平成28年度 宮城県総合教育センター 専門研究 生徒指導・教育相談①研究グループ [ダイジェスト版] 研究の概要 不登校傾向がある児童生徒に対しては,安心感を与え,認められる体験や楽しい体験を増や し,元気や意欲の素となる心のエネルギーを満たすことが特に大切です。 本研究では,児童生徒の心の状態の見取り方や,心のエネルギーの満たし方を示す「こころ 満タンサポートガイド」を作成しました。この支援ガイドの活用を提案します。 本県の不登校の現状 平成27年度の本県の不登校児童生徒数は 小学生が567人(出現率0.47%),中学生 が2,272人(出現率3.53%)です。不登校 (%) 4 2.92 3.14 3.17 3.37 3.53 ●中学校(宮城) 3 ▲中学校(全国) 2.64 2.56 2.69 2.76 2.83 0.41 0.47 2 出現率において,全国との比較で上回ってい ます。 1 文部科学省の調査によると,中学校1年生 での不登校生徒の約70%は小学校の時から 0 0.34 0.37 0.33 H23 0.31 H24 0.4 0.36 H25 0.39 H26 0.42 H27 ■小学校(宮城) ◆小学校(全国) (年) 休みがちな生徒でした。 不登校出現率の推移 不登校は成長の一過程 不登校傾向がある児童生徒が学校に行けずに悩んでいる状態は,周りの人から見ると,何もしな いで怠けているように見えたり,無駄な時間を過ごしているように見えたりするかもしれません。 しかし,本人にとっては自己を確立するための大切な時間なのです。 本研究では,不登校は成長の一過程であると捉え,これまでの成長を振り返りながら,児童生徒 のありのままを受け入れ,今後を見据えて支援することが大切であると考えます。 不登校傾向がある児童生徒に関わる教師のための支援ガイド こころ満タンサポートガイド 満タンスタートガイド 不登校への対応は, まず,こちらから。 満タンナビ ①理解する 具体的な対応は, こちらです。 心のエネルギーの満たし方を 確認します。 満たす 不登校に対する基本的な考え方を理解し,確認します。 ②気付く よいところに気付いたり,あ りのままを認めたりします。 ③見取る 保護者とともに冷静に観察し, 温かく対応します。 【こころ満タンサポートガイド活用事例】で使い方の事例を見てみよう。 家庭や学校でできることを挙 げ,今後の支援を決めます。 本人の自信につなげます。 心のエネルギーとは 自信 心のエネルギーとは,元気や意 自尊感情 欲の素になるものです。不登校傾向 がある児童生徒は,心のエネルギー が不足していると考えられます。心 のエネルギーは,「安心感」「楽し い体験」「認められる体験」によっ て満たすことができます。 社会的能力 心 の 土 台 社会で生き抜くための能力 心のエネルギー 人間の良さ体験 元気や意欲の素 人間への基本的な信頼感 心のエネルギーについて 好きなことや興味のあ ることをしたり,誰かと 感動を共有したりするこ とで「楽しい体験」が得 られます。 温かい言葉を掛けて もらったり,見守って もらったりすることで 「安心感」を感じます。 よいところに気付いてもらったり,ありのままを認めて もらったりすることで「認められる体験」が得られます。 こころ満タンサポートガイドとは こころ満タンサポートガイドとは,不登校傾向がある児童生徒に関わる教師のための支援ガイド です。基本的な対応の理解と児童生徒の持っているよさに気付いた上で,個々の状態を見取り,そ の状態に即した心のエネルギーを満たすためのよりどころとなるものです。 宮城県総合教育センターのWebサイトから ダウンロード,印刷ができます。 宮城県総合教育センター こころ満タンサポートガイド 平成28年度 専門研究員 〒981-1217 宮城県名取市美田園二丁目1番4号 TEL 022-784-3541 URL FAX 022-784-3571 http://www.edu-c.pref.miyagi.jp/ 指導主事 検索 生徒指導・教育相談①研究グループ 大河原町立大河原小学校 名取市立増田小学校 栗原市立築館中学校 宮城県田尻さくら高等学校 教育相談班 教育相談班 教育相談班 赤坂 圭介 丹野 憲 千葉 正広 戸島 啓助 浅水啓一郎 早坂 正紀 北川 珠美
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