平成19年 6月藤沢市議会定例会

ふるさと納税制度の活用に係る検討状況について(報告)
ふるさと納税制度をめぐる環境は,税制改正などにより,ここ数年で大きく変化してお
り,本市としても,寄附金控除の増大による市税収入の減少については,何らかの対応を
図っていく必要があります。
このことから,本市としては,制度本来の趣旨に沿いながら,市内産品のPRや観光誘
客,シティプロモーションなどの要素を考慮した,藤沢らしいふるさと納税制度の実現に
向け,関係部門の横断的な連携により検討することとしました。
今回は,その検討状況について報告し,実施に向けた準備を進めるものです。
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ふるさと納税制度について
ふるさと納税は,自分の選んだ自治体に寄附を行った場合に,寄附金額のうち
2,000円を越える部分について,一定の上限はあるものの所得税と住民税から原則
として全額が控除される制度です。
この制度によって全国の自治体に様々な影響が出ていますが,本市における市税収入
の減少額を平成27年度の寄附受入額と寄附控除額(平成28年度課税)の差し引きか
ら推計しますと約2億8千万円となり,大きな影響が出ています。
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ワーキンググループによる検討
関係課によるワーキンググループを設置し,次のとおり検討を行いました。
(1) 検討内容
制度設計に向けたアイデア及び実現可能性の検討等
(2) 関係課
企画政策課、産業労働課、観光課、農業水産課、財政課
(3) 検討期間等
6月~10月 検討会を4回開催
3
検討状況について
ワーキンググループで検討を行った項目及び結果については以下のとおりです。
(1) 基本コンセプト
ア
返礼品競争とは一線を画す。
-1-
イ
シティプロモーションの観点を重視する(「藤沢らしい」
「オンリーワン」)。
ウ
返礼品についてはシティプロモーションに資するものを前面に押し出すと
ともに,その場合は特徴的・印象的なものとなるよう努める。
(2) 返礼品の基本的な考え方
返礼品は,基本コンセプトを踏まえ,
「世話になった・昔住んでいた・訪れたこと
がある・懐かしい・応援したい」といった従来のふるさと納税の考え方を含みなが
ら,
「藤沢」の知名度を高め,一過性ではなく,永続的に選ばれる藤沢市を目指すた
めに,次のようなものとする。
ア
藤沢市に来たくなる,住みたくなるような観光や収穫体験などの権利・体験型
の返礼品
イ
藤沢市を感じるような特産品型の返礼品
(3) 対象者層
ア
主な寄附者として想定する対象者の年齢層は30~40代とするが,将来的な
動向も踏まえ,多くの層から寄附していただける制度設計に努める。
イ
地方の方よりも都市部,特に関東近郊の方を対象者層とする。
(4) ふるさと納税制度の諸課題への対応
ア
藤沢市民からの寄附に対する返礼品は,食品等を中心にして地産地消を図ると
ともに,郷土愛の醸成につながる体験ができるよう検討を進める。
イ
多くの自治体が返礼品を設けたふるさと納税を受け付けている中で,差別化を
図る。
ウ
その他,寄附金の使途や返礼品の選定理由について,アピールできるような仕
組みを検討する。
(5) 運用体制
ア
インターネット上で寄附の申込・返礼品の選択・寄附金の決済までの一連の手
続きができる仕組みを構築する。
イ
年間数千件の規模となることが想定されるため,当面はシステムの構築から寄
附金の収納管理,返礼品の発注及び配送,問い合わせ対応及び返礼品の企画・調
達までを一括して委託する方式により実施する。
ウ
委託事業者の選定方法は,藤沢らしいふるさと納税制度の活用のために価格だ
けでなく本市の考えに合った事業者を選定する必要があることから,公募型プロ
ポーザル方式とする。
(6) 寄附金の使途の明確化
ア
既存の基金に積み立てることで,使途の明確化を図る。
イ
既存基金分野外については,一般寄附金として当該年度の事業に充当する。
ウ
教育・人づくり,子ども・子育てに係る分野などへの使途について明確化でき
るよう今後検討する。
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(7) 返礼品の具体案
ア
委託事業者及び本市の相互提案により,藤沢らしい返礼品が導入できるよう実
現可能性などを含めて検討する。
イ
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導入する際に判明した課題については,委託事業者と協議する中で解決を図る。
歳入歳出予算の見込み
近隣他市の平成27年度の受入状況を踏まえると,本市の受入件数は約2,500件
と見込まれ,平均寄附額を1件あたり1万円とすると,歳入総額はおよそ2,500万
円と想定されます。
また,返礼品の代金を含めた歳出額は,委託料の設定を寄附金額の50%とした場合
は約1,250万円となります。
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今後の予定
12月
補正予算にて債務負担行為を設定
1月~3月 委託事業者選定のプロポーザル
3月
契約締結
3月~4月 委託事業者による返礼品の募集等
6月
総務常任委員会にて進捗状況について報告
7月~8月 インターネット上での寄附受入開始
以
-3-
上