投資環境マンスリー2017年2月号

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情報提供資料
投資環境マンスリー 2017年2月号
投資環境マンスリー
2017年2月号
経 済 調 査 部
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Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①米国
景気は堅調、新政権政策による成長速度の急変に注意
②欧州
③日本
④オーストラリア
⑤中国
⑥為替
米国境税のユーロへの影響
トランプノミクスの効果で当面は株高・高成長へ
豪ドルへのプラス要因はあるも、米国との金利差縮小により軟調予想
景気安定化は朗報も、資本流出に伴う元安圧力の解消は当面困難か
トランプ政権の大型財政政策が具現化されるにつれ円安ドル高基調再開へ
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
p.1-12
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2017年2月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
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投資環境マンスリー 2017年2月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: 景気は堅調、新政権政策による成長速度の急変に注意
 政策全容は未だ不透明、乱発される大統領令を見極め
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【図1】 経済刺激策は未だ不透明、大統領令で100日計画を断行
<就任演説>
<トランプ新政権の6項目の政策公約 ( 1月20日公表) >
1月20日の大統領就任式をもってトランプ新政権が誕生し、市場の関心は今
④米軍の再強化
★ 既存の政治から脱却 ①米国第一のエネルギー計画
○有害かつ不要な温暖化対策の廃止
○軍事費削減を止め、
後の政策運営に集中しています。注目された就任演説では経済政策の詳細に
○海外の石油依存からの脱却、
米軍再建計画に沿った新予算を提出
★ 米国第一主義
米国内のシェールオイル・ガスの積極的な開発
○最新の防衛システムを開発
は触れず、同日公表の6項目の政権公約にも目新しさはありませんでした(図 (雇用創出)
②米国第一の外交政策
⑤コミュニティの安全確保
1上)。政策全容や景気刺激策の具体化は2月以降の予算教書や経済教書、2月
○ISIS(イスラム国)やその他イスラム過激派テロ組織の撲滅
○国境に壁を建設し、
★ テロリズム根絶
○米国の国益・安全保障に焦点を当てた外交
不法移民・ギャング・犯罪・麻薬の流入を阻止
28日の上下両院合同会議での大統領演説を待つことになりそうです。こうし
③雇用と成長の回復
⑥米国人のための通商協定
た状況下で、新政権は、矢継ぎ早に大統領令等で個別政策を打ち出しました
○ 今後10年間で2,500万人の雇用を創出し、
○TPP(環太平洋経済連携協定)からの脱退
年+4%の経済成長に回帰
○NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉
(図1下)。TPPからの永久離脱やメキシコ国境での壁建設、入国審査の強化
○個人向けの税の簡素化・減税、法人税率の引き下げ
を指示する大統領令等は保護・排他主義への懸念を高める一方で、選挙公約
○雇用を損なう連邦政府の規制は撤廃
の実現を最優先する姿勢を印象付け、市場の政策期待を根強いものにしてい
<トランプ政権100日計画>
<就任以降に署名した大統領令等 (1月30日時点) >
~就任初日から取り組む18の措置~
ます。加えて、パイプライン計画の再開や国内製造業への規制手続の簡素化 ①連邦議会議員の任期制限を設ける憲法改正を提案
を指示する大統領覚書は、大規模なインフラ投資や景気刺激策の実現を彷彿 ②連邦政府職員の新規採用を凍結し、職員数自然減を目指す
⇒ 1月23日 【覚書】連邦政府の採用凍結
【大統領令】今ある規制の75%の撤廃を目指す、新規制を導
させ、好調な企業決算とともにダウ工業株2万ドル台突破を後押ししました。 ③新規の連邦規制を導入の際は2つの既存規制を撤廃
⇒ 1月30日
入の場合は少なくとも2つの既存規制を撤廃
引き続き、大統領令に邁進する可能性が高く、成長戦略の全容が明確になる ④ホワイトハウス・議会幹部の退職後5年間のロビー活動禁止
【大統領令】政府職員に離職後5年間、ロビー活動を禁止、ま
⇒ 1月28日
まで、トランプ氏や大統領顧問団の言動に右往左往する展開が続きそうです。 ⑤ホワイトハウス幹部の外国政府のためのロビー活動永久禁止
た外国政府のためのロビー活動は終生禁止
 景気は緩やかな拡大継続、設備投資の更なる拡大に期待
足元の景気は堅調です。2016年10-12月期の実質GDP(速報値)は前期比年
率+1.9%と前期の同+3.5%から大きく低下(図2)も、押し下げ要因は7-9月期
の大豆輸出急増の反動であり、内需は安定的な拡大を継続。個人消費は同
+2.5%と前期の同+3.0%のより伸びがやや鈍化したものの、完全雇用に近づき
雇用者数の伸び代の縮小に伴う可処分所得の伸び鈍化に沿ったものであり、
雇用・消費環境ともに堅調さを維持しています(図3)。順調な個人消費を背
景に企業の在庫投資も継続され、設備投資は3四半期連続で増加し、増加幅も
拡大しています(図4左)。トランプ大統領の当選後、企業の景況感は劇的に
改善し(図4右)、中小企業を含め設備投資の拡大や採用継続を予定する企業
が増えています。また、同氏の保護主義政策に伴い、海外企業による米国で
の生産設備拡大や増設の報道も相次いでいます。設備投資の増加が実現すれ
ば、生産性向上への道も開け、新政権政策とともに今後の動向が注視されま
す。現状では、インフレ率・成長率共にFOMCの想定範囲内に留まっていま
す(図5)。金融の引締めペースは維持される見込みであるものの、成長速度
は新政権政策に大いに左右される可能性があり注意が必要です。(吉永)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
⑥外国人ロビイストによる米国選挙のための資金調達禁止
⑦NAFTAについて再交渉もしくは脱退表明
⑧TPPからの離脱表明
⇒ 1月23日 【覚書】TPPからの正式離脱
⑨中国を為替操作国に認定するよう指示
⑩米国労働者に不当な影響を及ぼす外国の不公正貿易の阻止を指示
⑪シェールガス・石炭等の米国エネルギー資源開発規制撤廃
⑫キーストン・パイププランのような重要インフラ事業を承認
【大統領令】優先順位の高いインフラストラクチャ・プロジェク
トの環境影響調査をスピードアップ
【覚書】パイプライン計画の再開、米国内に敷設されるパイプ
⇒ 1月24日
ラインには米国製を使用
⇒ 1月24日
⑬国連気候変動プログラムへの 資金拠出停止
⑭オバマ前大統領による憲法違反の大統領措置の取り消し
⑮最高裁判事の選定
⑯不法移民の「聖域都市」への連邦政府補助金中止
⑰ 犯罪歴のある移民を強制送還
⑱ テロ頻発地域からの移民受入を中断(入国審査厳格化)
【大統領令】オバマ前大統領の主導で成立した医療保険制度
改革(オバマケア)の見直し
⇒ 2月2日 判事候補を指名予定
⇒ 1月20日
⇒ 1月25日 【大統領令】「聖域都市」に対し厳格な対応
⇒ 1月25日 【大統領令】メキシコ国境での壁建設、移民対策強化等
【大統領令】シリア難民の受入れを120日凍結。テロリスト・リ
⇒ 1月27日
スクの高い7か国の国民の入国を90日間凍結
※■は取り組み済みの項目
出所)「Donald Trump」HP、
ホワイトハウスHP、
各種報道資料より当社経済調査部作成
1月23日 【覚書】妊娠中絶支援国際団体への資金援助停止
【覚書】国内製造業に対する各種承認や規制をめぐる手続き
1月24日
を簡素化
【覚書】NSC・HSC再編(国家情報長官や統合参謀本部議長を
1月28日 常任メンバーから非常任に格下げし、バノン首席戦略官・上
級顧問らを常任)
【覚書】IS掃討計画を30日以内に提出するようマティス国防長
1月28日
官に指示
1
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投資環境マンスリー 2017年2月号
【図2】 10-12月期の成長率は下振れも国内需要は堅調
6
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【図3】 雇用環境・個人消費は巡航速度で安定的に拡大
米国 失業率と
非農業部門雇用者数
(%)
2016年
10-12月期
+1.9%
実質GDP
4
(万人)
(%)
100
75
在庫投資
失業率(右軸)
12
設備投資
25
個人消費
0
15
(%)
(1985=100)
10
100
8
6
5
50
0
-100
2000 2003 2006 2009 2012 2015
-4
2014
2015
2016
2017
(年)
0
(%)
6
鉱業生産
構築物
55
知的財産
前月比
4
(1986=100)
ISM非製造業(左軸)
110
6
105
5
100
4
(%)
95
-2
-4
機械投資
その他構築物
NFIB中小企業
楽観指数(右軸)
前月比
悪化 45
-6
2014
2015
2016
2017
(年)
90
2
85
1
80
2013
2014
2015
2016
2017
(年)
注)直近値は左図が2016年10-12月期(速報値)。右図が2016年12月。
出所)米商務省、ISM、NFIBより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(総合とコア、前年比)
5
3
平均時給
(右軸)
3
ISM製造業(左軸)
40
2013
(%)
6
+2.9%
50
0
米国 個人消費支出デフレータ
4
改善
2
-50
2000 2003 2006 2009 2012 2015 2018
(年)
米国 平均時給と
雇用コスト指数(前年比)
10
8
可処分所得
(左軸)
【図5】 インフレ率は加速傾向、FRBの目標水準へ
65
60
個人消費
(左軸)
出所)米商務省、米労働省、CBより当社経済調査部作成
米国 企業の景況感
(%)
-5
(年)
※前年比、
実質ベース
注)左図の直近値は2016年12月。右図の直近値は個人消費・可処分所得が2016年10-12月期、消費者信頼感は2016年12月。
【図4】 トランプ政策は投資拡大に拍車をかけれるのか
12
0
2
出所)米商務省より当社経済調査部作成
米国 実質設備投資(前期比年率)
+2.3%
0
非農業部門雇用者数
(前月差、左軸)
-75
政府支出
2013
4
-50
-2
注)速報値。
+2.8%
-25
純輸出
(輸出-輸入)
150
コンファレンスボード
消費者信頼感(右軸)
10
50
住宅投資
2
米国 消費者信頼感と
個人消費・支出(前年比)
雇用コスト指数
(全体、右軸)
+2.3%
2
インフレ目標
+2%
+1.7%
+1.6%
1
0
-1
0
コア
総合
-2
(年)
2000 2003 2006 2009 2012 2015 2018
2000 2003 2006 2009 2012 2015 2018
(年)
注)左図の直近値は平均時給が2016年12月。雇用コスト指数は2016年7-9月期、
右図は2016年12月。
出所)米商務省、米労働省、FRBより当社経済調査部作成
2
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投資環境マンスリー 2017年2月号
②欧州: 米国境税のユーロへの影響
 ドル高局面でのユーロ株高
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昨年11月、米トランプ大統領が選挙で勝利して以来続く上昇相場、過去の経験
から米国のポートフォリオを組んだ投資家は損失を被ったかもしれません。今回
のトランプラリーを象徴する米ドル高は、過去の経験を踏襲すると、米長期金利
(国債)の買い、米株売りポジションで対応する局面でした。しかし、昨年11月
以降の実際の相場はこれとは逆、米長期金利を売り株式を買うポジションが奏功
しました(図1)。ただ、新興国株売りは過去の経験通りで奏功した模様です。
【図1】 過去の経験値が裏目に出た米株、債券、ユーロ圏株式
ドルとリスク資産の相関
40
(%:実効ドルとの相関)
(%)
12.9
直近の経験
(トランプ・ラリー)(左軸)
ドルと 30
同じ動き
12
20
10
9.0
10
8
0
-10
ドルと -30
逆の動き-40
-50
-60
-0.2
(左軸)
過去の経験
(2002年~)
 米国境税の導入はドイツ輸出を直撃
もっとも、米新政権が打ち出す政策は、概観するとユーロ圏の輸出数量の増加
につながりそうもありません。むしろ、米貿易政策がフォルクス・ワーゲンやバ
イエルなどドイツ主要輸出企業の収益を悪化させる地雷となる恐れがあります。
米貿易政策は、トランプ大統領がいう「make America great again」の標語通
り、米国第一主義を色濃く出しそうです。その目玉は、目下米議会で議論されて
いる米下院共和党(与党)の貿易政策、国境税(BTA:Border Tax Adjustment)
です。米共和党はこれを税制改正と主張しますが、その内容は明らかに貿易政策
です。米国産製品には課税控除などの税制優遇を、そして輸入される海外産製品
には国境税として事実上の関税(米大統領報道官は税率を20%と発言、直後に訂
正しこれを取消)をかけ課税強化を図る方針のようです(図2左)。
ユーロ圏主要国が米国へ輸出する規模はドイツが最大です。同時に、ドイツ企
業は総売上高に占める米国内での売上がオランダに次ぎ高くなっています。つま
り、外国産を米国で多く販売するドイツ企業が多いと想定されます(図2右)。
この国境税の仕組みは、ドイツ、オランダ企業の収益を圧迫する一方、スペイン
企業に対しては比較的軽微な影響に留まることが想像できます。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
米株
注)グラフは実効ドル
(Major Currencies)と各
資産リターンとの過去の
4 相関を示す。米株は
S&P500、米長期金利は
2 Bloomberg米国債イン
0 デックス、新興国、ユー
ロ圏、日本の各株式は
-2 MSCI。直近の相関は
2016年11月8日から2017
-4 年1月30日。
出所)Bloomberg、MSCI
より当社経済調査部作成
6
6.6
-20
ユーロ圏株式も米株同様、過去の経験に反しドル高(ユーロ安)局面で上昇し
ました。ユーロ圏主要銘柄ではドイツ銀行などの銀行株のほか、エアバスなど輸
出企業も好調です。ドル高ユーロ安で増益期待が膨らんでいます。
14
-2.7
米長期
金利
新興国
株式
(右軸)
騰落率
2016年11月8日~
2017年1月20日
ユーロ圏
株式
日本株式
【図2】 米国境税のポイントは米国産かどうか
米国境税(BTA)のイメージ
税制優遇
課税強化
課税強化
課税強化
税制優遇
課税強化
税制優遇
米国(単位ドル)
例)ベンツ1台(11万ドル≒1,300万円)を
①輸入
②輸出
(a) ドイツで生産輸入、米で販売
110,000
0
(b) 米国で生産輸出、海外で販売
0
110,000
(c)
0
80,000
米国内製造原価
(d)
80,000
0
米国外製造原価
(a)-(c) 課税所得
110,000
-80,000
(e)
税率(ex25%)
27,500
-20,000
(f) 収益
2,500
50,000
出所)各種資料より当社経済調査部作成
(
米
国
売
上
高
シ
ェ
ア
%
≒
米
国
内
販
売
の
多
さ
)
30
25
20
ユーロ圏各国大手企業が
BTAで受ける影響
米
国
内
販
売
多
米
国
外
生
産
少
米国外生産
米国内販売
共に多い
オランダ
ドイツ
フランス
15
ベルギー
10
5
0
米国外生産
米国内販売
共に少ない
スペイン
米
国
内
イタリア 販
売
少
米
国
外
生
産
多
0
2
4
6
8
10
(各国の米国への輸出/総輸出%≒米国外生産の多さ)
注)米国売上高シェアはMSCI Euro Large Cap構成企業
の米国売上セグメント情報のある企業の実績値を積み
上げ、当該企業の総売上高と比較した数値(直近値な
2015年)。白線は6カ国平均値。
出所)MSCI、IMFより当社経済調査部作成
3
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投資環境マンスリー 2017年2月号
 米国境税がリスクオフのドル高をもたらす可能性に注意
一方で、この国境税は米国の輸入企業にも打撃を与えることになります。税率
や適用国など、今後詳細が明らかになりましょうが、米国で輸入食料品を扱う小
売、原油を輸入するエネルギー企業等は国境税による輸入価格上昇という問題に
直面しましょう。このため米新政権は米ドル高を志向しドルの競争力を強化し、
輸入企業へ事実上の補助金を提供する可能性もあるとみています(図3左)。
M
【図3】 米保護主義は世界の外需に打撃
米ドル名目実効為替レート
98
96
94
ところで図3左の2016年のドルの推移は、いわゆるスマイルカーブ(人の口角
が上がり、笑顔のときの口のようにみえる)を形成しています。図に向かって左
側の口角に位置する時期はいわゆるリスク・オフ、投資家のリスク許容度が下が
りディフェンシブな運用が奏功する局面でのドル高でした。その後ドル安に転じ
過去の経験にならい株価は上昇、トランプラリーも手伝い今度はリスクオンのド
ル高となりました。同じドル高でも、おのずととるべきリスクも異なります。
ユーロ圏景気は、ドイツを中心に目下堅調に推移しています。2013年以降続く
景気拡大は、個人消費の回復と共に外需、対米貿易が大きく貢献しています。米
国境税が現実のものとなれば、関税改廃の波と共に拡大した世界の貿易規模は今
後縮小を余儀なくされ、ユーロ圏景気のみならず、世界の景気をも湿らせましょ
う(図3右)。米国境税の議論が進展し全容が明らかになるにつれ、リスクオフ
のドル高(同時に円高)が進行する可能性もあり警戒が必要でしょう。
 フランス大統領選挙に異変。当初波乱なしの予想を変更
2017年、ユーロ圏では多くの選挙が実施されます。当初、昨年英国や米国でみ
た金融市場を震撼させる選挙戦はなく、いずれも波乱無しと予測していました。
ところが、フランス大統領選は大波乱の可能性が出てきました。
フランス大統領選は、世論の人気が高い極右国民戦線のルペン女史と、保守本
流の共和党フィヨン元首相の一騎打ち、フィヨン氏の勝利とみていました。しか
し1月に入りフィヨン氏夫人への不正給与疑惑が発覚、加えて昨年経済相を辞職
し与党の社会党からも離脱、大統領選に名乗りを上げたマクロン氏の台頭もあ
り、フランス大統領選は三つ巴の様相になりました(図4)。仮に反フィヨン票
がユーロ離脱を揚げる国民戦線のルペン女史に集まり大統領選を決すれば、ユー
ロ圏のみならず世界の金融市場に激震が走る可能性もあり要注意です。(徳岡)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
世界の貿易規模と関税
(1973年3月=100)
8
2016年
1月20日
95.5
2016年 96.9
12月28日
米ドル
名目実効為替レート
(%:逆目盛)
(%)
20
7
95.0
6
2017年
1月20日
5
30
(左軸)
世界関税レート
(貿易加重)
40
4
92
50
3
90
2
88
(右軸)
世界貿易規模
(世界GDP比)
1
(年/月)
86(2015年)
(2016年)
12/31
3/31
6/30
9/30
12/31
注)名目実効為替レートは主要通貨ベース。
60
0
70
(年)
1988 1993 1998 2003 2008 2013 2018
注)直近値は世界貿易規模が2015年、世界関
税レートは2014年。
出所)世界銀行より当社経済調査部作成
3/31
出所)FRBより当社経済調査部作成
【図4】 フランス大統領選は三つ巴で混戦模様
4月フランス大統領選 主要候補の支持率
フィヨン
(共和党 右派)
ルペン
(国民戦線 極右)
マクロン
(社会党系 中道左派)
マレンション
(左翼党 極左)
その他
候補計
ハモン
(社会党 左派)
31
26
24
24
14
12
0
14.5
【調査年月】
青:2016年11月
緑:2017年1月
10
6.5
6
23
9
10
(%)
20
30
40
出所)ELABEより当社経済調査部作成
4
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投資環境マンスリー 2017年2月号
③日本: トランプノミクスの効果で当面は株高・高成長へ
M景気は輸出主導で拡大へ、低調な消費が不安材料

【図1】 昨年10-12月期の実質GDP前期比は4四半期連続プラスへ
日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率)
(%)
2016年10-12月期の実質GDP速報(2月13日公表)は前期比で4四半期連続
のプラス成長が見込まれています(図1)。個人消費を中心に内外需ともに
バランスよい伸びが予想され、景気は安定成長に入ったといえます。牽引役
は輸出であり、経済対策実施による公共投資の拡大が押し上げ要因になると
みています。実際、個人消費が低迷するなか、輸出の拡大が景気を牽引して
おり、生産は力強い回復をみせています(図2)。
15
10
実質GDP
(前期比年率)
公的需要
(予想)
純輸出
在庫投資
5
0
-5
来年にかけての景気拡大の持続性は、トランプ米大統領の政策運営に左右
されます。同大統領は大規模財政、移民規制、保護貿易の政策を掲げていま
す。大規模財政は成長率を押し上げ株価上昇に寄与し、短期的には経済効果
が高まります。一方で、長期的にみれば移民規制や保護主義は潜在成長率の
低下要因になり得ます。当面は米国の高成長が期待できるものの、急速な金
利上昇が生じれば世界的な減速リスクにも注意が必要とみています。
2016年7-9月期
実質GDP+1.3%
(2次速報値)
個人消費
-10
民間住宅投資
-15
民間設備投資
-20
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
注) 2016年10-12月期から2017年10-12月期までが当社経済調査部の予想値。
出所)内閣府より当社経済調査部作成
 トランプノミクス効果で当面、株高・高成長が期待される
日本経済は当面、米国の内需拡大とドル高円安の恩恵を受けるでしょう。
実質GDP成長率は潜在成長率を超え1~2%程度の成長は可能とみられます
(図3)。ただ需給ギャップの改善で物価上昇が鮮明となれば、個人消費を
始め設備投資に力強さがないため、ブレーキがかかる公算が高まります。高
齢化の進展や所得格差拡大が背景にあるため、所得増が伴わなければ好循環
は期待し難くなっています(図4)。当初は円安効果で株高・高成長が続く
も、中期的には物価上昇による内需鈍化にも注意すべきでしょう。
【図2】 輸出主導で拡大する景気
(
日本 鉱工業生産と消費水準指数
(2010年=100)
110
15
108
10
鉱工業生産指数
104
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(兆円)
輸出(右軸)
80
75
5
102
65
60
0
100
-5
貿易収支
(左軸)
55
50
45
-10
96
94
92
日本 輸出入額と貿易収支
70
106
98
日銀は米金利上昇とドル高円安が続くなか長期金利の上昇をどこまで容認
するかが焦点です。2%の物価目標達成が見込まれるまで現在ゼロ%程度の
10年債利回り目標を引き上げる可能性は低いといえますが(図5)、国債買
入れ減額の思惑から超長期金利は上振れし易くなるでしょう。トランプ政権
への期待から世界的なリスクオンとなり、日本株の需給も改善しています
(図6)。当面は日本株の上昇余地を試す展開となるでしょう。(向吉)
(兆円)
家計調査・
消費水準指数
90
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
注)直近値は2016年11月実績。鉱工業生産の点線は生
産予測指数の伸びで延長したもの。出所)経済産業省
40
輸入
(右軸)
-15
-20
2000
35
(年)
2004
2008
2012
30
2016
注)直近値は2016年12月。季節調整値を使用。
出所)財務省
5
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
【図4】 日本は内需の弱さに不安、物価上昇は消費減速要因
【図3】 米国成長率の加速による日本経済の高成長に期待
(%)
M
日米の実質GDP(前年比)
(%)
8
6
(%)
4 59
需要超・供給不足
米国2009年以降
の平均:1.5%
米国
日本 設備投資、個人消費(GDP比)
日本 潜在成長率とGDP需給ギャップ(%)
6
設備投資対GDP比(右軸)
(%)
17
58
GDP需給ギャップ
(左軸)
2
(%)
30
12
4
4
日本 エンゲル係数と食料価格
(%)
14
16
28
エンゲル係数(右軸)
10
3
26
8
24
6
22
4
20
2
18
0
16
-2
14
2
0
0
-2
-2
57
15
2
日本2009年以降
の平均:0.6%
-4
56
-4
-6
潜在成長率
(右軸)
日本
-6
-8
14
1
55
13
-10
(年)
2000
2004
2008
2012
-8
(年)
1992
2016
1996
2000
2004
2008
2012
2016
0 54
1994
(年)
1998
2002
2006
2010
2014
12
2018
注)直近値は2016年7-9月期。データは実質ベース、
季節調整値。
出所)内閣府
注)直近値は2016年7-9月期。GDP需給ギャップ
=(実際のGDP-潜在GDP)/潜在GDP 出所)日本銀行
注)直近値は米国が2016年10-12月期、日本が同年79月期。
出所)内閣府、米商務省
-4
個人消費対GDP比(左軸)
需要不足・供給超
12
消費者物価・食料(前年比、左軸)
-6
1980
(年)
1986
1992
1998
2004
2010
10
2016
注)直近値はエンゲル係数が2016年11月、食料価格が同
年12月。エンゲル係数は食料費/消費支出。出所)総務省
【図5】 利回り曲線は急勾配化するも日銀の物価目標達成は遠い 【図6】 好転する日本株需給、円安・高成長が追い風に
(%)
日本 国債の利回り曲線
1.1
1.0
0.9
②直近(2017年1月30日)
0.8
0.7
0.6
0.5
0.39
0.4 ②ー①(利回り変化幅)
0.32
0.3
0.23
0.2
0.14 0.10
0.07 0.07
0.1
0.01 0.04
0.0
0.17
-0.1 -0.04
①2016年9月21日
-0.2
(「長短金利操作付き量的・
-0.3
質的金融緩和」決定)
-0.4
(年)
1 2 3 4 5 7 10 15 20 30 40
(%)
3
2
日本 消費者物価指数(前年比)
消費者物価(除く生鮮食品)
日経平均株価(右軸)
(円)
①+②(左軸)
日銀物価安定の目標(+2%)
+0.1
-1
-2
PBR
22,000
実績
(倍)
15.9 14.2
16,000
1
0
PER
今期
来期
(倍)
18,000
日銀見通し
民間予想
平均
-0.2
(2016年12月)
消費者物価
(除く生鮮食品とエネルギー)
-3
(年)
2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019
15
14,000
12,000
10
5
10,000
①海外投資家の
累積売買差額(左軸)
8,000
6,000
②日銀の累積
ETF買入れ額(左軸)
4,000
2,000
0
2013
(年)
2014
2015
2016
主要株式市場の株価指標比較
24,000
20,000
20
注)直近値は2017年1月30日。利回りは残存期間ベース。 注)日銀は政策委員見通し、民間予想はESPフォーキャスト
調査。出所)総務省、日本銀行、日本経済研究センター
出所)Bloomberg
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
日本株の主体別売買動向
(兆円)
25
0
2017
注)直近値は2017年1月第3週。累積値は売買差額(買い売り)を2013年第1週から累積。
出所)Bloomberg
日本
(TOPIX)
米国
(S&P500)
英国
(FTSE100)
ドイツ
(DAX®)
フランス
(CAC40)
豪州
(全普通株)
中国
(上海A株)
香港
(ハンセン)
インド
(SENSEX)
シンガポール
(ST指数)
タイ
(SET)
配当
利回り
ROE 10年債
今期
(%)
利回り
(%)
1.4
1.9
8.5
0.08
17.7 15.8
3.0
2.0
16.8 2.48
14.5 13.4
1.9
4.0
13.0 1.47
13.7 12.5
1.8
2.6
13.4 0.47
14.2 12.8
1.5
3.5
10.4 1.08
16.1 15.1
2.0
4.0
12.3 2.72
13.4 11.9
1.8
1.8
13.2 3.33
11.7 10.7
1.2
3.5
10.3 1.79
18.8 15.7
2.8
1.5
14.8 6.41
14.2 13.3
1.2
3.5
8.5
14.8 13.3
1.9
3.1
12.9 2.68
(%)
2.36
注)2017年1月30日時点。各株価指標はBloomberg
算出。
出所)Bloomberg
6
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
④オーストラリア: 豪ドルへのプラス要因はあるも、米国との金利差縮小により軟調予想

M2016年に底打ちした交易条件はプラス要因
年初来の豪ドルは、対米ドルで4.81%(1月30日基準)と堅調です(図1
左)。相対的に高い成長率や国債利回りが投資魅力になっていることに加え、
米ドルが軟調であることが主な背景です。
悪化していた豪州の交易条件ですが、2016年に底打ちし改善していること
は、豪ドルにプラス要因です(図4右)。同指数の上昇は貿易の採算改善を意
味します。中国不動産市況の影響は懸念されますが、共産党大会を控えるこ
とからも政治的なサポートが期待され、短期的なリスクは低いと考えます。
一方で、米豪州間の金利差が縮小していることは、豪ドルにマイナス要因
です。12月に市場予想通り米連邦準備理事会(FRB)が利上げを行う一方で、
豪州準備銀行(RBA)の利上げはまだ先とみられています。昨年10-12月のイ
ンフレ率は、消費者物価総合が前年同期比+1.5%(前期値+1.3%)、コアが同
+1.6%(同+1.7%)と依然としてRBAのターゲット(同+2から3%)を下回る
水準に留まっています(図2右)。FRBが利上げを継続していくことにより、
金利差の縮小は継続し、豪ドル安要因になると考えられます。
 投資マネーの住宅市場流入には引き続き警戒
2月7日に金融政策決定会合があり、2016年11月以来となる『金融政策報告
書』が発表され、新たなGDP成長率・物価見通しが示されます(6月、11月時
点の予想は図1右)。インフレ率が引き続き弱いことが確認されましたが、2
月の会合では政策金利が据え置かれると予想します。
住宅市場で過熱感が指摘されていることもあり、さらなる低金利政策によ
り投資マネーが住宅投資に流れることを中銀は警戒しています。既に当局は、
投資向け住宅ローンに対するリスクウェイトを引き上げており、銀行は融資
判断に慎重になるなど、政策金利以外での対応が採られています。同対応も
あり投資向け住宅ローンは2015年に減速していましたが、2016年4月以降には
早くも再加速の動きが見られます(図6左)。1月に発表された非投資向けも
含めた11月の全体の住宅ローンは、前年比+4.23%と前月値の+2.05%を上回る
結果となっており、引き続き注意が必要と考えます。(永峯)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図1】 年初の豪ドルは対米ドルで堅調
オーストラリア 為替相場
中銀の成長率・インフレ率見通し(%)
(米ドル/豪ドル)
(円/豪ドル)
140
1.8
120
2017年
1月30日
85.957
↑豪ドル高
↓米ドル高↓円高
100
1.6
最新(11月)
実質GDP
成長率
1.4
80
1.2
60
1.0
対円(左軸)
0.7555
40
対米ドル(右軸)
20
2004
2008
0.8
インフレ率
(コア)
0.6
2017年
2018年
2.5-3.5
2.5-3.5
3.0-4.0
中央値
3.0
3.0
3.5
前回(06月)
2.5-3.5
2.5-3.5
3.0-4.0
最新(11月)
1.5
1.5-2.5
1.5-2.5
中央値
-
2.0
2.0
前回(06月)
1.5
1.5-2.5
1.5-2.5
最新(11月)
1.5
1.5-2.5
1.5-2.5
中央値
-
2.0
2.0
前回(06月)
1.5
1.5-2.5 1.5-2.5
0.4
(年)
2016
注)インフレ率は消費者物価。
出所)Bloomberg、オーストラリア中銀より当社経済調査部作成
0
2000
インフレ率
(総合)
2016年
2012
【図2】 10-12月期のインフレ率は引き続きターゲット以下
オーストラリア インフレ率と政策金利
オーストラリア 実質GDP(前期比年率)
15
(%)
8
公的需要
10
(%)
政策金利
2016年12月13日
1.5%
政府見通し
民間設備投資
純輸出
2017年度
+2.75%
2016年度
+2.0%
5
6
消費者物価(前年比)
2016年10-12月期
総合 +1.3%
コア +1.7%
4
0
-5
個人消費
民間住宅投資 在庫投資
2016年
7-9月期
実質GDP
▲1.9%
-10
2012
2013
2014
2015
2016
2017
(年)
2018
2
インフレ目標
+2~3%
0
2004
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
2016
注)政府見通しは2016年12月経済財政見通し。2016年度は2016年7月~2017年6月。インフレ率は消費者物価。
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局、オーストラリア政府より当社経済調査部作成
7
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
【図4】 資源価格上昇が交易条件の改善に寄与
【図3】 足元の失業率上昇は労働参加率の上昇が要因
オーストラリア 失業率・労働参加率
7
(%)
(%)
M
70 6
69
失業率
(左軸)
6
オーストラリア 輸出金額
オーストラリア 賃金(前年比)
350
(%)
67
(億豪ドル)
100
90
300
5
80
250
68
5
(億豪ドル)
全体(左軸)
4
70
200
4
160
140
120
60
財輸出(左軸)
66 3
オーストラリア 交易条件と資源価格
180
100
150
50
3
65
2
労働参加率
(右軸)
1
0
2004
2006
2008
2010
2012
2014
100
2
時間当たり賃金(含む賞与)
時間当たり賃金(除く賞与)
64
63
1
62 0
2016 (年)
2004
2007
2010
2013
40
50
2016
(年)
サービス輸出(右軸)
0
2004
2006
2008
2010
2012
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
【図5】 米国の輸出ウェイトは低く、米新政権の影響は限定的
100(億豪ドル)
(億豪ドル)
25
中国
70
2006
2008
2010
2012
資源価格
2014
2016(年)
【図6】 投資目的による住宅ローンの減退は一時的
オーストラリア 住宅ローン
160
韓国
インド
米国
90
80
40
2004
交易条件
出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀より当社経済調査部作成
オーストラリア 国別輸出
(上位3ヵ国、除く中国、日本)
30
20
2016 (年)
60
注)直近値は左図が2016年11月、右図の交易条件が同年7-9月期、資源価格は同年12月。
交易条件は2014年Q3と2015年Q2、資源価格は2012-13年度で指数化。
資源価格は豪ドル建てで輸出品目の価格を輸出ウエイトで加重平均した値。
注)直近値は左図は2016年12月時点、右図の直近値は2016年7-9月期。
オーストラリア 国別輸出
(上位2ヵ国)
2014
30
80
(億豪ドル)
60
(%)
オーストラリア 住宅建設許可件数
(前年同月比)
50
140
40
居住用
30
120
20
60
20
50
15
100
10
80
10
40
0
30
-10
日本
20
投資用
-20
60
5
10
-30
0
2004
2006
2008
2010
2012
2014
0
2016 (年) 2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016 (年)
注)直近値は左右いずれも2016年11月。
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
40
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016(年)
-40
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016 (年)
注)直近値は左右いずれも2016年11月。居住用住宅ローンは、借り換え目的のローンを除く
住宅建設許可件数は変動を処理した値。
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
⑤中国: 景気安定化は朗報も、資本流出に伴う元安圧力の解消は当面困難か
M
 景気は2016年に安定化するも、加速の兆しはいまだ見えず
直近2016年10-12月期の実質GDPは前年比+6.8%と若干加速しました(前回
7-9月期までは3期連続で同+6.7%、図1)。代表的な月次景気指標(鉱工業生
産・小売売上高・都市部固定資産投資)を見る限り、景気は安定も加速の公算
は低いとみるのが妥当といえますが、景気減速懸念が台頭した1年前に比べ
改善は顕著であり(図2)、世界経済に安心感を与える材料となっています。
2017年は、昨年の景気を支えた政府主導のインフラ・不動産投資などが急
拡大の反動で減速の見込みですが、政府は秋の共産党大会を控え、景気失速
を許容しないとみられます。例えば、不動産市況の過熱抑制に向け、昨秋よ
り全国的に導入した不動産融資引き締めにより、住宅価格は沈静化の兆しを
見せています。ただし、建設資材や家庭用耐久財など他分野への影響も大き
いため、減速感が強まれば再び緩和の方向へ舵を切るなど、2016年:同+6.7%
と同程度の経済成長率確保に向け、小刻みな政策調整を繰り返す見通しです。
 資本取引規制を強化する当局だが、長期的なデメリットも
景気が落ち着くなか、最大の課題は元安への対処といえます(図3)。前
回ショック時(2015年夏・2016年初)と違うのは、資金流出が負債側(国内
企業の借入返済など)ではなく資産側の要因で加速している点です(図4)。
資産項目では、その他投資の流出が目立ちます(図5)。足元、急増した
のは貿易信用・貸付項目ですが、使途不明の誤差脱漏項目にも見られるよう
に(図4左)、額面通り正確な資金の出入りを表したものか疑念も残ります。
負債項目では、直接投資縮小が顕著です(図6)。中国経済の成長期待低
下に加え、最近の資本取引規制が対中投資敬遠につながっている懸念もあり
ます。当局が資本取引への監視・規制を強めるも、国内資本流出の抜け穴を
ふさげるか不透明な点に加え、短期的措置とはいえ、本来目指すべき金融市
場の対外開放に逆行した動きが、成長原資となる外資の取り込みを阻害する
リスクも抱えるなど、元安阻止に向け苦難の日々は続きそうです。(瀧澤)
【図1】 中国景気は安定化も加速の兆しは強まらず
中国 実質GDP
(業種別、前年同期比)
(%)
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
2010
中国 主要景気指標
(前年比)
(%)
30
都市部固定資産投資
(年初来累計)
25
第3次産業
全体
小売売上高
(実質)
20
+8.3%
+6.8%
15
+8.8%
+8.1%
10
+6.1%
第2次産業
2012
2014
2016
(年)
5
+6.0%
鉱工業生産
0
2010
2012
2014
(年)
2016
注)左図:直近値は2016年10-12月期時点。
右図:小売売上高は消費者物価で実質化。直近値は2016年12月時点。
出所) 中国国家統計局より当社経済調査部作成
【図2】 昨年初に比べ、中国の景気減速不安は大きく後退
(%)
中国 李克強指数の構成項目
(前年比、3ヵ月移動平均)
50
中長期新規貸出残高
40
鉄道貨物輸送量
30
20
10
0
-10
電力消費量
-20
2010
2012
2014
2016
(年)
中国 李克強指数と総合PMI
(%)
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
※李克強現首相は
遼寧省党委員会書記在任中、
左記3指標により、当時の遼寧省の
経済状況を分析していたとされる。
李克強指数(左軸)
53.5
総合PMI(右軸)
2010
2012
2014
2016
(年)
64
62
60
58
56
54 改善
52
50
48
46 悪化
注)左図:直近値は2016年12月(電力消費量のみ同年11月)時点。
右図:李克強指数は左図3指標の単純平均値。直近値は李克強指数が2016年11月、総合PMIが同年12月時点。
出所)中国国家能源局、中国国家発展改革委員会、中国人民銀行、マークイットより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
【図3】 元安阻止を図る当局だが、外貨準備が減少し苦境が続く
M7
中国 人民元相場と外貨準備高
6
人民元相場
(対米ドル、右軸)
5
5.5
2014年1月
6.04
6.0
6.5
2014年6月
3.99
元高
4
中国 人民元相場と外貨準備高
(元/米ドル)
(兆米ドル)
3
7.5
2
8.0
外貨準備高
(左軸)
1
0
2005
(億米ドル)
1,500
2011
2014
5.8
人民元相場(対米ドル、右軸)
6.0
2015年8月 人民元切り下げ
1,000
6.2
2016年1月 中国株安
500
6.4
0
-500
6.8
元高
8.5 -1,000
2017 (年)
中国 国際収支
(除く外貨準備)
(億米ドル)
3,000
外貨準備高
(前月差、左軸)
3,000
資金流入
資金流入
経常収支
2,000
2,000
1,000
1,000
0
0
2014
2015
-2,000
7.2
-3,000
2017 (年)
(年)
2005
2008
2011
2014
1,500
1,500
資金流入
直接投資
1,000
1,000
中国 金融収支(除く金融派生商品)
(負債項目)
(億米ドル)
資金流入
2,000
貸付
500
2011
2014
2017
1,500
証券投資
中国 その他投資
(負債項目)
(億米ドル)
資金流入
その他
現・預金
1,000
1,500
500
0
-500
0
-1,000
その他投資
-2,500
資金流出
(年)
2005
2008
2011
2014
2017
現・預金
-1,000
貿易信用
-1,500
(年)
2005
2008
2011
2014
2017
注)左図:外貨準備除く金融収支ベース。直近値は2016年7-9月期時点。
右図:その他投資のうち、持分や保険・年金準備金は他項目に比べ少額のため省略。直近値は2016年7-9月期時点。
出所)中国国家外為管理局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
-500
-500
証券投資
資金流出
0
500
-500
-1,500
500
1,000
0
-1,000
-2,000
2008
出所)中国国家外為管理局より当社経済調査部作成
2,500
その他
(年)
2005
【図6】 負債項目では、直接投資(対内)が縮小傾向
中国 その他投資
(資産項目)
資金流入
-3,000
2017
注)左右図ともに直近値は2016年7-9月期時点。
【図5】 資産項目では、その他投資(対外)の流出が加速
(億米ドル)
①+②金融収支
(除く外貨準備)
資金流出
①資産(対外投資)
-2,000
金融収支
(除く外貨準備)
出所)中国人民銀行、Bloombergより当社経済調査部作成
中国 金融収支(除く金融派生商品)
(資産項目)
②負債(対内投資)
-1,000
誤差脱漏
資金流出
元安
2016
-1,000
7.0
注)左図:直近値は2016年12月(月次)時点。
右図:直近値は人民元相場が2017年1月30日(日次)、外貨準備高が2016年12月(月次)時点。
(億米ドル)
中国 金融収支
(除く外貨準備)
(億米ドル)
6.6
9.0 -1,500
2008
(元/米ドル)
7.0
6.95
3.01
元安
【図4】 足元の資本流出は資産側の影響が大きい
資金流出
-1,500
資金流出
(年)
2005
2008
2011
2014
借入
-1,000
直接投資
その他投資
2017
-1,500
貿易信用
(年)
2005
2008
2011
2014
2017
注)左図:外貨準備除く金融収支ベース。直近値は2016年7-9月期時点。
右図:その他投資のうち、持分や保険・年金準備金は他項目に比べ少額のため省略。直近値は2016年7-9月期時点。
出所)中国国家外為管理局より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
⑥為替: トランプ政権の大型財政政策が具現化されるにつれ円安ドル高基調再開へ
M
 円安ドル高は小休止、トランプリスク(保護主義)を意識か
ドル円相場は、昨年11月の米国大統領選挙でのトランプ氏勝利を受け円安
ドル高が急伸も、12月15日の1米ドル=118円66銭で一服、足元は114円前後
で方向感に欠ける展開です。金融市場のリスク志向や米国金利の先高感(そ
れに伴う日米金利差変化)との連動性が薄れている感もあります(図1・2)。
背景には、トランプ大統領が持つ負の側面を意識し始めた点が挙げられま
す。同大統領は就任直後にTPP(環太平洋経済連携協定)離脱を表明、保護
主義がまやかしではないことを示しました。また、米国の貿易赤字を製造業
衰退・雇用喪失と結び付けている節があるため、米国が抱える貿易赤字が大
きく、かつ輸出競争力を高める通貨安が近年目立った国に対し圧力を強める
とみられます(図3)。日本は、2015年半ば以降の円高で通貨安の程度は一
時より弱まったものの、米国から見て中国に次ぐ貿易赤字国のため、大統領
が米ドル高の警戒を強めた場合、円がやり玉に挙げられる可能性もあります。
【図1】 リスク選好継続も円安ドル高の流れは一服
2016年9月以降 ドル円相場
米国株式とドル円相場
(円/米ドル)
(米ドル)
130
1月17日 トランプ氏
「米ドルは強すぎる」
12月15日
118円66銭
円安
125
円高
120
1月23日
トランプ大統領
TPP離脱の
大統領覚書
に署名
105
95
9
2016/9
11月9日
101円20銭
10
11
20,000
125
120
115
18,000
110
100
130
NYダウ(左軸)
19,000
11月9日
米国大統領選挙で
トランプ氏勝利が確定
115
(円/米ドル)
21,000
12
1
2017/1
(年/月)
110
円安
17,000
105
円高
16,000
100
ドル円相場(右軸)
15,000
2016
2017
95
(年)
注)左図:2016年の米国大統領選挙後の円高安値(ザラバベース)を表記。直近値は2017年1月30日時点。
右図:直近値は2017年1月30日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
 目先は米国景気安定を背景とした円安ドル高見通しが優勢か
とはいえ、世界で見た米国の相対的な景気安定感や利上げ継続観測を考慮
すると、米国金利上昇・米ドル高(円安)の流れは自然と続く見込みです。
問題は米国経済がそれに耐えられるかです。景気が変調をきたせば、トラン
プ大統領の保護主義が一段と先鋭化、円高揺り戻しリスクが高まるとみます。
【図2】 米国利上げ観測が高まり、日米金利差拡大傾向は続く
日本・米国 10年国債利回り
(%)
3.0
2.6
2.5
11月9日
米国大統領選挙で
トランプ氏勝利が確定
目先は、新政権の財政政策内容やトランプ大統領の発言一つにも反応しや
すい神経質な相場を強いられるとみますが、財政政策が具現化し、利上げ継
続の確度が高まるにつれ、円安ドル高基調が再開する見込みです。(瀧澤)
2.4
2.2
米国
2.0
目下、金利上昇下でも住宅など金利敏感分野は安定(図4)、企業心理も
改善し景気楽観論が広がっています。2014年以降、製造業と米ドルの間には
米ドル高→業況悪化、米ドル安→改善という相関が強く見られましたが、足
元は米ドル高でも業況改善と足腰の強さもうかがえます(図5・6)。雇用の
大半を占める中小企業の心理改善も、景気回復の持続性に期待を持たせます。
日米金利差とドル円相場
(%)
0.5
0.0
-0.5
2016
130
日米10年国債利回り差
(米-日、左軸)
125
120
2.0
1.5
1.0
(円/米ドル)
115
1.8
9月21日
日銀が長短金利操作付き
量的・質的金融緩和を導入
円安
1.4
円高
1.2
日本
2017
1.6
(年)
1.0
2016
110
105
100
ドル円相場(右軸)
95
2017
(年)
注)左右図ともに直近値は2017年1月30日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
11
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
【図3】 トランプ大統領が嫌う貿易赤字、通貨安国は攻撃対象に
M0
米国 貿易収支(国・地域別)
【図4】 金利が再び上昇するなか、住宅需要拡大が続くか注視
主要国 実質実効為替相場
(億米ドル)
0
-200
カナダ
-400
メキシコ
-600
-500
-1,000
-1,500
ドイツ
日本
-2,000
1,000
130
米国
通貨高
-2,500
ユーロ圏
中国(左軸)
-3,000
-1,400
-1,600
-3,500
100
ユーロ圏
-4,000
-2,000
2002
2005
2008
2011
80
2014
2017
(年)
通貨安
70
2012 2013 2014 2015 2016 2017
注)左図:12ヵ月移動累計値。直近値は2016年11月時点。
右図:対61ヵ国・地域ベース。指数化は当社経済調査部。直近値は2016年12月時点。
新築+中古
住宅販売件数
(年率、左軸)
400
60
ISM製造業景気指数(左軸)
58
56
105
業況改善
米ドル安
50
48
95
100
54
52
90
業況悪化
米ドル高
業況改善
(1月19日)
(1月24日)
リッチモンド連銀
95
(1月24日)
カンザスシティ連銀
90
80
(1月26日)
ダラス連銀
(1月30日)
シカゴ購買部協会
(1月31日)
2004
2007
2010
2013
2016
(年)
注)左図の米ドル指数(名目)は対主要26通貨ベース。指数化は当社経済調査部。
直近値は米ドル指数(日次)が2017年1月20日、ISM製造業景気指数(月次)が2016年12月時点。
出所)米ISM、FRB、NFIB(全米独立企業連盟)より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(1月17日)
マークイットPMI
100
130
ニューヨーク連銀
フィラデルフィア連銀
業況悪化
85
(年)
2016年12月
105.8
105
125
米ドル指数(逆目盛、右軸)
42
2014
2015
2016
2017
2016年
110
44
60
米国 製造業景気指数(公表機関別)
1月
120
(年)
【図6】 米国内で広がりを見せる製造業の業況改善の動き
115
46
80
出所)米商務省、NAR、Bloombergより当社経済調査部作成
(1986年=100)
110
115
120
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
米国 中小企業楽観度指数
(2014年初=100)
140
注)直近値は住宅価格指数が2016年10月、住宅販売件数が同年12月時点。
【図5】 米ドル高への耐性見せ始めた製造業、中小企業も強気に
米ドルと米国製造業景気指数
160
2009年1月
2010年7月
出所)米商務省、BIS(国際決済銀行)より当社経済調査部作成
(%)
180
100
300
(年)
200
2012年2月
2009年5月
2009年11月
500
日本
カナダ
メキシコ
220
2010年5月
600
90
-1,800
※中国以外はすべて右軸
2005年7月
700
-1,200
(2000年1月=100)
S&Pコアロジック・ケース・シラー
住宅価格指数
(20大都市、右軸)
800
中国
110
2006年4月
900
120
-800
-1,000
米国 住宅販売件数と住宅価格指数
(万件)
(億米ドル) (2012年12月=100)
ISM
(2月1日)
2017年
2月
3月
▲16.8 ▲14.5 ▲1.5
▲5.3 ▲3.8
4月
5月
8.4 ▲9.0
10.6 ▲1.2 ▲1.5
52.4
51.3
51.5
50.8
3
▲4
17
10
▲ 9 ▲ 10
▲5
▲4
50.7
6月
10月
11月
12月
1月
3.7 ▲0.5 ▲3.2 ▲1.2 ▲5.5
2.2
7.6
6.5
4.1 ▲0.9
51.3
0 ▲ 10
▲4
2
▲35.8 ▲31.4 ▲12.7 ▲12.9 ▲19.8 ▲17.3
7月
8月
9月
4.3
11.6
11.1
8.7
19.7
23.6
52.0
51.5
53.4
54.1
54.3
55.1
10 ▲ 11
▲8
▲4
4
8
12
4
4
0
9
9
0.1 ▲4.8 ▲2.1
0.6
12.5
17.7
22.1
52.9
▲5
▲3
55.0
49.3
53.1
50.7
50.3
55.5
54.6
51.6
54.0
51.8
57.2
53.9
---
48.6
49.7
51.7
50.7
51.0
52.8
52.3
49.4
51.7
52.0
53.5
54.5
---
注)カッコ内日付は直近2017年1月値公表(または予定)日。塗りつぶし部分■は各統計上の業況縮小。
業況拡大・縮小の境目はマークイットPMI・シカゴ購買部協会・ISMの指数が50、各地区連銀の指数が0。
出所)各地区連銀、マークイット、シカゴ購買部協会、米ISMより当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
180
日本
140
120
100
80
60
40
20
0
2005
2008
2014
2017 (年)
中国
450
新
興
国
2011
米国
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
160
先
進
国
①株式: 高値更新続く米国筆頭に先進国は好調持続
150
100
50
0
2008
400
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
2014
2017 (年)
インド
450
350
2011
2008
2011
2014
2017 (年)
メキシコ
350
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
2011
2014
2017 (年)
2008
2011
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
トルコ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
ブラジル
2005
2008
2011
0
2005
2008
2017 (年)
2014
2017 (年)
ポーランド
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2014
2011
2005
2008
2011
南アフリカ
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2017年1月30日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2005
350
500
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
300
2008
インドネシア
600
0
2005
2005
オーストラリア
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200
2005
400
ドイツ
250
2005
2008
2011
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
②金利: インフレリスクを織り込み始め、金利上昇圧力のかかりやすい展開か
M
(単位はすべて%)
先
進
国
8
日本
米国
8
ユーロ圏
8
6
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
0
0
0
利回り(10年物国債)
2
0
オーストラリア
8
政策金利
-2
-2
2006
新
興
国
2008
2010
2012
2014
2016
中国
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
2008
2010
2012
2008
2014
2016
2006
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2016
8
4
3
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2016
2006
(年)
2008
15
12
12
9
9
6
6
3
3
2012
2014
2016
(年)
2010
2012
2014
2016
(年)
2016
(年)
南アフリカ
18
15
2010
トルコ
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
0
2006
2006
(年)
ポーランド
18
9
2010
インドネシア
2006
(年)
12
6
2008
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
16
12
-2
2006
(年)
ブラジル
20
15
2010
インド
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
メキシコ
18
-2
2006
(年)
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:2016年8月18日までBI金利、以降は7日物リバース・レポ金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、
ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、日本は2013年4月4日までが無担保コールレート(翌日物)、2016年9月21日以降は日銀当座預金のうち政策金利残高適用金利(▲0.1%)を図示。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
注4)直近値は2017年1月30日。注5)一部データの欠損あり。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
③為替: トランプ大統領の米ドル高けん制発言もあり、1月の米ドルはほぼ全面安に
(円/米ドル)
M
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
日本・円
(米ドル/ユーロ)
1.8
80
100
円高
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
中国・人民元
22
6.0
20
18
7.0
16
7.5
14
8.0
12
30
インド・ルピー
0.9
1.2
120
0.8
8.5
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
35
45
50
55
10
65
70
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(MXN/米ドル)
8
メキシコ・ペソ
12
(BRL/米ドル)
1.0
ブラジル・レアル
10
16
8
20
6
2.5
3.0
3.5
4
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2017年1月30日。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(IDR/米ドル)
インドネシア・ルピア
(円/IDR)
1.5
80
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
0.5
(TRY/米ドル)
1.0
12000
2.5
50
3.0
40
3.5
30
4.0
20
4.5
100
80
2.5
60
40
3.5
0.7
(PLN/米ドル)
60
120
0.9
16000
2.0
(円/TRY)
3.0
14000
70
トルコ・リラ
2.0
1.1
1.5
40
(年)
1.3
10000
80
60
1.5
8000
4.0
ポーランド・ズロチ
(円/PLN)
60
40
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
30
4.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
100
2006 2008 2010 2012 2014 2016
50
2.0
4.0
24
120
0.6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/BRL)
1.5
12
80
6000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/MXN)
100
対日本円
(右軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/INR)
60
新
興
国
(円/豪ドル)
1.0
0.8
40
6.5
オーストラリア・ドル
1.1
140
1.0
円安
(INR/米ドル)
(円/元)
160
(米ドル/豪ドル)
1.2
1.4
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(元/米ドル)
180
0.7
120
130
5.5
(円/ユーロ)
対米ドル
(左軸)
1.6
90
ユーロ
(ZAR/米ドル)
4
南アフリカ・ランド
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
15
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日:
現地通貨ベース
1ヵ月
地域別
株式
業種別
その他
3ヵ月
11.4
9.7
海外先進国
1.6
6.8
18.5
2.2
6.8
新興国
4.4
2.3
21.2
5.9
1.5
素材(景気敏感)
5.4
12.2
45.8
6.9
▲ 3.7
4.6
28.6
IT(情報技術)
4.8
6.8
ヘルスケア
0.6
2.9
日本
▲ 0.6
▲ 1.8
1.3
海外先進国
▲ 1.0
▲ 2.6
0.6
0.1
エネルギー
円換算ベース
1年
1ヵ月
3ヵ月
1年
2012年
2013年
2014 年
2015 年
2016 年
2017年
10.3
▲ 0.4
1.7
20.1
▲ 0.8
6.0
▲ 0.5
11.9
▲ 14.2
8.9
3.2
25.3
9.1
▲ 14.5
20.3
4.2
15.3
40.2
2.7
▲ 21.8
24.9
▲ 5.7
18.8
26.6
50.7
30.4
5.6
9.3
2.4
▲ 3.2
31.2
58.5
32.4
7.5
▲ 9.0
▲ 1.6
1.2
3.3
▲ 0.6
▲ 3.4
▲ 2.7
▲ 3.0
▲ 9.0
4.1
▲ 1.1
1.6
7.4
▲ 1.4
0.6
1.4
▲ 0.9
1.7
11.4
9.7
21.8
54.8
9.8
17.9
▲ 0.5
15.4
11.8
30.2
48.8
26.4
3.2
10.1
20.3
31.4
19.1
11.4
46.3
4.2
20.0
40.3
24.6
▲ 3.0
5.0
27.4
▲ 5.7
13.7
21.3
24.6
5.1
6.2
24.9
2.4
14.8
2.9
1.1
2.4
2.8
▲ 1.6
11.0
▲ 0.6
▲ 1.8
1.3
1.8
2.1
4.5
▲ 0.4
▲ 0.2
▲ 3.1
▲ 1.8
▲ 3.0
5.5
▲ 7.9
19.8
21.7
17.1
8.1
1.6
▲ 2.1
9.3
▲ 1.1
6.5
3.2
24.1
15.0
13.9
1.3
▲ 1.6
11.8
▲ 1.4
7.1
5.7
30.2
16.1
21.2
▲ 0.9
▲ 3.1
▲ 1.6
4.9
▲ 1.5
9.4
海外先進国
1.1
▲ 2.4
9.4
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
7.9
1.1
▲ 1.8
4.7
▲ 2.2
6.8
▲ 1.3
23.9
21.5
16.9
▲ 3.4
1.6
▲ 2.2
1.7
2.2
18.7
▲ 1.0
10.8
12.6
32.1
29.4
13.6
▲ 3.8
12.1
▲ 1.0
0.7
▲ 1.4
6.9
▲ 2.0
7.2
0.9
26.0
19.5
19.3
0.2
3.6
▲ 2.0
新興国(米ドル建て)
投資適格
0.6
ハイイールド
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
世界
社債
1ヵ月
1.7
新興国(米ドル建て)
ヘッジ有
その他
債券
米ドルベース
1年
日本
新興国(現地通貨建て)
国債
3ヵ月
2017年1月30日
2.0
2.3
20.8
▲ 0.7
10.9
14.8
33.9
21.9
12.9
3.8
14.9
▲ 0.7
先進国
1.8
4.5
15.6
2.2
3.5
15.6
▲ 0.5
12.2
9.5
25.1
38.6
17.5
1.6
5.0
▲ 0.5
新興国
1.2
▲ 1.1
▲ 0.1
1.7
▲ 1.4
▲ 0.7
▲ 1.0
7.2
▲ 6.8
28.6
33.9
15.5
4.3
▲ 5.9
▲ 1.0
物価連動 先進国
国債
新興国
0.4
▲ 1.2
3.5
▲ 2.3
7.5
▲ 2.6
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
1.3
▲ 2.3
3.4
0.2
28.1
0.7
8.8
22.0
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
20.4
0.7
先進国
▲ 0.7
2.2
9.5
▲ 3.5
10.9
3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
4.2
▲ 3.5
新興国
1.0
▲ 4.5
14.2
▲ 1.7
4.1
8.2
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
5.5
▲ 1.7
▲ 0.5
1.4
13.1
▲ 3.2
10.1
7.0
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
9.1
▲ 3.2
転換社債
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2016年は2015年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
Ⅳ.2017年2月の主要な政治・経済日程
月
1/30
M
(日)
(日)
(米)
(米)
(欧)
(欧)
(仏)
(米)
火
31
日銀金融政策決定会合(~31日)
12月 商業販売統計
12月 個人所得・消費
12月 中古住宅販売仮契約指数
10-12月期 実質GDP(1次速報)
1月 製造業PMI(速報)
10-12月期 実質GDP(1次速報)
連邦公開市場委員会(FOMC)
(~2月1日)
(日)
(日)
黒田日銀総裁定例記者会見
経済・物価情勢の展望
(基本的見解)
12月 鉱工業生産
12月 家計調査
12月 労働関連統計
11月 S&P/ケース・シラー
住宅価格指数
1月 シカゴ購買部協会景気指数
(日)
(米)
(米)
12月 毎月勤労統計
(日)
12月 景気動向指数
(米)
(米)
12月 貿易収支
12月 消費者信用残高
12月 小売売上高
(独)
12月 鉱工業生産
10-12月期 実質GDP(1次速報)
(日)
(米)
(欧)
(欧)
(独)
(独)
(伊)
(英)
(英)
6
(日)
(豪)
(中)
(中)
(他)
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
7
13
(日)
水
2/1
20
21
(日)
1月 貿易統計
(米)
ワシントン誕生日(祝日)
(日)
1月 消費者態度指数
(米)
1月 新車販売台数
(豪)
12月 住宅建設許可件数
(日)
(日)
(日)
(日)
日銀金融政策決定会合主な意見
12月 経常収支
1月 銀行貸出
1月 景気ウォッチャー
(日)
(日)
12月 機械受注統計
1月 マネーストック
(米)
12月 卸売売上高
(他)
ブラジル 1月消費者物価(IPCA)
(米)
(中)
(他)
(他)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(豪)
(米)
(米)
(米)
(仏)
28
1月 中古住宅販売仮契約指数
1月 耐久財新規受注
10-12月期 実質GDP(2次速報)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(欧)
12月 企業売上高・在庫
1月 消費者物価
1月 小売売上高
1月 鉱工業生産
2月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
2月 ニューヨーク連銀景気指数
2月 消費者信頼感指数
10-12月期 法人企業統計調査
2月 新車登録台数
(米)
(米)
1月 建設支出
2月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
10-12月期 実質GDP
2月 製造業PMI(国家統計局)
2月 製造業PMI(マークイット)
(豪)
(中)
(中)
(米)
(米)
1月 住宅着工・許可件数
2月 フィラデルフィア連銀景気指数
(豪)
1月 雇用統計
1月 製造業PMI(マークイット)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
1月 企業向けサービス価格
(独)
(独)
(英)
10-12月期 実質GDP(2次速報)
3月 GfK消費者信頼感指数
10-12月期 実質GDP(確報)
(米)
(米)
1月 新築住宅販売件数
2月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
(他)
ブラジル 1月 失業率
3
(日)
(日)
(日)
(米)
2月 新車販売台数
(日)
(豪)
12月 第3次産業活動指数
1月 企業物価指数
1月 輸出入物価指数
1月 月次財政収支
2月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
12月 鉱工業生産
12月 鉱工業生産
12月 鉱工業生産
24
(日)
2
(日)
(日)
(中)
17
1月 中古住宅販売件数
3/1
1月 鉱工業生産
1月 商業販売統計
10-12月期 実質GDP(2次速報)
12月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
1月 卸売売上高
2月 消費者信頼感指数
(コンファレンス・ボード)
2月 シカゴ購買部協会景気指数
2月 製造業PMI(速報)
(米)
12月 製造業新規受注
1月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
1月 雇用統計
(仏)
(伊)
(英)
23
2月 ifo景況感指数
(米)
(米)
発表日未定経済指標など
10
16
22
(独)
27
9
15
12月 製造工業 稼働率指数
1月 生産者物価
10-12月期 実質GDP(2次速報)
12月 鉱工業生産
10-12月期 実質GDP(1次速報)
2月 ZEW景況感指数
10-12月期 実質GDP(1次速報)
1月 消費者物価指数
1月 生産者物価指数
金
3
1月 新車登録台数
12月 建設支出
1月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
1月 ADP雇用統計
1月 製造業PMI(国家統計局)
ブラジル 12月 鉱工業生産
ブラジル 12月 失業率
1月 消費者信頼感指数
8
14
1月 消費者物価指数
1月 生産者物価指数
ブラジル 12月 小売売上高
木
2
1月 住宅建設許可件数
(米)
(伊)
1月 家計調査
1月 労働関連統計
1月 消費者物価指数(総務省)
1月 消費者物価指数(日銀)
2月 消費者態度指数
2月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
10-12月期 実質GDP(2次速報)
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2017年2月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元本を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
本資料に関してご留意頂きたい事項
■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり
ません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
■投資信託は、預金等や保険契約とは異なり、預金保険機構、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。銀行等の登録金融機関
でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の補償の対象ではありません。
■投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い委託会社が運用を行います。
■本資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。(作成基準日:2017年1月31日)
■本資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。
■各ページのグラフ・データ等は、過去の実績・状況であり、また、見通しないし分析は作成時点での見解を示したものです。したがっ
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◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元本を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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