1 年頭のご挨拶と 県地域医療構想素案について 吉 沢 浩 志 先ずもって遅ればせながら、新年のご挨拶を申 さらに28年11月に日医総研はワーキングペー し上げます。昨年6月の役員改選では無投票で渡 パー(WP)No.373「国立・公的医療機関等の経 部会長を4選いただき有り難うございました。庭 営状況-地域医療構想との関係から-(前田由美 山理事、太田日医代議員、大貫、木滑両監事が退 子氏) 」を公表して中川副会長の意とするところ 任されて新潟市民病院副院長・高井先生を新理事、 が汲み取れた次第です。 長岡市医師会長・長尾先生を新日医代議員、前新 昨年11月までに40都府県で地域医療構想が策定 潟市医師会副会長・広橋先生と前長岡市医師会副 済及び案又は素案が作成済で、日医が強調する地 会長・大塚先生を新監事に迎えた新体制で会務に 域医療構想は「病床削減」のためではないという 励んでおります。 具体的な記述があるのは57.5%でした。また、病床 4月に関東甲信越ブロック担当の1年を山梨県 機能報告の病床数と国のガイドラインによる病床 医師会に引き継いで、 無事に大任を果たしました。 の必要量は単純に比較できないと明確に記述して 昨年7月の参議院選挙、10月の県知事選挙では いるのは7割強であり、当県の素案はこの2点に 県医師連盟としての運動を展開しましたが、結果 ついてはしっかりと記述しています。 はご承知の通りとなりました。自見はなこ議員誕 新公立病院改革ガイドラインは地域医療構想と 生は有り難いことでお礼申し上げますが、他は野 の整合性をとるべきとし、これから各地で展開さ 党共闘や原発問題等の流れがあったにしても選挙 れる「地域医療構想調整会議の合意事項と齟齬が の不可思議さを実感した次第です。 生じた場合には、速やかに新公立病院改革プラン 会員諸姉兄には今年も県医師会の諸々にご指 の方を修正すべき」 、 「中小規模の公立病院は介護 導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 保険事業との整合性を確保しつつ、例えば、在宅 さて、県は団塊の世代が後期高齢者になる2025 医療に関する当該公立病院の役割を示す」 、 「同一 年に向け、患者の状態に応じた、質の高い医療を 地域に複数の公立病院や国立病院、公的病院等、 効率的に提供する体制を確保するため、地域医療 さらには民間病院が併存し、相互の機能の重複、 構想(素案)を策定して28年12月6日に公表しま 競合がある場合には、地域医療構想や地域医療構 した。また、同日から29年1月10日までの間、県 想調整会議等も活用しつつ、他の医療機関との統 民の意見を募集しました(新潟県 HP) 。新潟日報 合・再編や事業譲渡等にも踏み込んだ改革案につ は12月31日2面にその概要を報じました。 いても検討の対象とすべき」と明記されていて、 昨年12月3日日本医師会開催の28年度家族計 「公が上位で民が下位では決してない」と中川副 画・母体保護法指導者講習会は基調講演が中川副 会長は先の講演で強調していました。 会長による「地域医療構想に向けての医師会の取 当県の必要病床数は国の推計値に加え、県独自 り組み」で、これまでの地域医療構想策定に対す の推計を行いました。県内の事情は各構想区域内 る日本医師会の考え方と関係者が共有している事 でも様々な特性を持った地域が混在します。地域 項の再確認、都道府県の取り組み状況、加えて27 包括ケアシステム構築と併せて各地域に合わせた 年3月総務省が発出した「新公立病院改革ガイド 施策の協議を継続しての地域づくりが重要です。 ライン」との関係を詳しく解説されました。 (県医副会長) 新潟県医師会報 H29.1 № 802
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