「AI」と「ロボット」が創る未来

「AI」と「ロボット」が創る未来
Future to create a ”AI" and "Robot"
玉川大学
岡田浩之
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「ロボット」と「AI」
感じる・動く
考える
(センサ・駆動系)
(知能系)
認識
画像認識
• 音声認識
• 画像認識
音声
• 周囲環境認識
• 自己位置同定
• 多軸/多関節制御
Where,What
• 安全制御
理解
画像理解
• 言語理解
• 画像理解
音声
• 学習機能
• 通信/制御
How
• アクチュエータ
• 材料/構造
• 電源
ロボット政策研究会におけるロボット技術の定義を改稿
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「ロボット」と「AI」
 「ロボット」は出来ることを示す学問
 作って動かすことが重要
 「5回に1回成功すれば論文が書けちゃう」
 現実には使えない・・・
 「AI」は出来ないことを示す学問
 学習の限界が大きなテーマ
 「無限回の試行により確率1で達成できる」
 追いかければ遠ざかる蜃氣楼のようなもの
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「ロボット」と「AI」
 広義には
 「ロボット」と「AI」は同じ
 特に「ロボット」側から見たら
 機械学習と呼ばれる手法
 クラウドデータの活用
 もちろん,DeepLearningによる制御
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「ロボット」と「AI」
 狭義には
 「ロボット」は身体を持つ
 外界への物理的働きかけ
 サッカーロボット,災害救助ロボット
 「AI」
 大量のデータによる記号に閉じた世界
 Google,AlphaGo…
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「ロボット」と「AI」
 狭義には
 「ロボット」は身体を持つ
 外界への物理的働きかけ
 サッカーロボット,災害救助ロボット
 「AI」
 大量のデータによる記号に閉じた世界
 Google,AlphaGo…

メルロ=ポンティの批判にどう応えるか?
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
チェスや将棋と「AI」
 モーリス・メルロ=ポンティ
 チェスには身体から来る感性や知性が必要
 身体性(感性や知性)の無いコンピュータは決
して人間に勝てない
 DeepBlueやAlphaGoの勝利
 人間には無い別の知性を感じた(カスパロフ)
 独特な大局観を持っている(李セドル)
 身体性は必要ないのか???
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
身体を持った知能としてのロボット
 ロボットとAIの新しい標準問題
 動的で予測困難な環境の認識
 実時間動作のための知覚・運動系
の抽象化
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
チェス,将棋とロボカップの比較
浅田,北野2000より引用
チェス・
将棋
項目
•
•
•
•
•
環境
状態変化
情報
センサデータ
制御
•
•
•
•
•
静的
順番交代
完全
記号的
中央集権
ロボカップ
• 動的
• 実時間
• 不完全・不確
実
• 非記号的
• 分散的
難しい
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「AI」と身体性
 物理的な身体があることで,環境との相
互作用が可能になる
 知的インターフェースとしての身体の必然
 物理的フィードバックを持つネット検索
 ロボット=人工知能+身体性
 ロボットを「身体を持った知能」と考える
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「AI」と身体性
 物理的な身体があることで,環境との相
互作用が可能になる
 知的インターフェースとしての身体の必然
 物理的フィードバックを持つネット検索
 ロボット=人工知能+身体性
 ロボットを「身体を持った知能」と考える
「AI」と「ロボット」が創る未来
Future to create a ”AI" and "Robot"
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
乳幼児のことばとコミュニケーション
を科学する
玉川大学
赤ちゃんラボ
キッズラボ
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
玉川大学赤ちゃんラボ
2003年設立(今年で13周年)
1500人以上の赤ちゃんの協
力により、
発達に関する幅広い研究
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
乳幼児のことばとコミュニケーション
を科学する
発達する知能
◆育児 ◆教育 ◆ロボティクス
言語発達,母子間相互作用,
自己/他者理解を主な研究
テーマとし,科学的根拠に立
てる教育・教材開発を目指し
ます.
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
発達する知能
 幼児の発達の研究は,人間の高度な情報
処理過程を理解する上で科学的に重要な
知見や示唆を提供し,意思決定や発話理
解などの知的活動に関わる工学的な研究
へブレークスルーを実現する
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
発達する知能
 幼児の発達の研究は,人間の高度な情報
処理過程を理解する上で科学的に重要な
知見や示唆を提供し,意思決定や発話理
解などの知的活動に関わる工学的な研究
へブレークスルーを実現する
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
知能の学習から発達へ
 従来の人工知能は「学習」
 DeepLearning,AlphaGo
AI、機械学習、ディープラーニングの関係(出典:NVIDIAの公式ブログ)
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
知能の学習から発達へ
 従来の人工知能は「学習」
 知能の量的な変化
Google公式ブログから
YouTubeからの1,000万枚の
イメージを学習
Natureから
過去の棋譜データから3,000万の
対局を学習
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
知能の学習から発達へ
 従来の人工知能は「学習」
 知能の量的な変化
 DeepLearning,AlphaGo
 これからの人工知能は「発達」
 知能の質的な変化
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
発達の質的変化
語彙爆発
U字型の発達曲線
18歳で6万語
平均10語/日
注意 記憶
知覚 言語
運動
一日に10語!
10~20語/月
初語
12ヶ月
月齢
内的な認知機構の質的変化が生じる
月齢
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
量的な学習から質的な学習へ
大量の学習データ,膨大な学習回数
「AI」と「ロボット」が創る未来
量的な学習
質的な学習
時間
時間
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
ことばの獲得
 身体性が重要
 言語の概念の多くは身体と関係があり,
身体がないと獲得できない
 上,下,前,後ろ
「りんご」
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
ヘレン・ケラー問題
 「言葉というものがあるのを、はじめて
悟った日の晩。ベットの中で、私は嬉し
くて嬉しくて、この時はじめて、“早く
明日になればいい”と思いました」
 突如としてヘレンは言葉と物を結びつけ、
すべての物に名前があることに気づいた
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
ヘレン・ケラー問題
 「言葉というものがあるのを、はじめて
悟った日の晩。ベットの中で、私は嬉し
くて嬉しくて、この時はじめて、“早く
明日になればいい”と思いました」
 突如としてヘレンは言葉と物を結びつけ、
すべての物に名前があることに気づいた
内的な認知機構の
質的変化が生じた
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
詳しくは・・・
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「AI」と「ロボット」が創る未来
 身体を持った知能
 「学習」から「発達」へ
 Cognitive Computing(Microsoft)
 「経験的知識に基づく認知の」
 システムが自ら学習し,考える
 認知発達ロボティクス(浅田稔)
 構成論的手法による知識の理解と創成
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
World Robot Summit
[狙い]
[スケジュール]
 ロボットの研究開発を加速させる機会と
する.
 世界が注目する高度なロボット技術を内
外から終結させ、限界に挑戦する機会と
する.
第一回大会
2020
2018
2016
2015
 実際に現場での課題を解決することで
人々の理解を深め、ロボットの活用に関
する積極的な議論を誘発し、具体的な利
活用方法が生み出される機会とする.
プレ大会
具体的な開催形式・競技種目の決定
実行委員会、及び実行委員会
諮問会議の発足
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
ロボットによる新たな産業革命の実現
日刊工業新聞より
目
標
 ロボット国内生産市場開拓
 製造業の労働生産性向上
 ~2014年12月
アクションプラン
 ロボット革命実現会議
 2015年~2019年
 5カ年計画の実施
 2020年
 World Robot Summit
 日本全体をショーケース化し,世界発信
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
競技分野
社会的課題
競技分野
生産年齢人口
の減少
人手不足や
社会保障費の増大
災害対策の強化や
社会資本の老朽
化への対応
ものづくり分野
サービス分野
Ex)製造業 農林水産業、
食品産業
Ex)サービス、介護・医
療分野
災害分野
Ex)インフラ、災害対応、
建設
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
World Robot Summit
サービスロボット分野
例えば,
家庭(生活支援作業,簡単な家事)
• 頼まれたメモを持ってくる,配膳,
部屋の片付け,掃除など
コンビニ(店舗業務のロボット化)
• 商品棚への品出し,商品入れ替え,
廃棄品探し
• 接客,店員と客の行動認識
ニュースイッチ(日刊工業新聞)9/23より引用
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「片付けタスク」
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「片付けタスク」
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
一般物体認識を超えて
 Where, WhatからHowへ
 「これは何?,どうすればいいの?」を自
ら獲得する
Book
(520,10)
News paper
(215,10)
Paper stock
umbrella
(480,120)
bottle
(500,200)
Alumi-can
(280,100)
Alumi -stock
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
World Robot Summit
サービスロボット分野
 人間と協働してサービスするロボット
 人間だけでも満点を取れない
 ロボットだけでも満点を取れない
 人とロボットの適切な協働
 人間と協働して問題解決するロボット・AI
「AI」と「ロボット」が創る未来
Future to create a ”AI" and "Robot"
NEDO ロボット・AIフォーラム 2016
「AI」と「ロボット」が創る未来
Future to create a ”AI" and "Robot"
 ロボット=人工知能+身体性
 ロボットを「身体を持った知能」と考える
 身体を持った知能
 「学習」から「発達」へ
 人間と協働して問題解決するロボット・AI