奈良県立医科大学 技術分野/ シーズ ライフサイエンス (テーマ名)新しい疼痛モデルマウスを用いた新規疼痛関連遺伝子の探 索 (キーワード) 疼痛モデル、遺伝子改変マウス (シーズ概要) 我々の研究室において複数の系統の遺伝子改変マウスを飼育しており、ある BAC トラン スジェニックマウスにおいて興味深い現象が認められた。このマウスは BAC トランスジェ ニックマウスであるため、外来遺伝子の染色体への挿入により、その領域の内在性の遺伝子 の発現に異常が起こっている可能性がある。このマウスはジェノタイピングの際の刺激に対 する反応性が、野生型と比較して弱いことが認められた。そこで疼痛への感受性が低下して いるのではないかと考え、各種の侵害刺激(熱・機械・化学刺激)に対する行動解析を行っ た。予備検討の段階ではあるが、ホットプレートテストによる熱刺激に対する反応性は野生 型と比較して差が認められなかったが、Von Frey テストによる機械刺激に対しては閾値の上 昇、即ち、感受性の低下が認められた。また、ホルマリン投与による化学刺激に対する反応 は、特に炎症反応に対する行動である第Ⅱ相の反応が著明に減少しており、また、疼痛関連 行動だけでなく視覚的にも発赤や腫脹反応が減弱していた。 この遺伝子改変マウスは、何らかの遺伝子の発現に異常を起こしている可能性があり、そ の結果、各種侵害刺激に対する反応性の違いが生じていると考えられる。従ってこのマウス を詳細に解析することにより、疼痛刺激の発生または伝達メカニズムに新たな視点が得られ ると考える。 (研究成果の産業への応用可能性) 新規疼痛関連遺伝子の同定後にその遺伝子を標的とした創薬の可能性 (論文・特許) なし 研究者データ ■氏名:寺田 雄紀(てらだ ■メッセージ: ゆうき) ■講座:奈良県立医科大学 麻酔科学 ■役職:助教 ■関連ホームページ: 68
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