2017年3⽉期第3四半期決算概要についてご説明いたします。 1 今回の決算の総括です。 上期に続き、為替の影響を除くと売上⾼、粗利益、営業利益はともに前年同期⽐で増加し ました。為替の影響を除くベースでは、⼼臓⾎管カンパニーの海外での売上が⼆桁伸⻑を継 続し、全社の業績を牽引しました。前年度⽐で為替レートが円⾼で推移していますが、実ビ ジネスは堅調に推移しています。 営業利益以下の項⽬につきましては、次のページで説明いたします。 2 営業外損益は、第3四半期末の為替レートが第2四半期末⽐で円安となったため為替差益 29億円を計上しました。その結果、為替差損は上期の66億円に対し、第3四半期累計で は37億円に縮⼩しました。 次に特別損益です。詳細は後ほどご説明いたしますが、ART社との⽣体吸収性ステント共同 開発契約の解消に伴い、70億円の特別損失を計上しました。前年度に幡ヶ⾕の本社⼟地 売却益44億円を計上しており、特別損益合計では、前年同期⽐で119億円のマイナスとな りました その他 法⼈税等における税効果の影響等を含めると 純利益は前年同期⽐ りました。その他、法⼈税等における税効果の影響等を含めると、純利益は前年同期⽐ 27%減となりました。 3 営業利益の増減分析です。 今回より、為替の影響と買収関連費⽤を除いた営業利益を⽰しています。今年度は規模の ⼤きい買収を3件実施しているため、買収関連費⽤を分けて分かりやすくお⽰しするためで す。2ページに記載しました通り、営業利益は、為替の影響を除く前年同期⽐4%の増益と なりました。為替の影響及び買収関連費⽤を除くと7%の増益となりました。 営業利益の増減要因は、上期から概ね変わっておりませんが、変化のあった主な点について 説明いたします。 コストダウン等による粗利益改善効果については、TCVSの品質システム改善費⽤の減少、 ⽶国デバイスタックスの⼀時的な中断による改善効果は上期までと同様に寄与しています。 ⼀⽅、Ultimasterの収益貢献については、前年度第3四半期から⽇本で発売しており、当 第3四半期より前年度⽐での業績貢献が 巡しました 第3四半期より前年度⽐での業績貢献が⼀巡しました。 カテーテル、ニューロの販売投資増等は、上期に⽐べて余り増えていないように⾒えますが、今 回より買収関連費⽤を別に出しているためです。 為替の影響は、上期41億円に対し、第3四半期累計で80億円と⼤きく増えています。これ は、第3四半期累計の期中平均レートが前年同期⽐で円⾼となったことに加え、第3四半期 末のレートが第2四半期末と⽐べて⼤幅な円安となり、棚卸未実現利益控除額が増加した ことが主な要因です。 4 地域別売上⾼です。 海外は為替の影響を除くと各地域ともに増収となりました。⼀⽅、⽇本は若⼲の減収となりま した。 2015年10⽉に⽇本でUltimasterを発売した直後で、前年度の第3四半期は売上 が⾼い⽔準であったことに加え、ミサゴのリコールによる売上減が主な要因です。 5 カンパニー別の売上⾼につきましては、次のページ以降で詳細をご説明いたします。 6 ⼼臓⾎管カンパニーの売上⾼は、3カンパニーの中で為替のマイナス影響を最も⼤きく受けて いますが、為替の影響を除くと増収となりました。海外でのカテーテル及びニューロバスキュラー 事業の⼆桁伸⻑などが貢献しました。 事業利益は、⾼収益なアクセスデバイスやコロナリー治療デバイスが牽引しましたが、ミサゴのリ コールの影響およびSequent Medical社買収に伴う費⽤増により、計25億円のマイナス影 響がありました。 7 ホスピタルカンパニーの売上⾼は、為替の影響を除いてほぼ前年並みの⽔準となりました。欧 州・中南⽶での戦略的な低収益事業の縮⼩、⽇本での造影剤販売終了によるマイナスを、 他の事業・製品の売上増でカバーしました。 事業利益は、改善基調を維持しています。 8 ⾎液システムカンパニーでは、⽶国を中⼼とした価格低下の影響に対応するべく、収益性の 改善に取り組んでおり、第1四半期の事業利益率12%に対し、第2四半期累計で14%、 第3四半期累計で15%と着実に改善が進んでいます。 9 第3四半期の主なトピックスです。 12⽉に5カ年の中⻑期成⻑戦略を発表しました。 10 2016年度パイプライン製品のローンチ状況です。 概ね予定通り進捗しており、⼀部2017年度にシフトした製品についても、ほぼローンチの準 備が出来ている、あるいは承認を待っている状況です。 次のページでは、この第4四半期にローンチを予定している新しいIVUSシステムをご紹介しま す。 11 新IVUSシステムは、従来品と⽐べて⼤きく3つの改善ポイントがあります。第⼀に⾼分解能 画像で病変部が従来の製品と⽐べてよりクリアに⾒えるようになったことです。第⼆にコンソー ルの⼩型化・軽量化です。重量が従来品の約4分の1となり、運びやすくなります。第三に、 画像取得・処理の⾼速化です。画像取得に要する時間は、従来品では分単位でしたが、新 IVUSでは秒単位へと短縮されます。 このような性能向上を活かして、国内でトップシェアを⽬指すとともに、Ultimasterとの相乗効 果も狙っていきます 昨年8⽉には径4 0mm 今年の 2⽉には径 2.25mmを 果も狙っていきます。昨年8⽉には径4.0mm、今年の 2 25mmを ラインアップに追加しましたが、新IVUSシステムとの販売シナジーで、Ultimasterの売上も伸 ばしていきたいと考えています。 12 Abbott社、St. Jude社からの⽌⾎デバイス事業の買収について説明いたします。 本件は今年の 1⽉ 20⽇に買収⼿続きを完了しました。買収価格は 11億2千万ドルで、 EBITDA倍率では8倍です。妥当な⾦額で買収ができたと考えています。 本買収により、「穿刺」、「病変部へのアクセス」に加えて、これまで保有していなかった脚からの 穿刺時に⽤いる⽌⾎デバイスが加わり、アクセスNo. 1のポジションをより盤⽯なものとなりま す。 安定的な収益貢献も⾒込まれます。年間での売上規模は 250百万⽶ドル超、買収に伴う ⼀時要因やのれん償却等を除く営業利益率は30〜40%を⾒込んでいます。本買収には ⽌⾎デバイス以外に開発中の⼼房細動⽤シースも含まれており、この開発費を含めてこの⽔ 準となる⾒込みです。 なお、買収により承継した在庫の⾦額⾒直しに伴うコスト増により、2017年度の初めまでは ⼀時的に収益性が低下すると⾒ていますが、それ以降は改善を⾒込んでいます。また、既に 発表しました通り、2018年度の通期決算よりIFRSを適⽤しますので、のれん償却費も無く なる⾒込みです。これらの要因を踏まえ、2018年度より営業利益率が改善すると⾒ていま す。 13 ⽶国のボルトン社の買収についてご説明いたします。 本買収は今春のクロージングを⽬指し、準備を進めております。 本買収の意義は⼆つあります。⼀点⽬は、胸部(TAA)ステントグラフトが当社の製品ライ ンアップに加わることです。⼆点⽬は、⽶国ステントグラフト市場へのアクセスが獲得できたこと です。 本買収は、外科とインターベンションの間にある隣接領域の強化に貢献すると考えています。 この分野では外科の低侵襲化が進みつつあり、それに伴い、インターベンションと外科の間の 領域での製品需要が期待されます。当社の⼼臓⾎管カンパニーは、外科とインターベンション 両分野の製品を保有している点が強みです。 12⽉に公表しました中⻑期成⻑戦略におい て、隣接領域の分野での取組み強化をテーマの⼀つとして掲げており、本件もこのテーマに 沿 た買収です 沿った買収です。 14 3ページでもお伝えしました通り、ART社との⽣体吸収性ステントの共同開発契約を解消しま した。 ART社が保有するステント技術と、テルモのコーティング技術を合わせて開発を進めてきました が、技術ハードルが想定以上に⾼いことが分かりました。また、市場で⽣体吸収性ステントが 主流となるまでにはまだ時間がかかると⾒込まれています。 今後の開発⽅針は、昨年12⽉に中⻑期成⻑戦略から変更ございません。市場動向を⾒ 極めながら、アルチマスターの改良版、次世代⾦属DES、ハイブリッド、および⾃社でのBRS 開発を進めていきます。 15 本⽇オリンパス社との株式持合い解消及び⾃⼰株式の取得決定を公表しました。 オリンパス社とは、 2001年に業務提携契約を締結し、2005年には業務提携の強化ととも に株式の持合いを開始しました。共同出資会社の設⽴、内視鏡下で使⽤するガイドワイヤー や⾎管採取システムの開発・販売等において提携を深め、成果を上げてきました。このような 成果を踏まえ、持合いを解消しても業務提携を深められるとの認識で両社が⼀致した次第 です。 当社が保有するオリンパス社の株式は、 2016年度第4四半期中に全株売却を予定してお り、特別利益を計上する⾒込みです。 これまでも当社は株式の持合い解消を進めてきました。3年前には、総資産に占める持合い 株式の⾦額の⽐率は4%程度でしたが、オリンパス社の株式売却により 1%以下となる⾒込 みです。 みです オリンパス社が保有する当社株の売却に対しては、上限500億円の⾃⼰株式の取得を⾏う 予定です。 16 最後に、業績予想の修正についてご説明します。 為替の影響を除くと、業績はほぼ当初の予定通りに進捗しています。 売上⾼は、⽌⾎デバイス事業買収時期のズレ及び為替の影響などを考慮し、修正しました。 営業利益、経常利益については、Abbott社、St.Jude社からの⽌⾎デバイス事業の買収と 営業利益 経常利益については Abb tt社 St J d 社からの⽌⾎デバイス事業の買収と ボルトン社の買収により、2016年度に約40億円の費⽤増が⾒込まれるため、その分を反映 して修正しました。なお、Sequent Medical社の買収に伴う費⽤の⼤半は、上期の業績予 想修正時に含めております。 純利益の予想額については、ART社との共同開発契約解消に伴う特別損失を計上しまし たが、第4四半期にオリンパス社の株式売却益が⾒込まれるため、変更ございません。 以上で説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。 17 18 19 20 21 22 23 24 25
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