の委員会の内容等が決定されたら、関係各
所へ連絡する。さっそく、調査室の丹下さん
にも連絡をしよう。
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質疑者から質疑通告を受け、答
弁する大臣や政府参考人を確
保するために政府側と調整する。委
員会前日は、通告や答弁者の確定が
遅くなり、業務が深夜に及ぶことも。
長時間開かれる委員会では、政府側
の出席者だけで何十人という数にな
る。それを確実に把握できていなけ
ればサードは務まらない。
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委員会の議事進行に
合 わ せ て、あらかじ
め委員長の発言草案(通
称「覚書」
と呼ぶ。)
を作成
する。これはサブの重要な
仕事だ。委員会開会後に
急きょ変更が生じることも
めずらしくない。予想外の
進行に対応できるように、
覚書は何パターンも準備
して委員会に臨む。
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委員会開会中、委員部の担
当は委員長の傍らに座り、
委員長をサポートする。答弁をめ
ぐって委員会が中断したり、動議
が提出され会議の流れが変わる
こともある。しかし、
どのような事
態が生じても的確な判断をして
委員長の委員会運営を支えなく
てはならない。委員会中は終始、
気が抜けない。特に採決の局面
は、委員会における法案審査のク
ライマックスであり、賛否態度の
確認は委員部職員にとって最も
緊張する瞬間である。
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国会 豆 知識・5
法案を衆議院に送
付する手続を進め
る。
(衆議院から送付・提
出された法案の場合は、
参議院本会議の可決に
より成立する。その法律
は、内閣を経由して公布
を奏 上 することになる
が、
これも議案課の担当
である。)
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本会議審議
趣旨説明
質疑
討論
採決
大 臣 が法 案 の 趣 旨を
委員会で説明する
大臣からの趣旨説明を
受けて、委員が問題等を
大臣等に問いただす
会派を代表する委員が
法案について、
賛否を明
らかにして意見を述べる
挙手又は起立の方法に
より採決する
法案が委員会へ付託されると、国
会の論戦はいよいよ本格化して
いく。議員や秘書からも問い合わせの
電話がひっきりなしにかかってくる。あ
る日の午後、質疑予定の議員からの依
頼を受けた。法案の概要を説明すると
ともに、必要な資料を取りそろえてお
いてくれないか、との依頼であった。期
限は翌日の午前10時。議員との時間
の約束は絶対だ。時間が迫る中で、少
しでも充実した資料となるよう頭をフ
ル回転していく。
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投票結果を関係諸機
関、
マスコミ等に通知
し、ホームページに掲載す
る。これ で、一 つ の 法 案に
ついて参議院の法案審議
が終わった。やり遂げた満
足感を感じつつも、一息つ
く暇もなく先例を整理し、来
るべき次の法 案に向けて
準備を進めなくてはならな
い。緊張と達成感を交互に
味わいながら努力の日々を
送る。
約束の時間が来た。あらかじめ用意し
ておいた資料を再度チェックし、議員
会館へ赴く。調査室業務の中で最も緊張
する瞬間である。
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議員本人への説明。議員は次回の委
員会で質疑を行うことになっている。
付け焼き刃の知識では対応できない。常日
頃からの準備や分析力、そして人と人との
やり取りである以上、何より人間的魅力が
問われる場だ。真剣勝負の一コマである。
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次 回 の 委 員会 の 動
きが決定された。委
員部の山岡さんから翌日
の委員会の運営に関する
情報の連絡を受ける。情
報は調査室内の全員で共
有する。
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委員会へ出席し、議論の
10 内容をフォローする。
委員
会での審査内容は、会議録にま
とめられる。会議録は、インター
ネット等を通じて国民に公開さ
れると同時に、未来永劫歴史に
残される。自分が手がけた参考
資料やレファレンスでの情報が
使われて質疑が行われたとき
は、まさに調査員冥利に尽きる
場面だ。
記名投票の際の登壇の向きは衆参で逆 本会議における採決の一つに、議員が登壇の上、白票(賛成票)又は青票(反対票)
を投じる記名投票があります。この際、参議院
法案に修正が加えられ
11 る場合は、
議員からの
調査依頼に対応する。ときに
は、修正案にどのような内容
を盛り込むべきか、助言を求
められることもある。依頼に
的確に応えるには、修正案
を提出する会派の政策への
スタンスや国会情勢につい
てしっかりと把握することが
不可欠である。修正案の運
営上における取扱いについ
ては委員部が担当し、実際
の案文作成については参議
院法制局が担当する。関係
部署と綿密に連携していく
ことが欠かせない。
附帯
決議
委員会として
必要と認めた
場合のみ行う
附帯決議が行われる場
12 合は、
委員間の協議に
基づき案文の作成を補佐す
る。上司と相談しながら案文
を練っていく。附帯決議は、
行政府等に対して、国会の
意思を表明する重要な手段
である。法的な拘束力はな
いが、行政府側も決議に配
慮して法律を執行すること
になる。政治的な意味は大き
い。そのため、案文作成のた
めの議論は、おのずと白熱
する。
上程
委員長報告
討論
採決
委 員 会 審 査 の 内 容と
採 決 結 果を全 議 員に
報告する
会派の代表者が法案に
ついて、賛否を明らかに
して意見を述べる
(必要
に応じて行われる)
押しボタンによる投 票
(記名採決になる場合も
ある)
委員会中に書き留めて
13 いた質疑答弁のメモを
取りまとめ、参議院のイント
ラに掲載し委員会の情報提
供を行う。イントラは、議員
や秘書にも見られるようにな
っている。情報はスピードが
命だ。掲載は即日行う。
委員会での審査の結果
を記載した審査報告書
に添付する要領書(委員会
の議決の理由、法案の施行
に伴う費用等を記載)を作成
し、委員長が本会議で行う
口 頭 報 告 の 原 案を作 成 す
る。また、本会議場で配付す
る議案要旨を作成する。
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本会議を傍聴し、委員
15 長報告が無事に行われ
るかを確認する。本会議に
おける委員長のフォローも
調査室の仕事だ。
可決・成立
今までの経 緯をふま
え、法 案 の 論 点につ
いて先輩と議論する。互い
の 意 見をぶ つけあうこと
で、問題意識を深め、自分
の視点に磨きをかける。さ
すが歴戦の調査員の洞察
力は深い。私も、負けない
よう頑張らなくては!
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議 長 の 覚 書(発 言 草
案)
を作成する。
本会議の円滑な運営
を確保するため、議長
の補佐をする。法案を所管
する大臣、法案を審査した
委員会の委員長の出席を確
保する。参議院では押しボ
タン式投票を採用している
ので、その装置を操作する
ことも議事課の重要な仕事
である。
衆議院
委員会審査
付託
議案課
委員部や政 府 側から
情報を収集し、各法案
がどのタイミングで採決さ
れるのかを想定しておく。
閉会中には、国政調査や
16 法案等の審査に資するた
め、調査員のみで視察を行う。
国会開会中はどうしても机上で
の調査に終始してしまいがちに
なる。実際に現地に足を運び、
現場の実情について肌で感じ
る経験が、調査員としての幅を
広げてくれるのである。
(写真は
視察先(高台から普天間飛行場
を望む)。)
では議長に向かって右側から、衆議院では左側から登壇しますが、
これは、
日の昇る方角から上り、
日の沈む方角へ下りる、
ということではないかと言われています。
(興味のある方は地図を御覧ください。
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