公共交通の安全対策に係る意見交換会(要旨)

公共交通の安全対策に係る意見交換会(要旨)
日
時
平成 28 年(2016 年)12 月 21 日(水)15:30~17:25
場
所
明石市立市民会館 第1・2会議室
交通事業者:JR西日本、山陽電鉄、神姫バス、山陽バス、明石地区タクシー協会
出席者
障害者団体:明石市障害者当事者等団体連絡協議会加盟団体
明
1
石 市:理事兼政策部長、理事兼福祉部長、土木交通部長
市から安全対策に係る考え方や取組状況の説明
・まちづくりの方針として、障害のある人もない人も「誰もが安心して暮らせる共生のまちづ
くり」を掲げて施策を推進している。
・市総合交通計画や市交通安全計画に加え、平成 29 年 3 月を目途に(仮称)公共交通安全対策
促進方針の作成を予定している。
・交通事業者、市民との連携協力のもとで、安全対策を促進していきたい。
2
意見交換(主な意見等)
・鉄道、バス、タクシーの各交通事業者から、ハード・ソフト両面の安全対策について、現状
と今後の取組予定について説明
⑴ 鉄道について
① 障害者団体から
・駅員からの声かけが増えており、困ることが減った。お礼を申し上げたい。
・JR各駅へのホームドアの早急な設置をお願いする。
・踏切を車椅子で横断するときに、レールの隙間に車輪が嵌ってしまうことがある。
・視覚障害者などに配慮して、アナウンスができるだけ重ならないようにしてほしい。
・知的障害、発達障害、精神障害者に対する駅構内での誘導案内を手厚くしてほしい。
・障害者が気軽に駅員に声をかけられる環境を作ってほしい。
・市や社会福祉協議会との連携のもとで、駅ボランティアを導入してほしい。
・ホーム転落時の退避スペースとステップについて、整備状況を教えてほしい。
・肢体不自由の成人のおむつ交換など、ベビーベッドの利用は難しく対応を考えてほしい。
・西明石駅など、車椅子使用の駐車スペースが一般の人に使用されていることが多い。
また、駐車スペースの構造について横幅は広いが後ろにあまりスペースがない。
・無人駅について、モニター付インターフォンの設置など聴覚障害者への対応を進めてほ
しい。
②
交通事業者から
(JR西日本)
・酔客など積極的な声かけを推進する中で、お褒めの言葉も多くいただいている。引き続
きホスピタリティマインドを大切に取り組む。
・乗降客数が一日 10 万人を超える駅、転落者が多い駅について、ホームドアを設置するこ
とを発表しており、明石駅、西明石駅が該当する。国、地方公共団体との調整があり、
少し時間はかかるが、時期が決まればお知らせする。
・踏切のレールの隙間については、ゴム式の緩衝材を入れているが、構造上難しい問題で
もあるので、今後対応策を検討したい。
・肢体不自由の方への対応について、明石駅、西明石駅を含め、多目的ルームを整備して
いる駅もあり、係員に声をかけてもらえればご案内できる。
(山陽電鉄)
・困っているお客様を見たら積極的な声かけを行っている。
・事前に連絡をいただければ、無人駅であっても乗降補助の対応を行っている。
・踏切のレールの隙間については列車が走るためには必ず必要であり、構造上難しい問題
だが、老朽化による更新時には、なるべく段差が少ないものを導入していきたい。
・ホーム転落時の退避スペースを全駅に整備している。ただし、一部構造上、退避スペー
スが設けられない場所は、20m おきにステップを整備している。
・無人駅での顔が見えるモニター付インターフォンの設置について、現時点で時期は未定
であるが、今後明石姫路管内にも設置を推進していきたい。
③
市から
・ホームドアの設置について、事業者と連携協力してしっかりと取り組んでいく。
・肢体不自由児者への対応や障害者用の駐車スペースの問題は、鉄道施設だけではなく、
公共施設全般について配慮していかなければならない問題だと考えている。
⑵
バスについて
①
障害者団体から
・たこバスの運行により外出しやすくなった。
・市バスから神姫バス、山陽バスへの路線移譲によって、親切に対応してくれる運転手が
増え、安心して乗車できるようになった。
・反面、一部の運転手に対する不満の声がある。車椅子利用者の乗車を介助しない運転手
もおり、研修の徹底をお願いしたい。
・車椅子で一旦車道に降りなくても乗降できるよう、歩道に近づけて停車してほしい。
・バス乗降時は車体を必ず下げてほしい。
・明石駅バス停の「間もなく到着」の電光表示を音声通知でも行ってほしい。
・たこバスをワンステップバスにしてほしい。
・弱視であるため、バス車両の行先表示が見えない。一部のバス停で同時刻に3台も発車
するようなダイヤがあり、見直してほしい。
②
交通事業者から
(神姫バス)
・市社会福祉協議会の協力のもと、運転手の車椅子体験も実施している。
・不適切な対応や介助が必要な方の乗車などについては、時刻表に記載のある管轄の営業
所に連絡をお願いしたい。運転手の接遇の個人差は埋めるように努力していく。
・停車時は歩道にできるだけ近づけるようにしているが、障害物や歩道幅などの関係で危
険な場合は運転手の判断で少し離す場合がある。
・明石駅のバスロケーションシステムには音声機能が付いておらず、現在のところ技術的
に対応が難しい。
・国土交通省認定標準仕様のノンステップバスを随時導入している。
・たこバスへのワンステップバスなどの導入は、狭い道を通る等の理由から早急には難し
いが、できるだけ対応していきたい。
・経由地の違いにより同時刻に複数台発車するケースはある。ダイヤの見直しについて検
討できるところは検討する。
(山陽バス)
・乗務員や運行管理者を対象に、高齢者キットを装着しての体験研修などを実施している。
・乗務員の対応の問題については具体的な内容を営業所へ連絡してもらうことにより、個
別に改善指導も行う。
・平成 28 年 11 月でノンステップ、ワンステップのどちらかへの車両のバリアフリー化が
完了した。
(たこバスはリフト付き)
・たこバスは、今年度導入分からノンステップになっている。
・歩道の構造上、停車時に車体を下げられない場合もある。不便を感じる場合は、具体の
停留所を指摘してもらえれば対応を検討する。
⑶
タクシーについて
①
障害者団体から
・介助の研修を受けられている運転手がいて、安心して乗車できる。
・荒い運転や、障害者手帳を提示した時の不機嫌な対応など、一部の運転手に対する不満
の声がある。
②
交通事業者から
・様々な立場の人を理解するためのユニバーサルドライバー研修を実施しており、今後も
増やしていきたい。今月からは妊婦の対応を学ぶマタニティ研修も実施している。
・本日、当事者からの意見に直接触れ、更に踏み込んだ配慮の必要性を感じている。
・障害者手帳を提示した時の乗務員の不機嫌な対応は問題であり、指導不足は今後の課題
として検討していく。
・今後、福祉タクシーとUDタクシーの導入の促進を図っていく。
③
市から(公共交通全体について)
・障害当事者や事業者だけの問題ではなく、行政は当然のことながら、市民の理解が広が
れば、障害当事者や事業者の負担もかなり減るのではないかと思う。
・市の広報手段を使って、場面ごとのサポートの仕方について広報するなど、多くの市民
の理解が得られるよう啓発していく必要性を感じた。
・本日の意見、課題を踏まえつつ、今後、
(仮称)公共交通安全対策促進方針を作成し、障
害当事者や公共交通事業者と連携・協力を図りながら、公共交通の安全対策を促進して
いく。