平成28年度「英語教育強化地域拠点事業」

英語教育強化地域拠点事業
取組事例紹介(群馬県)
目指すべき児童生徒像をイメージした授業の改善・充実
~沼田地域拠点における小・中・高等学校を通じた「CAN-DO リスト」に
基づく授業実践~
小学校の取組
1 英語教育、外国語活動の学習内容及び学習評価の工夫
(1) 小・中・高等学校を通じた「CAN-DO リスト」に基づいた取組
各学年の年間指導計画、単元計画、授業計画を立て、目指すべき児童生徒像を明確にイメージ
した授業を展開している。単元計画の中には具体的な評価規準を示し、単元を通して「何ができ
るようになったか」を見取るようにしている。
高校3年
沼田市連携協議会小中高 CAN-DO リスト
中学3年
小学6年
単元の評価規準への活用
自己紹介をしよう(授業4・短時間4)
観
点
評価規準
※次ページ参照
47
沼田市連携協議会小中高 CAN-DO リスト
48
(2) 「沼田大好き!ふるさと学習」と関連させた授業づくり
地域素材を生かした取組例
中2
沼田おすすめツアー紹介
Program2(「Sunshine English Course2」)において、外国人観光客向けに沼
田市内のツアーを計画する場を設定することで、英語で表現する必要感を高めさせると
ともに、外国人の視点に立って、地域の歴史や地理などを見つめ直させる。
小6
地域を案内しよう
沼田市内において、外国人観光客を案内するという場を設定することで、英語を使う
必要感を高めさせるとともに、地域の地名や位置関係、目的地までの道順などについて
再認識させる。
小5
オリジナルランチメニューを作ろう
外国から訪れた人に、沼田地域の食材を取り入れた料理を作るためのオリジナルラン
チメニューを作成する場を設定することで、社会科で学習した地域における農業や食
育、地産地消の取組等と関連付けながら、地域のよさを再認識させる。
小4
買い物をしよう
沼田市や群馬県の特産品を買う場を設定することで、地域の特産品を再認識させ、地
域への親しみをもたせる。
「沼田大好き!ふるさと学習」を通して期待する姿
○地域の歴史的・地理的な特色やよさなどを再認識
○地域独自の言語や文化への気付きを促進
→ 【中学生】郷土の歴史や文化について簡単な英語で紹介できる
→ 【高校生】郷土の歴史、文化を話題にして外国人と対話することができる
沼田のよさを知り、そのすばらしさを語ることができ、誇りをもち、大切にする
心をもった児童生徒の育成
49
オリジナルランチメニューを作ろう (小学5年)
1 目 標
オリジナルランチメニューを作ることを通して、欲しいものについて丁寧な言い方で尋ねた
り答えたりしながら、進んで友達と交流することができる。
2 単元計画(全4時間)
内
容
1
欲しいという時の丁寧な言い方について知る。
2
欲しいものについて、丁寧な言い方で尋ねたり、答えたりする言い方を聞き、理解
する。
【モジュール学習3回】
3
欲しいものについて、丁寧な言い方で尋ねたり、答えたりする。【モジュール学習7回】
4
オリジナルランチメニューを作るために、進んで会話する。
【モジュール学習2回】
3 教材の系統
小3 「自分のはたを作ろう」
小6 「夢を伝え合おう」
~What do you want ? / ~, please
小5 オリジナルランチメニューを作ろう」
~What do you want to be ? / I want to be~.
中2 「将来の夢を語ろう」
~What would you like? / I’d like ~.
中2 「買い物②」(ハンバーガー店で注文しよう)
中3 「食事」(レストランで注文しよう)
4 主な表現
What would you like? / I’d like ~.
miso bread, mushroom noodles, rice, salad, dango soup, edamamenchi, miso dengaku,
apple juice, konnyaku jelly, fried chiken
5 他教科等との関わり
[社会科]沼田市や群馬県における農業や食育、地産地消の取組
6 期待する効果
・オリジナルランチメニューの食材には、沼田市や群馬県の特産物を具材とした料理を加えさ
せることで、既習の言語材料や知識等から、特産物を英語で何というか推測することができ
る。
・沼田市や群馬県の特産物等の英語表現に慣れ親しませることで、郷土の文化や歴史を外国の
人に伝えようとすることができる。
・欲しいものを要求するときの丁寧な言い方に気付かせることで、日本語と英語の共通点を捉
えることができる。
50
2
時間割の編成(弾力的な授業時間の設定や時間割に関する取組)
取組内容
■
■
■
■
対象・頻度:3・4年生 週1回 / 5・6年生 週3回
実施時間:15 分
指導者:学級担任
指導内容:
・45 分授業で取り扱う語彙、表現の発音練習
【復習型】
・児童同士による対話練習【復習型】
・ショーアンドテルやスピーチなどの発表練習
【予習型】
短時間学習を行っている時間帯
・45 分授業で使うカードづくり【予習型】など
■ 使用教材:
・群馬県版小学校英語教育カリキュラム案(児
童の実態に合わせて、改善をしながら活用)
■ 45 分授業との関連:
※3年生から6年生まで、短時間学習を授業時間
外に位置付け。
3・4年生は、45 分授業の復習を中心に実施。5・6年生は、単元の指導計画に基づいて、予習
型、復習型を計画的に実施。
指導計画例
成果・効果
○
45 分授業で学習した内容(既習事項)の習熟 に有効であった。
(週に3~4回英語に触れることができている。)
○ 自信をもって、英語を話す児童が増加している。
○ 時間が短いために、児童が集中して取り組むことができている。
○ 担任が単独で指導するために、担任の指導力が向上している。
課 題
●
●
●
児童の実態にあった効果的な指導計画の作成(児童の学習意欲の継続)
45 分授業と関連した指導内容の充実(ねらいを明確にした授業の実施)
担任の指導力の一層の向上(継続的、計画的な校内研修の実施)
51
3
小学校3・4年生の授業の実際【活動型】
実施時間
■ 45 分の授業・・・・・・・・週 1 回、年間 35 単位時間実施
15 分のモジュール学習・・・週 1 回、年間約 11.6 単位時間実施
≪沼田東小学校≫ 昼休み終了後、ステップアップタイム設置
≪沼田北小学校≫ 5校時終了後、いちごタイム設置
指導の工夫
授業とモジュール学習の連動
→
モジュール学習(いちごタイム)では、学習した単語を繰り返し発音したり、基本
会話を使って、友達とやり取りしたりさせることで、次時の授業につなげられるよう
にしている。特に、授業で間違えやすかった単語や基本会話を取り上げて練習すること
で、授業で消極的だった児童が自信をもって活動に取り組めるようにしている。
目標を明確にした授業
→
「群馬県版小学校英語教育カリキュラム案」の目標、CAN-DO リストを確認し、単元や本
時でどんなことをできるようにするのか明確にして指導を行っている。さらに、授業
においては、児童と本時のめあてを共有した上で、学習を進めるようにしている。
教材の系統を踏まえた授業
→
新しい単元を指導する前には、「群馬県版小学校英語教育カリキュラム案」を確認してい
る。そうすることで、既習の言語材料や、経験した学習活動等を踏まえた指導を行う
ようにしている。
他教科等との関連
→ 4年の「買い物をしよう」では、社会科の「特色ある地いきの人々とのくらし」と関
連させ、沼田市や群馬県の特産品を買う場を設定する。そうすることで、地域への親し
みや、特産品へのさらなる興味をもたせることにつながると期待している。
→ 3年の「数に親しもう」におけるお店屋さんごっこを通して手に入れるカードは、
「総
合的な学習の時間」において、お年寄りにプレゼントするカードとして使うようにする
ことで、相手意識をもってカードを手に入れるようになると期待している。
交流の場の工夫
→
中学年では、児童の実態に応じて、
「お店屋さんごっこ」という交流の場を繰り返し設
定することで、買い物の中で使う英単語や英語表現に慣れるようにしている。また、客
と店員の役割を与えることで、相手を意識ながらやり取りを進めるようにしている。
書く活動の工夫
→ 3年では、毎時間一つずつアルファベットの大文字
や小文字について、A から順番に綴りを確認し、学習
シートの手本をなぞったり、識別したりする活動を行
っている。
52
4
小学校5・6年生の授業の実際【教科型】
実施時間
■ 45 分の授業・・・・・・・・週 1 回、年間 35 単位時間実施
15 分のモジュール学習・・・週3回、年間 35 単位時間実施
≪沼田東小学校≫ 昼休み終了後、ステップアップタイム設置
≪沼田北小学校≫ 5校時終了後、いちごタイム設置
指導の工夫
授業とモジュール学習の連動
→
授業と授業の間に、ステップアップタイムを3回程度設定
できる。単元の指導計画の中にも、ステップアップタイムを位置
付け、児童が新しい表現に慣れ親しみ、自信をもって活動に
取り組めるよう、英単語や英語を使ったやり取りの練習を行うなど、モジュール学習
の有効活用を図っている。
目標を明確にした授業
→
「群馬県版小学校英語教育カリキュラム案」の目標、CAN-DO リストを確認し、単元や本
時でどんなことをできるようにするのか明確にして指導を行っている。さらに、単元
のゴールや本時のねらいを示し、児童が目的意識をもって、学習に取り組むことがで
きるようにしている。
教材の系統を踏まえた授業
→
「群馬県版小学校英語教育カリキュラム案」を新しい単元を指導する前には確認をして
いる。そうすることで、既習の言語材料や、経験した学習活動等を踏まえた指導を行
うとともに、既習の言語材料等の定着状況を把握するようにしている。
他教科等との関連
→ 6年の「地域を案内しよう」では、外国人観光客に沼田市内を案内するという場を設
定する。社会や総合的な学習の時間等で学んだ、地域の状況や特性に関する知識を活用
しながら、道案内や目的地の説明をすることを期待している。
場や状況の設定
→
外国人観光客に沼田市内を案内したり、外国人にお勧めの地域の特産物を使った料理
の献立を立てたりするなど、英語を使う必要感を感じる場や状況の設定をするようにして
いる。
「群馬県版小学校英語教育カリキュラム案」を参考にしながら、沼田市に訪れた外
国人を相手に、どのような場や状況が設定できるか、児童の実態に応じて工夫している。
音と綴りに関する活動
→ ほぼ毎時間、45 分授業の中に、音と綴りに関する活
動を取り入れるようにしている。例えば、6年の「地域
を案内しよう」では、Shogakuji temple, flower shop,
Misomanjyu shop などの英単語を扱うため、【sh】の
発音と書き写しに取り組むこととしている。
53
5 学習到達目標を活用した指導・評価
【実践例 : 6年「地域を案内しよう」】
評価規準に基づく指導と評価
沼田市連携協議会小中高 CAN-DO リスト
6年(話すこと)
既習の表現を使って、自分の思いや考え、友達のことなどを、相手に伝わりやすくする工夫をしながら、話すこと
ができる。
単元名「地域を案内しよう」(全5時間/SUT14 回)
本時(5/5時間目)
目標
ねらい
英語と日本語では建物言い方が違うこと
を知り、目的地への言い方を尋ねたり答え
たりすることができる。
英語と日本語では建物言い方が違うこと
を知り、目的地への言い方を尋ねたり答え
たりすることができる。
評価規準
指導案には、授業の後半にお
いて〈予想される児童の反応〉A
B C と、それぞれに対する支
援方法を明記。
振り返りカードの分析による指導と評価
振り返りカード
○ 関心・意欲・態度に焦点化した項目
○ めあてに対応した感想
○ 次時の指導への活用
54
6
指導体制
計画的な指導体制の確立(平成 26~28 年度)
■
英語コーディネーター(拠点校において研究を推進する特配教員)の配置による指導体制の充実
授業について
授業案、教材教具、ワークシート
担任
ALT
<1学期>
T1コーディネーター
T2担任
T3ALT
<2学期~>
徐々に担任主導へ
担任主導
コーディネーターは
必要に応じて補助
担任
ALT
コーディネーター
1
年
目
2
年
目
打合せ
担任とALT(主導)
担任
ALT
コーディネーター
3
年
目
短時間学習について
校内研修
2学期より県作成のカリキュラをも
とに授業
コーディネーターが、授業案作成
開始、クラスルームイングリッシュ
表作成
授業案:コーディネーター
教材教具:コーディネーターとALT
研究授業では担任も準備に参加
短 時間 学習 に 関 する研
修を実施。15分間の流
れを提案。
コーディネーターによる校内研修
単語練習の仕方
カードのめくり方
授業の流れについて
短時間学習開始。
3~6年の授業案を作成
し、教材、ワークシートを
用意。
コーディネーターによる校内研修
単語練習の仕方
カードのめくり方
授業の流れについて
クラスルームイングリッシュ
授業案:コーディネーター
教材教具:コーディネーター、担任、
ALT
1・2年担任はカルタやフラッシュカ
ードを準備、作成。
3・4年担任はフラッシュカード、振り
返りシートは担任が準備、作成。5・
6年は研究授業の 1 単元分を準
備、作成。
短時間の授業案作成。
教材、ワークシートの準
備を担任とコーディネータ
ー、ALTが分担。
コーディネーターによる校内研修
単語練習の仕方
カードのめくり方
授業の流れについて
クラスルームイングリッシュ
全体でアクティビティをシェアするよ
うな研修を実施
指導案における役割分担の明確化
下記のように指導案に役割を明記するなど、事前の打合せにて共通理解を図っている。
6
本時の学習
(1) ねらい
数や好きな形を尋ねたり答えたりしながら相手を意識して友だちと楽しくかかわる。
(2) 準備
教師:めあてのカード
フラッシュカード
児童:振り返りカード
探検バック
6種類の形など
筆記用具
のり
(3) 展開
学級担任とALTの役割
時
学習活動
学習の支援及び留意事項等
間
評価項目○満足な状況☆十分満足な状況
HRT (T1)
( 分)
1 Greeting&Warm-up/
挨拶とウォームアップ
・簡単な挨拶をする。
Let's start. How are you?
【評価方法】
ALT (T2)
・カードを黒板に貼り確認す
How is the weather?
る。
What day? What month?
・ T1 の後に続き、児童の発
・曜日、日付、天気について答 5 ・児童に応答に共感したり、 音練習を助ける。
える。
賞賛したりすることで、楽し
く学習に取り組む雰囲気づく
りをする。
・「Twelve Steps ♪」を歌う。
・児童と一緒にリズムに合わ ・児童と一緒にリズムに合わ
せて、動きを付けながら楽し せて、動きを付けながら楽し
く歌うようにする。
く歌うようにする。
2 Introduction&Practice
/導入と練習
めあて:いくつほしいかたずねたり答えたりして 、お店屋さんごっこを楽しもう。
・本時のめあてを知る。
・児童の様子や発音を確認し、 ・児童の興味を引くような絵
・数( 1~20)の絵カードを見な
練習させたり賞賛したりす
カー ドの 提示 の仕 方を工 夫
がら繰り返し練習する。
る。
する。
・お店屋さんごっこで使う形
・今日のお店屋さんごっこで
・お 客さ んに なり きって 形
( hearts, stars, ribbons, flowers,
使う表現を T2 とコミュニケ
や数を店員に伝える。
bears, apples)について繰り返し
ーションのポイントに気を付
練習する。
けて行うようにする。
○ 学級担任の主な役割
・ 授業のマネジメント
・ 活動やゲームの説明
・ 児童のやり取りのモデ
ル
○ ALTの主な役割
・ 発音の指導やモデル
・ 児童への賞賛
・ よい発音や積極的にコ
ミュニケーションをして
いる児童の見取り
7
小学校での成果等総括
○
小学校において、県作成の「群馬県版小学校英語教育カリキュラム案」に基づき、地域や学校の
実情に合わせた計画案を作成し、授業を実践。学習到達目標を各学校の年間指導計画に位置付
け、日々の授業改善や評価に生かしている。
≪短時間学習に関する成果(沼田東小・沼田北小)≫
〇
各授業後に実施するミニテストで毎回 90%以上の児童がA評価を得て、
目標を達成している。
〇
短時間学習は、担任一人で行うため、学級担任の指導力向上につながる。
55
短時間学習に効果があると感じている教員が 94%である。実施していなかった初年度と比べ
〇
ると、抵抗なく英語を話す児童が増えたと実感している教師もいる。
〇 「15 分という長さは児童が集中して取り組めるため、ちょうどよい」と感じている教員が多い。
≪担任主導に関する成果(沼田東小・沼田北小)≫
97%の教員が「T1 として授業をすることに抵抗がなくなった」と回答している。ALT に頼
〇
ることが多かったという学級担任も、「自分自身も英語を楽しみながら教えることができてい
る」と回答している。
〇
クラスルームイングリッシュを積極的に使ったり、単語練習に関わったりすることで、学級
担任の英語力がアップした。
〇
英語の授業でほめることが増えたため、他の授業でもほめる機会が増えたり、学級経営に生
かすことができると感じたりしている学級担任もいる。
中学校の取組
1
小学校で「教科型」を経験した生徒の違い
○
入学時から、挨拶や日常会話における慣用表現について、臆することなく述べるとともに、
アイコンタクトやスマイル等、相手意識をもってやり取りをすることができている生徒が多い。
〇
英語の発音やリズムに慣れている。
〇
授業後に感想を書かせると、「友達のことを知ることができた」など、英語の授業を通して、
友達に対する新たな気付きを得ている生徒がいる。
2
導入期での指導
○
3学期に実施した小中連携授業の際、好きな食べ物や色等についてやり取りをした後、ポス
ターを作成した。そのポスターを用いて、中学校入学後に自己紹介を行った。
〇
小学校で使っていた「Hi, friends! Plus」を用いて、文字指導の導入を行った。
〇
アルファベットは、音と連動して学習した。(E-NAVI を使用)
〇
動作を表す言葉を学習する際、「Hi, friends! 2 Lesson6」を用いて復習した。(Program3:
6月の学習)
3
言語活動の充実
○
生徒が思わずやってみたくなるような言語活
動を設定するようにしている。
○
生徒が英語を活用する言語活動を1単位時間
のうち 75%以上の時間行うよう設定する。
○
生徒が即興的に英語を活用する場面の設定
〇
音声から文字への指導手順をとり、「書くこと」によって、学習内容の定着度を高める。
○
授業のめあてを明示し、終末に振り返りを確実に行うことで、授業で何が分かったかを実感
させるとともに、個人の課題を明確にさせ、授業と家庭学習との連動を図る。
56
4
主な取組
○
市内中学2年生を対象に行っている NRT 標準学力検査の結果によると、すべての内容につ
いて全国平均を上回る。特に、「書くこと」については全国平均を大幅に上回る。日々の授業
の充実はもちろん、毎年市内全中学校で行うスペリングコンテストに向けた学校での取組が、
単語や基本文の定着に効果を上げている。
○
分かりやすく、効果的に相手に伝えるためのプレゼンテーション技能を高める工夫
○
沼田中 CAN-DO リストを活用した自己評価
○
洋書・辞書活用などの学習方法の指導(中高連携)
○
外部試験及び質問紙の活用
高等学校の取組
1
発表、討論・議論、交渉等の高度な言語活動
○
ディスカッションやディベートを中心とした言語活動の設定。日本に関する文化や物の紹介、
教科書の題材に関するプレゼンテーションについて取り組んだ。
○
言語活動を重視するようになり、自分の考えを発表し合う活動や、生徒同士のペアワークを
中心とした授業、英語を話す機会が増えてきている。
<アンケート結果>
・「授業中(コミュニケーション英語Ⅰ)の発話の半分以上を英語で行っている」
(教員の 77%)
・「授業(コミュニケーション英語Ⅰ)の半分以上を、生徒が英語で行っている」(教員の 65%)
2
主な取組
○ CAN-DO リストを作成することにより、年間指導計画の中で、各科における活動目標を設定
する基準ができた。
○
年間計画の中では記述しにくかったスピーキング活動の目標が明確になり、日常の指導につ
いて工夫・改善しやすくなった。
● CAN-DO リストは、本校独自で作成したものを使ってきたが、小中高連携の中で作成した、
小中高 CAN-DO リストをどのように使っていくと効果的であるかなど、検討していく必要が
ある。
○
パフォーマンステストを導入することにより、毎日の短時間スピーキング活動に生徒はより
積極的に取り組むようになった。また、教員はより客観的に生徒の活動を評価できるようにな
った。
●
パフォーマンステストの実施方法や評価基準等について、教員同士の共通理解を図る必要が
ある。
○
7月に地域の中学校を生徒が訪れ、海外語学研修に基づく異文化紹介を英語で行い、交流し
ている。
57
教育委員会の取組
1
小・中・高等学校の 10 年間を見通した取組
○
小中高 CAN-DO リストの作成と活用、即興的な言語活動の位置付け、パフォーマンステス
トの実施など、確実に実施。
小中高 CAN-DO リストの効果的な活用について、研究を進めていく必要がある。
●
2
教育委員会の役割
○
群馬県教育委員会、群馬県総合教育センター、各教育事務所(5地区)、市町村教育委員会
が連携し、英語教育強化地域拠点校への指導や助言を行う。
○
群馬県総合教育センターに設置
された「カリキュラム開発チーム」
はモデルカリキュラムを作成し、
県内各小中学校へ配付。
○
市教育委員会では、「群馬県版
小学校英語教育カリキュラム案」
を踏まえた、市独自の「小学校外
国語活動プラン」の作成及び配付。
○
定期的に学校訪問をし、授業づ
くりにおける指導を行う。
○
すべての英語教育強化地域拠点
校が公開授業を行うため、教育委
員会は学校への指導や支援を適宜行う。
〘総括・今後の方向性〙
○
英語教育の早期化・高度化に向けた取組を確実に推進しており、拠点地域以外の小・中学校
のモデルとなっている。
○
各学校における指導体制の構築や、教員の指導力の向上が図られている。
●
沼田市連携協議会小中高 CAN-DO リストの効果的な活用方法の研究と見直し、各学校の児
童生徒の実態に応じた改善が必要である。
58