北海道の 家電リサイクルについて - 北海道経済産業局

北海道の
家電リサイクルについて
1. 家電リサイクル法とは
2. 北海道内の家電リサイクル法対象家電の引取台数
3. 北海道内の家電リサイクル⼯場で選別・回収を⾏っ
た資源の重さ
4. 北海道内の家電リサイクル⼯場で回収し破壊したフ
ロン類の重さ
5. 廃家電の適正処理について
6. 適切な対象家電の引渡し先
【参考資料】
・ 廃家電の不法投棄の状況
冬休み!リサイクル⼯場親⼦⾒学バスツアー 資料
平成29年1⽉11⽇
経済産業省 北海道経済産業局
環境・リサイクル課
(お問い合わせ先)
経済産業省 北海道経済産業局
資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課
電話:011-709-2311(内線2626)
FAX:011-726-7474
E-mail:[email protected]
1.家電リサイクル法とは
 ⼀般家庭や事務所から排出された家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫・
冷凍庫、洗濯機・⾐類乾燥機(以下、対象家電))から、有⽤な部分や
材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利⽤を推進
するための法律。
 消費者が「リサイクル料⾦の負担」、家電⼩売店が「対象家電の収集・
運搬」、家電メーカー等が「再商品化」の役割を分担。
対象家電を販売するリユースショップ、
インターネットショップも含む
【家電メーカー等】
【消費者】
リサイクル料⾦の負担
引渡しの義務
【家電⼩売店】
引取義務・再商品化等実施義務
↓ 委託 ↓
引取りと引渡しの義務
家電リサイクル券(控え)
の交付
【指定引取場所】 【家電リサイクル⼯場】
再商品化等
対象家電の引取り
(道内29箇所) (道内3箇所) 1
2.北海道内の家電リサイクル法対象家電の引取
台数
 北海道では、平成27年度に46万台超の対象家電が引き取られてい
る。
 エアコンの普及率がまだ低いことから、引取台数に占めるエアコンの割合が
全国と⽐べると極端に少なく、また、ブラウン管テレビの占める割合が⾼い
のが特徴。
■北海道内の家電リサイクル法対象家電の引取台数(平成27年度)
引取台数
4品⽬合計
北海道
4,626 (百台)
(参考)全国
108,779 (百台)
【内訳】
品⽬
台数
北海道
(百台)
エアコン
89
テレビ
ブラウン管式 液晶・プラズマ式
1,067
457
冷蔵庫
冷凍庫
洗濯機
⾐類乾燥機
1,565
1,448
割合
1.9%
23.1%
9.9%
33.8%
31.3%
全国
割合
23,548
21.6%
15,516
14.3%
10,329
9.5%
27,991
25.7%
31,395
28.9%
(資料)「家電リサイクル法の施⾏状況(引取実績)及び家電メーカー各社による家電リサイクル実績」(経済産業省)
※本データは、指定引取場所における引取台数
2
3.北海道内の家電リサイクル⼯場で選別・回収を
⾏った資源の重さ
 平成27年度に北海道内の家電リサイクル⼯場で対象家電から回収した
有償・無償譲渡が可能な資源の重量は、約15,000トン。
 「鉄」が最も多く、「その他の有価物」として多くの樹脂も回収されている。
■北海道内の家電リサイクル法⼯場で回収した資源の重量(平成27年度)
回収資源名
合計
鉄
銅
アルミニウム
⾮鉄・鉄など混合物
ブラウン管ガラス
その他の有価物
総重量
7,275.9
689.1
178.3
2,021.1
969.2
3,897.1
15,030.7
(トン)
(トン)
(トン)
(トン)
(トン)
(トン)
(トン)
【内訳】
回収資源名
(トン)
エアコン
テレビ
ブラウン管式 液晶・プラズマ式
279.9
385.7
鉄
158.5
銅
アルミニウム
26.7
32.8
107.8
7.0
⾮鉄・鉄など混合物
68.3
166.9
969.2
439.0
1,969.8
ブラウン管ガラス
その他の有価物
総重量
-
91.2
377.5
冷蔵庫
冷凍庫
洗濯機
⾐類乾燥機
4,137.6
2,314.2
7.6
27.8
348.8
47.0
198.2
63.7
99.9
717.4
-
2,117.6
7,368.4
968.6
-
812.0
4,356.7
-
437.3
958.3
(資料)経済産業省北海道経済産業局調べ
【参考:回収した資源量の換算例】
鉄
7275.9トン ≒ さっぽろテレビ塔の鉄⾻にすると 7.3基分
銅
689.1トン ≒ 奈良の⼤仏を作ると 2.8体
アルミニウム 178.3トン ≒ 350mlのアルミ⽸にすると 1,114万本
※さっぽろテレビ塔は1000t、奈良の⼤仏(台座除く)は250t、アルミ⽸は1⽸16gで試算
3
4. 北海道内の家電リサイクル⼯場で回収して破壊
したフロン類の重さ
 北海道内の家電リサイクル⼯場では、平成27年度に42,757.8トンのフ
ロン類を回収・破壊。
 フロン類は温室効果が⾼く、これらをCO2に換算すると約18万トン分の
CO2の発⽣抑制に相当。
 洗濯機は、乾燥機能が付いている機種の中にフロン類を使⽤しているも
のがあるほか、冷蔵庫では、冷媒以外に断熱材の中にフロン類を使⽤し
ている機種もあり、適切な処理が必要。
■北海道内の家電リサイクル⼯場で回収し破壊したフロン類の重量(平成27年度)
フロン類含有品⽬
エアコン
冷蔵庫 (冷媒)
冷凍庫 (断熱材)
洗濯機・乾燥機
合計
CFC-11
(kg)
(kg)
(kg)
CFC-12
-
-
-
-
4,750
×
10,900
114,571.9
1
41,599.9
1
2,625.0
-
-
-
272.1
270.0
4,175.6
7,475.1
2,895.0
×
×
×
×
4,660
1,810
1,430
2,090
275.2
1,282.4
0.334
7,557.8
0.055
=
-
-
R-410a
-
7,203.0
=
(参考)
オゾン層破壊係数※
-
3,816.5
3,677.8
497.8
=
(トン)
-
=
CO2換算
-
=
-
=
地球温暖化係数
-
275.2
-
(kg) 24,120.4
×
HCFC-22 HFC-134a
-
3,816.5
24,120.4
(kg)
R-502
10,689.4
6,050.6
0
0
CO2換算合計
(資料)「フロン類の破壊重量」は経済産業省北海道経済産業局調べ
「地球温暖化係数」及び「オゾン層破壊係数」はIPCC第4次評価報告書の数値
181,752.0
t
【参考:破壊したフロン類に相当するCO2量の例】
・直径10m(概ね⼤型バスの⻑さ)の⾵船で18万1,750個分
(この⾵船を並べると⼤通公園(1〜12丁⽬)が230個分の広さ)
・206.5k㎡(洞爺湖3個分)の森林によるCO2の年間吸収量に相当
※ ⼆酸化炭素1トン( 0℃、1気圧)は半径4.956mの球の⼤きさに相当、⼤通公園の⾯積は78,901㎡、40年⽣前後
のスギ⼈⼯林1ヘクタールが1年間に吸収する⼆酸化炭素の量は8.8トン、洞爺湖の⾯積は70.7k㎡として試算
4
5. 廃家電の適正処理について
•
対象家電のうち、特に古い製品には有害物質が含まれている場合がある
ため、適正な知識と適切な設備により処理を⾏う必要がある。
•
このため、家電リサイクルプラントでは、製品の変化に応じて設備投資や
処理⽅法の⾒直しを⾏い、適正なリサイクルを推進している。
•
⼀⽅、違法な不要品回収業者により集められた対象家電は、適正な処
理が⾏われない可能性が⾼く、国内外での健康被害や環境汚染に繋が
る懸念がある。
■対象家電に含まれている可能性がある有害物質の例(テレビ)
品⽬名
使⽤部位
物質名
毒性等
バックライト(蛍光灯) ⽔銀 脳と中枢神経の細胞を損傷するおそれがある。
急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱⼒、
⿇痺、呼吸困難等が報告されおり、致死量は体重1
パネルガラス
砒素 kg当たり1.5〜500mgと考えられている。慢性の中毒
液晶テレビ
症状としては、⽪膚の⾓質化、⾊素沈着、末梢性神
経症、⽪膚がん等が報告されている。
ラット実験では、肝機能や脊髄への影響や、発がん性
パネルガラス
アンチモン
があることが報告されている。
⾼濃度の中毒症状としては、⾷欲不振、貧⾎、尿量
プラズマテレビ
シールガラス等
減少、腕や⾜の筋⾁の虚脱等が挙げられる。
薄型テレビ
基板
鉛
ブラウン管のファンネル
ブラウン管テレビ
部分(側背⾯)
(資料)中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会特定家庭⽤機器の再商品化・適正処理に関する専⾨委員会資料
「追加品⽬に含まれる有害物質の取扱いについて」、「ブラウン管ガラスカレットの取扱について」
5
6. 適切な対象家電の引渡し先
 家電リサイクル券には「お問い合わせ管理番号」が記載されており、本番
号により、引渡した対象家電が、家電リサイクル⼯場へ間違いなく到達し
たかを確認することができます。
※(「家電リサイクル券センター」のウェブサイトで確認することが出来ます。)
 このため、対象家電の処分を⾏う場合は、リサイクル料⾦の⽀払と引き換
えに、家電リサイクル券の控え(排出者控券)を交付してくれる家電⼩
売店等へ、対象家電の引取りを依頼してください。
 家電の不法投棄や不適正処理による健康被害、環境汚染を防ぐために
は、消費者が適切な業者へ対象家電を引渡すことが不可⽋です。
■家電リサイクル券(リサイクル料⾦の⽀払い後に交付される排出者控券)の種類
(⾃店でリサイクル券を発⾏できる家電⼩売店等へ対象家電の引取りを依頼した場合)
(⾃店でリサイクル券を発⾏していない家電⼩売店等へ対象家電の引取りを依頼した場合)
※ご⾃⾝で郵便局でのリサイクル料⾦振込が必要です
6
【参考資料】
・ 廃家電の不法投棄の状況
7
参考1 対象家電の不法投棄台数と回収場所(全国)
 不法投棄台数(回収台数)は近年減少傾向
 回収場所は、ゴミ集積場所が最も多く、次いで公道
不法投棄回収台数
180,000
161,400 160,000
140,000
131,800 116,500 120,000
92,500 100,000
74,600 80,000
60,000
40,000
20,000
(台)
0
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度(平成)
不法投棄物の回収場所
(資料)「平成26年度廃家電の不法投棄等の状況について」(環境省)
8
参考2 不法投棄された未回収の対象家電の状況
(全国)
 2割の市町村が未回収の不法投棄物があると回答しており、その約半数
は回収が物理的に困難な不法投棄物があると回答
 ⾕底等険阻地への投棄等
不法投棄未回収物の有無
未回収の理由
167
152
未回収あり
21%
69
未回収なし
79%
回
収
が
物
理
的
に
困
難
私
有
地
立
ち
入
り
不
可
ま
と
め
て
回
収
予
定
67
予
算
不
足
66
担
当
者
人
数
不
足
35
32
28
回
収
設
備
な
し
排
出
者
回
収
予
定
そ
の
他
回収が物理的に困難な例
その他, 1.6%
車両及び重機
等進入不可の
場所へ投棄,
31.8%
湖沼、河川等
への水中投棄,
16.2%
谷底等険阻
地への投棄,
50.3%
(資料)「平成26年度廃家電の不法投棄等の状況について」(環境省)
9
参考3 対象家電の不法投棄の状況(都道府県別)
 都道府県別に⾒ると、北海道は不法投棄台数の総数では3位、⼈⼝あ
たりの不法投棄台数も5位と共にワーストランクの上位
不法投棄台数ワースト5(多い)
都道府県名
不法投棄台数
⼤阪府
東京都
北海道
愛知県
埼⽟県
5,882
5,333
5,249
5,180
5,164
台
【参考:不法投棄台数ベスト5(少ない)】
台
台
台
台
不法投棄台数
都道府県名
島根県
佐賀県
⼤分県
福井県
⼭形県
124
202
203
256
295
台
台
台
台
台
※不法投棄台数は回収済のもののみ
⼈⼝あたりの不法投棄台数ワースト5(多い)
都道府県名
千⼈あたりの台数
⼭梨県
沖縄県
茨城県
群⾺県
北海道
1.254
1.056
0.986
0.968
0.966
台
台
台
台
台
発⽣1台あたりの世帯数
世帯
327.9
世帯
397.5
世帯
407.3
世帯
418.6
世帯
521.7
【参考:⼈⼝あたりの不法投棄台数ベスト5(少ない)】
都道府県名
千⼈あたりの台数
⼤分県
島根県
佐賀県
福岡県
⼭形県
0.170
0.176
0.238
0.242
0.259
台
台
台
台
台
発⽣1台あたりの世帯数
世帯
2,599.7
世帯
2,305.3
世帯
1,599.1
世帯
1,875.4
世帯
1,385.7
(資料)「平成26年度廃家電の不法投棄等の状況について」(環境省)
「⼈⼝あたりの不法投棄台数」及び 「発⽣1台あたりの世帯数」は、「住⺠基本台帳に基づく⼈⼝、⼈⼝動態及
び世帯数(平成27年1⽉1⽇現在)」(総務省)を元に算出
 市町村が回収した不法投棄の対象家電は、市町村が税⾦でリサイクル料
⾦を負担し、処理を実施
 不法投棄の罰則は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰⾦ま
たはこの併科(法⼈に対しては、更に3億円以下の罰⾦)
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