南中だより - 笠間市教育委員会

南中だより
平成29年2月3日
学校だより No.35
福祉作文集に掲載されました!
3年生の浦井さんの作文が笠間市社会福祉協議会事業の「福祉作文集」に掲載されました。この作文
集は,各学校と図書館などの公共施設などに配布されています。福祉体験をしたことや環境について,
ボランティアについて,家族についてなどの市内の小中学校,高校生の作品が掲載されています。浦井
さんの作文は,心優しい南中生を代表するすばらしい作品です。是非,ご一読ください。
私の祖父母
3年 浦井
果歩
私には,82歳の祖父と77歳の祖母がいます。二人とも,仲が良く,優しいです。
祖父は80歳を過ぎているとは思えない程,元気です。お米や野菜を作っている他に,山へ行って木を切っ
たり,田畑の草を刈ったり,雨の日は,草刈機の刃を研いだり,休みなく働いています。さらに使った道具は
きれいに整理整頓されているので,物を大切にしていることがわかり,とても尊敬しています。
祖母は,とても笑顔が素敵です。
数年前,脚を手術した為,祖父のように,農作業に従事することはできませんが,杖や歩行補助車を使って,
祖父の役に立とうと頑張っています。夏の暑い日も,庭に出て,イスに座りながら草を取っています。お蔭で,
我が家の庭は,きれいになっているので,とても気持ちがいいです。
祖父母の住んでいる家は,同じ敷地内にあるので,いつも野菜やおかずを届けてくれます。私は祖父母の作
るあんこ餅が大好きです。畑で育てた小豆からあんを作ってくれるので小豆の香がして買ったものとは比べ物
にならないくらいおいしいです。
毎年,お盆や年末になると,家で作った餅米でお餅つきをします。祖父が中心となってお餅つきをして出来
上がったお餅に,祖母手作りのあんをからめて食べると,おいしくて,ついつい食べ過ぎてしまいます。また,
祖母の作るきゅうりの漬物は,買った物より,はるかにおいしいです。以前,友達にきゅうりの漬物を届ける
と,
「果歩のおばあちゃんが作った漬物はおいしいね。」と言ってくれました。その事を祖母に伝えると,とて
も喜んでくれました。
私は,時々,母に頼まれて祖父母の家におかずを届けに行くことがあります。届けに行くといつも「ありが
とう。
」と言ってくれます。私は,とても明るい気持ちになります。
祖父母は,私が学校へ行く時,
「おはよう。気をつけて行ってらっしゃい。
」と声をかけてくれます。私は,
その言葉を聞いて,今日も一日がんばろうと思うことができます。小学校の時,朝,時間ギリギリに出てくる
と,車庫から自転車を出しておいてくれたことが何度もありました。今,振り返ると,少しでも慌てずに,安
全に通えるようにと祖父母が心をかけてくれていたのだと思えました。
今年の3月,叔父が病気で他界しました。祖父母にとっては大切な息子です。高齢な祖父母にとって叔父の
看病は,心身共に疲れていたと思いますが,毎日,病院へ行き,叔父を支え励ましていました。新年は迎えら
れない覚悟で看病していましたが,祖父母の励ましのお蔭で,3月まで,生きることができました。告別式の
日,棺に入った叔父の体の周りにたくさんの花を飾りました。飾り終わって席に着くと祖父母が泣いていまし
た。私は初めて二人が泣いている姿を見て,胸がしめつけられそうな程,悲しい気持ちになりました。祖父母
にとって,子供が先に逝ってしまうことが,どれほど,悔しく,切なかったかと思いました。悲しい顔よりも,
元気で笑っている祖父母の顔をずっと見ていたいので,私にできることがあったら全力でやっ
てあげたいです。
いつまでも二人仲良く,長生きしてもらいたいと心から思っています。