卒業論文 2016 年度(平成 28 年度) 海外地域における 特撮キャラクター作品の受容についての考察 論文要旨 2016 年現在、日本製の特撮キャラクター作品に影響を受けたとされる海外作品の展開が 相次いでいる。これまでに『ガルーダの戦士ビマ』 (2013) 『パシフィック・リム』(2013) 『GODZILLA ゴジラ』 (2014)などが公開されたほか、2017 年 3 月には新作劇場用映画 『パワーレンジャー』 (2017)の全米公開が控えるなど、これまで日本の特撮キャラクター 作品が海外の人々に与えてきた影響が急速に表面化しつつある。2.5 次元的な性質を持った 特撮キャラクター作品は『ゴジラ』 (1954)に代表される怪獣映画というかたちで、アニメ よりも遥かに早い段階から海外輸出が実行され戦後間もない時期の外貨獲得の目玉として 活躍した一方で、その当時から輸出先の国々の政治情勢や宗教観、民族事情などの影響を 直に受け、現地で大小さまざまな改変を加えられることが珍しくなかった。特に今日では 新作のアニメ映画が国際展開を見越して流血表現を避ける、またアニメ以外でもムスリム 人口の世界的増加を受け、食品会社がマヨネーズ容器に描いた「キューピー」のデザイン を羽のないものに変更してハラール認証に対応するなど、新規の商品開発では事前に国際 展開を見越した上の配慮がこれまで以上に求められつつある。 本論文では、アニメなどに代表されるポップカルチャー経由の異文化交流の元祖とでも 言うべき特撮キャラクター作品を題材とし、これまで海外地域へと輸出された日本製特撮 キャラクター作品が具体的にどのような成果を生じ、またその当時の文化的・社会的背景 事情がどのようなものであったかを広範に渡って調査・分析すると同時に、今後の日本製 特撮キャラクター作品はどのような形をとれば海外展開に際して有利になっていくのか、 また 2016 年の現在までに製作された諸作品の中に、掘り起こして海外展開した場合大きな 結果を出すと期待できるものは存在するのか、などを示している。 デジタルコンテンツ学部 デジタルハリウッド大学 デジタルコミュニケーション学科 氏名:福嶋康平 指導教員:高橋光輝
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