機械系と電源系を連携した 車両電源シミュレーション技術

自 動 車
機械系と電源系を連携した
車両電源シミュレーション技術
Mechanical and Electrical Co-simulation Technique for In-Vehicle
Power Supply System
*
荒井 光司 Koji Arai
佐野 佑樹
畑中 健一
Yuki Sano
Kenichi Hatanaka
高山 浩一
Koichi Takayama
2020年以降に向けて48V電源システムや自動運転等の新しいシステム・機能が提案されており、これらのシステムは車両の電源系と
強く関わっているため、その搭載によって車両の電源アーキテクチャが変化することが予測される。変化する電源アーキテクチャの中
で電源関連部品に求められる機能を見極めるべく、車両性能と部品性能の関係を明らかにし、車両目線で評価するシミュレーション技
術の開発に取り組んでいる。本稿では、機械系と電源系を連携させたシミュレーションによって電源関連部品が燃費に与える影響を解
析する技術について紹介する。
Car makers and suppliers are offering new systems, such as 48 V power supply and automated driving systems, for 2020 and
beyond. Since these systems are closely related to in-vehicle power supply systems, their introduction will make changes to
the architectures of power supply systems. To identify requirements for power supply components, Sumitomo Electric
Industries, Ltd. has been developing in-vehicle simulation techniques that help investigate the relationships between
automobiles and their components in performance. This paper introduces a technique to analyze the influence of power
supply components on fuel efficiency, based on our mechanical and electrical co-simulation.
キーワード:自動車、シミュレーション、電源アーキテクチャ
1. 緒 言
近年、世界各国における環境規制の強化及びユーザの燃
費志向を背景に、アイドリングストップ(以下、IS)や運動
エネルギー回生(以下、回生)といったシステムが広く普及
している。これらの中には性能向上のため、従来の鉛バッ
テリの他にリチウム(Li)イオンバッテリやキャパシタを搭
車両性能(燃費、加速性、操舵性、制動性など)
性能間の影響を
定量化する
載する新しい電源アーキテクチャが搭載されたものがあ
る。2020年以降に向けて提案が活発化してきている48V
電源システムや自動運転等においても、従来とは異なる電
源アーキテクチャが必要となることが予測される。電源
アーキテクチャの変化に伴って各部品に要求される性能も
変化すると考えられ、車メーカからは、部品単体に留まら
ず車両全体の目線から性能を考え、システムとして提案す
る能力が求められている。
そこで、自動車新領域研究開発センターでは、個々の部
モータ巻線
(渦損、銅損)
DC/DCコンバータ
(変換効率)
ワイヤハーネス
(電気抵抗など)
図1 車両性能と関係する電源関連部品の性能の例
品が車両の性能に与える影響(図1)を車両目線で定量的に
評価するべく、シミュレーション技術の開発に取り組んで
いる。この技術を用いることで、車両の性能と各部品特性
2. 車両シミュレーションの概要
の関係を明確にし、車両の要求に対して必要な性能を把握
当社では電気回路の動作分析や、磁性部品における銅
することができる。本稿では、機械系と電源系を連携させ
損、鉄損による損失の検証等にシミュレーション技術を活
たシミュレーションによって、電源関連部品が燃費に与え
用し(1)、こうした解析を利用して設計をブラッシュアップ
る影響を解析する技術について紹介する。
することで部品の損失低減を実現している。損失を低減す
ることで消費電力を減らし、結果として発電が減ることで
2017 年 1 月・S E I テクニカルレビュー・第 190 号
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燃費を低減できることは定性的には把握できている。しか
精度は向上するが、解析時間が増大してしまうトレードオ
しながら、発電による燃料消費量は車重・排気量・ギヤ比
フの関係がある。そのため、解析する目的と検証対象の重
等の車両特性や、車速・加減速度・道路勾配等の走行条件
要度に応じて各部品モデルの抽象度を決定する必要があ
によって大きく異なるため、従来のシミュレーション結果
る。今回のシミュレーションでは車両目線からの検証が目
から部品性能向上の燃費への影響を定量的に解析すること
的であるため、各部品内部の動作は極力簡略化する方針と
は難しい。
した。
電源関連部品が燃費に与える影響を解析するには、バッ
ISや回生等の近年の技術動向を技報(2)や調査会社資料(3)、
テリ・電装品・ワイヤーハーネス(以下、W/H)等からな
実車ベンチマーク結果等から調査し、燃費への寄与が大き
る電源系の挙動が、エンジン・トランスミッション・タイ
いパラメータや、車両全体の制御に用いられるパラメータ
ヤ等の機械系に与える負荷まで考慮しなければならない。
は実装し、それ以外のパラメータは簡略化した。例えば
そこで、機械系と電源系を一つのベンチ上に作成し、連携
DC/DCコンバータでは、内部回路で、半導体素子や磁性
した解析を行うモデルの開発に取り組んだ。
部品、回路パターン等、様々な損失要因があり、これらが
入出力電流等の動作条件に従って変化するのだが、車両目
線からは内部の損失内訳に大きな意味はないため、詳細は
3. プラントモデルの作成
記述せずに入出力電力間の効率を用いて表現した。バッテ
シミュレーションは、解析したい対象と、それに影響を
リでは、過渡挙動が回生時のエネルギー回収量に大きく影
与える物品・事象群を数式化し、その物理的な挙動を再現
響するため、これを再現できるよう等価回路表現を用い、
するプラントモデルを用いて行われる。まずはこのプラン
車両の制御に用いられるSOC ※1 やOCV ※2 をパラメータと
トモデルの作成を行った。
して実装した(図3)。このように、部品ごとに必要な抽象
3-1 車両部品の数式表現
度を見極めてモデル化を行った。
燃費の解析を行うためには、車両におけるエネルギーの
流れを分析し、どこで、どんな要因で損失が発生している
かを把握して、それをパラメータとして数式化する必要が
ある。そのため、まずは燃費と各車両部品の関係について
DC/DCコンバータ
入出力間効率マップ
η
Iin
物理的に分析を行った。図2に示すように、燃費=走行距
離/燃料消費量から始めて、各部品で発生する力や電流等
Iout
Iout
Vin
の物理量との関係を分析した。
Vout
Vin*Iin = η*Vout*Iout
バッテリ
ー
+
A
駆動力 =
走行距離 = ∫∫
車軸トルク
タイヤ半径
駆動力 − 走行抵抗
車重
※加速度の二重積分
車軸トルク
SOC-OCV特性
車軸トルク = 駆動トルク ∗ 変速比 ∗ 伝達効率
変速比・伝達効率
過渡挙動を表現
する等価回路
車軸
トルク
駆動
トルク
タイヤ半径
駆動力
∫
回転数, 出力トルク
燃料消費率[g/kWh]
エンジントルク[Nm]
燃料消費量 =
SOC算出
SOC
OCV
走行距離
燃費 =
燃料消費量
電流値
SOC
図3 モデルの例
出力トルク = 駆動トルク + Σ補機トルク
+発電機トルク + エンジンフリクション
発電機
トルク
補機
トルク
駆動
トルク
エンジン回転数[rpm]
・・・
3-3 パラメータの設定
補機
トルク
・・・
図2 車両部品の関係性分析
各部品のモデル化ができたため、続いてそれぞれのパラ
メータの数値設定を行った。ギヤ比・タイヤ径・バッテリ
の容量等、車両諸元として公開されているデータはその値
を入力し、トルク伝達効率・発電機効率等の公開されてい
(5)
を調査して、一般的
ないデータは技報・論文・特許等(4)、
と思われる値を入力した。また、DC/DCコンバータの変
3-2 モデルの抽象度の設定
この分析結果を元に各部品のモデル作成に取り掛かった。
一般に、シミュレーションモデルは記述量が多いほど解析
112
機械系と電源系を連携した車両電源シミュレーション技術
換効率や、バッテリの内部抵抗・SOC-OCV特性等は社内
開発品の実験結果やベンチマーク試験で得られた結果を入
力した。
このようにパラメータ設定を行っていったが、燃費解析
のバッテリのSOCに応じて、各バッテリの充放電量や発
の上で最も重要といえるエンジンの燃料消費率マップにつ
電量の異なる状態があることがわかった(図5)。しかしな
いては、エンジンによって特性が大きく異なること、文献
がら、解説書では「バッテリSOCが十分ある時」といった
等で入手できるデータは詳細が分からないよう数値が省か
定性的な記述であるため、各状態間の遷移条件を明確に決
れているものが多いことから、実測データが必要と判断
めることができなかった。
した。
3-4 エンジン燃料消費率マップの測定
燃料消費率マップの測定はシャシダイナモメータ ※3 設
備を利用して行った。シャシダイナモメータ上で定速走行
を行い、その時の燃料消費量を測定することで、その車
速・駆動力における燃料消費率を測定することができる。
ここで、車速・駆動力はタイヤ径・ギヤ比を用いてエンジ
ンの回転数・トルクに変換することができるため、これら
をパラメータとして複数点の測定を行うことにより、エン
ジンの燃料消費率マップを作成した。測定結果を図4に示
す。これをエンジンのプラントモデルに実装し、燃料消費
量の計算に用いるようにした。
各状態
IG OFF
停車
IG ON
始動
バッテリSOC一定以下
or 車速 ≧ 1km/h
or ブレーキ OFF
アクセルOFF
ENG
始動
再始動
④補充電
アクセルON
or 各バッテリSOC一定以上
車速 = 0km/h
& アクセルOFF
& 各バッテリ SOC一定以下
アクセルON
③ b. メインバッテリ
放電
車速 = 0km/h
& 各バッテリSOC一定以上
①走行・停止
① a. サブバッテリ
放電(発電無し)
③IS
③ a. サブバッテリ
放電
① b. メインバッテリ
放電(発電無し)
②回生
アクセルOFF
② a. メイン & サブ
バッテリ充電
アクセルON
or 車速 0km/h
① c. 走行中発電
② b. メインバッテリ充電
図5 状態遷移図
燃料消費率[g/kWh]
エンジントルク[Nm]
■ 測定点
4-2 実車両での測定
解説書では状態間の遷移条件について定性的に表記されて
いるため、制御モデル作成にあたって、その閾値を明確に定
めることができなかった。そこで、シャシダイナモメータ
上で実車測定を行い、定量的に調査を行った。定速走行や
加減速の繰り返し等、調査したい項目に応じた走行パター
ンを用意し、車速・加速度・電池残電力等を変えながら走ら
せて、バッテリの充放電量・発電機の発電量・トランスミッ
エンジン回転数[rpm]
図4 エンジン燃料消費率マップ
ションの変速線等の挙動を調査した。これによって、状態
遷移の閾値が明確になり、これを制御モデルに実装した。
また、測定結果の分析によって、バッテリはSOCに応
じて放電可状態と放電不可状態を行き来する制御になって
4. 制御モデルの作成
近年の自動車は多数の電子制御が搭載されており、回
いること等、解説書からは読み取れない制御もわかり、こ
れも制御モデルに追加した。
4-3 ドライバモデルの作成
生・ISの他、減速時フューエルカット※4・EGR ※5・発電制
自動車は、ドライバによるアクセル及びブレーキペダル
等、燃費低減に貢献する技術が電子制御によって実現
の操作に従って動作する。エンジンはもちろんのこと、
されている。そのため、シミュレーションにおいて車両の
オートマチックトランスミッションの変速動作や、回生・
挙動を再現するためには、これらの電子制御を読み解き、
IS等のシステムもアクセルペダルの踏込量やブレーキペダ
各部品の制御を行う制御モデルを作成しなければならない。
ルが踏まれているかを見てその動作を判断しているため、
4-1 車両制御の調査
シミュレーション上でアクセル及びブレーキペダルを操作
御
※6
車両に搭載された機能・装備の一般的な挙動や動作条件
するドライバのモデルを用意する必要がある。
は解説書に記されているため、まずはこれを調査して車両
燃費測定モードの走行においては、1秒ごとの目標車速を
にどんな状態があるか整理を行った。蓄電素子を2つ搭載
規定した車速パターンが用意され、これに従って走ること
し、IS及び回生システムを搭載した車両を対象に調査した
から、目標車速パターンを入力して、これと現在車速の偏
ところ、車両状態は大まかに分けて①走行中、②回生、③
差に基づいてフィードバック制御を行うこととした。しか
IS、④補充電の4状態があり、更に、各状態の中で、2つ
しながら、フィードバック制御のみでは発進時の遅れや、
2017 年 1 月・S E I テクニカルレビュー・第 190 号
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5. 車両モデルの構築
それに伴う振動が大きく、燃費に悪影響を与えるため、車
作成したプラントモデルと制御モデルを組み合わせて、
速と加速度に応じて必要となるアクセル踏込量を推測する
車両全体のモデル構築を行った。3-1項で行った車両のエ
フィードフォワード制御も用いることとした(図6)
。
ネルギーフローの分析に従ってプラントモデル間の接続を
行い、制御に必要となる電圧や回転数等のセンサを設置し
て各制御モデルへ入力し、制御モデルからの出力を各プラ
車速、加速度、車重、
ギヤ比等の情報から
アクセル開度を逆算
目標車速パターン
ドライバモデル
フィード
フォワード
制御部
実車速
+
シャシダイナモメータで測定した実測結果16.60km/Lに
ブレーキ
踏込量
+
フィードバック
制御部
目標車速と実車速
の偏差を出力
作成した車両モデルに燃費測定モードの走行パターンを
入力し、シミュレーションを行った結果を図8に示す。
+
+
ー
ントモデルに入力した(図7)。
アクセル
開度
対して16.68km/Lと、誤差は0.5%となった。車両各部
の動作の様子を実測波形と比較すると、実測のドライブロ
+
ボットとのアクセルワークのズレに起因する回生発電量の
PID制御
ズレや、ATの変速タイミングの違いによる回転数のズレ
等が一部であるものの、走行パターン全体としてはよく一
偏差が発生しないと アクセルを踏みすぎては戻
加減速の切り替え時に
アクセルを踏まない すことを繰り返してしまう。 も遅れ⇒振動が発生
ため、発進が遅れる。
致した挙動をすることが確認できた。
フィードバック
制御のみ
6. 燃費効果の検証
作成した車両モデルを用いて、電源関連部品の性能が車
フィードフォワード
+フィードバック制御
両の燃費に与える影響の検証に取り組んでいる。図7に示
遅れることなく
スムーズに発進
発進時遅れが無いため、
フィードバックによる
オーバーシュートもない
車速
目標車速
加減速切り替え時も
スムーズに加速へ移行
す電源系を搭載した車両において、走行パターンや電装品
時間
の消費電力を変えた複数のパターンで、各部品の特性が燃
アクセル開度
費にどんな影響を与えるかの解析を行っている。
これまでの解析の中で、発電機付近のW/Hを細径化する、
図6 ドライバモデル概略図
つまり、W/Hの抵抗値を大きくした際、回生時の発電電
力が大きく変化する様子が確認できており(図9)、このた
フィード
フォワード
制御部
+
目標車速パターン
アクセル
開度
機械系
制御
+
車速
ブレーキ踏量
+
+
(状態制御へも)
ブレーキ
踏込量
補機
エンジン
制御
ブレーキ
制御
各状態
③IS
油圧
ブレーキ
変速
制御
車速
デフ
タイヤ
燃料消費率[g/kWh]
エンジントルク[Nm]
再始動
①走行・停止
②回生
①a. サブバッテリ
放電(発電無し)
①b. メインバッテリ放電
(発電無し)
②a. メイン& サブ
バッテリ充電
発電電力
DC/DC
制御
①c. 走行中発電
変換電力
DC/DC
コンバータ
エンジン
回転数
発電機
制御
発電機
SOC
負荷
機械系と電源系を連携した車両電源シミュレーション技術
メイン
バッテリ
②b. メインバッテリ充電
+
ー
A
サブ
バッテリ
③a. サブバッテリ
放電
③b. メインバッテリ
放電
状態
制御部
図7 車両モデル概略図
114
④補充電
車体
燃料カット、IS
エンジン回転数[rpm]
停車
始動
トランス
ミッション
エンジン
アクセル開度
ブレーキ踏量
(状態制御へも)
アクセル開度
プラント
モデル
センシング
ドライバ
フィード
バック
制御部
制御
モデル
電気系
SOC
算出
SOC
シミュレーション
実測
車速[km/h]
80
60
40
20
エンジン回転数[rpm]
サブバッテリ電圧[V]
0
25
20
15
実測のドライブロボットとシミュレーションの
ドライバモデルのアクセルワークの差に由来
10
2500
2000
1500
1000
500
0
0
200
400
600
時間[sec]
800
1000
1200
サブバッテリ電圧[V]
車速[km/h]
図8 実測-シミュレーション動作比較
100
80
60
40
20
0
25
源システムの挙動の変化によって燃費が変動する様子が確
認できているため、継続して検証に取り組んでいく。
今後は、自動運転や、車両の電動化等、変化が予測され
ワイヤーハーネス抵抗値=R
ワイヤーハーネス抵抗値=2*R
る電源アーキテクチャの解析への展開を行うと共に、燃費
以外の評価軸も取り入れ、製品の設計・開発に貢献できる
よう技術開発を推進する。
20
15
特に前半部で、W/H抵抗値が大きい
場合回生電力が少なくなっている
10
0
100
200
300
400
500
600
700
用語集ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
800
900
1000 1100 1200
時間[sec]
図9 W/H抵抗値の違いによる動作の比較
※1
SOC
State of Chargeの略。電池の残電力が満充電容量に対し
てどれだけ残っているかを表す数値。Liバッテリでは過充
電・過放電が爆発・発火や寿命短縮につながるため、厳重
に管理される。
め、条件によっては走行パターン中における各機器の挙動
※2
が変化し、燃費が変動することがわかってきた。W/H抵抗
Open Circuit Voltageの略。電池に何も負荷を繋いでいな
値に限らず、DC/DCコンバータの変換効率等、各部品 の
い状態における電圧のこと。電池の種類によって異なり、
特性と燃費との影響を明確化するべく、継続して検証に取
SOCに依存して変化する。
OCV
り組んでいく。
※3
7. 結 言
シャシダイナモメータ
モータ兼発電機となるローラ状の装置。ローラ上に車両を
載せ、シャシダイナモメータからタイヤを駆動する、ある
電源関連部品が車両性能に与える影響を定量化すること
いはタイヤに抵抗を与えることで、走行状態を模擬するこ
を目的とし、電源系と機械系を連携させた車両シミュレー
とができる。これによって、公道やサーキットでは難しい、
ション技術を開発した。この技術を用いて、各部品の特性
走行しながらの実験や、一定のパターン走行を再現するこ
をパラメータとして燃費への影響検証に着手しており、電
とが可能である。
2017 年 1 月・S E I テクニカルレビュー・第 190 号
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※4
減速時フューエルカット
燃料消費量を抑えるため、エンジンが一定の回転数以上で
執 筆 者 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
荒 井 光 司 * :自動車新領域研究開発センター
アクセルが踏まれていない場合、燃料噴射をカットする
機能。
※5
EGR
Exhaust Gas Recirculationの略。エンジンで燃焼後の排
佐 野 佑 樹 :自動車新領域研究開発センター
気ガスの一部を吸気側に戻す技術。主に排ガス中の規制物
質の低減や、低・中負荷時の燃費低減のために用いられる。
※6
発電制御
畑 中 健 一 :自動車新領域研究開発センター
グループ長
バッテリの残電力を監視し、残電力が少なくなった時に発
電を行う制御。従来、バッテリの残電力に関係なく常に発
電していたのに比べて、エンジンにかかる負荷が減るた
め、燃料消費量を低減することができる。
参 考 文 献
(1)神頭卓司 他、
「リアクトル開発における電磁気/熱設計技術」、SEIテ
クニカルレビュー第175号、P.78(2009)
(2)高橋正好 他、「減速エネルギ回生システム“i-ELOOP”のデバイス開
発」
、マツダ技報第30号、P.43(2012)
(3)矢野経済研究所、「新世代アイドルストップシステム市場の徹底分析
2015」
(2015)
(4)小原歯車工業㈱、「歯車技術資料 1 歯車の種類と用語 1.1歯車の種
類」http://www.khkgears.co.jp/gear_technology/basic_guide/
KHK347.html
(5)ダイハツ工業㈱、特開2009-148090「車両用発電制御装置」
116 機械系と電源系を連携した車両電源シミュレーション技術
高 山 浩 一 :自動車新領域研究開発センター 部長
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*主執筆者