このたびは第 27 回日本化学会関東支部 茨城地区研究交流会におきまして、ポスター賞 をいただきました。今回の受賞を励みに、勉学に邁進します。 私の所属する研究室では、触媒金属を酸化ダイヤモンドに担持させ、炭化水素との接触 反応により得られる繊維状ナノ炭素-ダイヤモンド複合体“マリモカーボン”の合成を行っ ています。析出する繊維状ナノ炭素の重量、形態および微細構造は、触媒金属や合成温度 などの合成条件により変化します。現在、酸化ダイヤモンド担持 Ni 触媒を用いて合成し たマリモカーボンの微細構造を活かして、燃料電池の電極触媒担体やリチウムイオン二次 電池の導電助剤として用いる共同研究を茨城大学の江口美佳先生のグループと行っていま す。 マリモカーボンの構造を制御する因子の一つとして、我々は触媒金属に注目しています。 Ni に Cu を添加した触媒を用いてマリモカーボンを合成することで、ひとつの触媒から複 数本の繊維状ナノ炭素が成長する特徴的な構造が得られることを見出しています。今回は、 燃料電池の電極触媒担体への応用を念頭に、Ni-Cu 二元系触媒を用いたメタンの接触反応 により合成を行い、合成温度の違いによって形態および微細構造が変化することを見出し ました。 今後は、多様な微細構造を持つマリモカーボンを制御性良く合成する研究に取り組み、 その微細構造を活かした展開を考えていきたいと思います。 最後に、本研究のご指導をいただいた蒲生西谷美香先生をはじめ、共同研究者の安藤寿 浩先生、中川清晴先生、今日までの研究成果を築かれた先輩方、そして共に研究に励んだ 後輩たちに深く感謝いたします。 1
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