東根市公共施設等総合管理計画(案)

東根市公共施設等総合管理計画(案)
平成
年
東根市
月
目
第1章
次
本計画の位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅰ
計画の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅱ
計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅲ
計画の位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅳ
計画の対象施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
第2章
Ⅰ
現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
公共施設等の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(1)建築物系施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(2)都市基盤系施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
Ⅱ
人口の推移と今後の見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
Ⅲ
財政の見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
Ⅳ
維持更新費用の見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
(1)試算条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
(2)更新費用の推計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
第3章
維持管理・更新に対する基本的な方針と各施設の取り組み・・・・・・・・12
Ⅰ
基本的な方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
Ⅱ
建築物系施設の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
(1)施設共通の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
(2)主要な施設の特記事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
Ⅲ
都市基盤系施設の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
(1)施設共通の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
(2)各施設の特記事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
第4章
計画の実施体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
第5章
計画のフォローアップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
用語の解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
第1章
Ⅰ
本計画の位置付け
計画の目的
市が保有する全ての公共施設等(※1)において、少子高齢化、生活の多様化等の社会
環境の変化や市民ニーズの多様化に対応するとともに、施設の長寿命化(※2)等限られ
た財源を効果的に活用した施設管理を行うことで、将来世代に大きな負担を強いることな
く、持続可能な市民サービスの提供と安全安心なまちづくりを目指すことを目的とします。
Ⅱ
計画の期間
施設保有量の適正化と長寿命化は、時代の変化に対応して継続的に見直しを行いながら、
長期的な視点で進めなければならない取り組みであるため、計画期間は 2017 年度(平成 29
年度)から 2026 年度(平成 38 年度)までの 10 年間とします。なお、必要に応じて適宜見
直すこととします。
Ⅲ
計画の位置付け
本計画は、2013 年 11 月に策定された国の「インフラ長寿命化基本計画」において地方公
共団体に策定が要請されている「インフラ長寿命化計画(行動計画)
」に相当するものであ
り、2014 年4月に総務省から示された「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針」
に基づき策定しています。
また、本計画は今後の本市の公共施設等の管理に関する基本的な方針を示すものである
ことから、「第4次東根市総合計画後期基本計画」に即して策定するとともに、「第6次東
根市行財政改革推進プラン」等の関連計画との整合性を図っています。
今後は、本計画に基づき、学校、道路、橋梁等の施設類型ごとに、必要に応じて「個別
施設計画」を策定し、具体的な取り組みを推進していきます。
<計画の位置付けイメージ図>
第4次東根市総合計画
後期基本計画
インフラ長寿命化基本計画
(国)
インフラ長寿命化計画(行
動計画)(国)
各省庁が策定
個別施設計
画(道路)
個別施設計
画(学校)
連動
東根市公共施設等
総合管理計画
整合
個別施設計
画(道路)
2
個別施設計
画(学校)
【関連計画】
第6次東根市行財
政改革推進プラン
など
個別施設計
画(橋梁)
Ⅳ
計画の対象施設
本計画で取り扱う対象施設は、建築物系施設をはじめ、道路、河川、上下水道等の都市
基盤系施設など、市が保有する全ての公共施設等を計画の対象とします。
各施設の保有状況は次のとおりです。
1.建築物系施設(2016 年度末見込み)
施設区分
建築物系施設
対象施設
市保有建築物
施設規模(㎡)
庁舎
9,811.97
消防施設
4,096.60
公民館
6,520.48
市営住宅
12,774.15
福祉施設
9,232.21
児童福祉施設等
6,552.65
小学校
51,459.70
中学校
34,051.48
体育施設
9,587.99
社会教育施設
7,881.20
集会施設
316.89
観光施設
3,291.21
労働関連施設
1,421.00
市学校給食センター
2,448.51
その他
3
967.03
2.都市基盤系施設(2016 年度末見込み)
施設区分
都市基盤
対象施設
道路・橋梁
施設規模
375,521.80
m
橋梁(道路)
1,873.15
m
橋梁(林道)
432.60
m
農道
46,838.80
m
林道
71,076.50
m
小計
487,894.13
m
公園
1,299.79
㎡
導水管
821.00
m
送水管
13,726.00
m
配水管
303,331.00
m
水源施設系
6,241.55
㎡
浄水施設系
5,608.00
㎡
配水施設系
28,043.63
㎡
導水管
105.00
m
送水管
6,888.00
m
配水管
4,675.00
m
水源施設系
2,172.80
㎡
配水施設系
3,068.00
㎡
汚水
228,863.00
m
雨水
22,100.0
m
系施設
上水道
市道
単位
管路
浄水施設等
工業用水道
管路
浄水施設等
下水道
管渠等
(注)公園、浄水施設等については建築物のみの面積です。
4
第2
2章
Ⅰ
現
現状と課題
公共施設等
等の現状
(1)建築物系
系施設
の施設は、11970 年代前
前半から建設 が増え、現在
在までさまざ
ざまな施設整
整備を行って
てきま
市の
した。
。総延床面積
積は 160,109.42 ㎡を保
保有し、築年
年数別の延床面積の割合は
は、築 30 年以上
年
の施設
設は全体の約
約 41%、20 年~30 年未
未満の施設が
が約 22%、20
0 年未満の施
施設が約 37%
%とな
ってい
います。
人口一人当たりの公共施設
設延床面積(
(行政財産分)は、
築
築年数の割合
り、近隣の同
同規模自治体
体と比較し、若干
約 3.23 ㎡であり
い状況となっ
っています。
少ない
旧耐
耐震基準であ
ある 1981 年以前に整備
年
備された施設のほ
20年未満
37%
とんどを占める学
学校教育施設
設は、新しい
い基準に基づき全
30年
年以上
41%
施設が耐震化
化工事を完了
了しています
す。
ての施
しか
かし、学校教
教育施設をは
はじめ、建設
設から 30 年を経
220~30
年
年未満
22%
過して
ている施設に
については、設備の老朽
朽化が進んでいる
ことか
から、大規模
模改修工事な
などが必要な
な状況です。
(単位:㎡)
年度別目的別
年
別整備面積(
(建築物系施
施設)
12,000
新
新耐震基準(19
982 年以降)
旧耐震基
基準(1981 年以前
前)
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
その
の他
観光
庁舎
庁
中学校
小学校
市営
営住宅
社会教
教育関連
児童
童福祉施設
建築物系施設
設については、まなびあテ ラスや学童保
保育所など、2
2016 年度の
の整備面積(予
予定を
(注)建
含む))を計上してい
います。
5
目的別延床面積の割合
観光
2%
近隣自治体との比較
(単位:㎡、人)
200,000
その他
10%
(単位:㎡)
6
180,000
5
160,000
庁舎
7%
140,000
小学校
31%
4
120,000
市営住宅
8%
100,000
児童福祉
施設
5%
60,000
3
80,000
2
40,000
中学校
21%
社会教育
関連
16%
1
20,000
0
0
新庄市 寒河江市 上山市
人口
天童市
総量
東根市
南陽市
一人当たり面積
出典:総務省「公共施設状況調経年比較表」
出典:山形県統計企画課「山形県の人口と世帯数(推計)
」
(いずれも 2015 年 3 月 31 日現在)
(2)都市基盤系等施設
都市基盤系等施設については、道路の総延長は約 487.8kmで、うち橋梁の総延長は約
2.3kmとなっています。また、上水道の管の総延長は 317.8km、公共下水道(汚水)の
管の総延長は約 228.8kmを保有しています。
橋梁年度別整備延長(m)
180
160
140
120
100
80
60
40
20
6
2014
2012
2010
2008
2006
2004
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
1988
1986
1984
1982
1980
1978
1976
1974
1972
1970
1968
1966
1964
1962
1960以前
0
公共下水道(汚水)管路等年度別整備延長(m)
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
0
その他
Ⅱ
塩ビ管
陶管
コンクリート管
人口の推移と今後の見通し
全国的に人口減少・少子高齢化が加速している中、本市は現在の人口が伸び続けていま
す。しかし、2015 年に策定した本市人口ビジョンの推計においては、2025 年以降減少に転
じ、2060 年では 44,000 人まで減ると予想しています。
人口減少・少子高齢社会が進むことにより、税収が減少する一方で、扶助費(※3)等
の社会保障費の増加が見込まれます。さらには施設利用者の減少やニーズの変化なども予
想されます。
(単位:人)
東根市の人口の推移と今後の見通し
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060
65歳以上
15~64歳
7
0~14歳
合計
Ⅲ
財政の見通し
少子高齢化の進展などにより、過去 10 年の扶助費は倍増しています。また、義務的経費
(※4)の合計額は年度間で差異はあるものの、おおむね 75 億前後を推移しています。
しかし、義務的経費の各比率をみると、公債費が 40%→29%、人件費が 42%→34%、扶
助費が 17%→37%であり、扶助費の増を公債費と人件費の減で吸収できていました。人件
費についてはこれまで定員適正化計画により大幅な人員削減を行ってきましたが、2015 年
度に策定した新しい計画においては人員の削減はないため、おおむね現状で推移すると思
われます。また、公共施設等の維持管理費用や各種業務のアウトソーシング費用など、経
常的な経費の増加による、財政の硬直化が懸念されます。
さらには、今後神町小学校の改築等の大型事業を控えているため、財政運営はさらなる
厳しさを増すことが予想されます。
一方、前述の人口推移が示すとおり、将来的には本市人口も減少していくと予想される
ことから、歳入の根幹をなす市税収入を現在と同水準で維持していくことは困難になると
思われます。
このようなことから、全ての施設を適正に維持管理・更新し、新たな施設ニーズに対応
していくためには、歳入歳出の均衡を保ち、歳入増加につながる施策の展開や、既存事業
の見直しを図るとともに、施設の維持更新のための基金(※5)の設置などを進めながら、
必要な財源の確保に努めていく必要があります。
普通会計(※6)の歳出の推移と今後の見通し
(単位:百万円)
22,000
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
その他
人件費
扶助費
公債費
維持補修費
普通建設事業費
(注)2015 年度までは決算額、2016 年度以降は振興実施計画第 50 号における見込み額を計
上しています。
8
Ⅳ
更新費用の見通し
(1)試算条件
本市が所有する公共施設等を、将来も同種、同規模で更新した場合の費用について、次
の条件をもとに試算を行いました。
(廃止するものや民設民営が決定している施設は除いて
います)
更新周期や単価等については、総務省が公開している「更新費用試算ソフト」
(一般財団
法人地域総合整備財団提供)の考え方を参考に設定しました。
項目
内容
試算期間
50 年(2017 年度~2066 年度)
更新周期
大規模改修:建築後 30 年
更新費用
事業費ベースで算出(国庫補助、起債等は考慮しない工事費総額)
建替え:建築後 60 年と仮定
更新周期・
更新単価
大規模改修
更新周期
建替え
30 年
60 年
(工事期間2年) (工事期間3年)
更新単価
大規模改修
建替え
市民文化施設
25
万円/㎡
40
万円/㎡
社会教育施設
25
万円/㎡
40
万円/㎡
スポーツ・レクリエーション系施設
20
万円/㎡
36
万円/㎡
産業系施設
25
万円/㎡
40
万円/㎡
学校教育系施設
17
万円/㎡
33
万円/㎡
子育て支援施設
17
万円/㎡
33
万円/㎡
保健・福祉施設
20
万円/㎡
36
万円/㎡
医療施設
25
万円/㎡
40
万円/㎡
行政系施設
25
万円/㎡
40
万円/㎡
公営住宅
17
万円/㎡
28
万円/㎡
公園
17
万円/㎡
33
万円/㎡
供給処理施設
20
万円/㎡
36
万円/㎡
その他
20
万円/㎡
36
万円/㎡
※大規模改修には、バリアフリー対応等社会的改修を含む。
更新周期
更新単価
道路(橋梁)
60 年
448
千円/㎡
道路(舗装打ち替え)
15 年
4,700
円/㎡
下水道
50 年
124
千円/m
9
(2)更新費用の推計
今後必要となる更新費用の試算では、建築物系施設については、現在保有している施
設数や面積を今後も維持することとした場合、
2066 年までの 50 年間で総額約 763 億円(年
平均 15.2 億円)を要する結果となりました。一方、都市基盤系施設については、総額約
713 億円(年平均約 14.2 億円)を要する結果となりました。
(単位:百万円)
建築物系施設年度別更新費用推計(総務省単価等を使用)
4,500
4,000
3,500
年平均15.2億円
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
大規模改修未実施分
更新費用
大規模改修費用
(注)大規模改修の時期が 2016 年度以前の施設は、未実施分として、2016 年度から 10 年間に実
施するものと仮定しています。
(単位:百万円)
都市基盤系施設年度別更新費用試算(総務省単価)
4,500
4,000
3,500
3,000
年平均14.2億円
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
公園
道路再舗装
下水道
橋りょう更新
(注)道路については、現在の保有面積を 15 年間1サイクルで再舗装すると仮定。
10
建築物系施設と都市基盤系施設を合わせた全体の更新費用の試算は次のグラフのとおり
です。
単年度で最大約 60 億円の事業費を要する年度もあることから、更新の優先順位を定め、
事業の前倒しや先送りによる財政負担の平準化を図る必要があります。
また、全ての施設の年平均は 29.4 億円となり、過去 10 年間の普通建設事業費と同水準
となっています。普通建設事業費には、修繕工事なども含まれていることから、このまま
では、新たな施設需要に対応できないばかりか、既存施設の更新や修繕工事に対する費用
の捻出が困難な状況です。
既存施設の適正な維持管理と、ライフスタイルの多様化に伴う新たな施設ニーズに対応
するためには、施設の複合化や不要施設の廃止などによる施設総量の縮減、予防保全の考
え方に基づく長寿命化工事等によるライフサイクルコスト(※7)の低減などを進める必
要があります。
また、本市はこれまで、PFI(※8)や民設民営による施設整備など、民間の資金とノウ
ハウを他自治体に先駆けて積極的に導入してきました。今後の新たな施設整備や既存施設
の更新に対しても積極的に活用し、整備・更新費用の縮減や財政負担の平準化を図ること
が求められます。
公共施設全体の年度別更新費用試算
(単位:百万円)
7,000
6,000
年平均29.4億円
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
公園
下水道
道路再舗装
橋りょう更新
11
建築物系施設
第3章
Ⅰ
維持管理・更新に対する基本的な方針と各施設の取り組み
基本的な方針
建築物系施設について、建設から 30 年以上経過している施設も多くあり、設備等の老朽
化が進んでいる施設については、今後大規模な修繕や建替えを行う必要があります。また、
これまで整備してきた道路・橋梁や上下水道等の都市基盤系施設についても、老朽化への
対応として計画的な改修や長寿命化が必要になってきます。
一方、本市においても今後人口の減少が予想されることから、税収の減等により、維持
更新費用の確保が難しくなることも想定しなければなりません。
このような課題に対応するため、次の5つの基本方針に基づき公共施設等の維持管理・
更新を行うことで、将来世代に大きな負担を強いることなく、持続可能な市民サービスの
提供を目指します。
【基本方針1】保有施設全体の状況をふまえた計画的な維持管理と更新
【基本方針2】ライフサイクルコストの低減に向けた長寿命化の推進
【基本方針3】統廃合や複合化なども見据えた施設保有量の適正化
【基本方針4】民間活力の導入による施設運営・管理の効率化
【基本方針5】持続可能な市民サービス提供のための財源確保
((仮称)公共施設整備基金の設置・運用など)
Ⅱ
建築物系施設の取り組み
(1)施設共通の取り組み
①施設の適正配置
人口や財政規模、市民ニーズに見合った施設保有量の適正化を図るため、既存施設の
用途変更や多目的利用、他の施設との複合化や統廃合について、市民サービスの低下に
つながらないように十分に配慮しながら検討していきます。
新たな施設ニーズに対しては、長期的な視点に立ってその必要性や適正な施設規模・
機能等について十分に精査します。整備にあたっては、PFI の活用や指定管理者制度の導
入など民間資金とノウハウの活用や、近隣市町との共同での整備などを積極的に検討し、
より質の高い公共サービスの提供と財政負担の軽減を目指します。また、ユニバーサル
デザインの考え方に基づき、すべての人にとって安全で使いやすい施設の提供に努めま
す。
12
②点検・診断等
法定点検を行うことに加え、状況に応じて臨時的な点検・診断を行い、施設状況を的
確に把握するとともに保全の優先度を判断し、緊急性のある事案については迅速に対応
していきます。
③維持・管理等
壊れてから直すという「事後保全型」の管理から計画的に直すという「予防保全型」
の管理へ移行し、施設の長寿命化を図ることや損傷の進行度合い、重要度等により優先
順位を定め修繕を行うことでライフサイクルコストの低減及び財政負担の平準化を図り
ます。
耐震化については、「東根市建築物耐震改修促進計画」に基づき、取り組みを継続して
いきます。
(2)主要な施設の特記事項
①庁舎
庁舎は、1989 年の建設から 28 年が経過し、設備等の老朽化が進んでいます。屋根、
外装、空調機器、給排水設備、電気設備等について大規模な改修や多くの設備更新が
必要となりますが、単年度での対応は難しいことから複数年に平準化して改修・更新
を行っていきます。
②地域公民館
地域公民館は市内7地区に設置されており、建設から 30 年以上が経過している施設
もあります。
老朽化への対応やライフスタイルの変化に合わせた改修、さらには災害時収容避難
所としての防災機能の強化などについて、計画的に対策を講じます。
③小中学校
市内には市立の小学校と中学校がそれぞれ9校と5校あり、そのうち小学校につい
ては 1970 年代に建設された施設が多いことから、2019 年度までに全ての学校施設を対
象とした長寿命化計画を策定し、予防保全型の管理等によるライフサイクルコストの
低減及び財政負担の平準化を図ります。
2017 年度からは、教育環境の向上と災害時収容避難所としての機能向上を目的に、
トイレの洋式化を進め、老朽化が進行している神町小学校については 2020 年 12 月の
開校を目指し移転改築を行います。
13
④児童福祉施設等
市では、多様な保育ニーズに対応した保育環境の整備、安全・安心な放課後の居場
所の確保等のため、保育所、こども園、学童保育所など児童福祉施設等を整備してき
ました。
現在は保育需要の高まりと施設の老朽化への対応を図るため 2015 年度に「東根市児
童福祉施設等の整備計画」を策定し、同計画に基づき民間事業者による施設整備など
対応を進めています。
今後も年少人口の地域バランスや子ども・子育て支援新制度に対応した施設形態な
どを考慮し、民間の活力を積極的に導入しながら、市域全体の適正な配置を行います。
⑤体育施設
市内には2つの体育館をはじめ野球場やテニスコート等、さまざまな体育施設を有
しています。特に 1985 年に建設された市民体育館は設備等の老朽化が進んでいる状況
です。施設の利用状況、市民ニーズや「東根市スポーツ推進計画」をふまえ、計画的
な修繕と適正な維持管理に努めます。
⑥その他の施設
公営住宅については「東根市公営住宅等長寿命化計画」に基づき、ライフサイクル
コストの低減に向けて計画的に更新を実施しています。
また、PFI を導入している各施設については、民間のノウハウを活用しながら、契約
等に基づく適正かつ効率的な維持管理に努めます。
その他の施設についても、各施設の状況をふまえ、計画的な修繕と適正な維持管理
に努めます。
Ⅲ都市基盤系施設の取り組み
(1)施設共通の取り組み
①点検・診断等
法定点検を行うことに加え、状況に応じて臨時的な点検・診断を行い、施設状況を的
確に把握するとともに保全の優先度を判断し、緊急性のある事案については迅速に対応
していきます。
②維持・管理等
壊れてから直すという「事後保全型」の管理から、計画的に直すという「予防保全型」
の管理へ移行し、施設の長寿命化を図ることや損傷の進行度合い、重要度等により優先
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順位を定め修繕を行うことで、ライフサイクルコストの低減及び財政負担の平準化を図
ります。
耐震化については、施設の重要度等により優先順位を定めながら対応を進めます。
(2)各施設の特記事項
①道路・橋梁
現在市では、市道や農道を合わせて約 500 キロメートルの道路を管理しています。
市が管理する道路施設については、異常を把握するために日常パトロールを行うとと
もに、随時応急的な措置を行うなど、適正な維持管理に努めます。
橋梁については、法令等で定められた点検を実施するとともに、建設後 50 年を経過す
るものの割合が増えてくることから、損傷の進行度合い、重要度等により優先順位を定
め計画的に修繕を行うことで、財政負担の平準化を図ります。また、今後見込まれる維
持管理経費の増大を見据え、事後保全型の管理から予防保全型の管理に努め、施設の長
寿命化とライフサイクルコストの低減を図ります。
耐震化についても、優先順位を定めながら対応を進めていきます。
②上水道・工業用水道
市民の生活及び経済活動に欠くことのできない水資源については、今後も水源及び水
道施設の適切な維持・管理に努めます。
耐震化については、配水池耐震補強事業を 2014 年度までに終了しています。今後も国
の指針等をふまえ、施設の重要度等により優先順位を定めながら耐震化を進めます。
1971 年に東根市上水道が誕生して以来、2014 年度までに簡易水道を統合し、市内全域
が上水道になっていますが、今後の本格的な人口減少社会の到来等により料金収入の大
きな伸びが見込めない状況です。
今後も健全な水道事業経営を維持するとともに、施設の更新計画を策定し、計画的に
施設の更新を進めながら、安全で安心、安定的な飲み水の提供に努めます。
工業用水道については、「工業用水道更新計画」に基づき取り組みを実施しています。
③下水道
本市では 1970 年代から公共下水道事業を開始しました。雨水については近年の集中豪
雨に対する対策、汚水については若木・営団・西戸・野川・後潤・中島新田・郡山・松
沢地区などにおいて整備を進めています。2015 年度末において普及率が 86.9%であるこ
とや、将来的な人口減少社会の到来等により、使用料収入の大きな伸びは見込めない状
況です。
今後は、ストックマネジメント計画を策定し下水道施設全体の維持管理・修繕・改築
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を計画的に実施するとともに、企業会計への移行を通して経営基盤の強化や財政マネジ
メントの向上を図り、下水道事業の健全で持続可能な運営に努めます。
④公園
市内には大小さまざまな公園施設が各々の目的に応じて設置されています。公園内に
は公衆トイレや管理棟、遊具などの構造物については、定期的に点検を実施し、老朽化
や防災機能の強化、安全性や市民ニーズなどに配慮しながら、計画的に修繕、更新を行
っていきます。
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第4章
計画の実施体制
将来の財政状況や市内の施設全体の状況をふまえ、計画を一元的に管理する必要がある
ため、計画に関する事務については総合政策課で統括し、財政課や各施設の管理担当課と
連携し既存の庁内会議を活用しながら計画を実施していきます。
第5章
計画のフォローアップ
国の制度の変更、市税収入の増減などの市をとりまく環境変化や市民のニーズをふまえ、
状況に応じ計画を適宜見直すものとします。また、毎年度見直しを行っている市の今後3
年間のまちづくりの方針である振興実施計画策定作業を基本として、進捗状況等を管理し
ていきます。
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用語の解説
1
公共施設等
公共施設、公共施設その他の当該地方公共団体が所有する建築物その他の工作物をいう。
具体的には、いわゆるハコモノの他、道路・橋りょう等の土木構造物、公営企業の施設(上
水道、下水道)、プラント施設(廃棄物処理場、斎場、浄水場、汚水処理施設)等も含む
包括的な概念である。(総務省「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針」より)
2
長寿命化
老朽化している施設を計画的に保全し供用可能期間を延ばすことにより、更新に伴う大
規模な財政支出を軽減する取り組みをいいます。
3
扶助費
生活保護法、児童福祉法、老人福祉法など各種の法令に基づき、または地方公共団体単
独で被扶助者に対して支給する金品などに要する経費をいいます。
4
義務的経費
人件費、扶助費及び公債費の合計をいい、法律で義務付けられているなどのため、自由
に削減できない経費をいいます。
5
基金
一般世帯の貯金に当たるものであり、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立
てるために設置される特定目的基金と特定の目的のために定額の資金を運用される定額運
用基金とがあります。
6
普通会計
個々の地方公共団体ごとの各会計の範囲が異なっていることから、その統一的な財政比
較を行うために設けられた地方財政統計上の会計区分をいいます。
7
ライフサイクルコスト
構造物の計画、設計から建設、維持・管理、解体撤去、廃棄にいたる費用のこと。
8
PFI
Private Finance Initiative の略。民間の資金や経営能力及び技術的能力を積極的に活
用して、公共施設等の建設、維持管理及び運営を行うことにより、効率的・効果的に社会
資本を整備しようとする手法をいいます。
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