エマージング・マーケット・マンスリー

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情報提供資料
エマージング・マーケット・マンスリー
エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
2017年2月号
経 済 調 査 部
Contents
※「エマージング諸国」とは、アジア、中南米、東欧・ロシアなどの新興諸国を指します。
【フィリピン】 底堅く拡大する景気、高まる米新政権の保護主義策への懸念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1ページ
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6ページ
【フィリピン】 底堅く拡大する景気、高まる米新政権の保護主義策への懸念*
【図1】 10-12月期の民間消費や固定資本投資は前期より鈍化(右)
 選挙による押上げがはく落する中でも景気は底堅く拡大
年初よりフィリピン・ペソの軟調さが目立ちます。国内投資の加速による資本財輸
入の増加と貿易赤字の拡大や、米トランプ政権の保護主義策によって海外就労者送
金や業務プロセス外部委託(BPO)収入が下押しされるとの懸念などが背景とみられま
す。複数の米BPO企業が同国での拡張投資計画を凍結。政府は米新政権の政策への
懸念が主因と指摘しました。今後もペソ相場は低迷を続けるのか。本稿では、足元
の景気物価動向を概観した上で(1-3頁)、今後の金融政策の方向性について考察(3頁)。
また、現政権が取組む税制構造改革の動きについて概観し(4頁)、大統領の取組む麻
薬撲滅運動に関連して生じる諸外国との摩擦(4頁)や米新政権の保護主義策の同国へ
の影響(5頁)について分析した上で、今後のペソ相場について考察します(5頁)。
16
14
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
したと公表。市場予想(Bloomberg集計の中央値)どおりの成長率でした。季節調整済
30
選挙と大統領選挙にかけて押上げられた内需は、過去の選挙年と同様に年末にかけ
25
て正常化し、10-12月期の成長率を押下げました。民間消費と固定資本投資の減速に
20
は正常化しつつあります。食品消費が同+5.7%と前期の+8.3%より鈍化。食品物価の
上昇の影響とみられます。政府消費は同+4.0%と前期の+3.1%より加速したものの、
前年比
(線)
注) 直近値は
2016年10-12月期
((%)実
です。昨年通年の成長率は前年比+6.8%と前年の+5.9%を上回りました。昨年5月の総
近く、政党による選挙関連の支出等で昨年4-6月期に+7.4%まで押上げられた同消費
(%)
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
14
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
実質GDP前年比と寄与度(四半期)
実質GDP
固定資本
投資
政府消費
民間消費
在庫投資
純輸出
注) 直近値は
2016年10-12月期
2006
2008
(年)
2010 2012 2014 2016
出所)フィリピン国家統計局、CEIC
【図2】 農林漁業が反落したものの、製造業とサービス部門は加速(右)
みの前期比年率は+7.1%と前期の+6.1%から加速しており(図1左)、足元の景気は堅調
た。民間消費は前年比+6.3%と前期の+7.1%より鈍化。昨年まで5年間平均の+6.2%に
前期比年率
(棒:季節調整済)
2006
1月26日、政府は昨年10-12月期の実質GDPが前年比+6.6%と前期の+7.0%より減速
伴って(図1右)、内需(在庫投資を除く)は前年比+9.0%と前期の+10.5%より鈍化しまし
実質GDP成長率 (四半期)
(%)
実質公的支出の前年比と寄与度(四半期)
40
実質公的支出
(%)
実質GDP前年比: 産業別 (四半期)
30
15
20
10
公的建設
政府消費
5
0
建設
サービス
製造
10
0
農林漁業
-5
-10
-10
-15
上記選挙の行われた4-6月期の+13.5%からは大きく低下。選挙に向けて加速した歳出
-20
は政権移行期の7-9月期に鈍化したものの、その後正常化しているとみられます。
-25
注) 直近値は
2016年10-12月期
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
-20
注) 直近値は
2016年10-12月期
-30
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
出所)フィリピン国家統計局、CEIC
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
*注)本稿は、「アジア・マーケット・マンスリー」からの転載です。
1
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エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
 インフラ投資等の伸びに伴って公的建設投資が加速
【図3】 消費者物価は総合物価とコア物価ともに緩やかに上昇(左)
固定資本投資は同+18.7%と前期の+23.8%より鈍化しつつ好調でした。建設投資が同
+9.5%と前期の+16.8%より鈍化する一方、設備投資は+26.2%と前期の+30.3%より鈍化
しつつ好調。特殊機械や陸運関連の投資が減速したものの、一般機械や空運関連の投
資が加速しました。建設投資では、住宅投資の減速を受けて民間建設が同+6.0%と前
期の+16.1%より鈍化したものの、公的建設が+23.0%と前期の+20.1%より加速。新政権
の下でインフラ投資の実行が進んでいる模様です。外需では、総輸出が同+10.4%と前
期の+8.8%より加速。サービス輸出が同+13.6%と前期の+14.3%より鈍化したものの、
(%)
消費者物価の前年比 (月次)
12
総合物価
10
注) コア物価は飲食料と
燃料を除く
直近値は2016年12月
8
なり、トウモロコシも同▲0.1%と前期の+10.5%より反落しました。
 今年も底堅い内需にけん引され+6%台半ばの成長率か
4
精製燃料、通信機器、繊維などが加速しました。建設業は同+11.0%と前期の+15.5%よ
り鈍化。民間住宅投資の減速によります。公益は同+8.9%と前期の+9.5%より鈍化。電
力が減速しました。サービス部門は同+7.4%と前期の+6.8%より加速しました。金融が
鈍化する一方で、政府消費の伸びを受けて公共サービス等が加速し、通信や陸運にけ
ん引されて運輸・倉庫・通信も伸張。卸売・小売や宿泊・飲食等も加速しました。
2
連の政府歳出や現金給付の恩恵が低所得家計に及び、社会保障制度(SSS)年金の給付額
の引上げや軍人と公務員の給与引上げも家計消費を支えるでしょう。今年通年の成長
率は+6%台半ばと、昨年の+6.8%を下回りつつ堅調なものとなると予想されます。
その他
果物・野菜
肉・魚・卵・
乳製品
穀物
1
コア物価
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016 (年)
-1
2010
2012
2014
(年)
2016
出所)フィリピン国家統計局、フィリピン中央銀行(BSP)、CEIC
【図4】 上昇する燃料小売価格(左)、据置かれる政策金利(右)
70
(ペソ)
燃料小売価格 (日次)
10
(%)
政策金利と短期国債金利 (日次)
注) 政策金利:リバース・レポ金利
上限金利: レポ金利→翌日物貸出制度金利
下限金利: SDA金利→翌日物預金制度金利
(上下限金利変更は2016年6月3日より)
直近値は2017年1月31日
9
60
8
7
50
灯油
40
上限金利
6
下限金利
5
政策金利
4
30
3
今年は昨年の選挙関連の押上げからの反動が生じるものの、底堅い内需が景気をけ
ん引するでしょう。インフラ投資関連の支出は足元で拡大しています。教育や保健関
食品物価
2
土・砂利採取が同+8.3%と前期の+1.5%より加速しました。製造業は同+6.9%と前期の
+6.8%よりやや加速。卑金属、化学、オフィス機器などが鈍化したものの、加工食品、
7
3
鉱業は前年比▲0.5%と前期の▲2.6%より下げ幅が縮小。石油ガスが同▲8.0%と前期
の▲2.0%より悪化し銅や金の下げ幅も拡大したものの、建設需要の伸びから岩石・粘
注) 消費者物価
直近値は2016年12月
4
来した大型台風の被害などの影響です。コメが同▲3.6%と前期の+16.3%より反落し、
サトウキビが▲15.0%と前期の▲46.4%より下げ幅を縮小しつつ2期連続のマイナスと
8
5
インフレ目標バンド
(破線)
6
生産側では、農林漁業が反落し建設業が鈍化したものの、製造業とサービス部門が
加速しました(図2右)。農林漁業は同▲1.1%と前期の+2.9%より反落。10月と12月に襲
食品物価の前年比(月次)
6
財輸出が+9.6%と前期の+7.8%より加速しました。総輸入も同+15.0%と前期の+13.6%
より加速。この結果、純輸出の寄与度は▲3.1%ポイントと前期と同水準でした。
(%)
9
20
注) リッター当り価格
直近値は2017年1月24日
10
2006
2008
2010
2012
2014
2
軽油
2016
1
短期
国債
金利
(1ヵ月)
0
(年)
2009
2011
2013
2015
2017(年)
出所)フィリピン・エネルギー省、フィリピン中央銀行(BSP)、CEIC、Bloomberg
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2
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エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
【図5】 中央銀行による定期預金の入札金利は足元で上昇中(左)
 消費者物価は、燃料税引上げ等で今後更に上昇か
2015年初より低位で安定していた物価は足元で上昇しています。12月の総合消費者
4
(%)
物価は前年比+2.6%と前月の+2.5%より上昇。昨年2月の+0.9%を上回りました(図3左)。
税制改革案の効果試算(単位: 億ペソ)
政策金利と短期金利 (日次)
注) 直近値は2017年1月31日
食品が同+3.6%と前月の+3.3%より上昇し(図3右)、総合物価を押上げ。コメが同
上限金利(翌日物貸付)
+1.6%と前月の+1.4%より上昇し、野菜も同+11.5%と前月の+11.0%より上昇、クリス
マス後に襲来した大型台風の影響です。台風被害による食品物価の押上げは1月に更に
大きくなる見込みです。食品以外では、運輸燃料が同+2.6%と前月の+1.7%より上昇。
ペソ安進行と国際燃料価格の上昇に伴って燃料の輸入価格と国内小売価格が上昇した
定期預金
(1ヵ月)
政策金利
3
定期預金
(1週間)
影響です(図4左)。コア物価は同+2.5%と前月の+2.4%より上昇。同物価は昨年4月の
+1.5%で底を打ち上昇を続けています。底堅い消費の伸びを受けて衣服・履物、家具・
内装、保健、娯楽・教養等の伸びが加速しました。ペソ安と燃料価格の上昇に伴って、
下限金利(翌日物預入)
総合物価の前年比は春先にかけて+3%弱まで上昇し、景気拡大に伴ってコア物価も上
昇を続けるとみられます。その後の物価の軌道は、現政権による税制改革の一環とし
て行われる燃料税と自動車税の引上げに左右されるでしょう。燃料税の引上げが行わ
2
2016/6
2016/12
れた場合、総合物価の前年比は+3%台後半まで上昇する可能性が高いと考えられます。
 中央銀行は今年半ばより政策金利の引上げに着手か
物価が緩やかに上昇する中でも、当局は政策金利の据置きを続けています。12月22
日、フィリピン中央銀行(BSP)は政策金利を3%で据置き。Bloomberg集計でエコノミス
(億米ドル)
100
BSPの声明は、堅調な家計消費と政府歳出の増加と十分な流動性の下で内需は今後
80
も堅調だろうと指摘。昨年BSPの目標(+2-4%)を下回った物価は燃料価格の上昇や景気
70
の拡大とともに上昇し、今年は上記目標に向かうと予測。「目標の中央値(+3%)に向か
60
上振れのリスクを指摘。電力料金の引上げや政府の税制改革(燃料税等の引上げ)によ
る物価上昇の可能性を挙げました。BSPは、今後も物価と生産の動向を注視するとし
(*1) 税率区分(tax bracket)の簡素化と税率の引下げ
(*2) 特別法による控除の廃止(高齢者と身体障害者向けを除く)、
農協以外の協同組合、低コスト住宅、賃貸住宅、
送電事業、国内配送事業、ボーイスカウト等への
控除の廃止や、輸出業者向けVAT免除基準の厳格化等
(*3) リッター当りの税額(ペソ)は下記の通り引上げ
軽油等:0 (現在)→3 (2017年後半)→5 (2018年)
→ 6 (2019年)→6.24 (2020年)
ガソリン等:4.35 (現在)→7 (2017年後半)→9 (2018年)
→ 10 (2019年)→10.4 (2020年)
【図6】 鈍化する直接投資認可額(左)、悪化する企業の景況感(右)
90
でしょう(2017年:+3.0%→+3.3%、2018年:+2.9%→+3.0%)。声明は、前回と同様に物価
直接投資認可額(四半期)
70
注) 4四半期移動累計
直近値は2016年7-9月期
消費者期待と企業景況感 (四半期)
企業景況感指数:
30
次期(左軸)
60
20
50
40
10
30
0
50
20
40
消費者期待指数:
次期(DI、右軸)
10
30
-10
0
て、政策の方向性を明示せず。しかし、今後物価上昇が見込まれる中、年内に緩和的
20
な政策の修正に向けた利上げを始める可能性が高いでしょう。BSPの資金吸収手段で
10
-10
ある定期預金入札の金利は足元で上昇しています(図5左)。BSPは景気物価動向をにら
0
-20
みつつ、今年半ばより年末にかけて累計0.5%ポイントの利上げを行うと予想されます。
増・減収
▲ 1,379
▲ 17
925
314
1,209
574
1,626
(0.9%)
出所)フィリピン財務省、フィリピン中央銀行(BSP)、Bloomberg
ト18人全員が予想したとおりの決定で、据置きは2014年9月以降18回連続です(図4右)。
う」との前回の文言を修正したのは、総合消費者物価の上昇率予想を上方修正したため
(年/月)
導入措置
個人所得税の引下げ (*1)
不動産/贈与税率の引下げ
付加価値税(VAT)の控除対象の縮小 (*2)
自動車税引上げ
燃料税引上げ (*3)
その他増収
増・減収額累計
(上記のGDP比)
-20
1997 2000 2003 2006 2009 2012 2015 (年)
注) 直近値は2016年10-12月期
-30
2007
2009
2011
2013
2015
(年)
出所)フィリピン国家統計局、フィリピン中央銀行(BSP)、CEIC
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
3
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エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
 税制構造の改善に取組む政府の経済チーム
1月18日、政府は国会に税制改革法案を提出。政権が就任前に掲げた税制構造の改善
に向けた取組みを一歩進めました。法案は5項目からなり、減税措置(個人所得税率と
不動産/贈与税率の引下げ)と増税措置(付加価値税:VATの控除対象の縮小と自動車/燃料
税の引上げ)によって、2018年時点で1,626億ペソ(GDP比0.9%)のネット増収を見込みま
す(図5右)。同増収はインフラ投資等に充当される見込みです。政府は昨年9月に同改
【図7】 年初来ペソ相場は軟調に推移し、トルコやメキシコに次ぐ下落率(右)
(億米ドル)
1,000
ペソ相場(右軸)
40
ペソ高
↕
ペソ安
直近値:
2017年1月31日
900
(ペソ/米ドル)
為替相場と外貨準備
42
主要新興国通貨の対米ドル相場騰落率
(2016年12月30日~2017年1月31日)
アジア
NIEs
800
革の関連法案を提出したものの議会の反対に遭遇しました。今回の法案では、当時強
700
く批判された項目を修正。当初案で廃止する予定であった高齢者と身体障害者向けの
600
44
東南
アジア
南アジア
46
VAT控除を残し、燃料税等の引上げを一括ではなく漸進的に行うとしています。
法案が政府が望むとおり今年前半に可決された場合、自動車/燃料税の引上げは今年
500
半ばから、個人所得減税等は来年初より実行される見込みです。増税による燃料や自
400
動車販売の落込みは、個人所得減税による消費の押上げによって相殺されるでしょう。
300
48
一方、前述の通り燃料税の引上げに伴って総合消費者物価の前年比は+3%台後半と、
BSPの目標(+2-4%)の上限に近づくと予想されます。財政の健全さを損ねることなく減
200
次の中間選挙は2019年5月とまだ時間があり、多くの議員がドゥテルテ大統領の政策
綱領に賛同していることは支援材料です。しかし、9月の当初案に対する批判が示すと
52
2008
税やインフラ投資の拡充を行い得るのかは、今回の法案の成立にかかっています。
 麻薬撲滅運動を巡る諸外国との摩擦は継続
50
外貨準備(左軸)
直近値:2016年12月
2010
2012
2014
2016
(%)
-8 -6 -4 -2
0
2
4
6
出所)フィリピン中央銀行(BSP)、Bloomberg
【図8】 輸入の増加に伴って拡大する貿易赤字(左)と縮小する経常黒字(右)
(%)
60
輸出入の前年比と貿易収支 (月次) (億米ドル)
30
40
20
20
輸入
大統領の取組む麻薬撲滅運動を巡る諸外国との摩擦は継続。昨年10月に麻薬取締り
10
(線:左軸)
0
輸出
大統領は取締部隊を解散しました。韓国商工会議所は、同国からの投資や来訪者への
影響について警告、米国商工会議所も治安の悪化が米投資家にとって最大の懸念と指
0
-10
貿易収支
-40
期に4,829億ドルと、前期の1兆3,376億ドルや前年同期の7,803億ドルを下回りました。
-20
(棒:右軸)
-60
2009
80
経常移転
60
(海外就労
者送金等)
40
所得
サービス
経常収支
0
-20
(線:左軸)
-20
ません。大統領の就任以来、海外直接投資の承認額が減少(図6左)。コールセンター等
の業務プロセス外部委託(BPO)分野(「管理・支援サービス」)の投資承認額は、昨年7-9月
経常収支 (四半期)
20
摘しました。大統領は麻薬撲滅運動を継続するとし、必要なら戒厳令の発令も辞さな
いと1月半ばに発言。こうした不規則な発言が海外投資家の懸念を高めている面も否め
(億米ドル)
100
注) 直近値は2016年11月
せん。財務相が率いる経済チームが議員や関係者を説得できるかに注目が集まります。
担当の現役警察官が韓国人実業家の誘拐と身代金請求と殺害に関与したことが発覚。
欧州
中東
アフリカ
(年)
おり、少なからぬ議員に大衆迎合的な姿勢が目立つのも事実。市民の抵抗が大きい燃
料税率の引上げの引上げ幅が圧縮され、ネット増収額が減少する可能性も否定できま
中南米
韓国
台湾
シンガポール
マレーシア
タイ
フィリピン
インドネシア
インド
ブラジル
メキシコ
コロンビア
ペルー
ポーランド
ハンガリー
トルコ
南アフリカ
貿易
-40
-60
-80
注) 直近値は
2016年7-9月期
-30 -100
2011
2013
2015
(年)
2006 2008 2010 2012 2014 2016
(年)
出所)フィリピン国家統計局、フィリピン中央銀行(BSP)、CEIC
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
4
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エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
 米トランプ政権の政策によるフィリピンへの影響は
1月下旬、フィリピン経済区庁(PEZA)は複数の米国BPO企業がフィリピンでの拡張
投資計画を凍結したと発表。トランプ米大統領による保護主義的な政策への懸念が原
因と指摘しました。しかし、前述のとおりBPO分野の直接投資は米大統領選挙前より
【図9】 近年堅調に伸びてきたBPO収入(左)、上昇する投資率(右)
(億米ドル)
200
125
いると思われます。国内企業の景況感も足元で大きく悪化しています(図6右)。
100
米新政権による保護主義策に関しては、ビザ発給の厳格化など移民抑制策による海
外就労者送金の下押し、米国民の雇用優先策に伴うBPO産業への影響などが懸念され
ています。米大統領が選挙期間中に雇用を海外流出させた企業への徴税強化を示唆し
たことが背景です。米国からの送金額は2015年時点で総額の32.8%と最大。しかし、米
75
50
旅行
-25
労ビザ(H-1Bビザ)の発給制限や制度の廃止に伴う影響が懸念されるインドのIT技術者
-75
注2) BPO関連は、通信・
コンピュータ・情報と
その他事業サービスの合計
-100
や誇張されているとみられます。米大統領が重視するのは主に製造業の雇用。また、
-125
2006 2008 2010 2012 2014 2016
 恵まれた経済環境ながら足元で低迷するペソ相場
通貨ペソは足元でやや軟調です(図7左)。同通貨は年初より1月31日にかけて▲0.1%
下落と、主要新興国でトルコやメキシコに次ぐ下落率でした(図7右)。外国人によるペ
(線: 右軸)
25
22
5
20
運輸
金融・保険
その他
-5
(棒: 左軸)
-15
(年)
16
2000
(%)
30
海外就労者送金の前年比(月次)
20
200
資本流出の影響は軽微とみられていたため、通貨の不振はやや意外なものでした。
15
150
しかし、足元では貿易赤字が拡大し経常黒字は縮小中(図8)。近年の固定資本投資の
10
100
加速(図9右)に伴って資本財の輸入が増加したことが背景です。今後、インフラ投資が
5
50
0
0
-5
-50
-10
門等での雇用の伸びが背景です。また、前述のとおり、近年急伸するBPO収入(図9左)
-15
の見通しもやや不透明です。内需にけん引された底堅い景気拡大など恵まれた環境に
-20
2000
もかかわらず、ペソ相場の上値は引き続き重くなると予想されます。(入村)
2015
注) 米ドル建て送金額の
12ヵ月移動累計
直近値は2016年11月
2005
2010
2015
雇用者増減と失業率 (四半期)
(万人)
300
国の経常収支は黒字。11月の米大統領選挙後の米長期金利の上昇に伴う新興国からの
一巡しつつあるとみられます。国内の失業率も持続的に低下(図10右)。BPOや建設部
2010
(年)
【図10】 緩やかに低下する海外就労者送金の伸び(左)、低下する失業率(右)
250
伸びを支えた地域的な就労先の分散や就労職種の高度化(介護士など専門職の増加)は
2005
出所)フィリピン中央銀行(BSP)、フィリピン国家統計局、CEIC
25
常黒字の源泉であった海外就労者送金の伸びも緩やかに減速(図10左)。近年の送金の
18
前年比
-10
ソ建国債の保有比率は6%前後と低位であり(流動性の低さや税制上の問題が背景)、同
加速するに伴って資本財の輸入は更に伸び、経常黒字を押下げるでしょう。また、経
24
20
0
等とは異なり、大きな影響は及ばないと予想されます。また、BPO産業への影響もや
BPO企業への課税には米議会の承認が必要であり、その実施は容易でないでしょう。
26
GDP比
10
0
-50
28
15
25
国就労者の多くは永住権を持ち、一時的な就労や不法就労ではありません。技術者就
35
30
サービス
収支
(%)
注) GDP比は4四半期移動累計
直近値は2016年10-12月期
40
BPO関連
150
減速。反米的な発言を繰り返すドゥテルテ大統領の誕生も投資家の心理を悪化させて
45
注1) 12ヵ月移動累計
直近値は2016年9月
175
実質固定資本投資 (四半期)
(%)
サービス収支 (月次)
(年)
8.5
失業率:
季節調整済
(線: 右軸)
8.0
7.5
7.0
6.5
雇用者増減:
6.0
対前年同月
(棒: 左軸)
-100
-150
(%)
5.5
注) 直近値は、2016年10月
-200
5.0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
出所)フィリピン中央銀行(BSP)、CEIC
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
5
M
エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ①新興国の債券・株・金利スプレッド
MSCIエマージング株価指数
500
新興国債券と米国高利回り社債の信用スプレッド
(2005年初=100)
2,500
(ベーシスポイント:bps)
2008年9月 リーマン・ブラザーズ破綻
400
300
1,500
アジア
中南米
新興国全体
中近東・アフリカ
中東欧
200
100
注)直近値: 2017年2月2日
2005
2008
2011
2014
2017
(年)
出所)Thomson Reuters Datastream
中東
アジア
中南米
新興国
中・東欧
アフリカ
2008年9月
リーマン・ブラザーズ破綻
220
2007年7月~
米国サブプライム問題深刻化
200
500
新興国債券
0
1998
180
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2016
(年)
出所)Thomson Reuters Datastream、The BofA Merrill Lynch
(2005年初=100)
新興国 自国通貨建て債券指数
340
中南米
2008年9月
リーマン・ブラザーズ破綻
290
中東・
アフリカ
中・東欧
新興国
全体
アジア
2007年7月~
米国サブプライム問題深刻化
240
160
190
140
2014
注1:The BofA Merrill Lynch US High Yield Index、 J.P. Morgan EMBI Global Diversifiedより、同社の許諾を得て作成。
注2:信用スプレッドは米国債との利回り格差。高利回り社債はBB格以下の投機的等級の社債。
390
260
240
2007年7月~
サブプライム問題
深刻化
1,000
新興国 ドル建て債券指数
(2005年初=100)
米国高利回り社債
注)直近値: 2017年2月2日
0
280
2008年9月
リーマン・ブラザーズ
破綻
2,000
2007年7月~ 米国サブプライム問題深刻化
120
140
100
注)直近値: 2017年2月2日
80
2005
2007
2009
2011
注:ドル建て債券指数には、J.P. Morgan EMBI Global Diversifiedを使用
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2013
2015
2017
(年)
出所) Thomson Reuters Datastream
注)直近値: 2017年2月2日
90
2005
2007
2009
2011
2013
注: 自国通貨建て債券指数には、 J.P. Morgan GBI-EM Broadを使用。
2015
2017
(年)
出所) Thomson Reuters Datastream
6
M
エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ②主要新興国通貨の対ドル相場:過去3年間
(自国通貨/1米ドル)
6.0
6.1
6.2
6.3
6.4
6.5
6.6
6.7
6.8
6.9
7.0
2014
インド・ルピー
中国・人民元
60
10,000
1,050
2015
2016
2017 (年)
3.0
3.5
4.0
2015
2016
2017
(年)
ロシア・ルーブル
1,150
13,000
70
1,200
2014
2015
2016
2017
(年)
15,000
2014
2015
2016
1,250
(年)
2014
2017
6
10
12
12
14
2014
2015
2016
2017 (年)
ポーランド・ズロチ
18
2015
2016
2017 (年)
ハンガリー・フォリント
2.0
注) 直近値は2017年2月2日
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
4.4
2014
2015
2016
2017 (年)
トルコ・リラ
自国通貨高
米ドル安
2.4
2.8
3.2
280
2015
2016
2017
(年)
自国通貨安
米ドル高
3.6
300
2017 (年)
2014
260
4.0
2016
自国通貨安
米ドル高
18
2014
200
80
2015
自国通貨高
米ドル安
16
16
3.6
90
(年)
14
240
70
2017
10
220
60
2016
8
3.2
50
2015
8
4
2.8
40
自国通貨安
米ドル高
南アフリカ・ランド
アルゼンチン・ペソ
メキシコ・ペソ
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
30
2014
自国通貨高
米ドル安
1,100
14,000
2.5
20
1,000
11,000
65
2.0
4.5
2014
韓国・ウォン
9,000
12,000
ブラジル・レアル
1.5
インドネシア・ルピア
55
320
2014
2015
2016
2017
(年)
4.0
2014
2015
2016
2017
(年)
出所) Bloomberg
7
M
エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ③主要新興国通貨の対ドル相場:過去6ヵ月間
(自国通貨/1米ドル)
中国・人民元
インド・ルピー
6.60
6.65
インドネシア・ルピア
韓国・ウォン
12,750
66
1,080
6.70
13,000
6.75
67
6.80
68
6.85
1,120
1,140
13,250
1,160
68
1,180
13,500
6.90
69
6.95
2016/8
2016/11
13,750
2017/2 (年/月) 2016/8
ブラジル・レアル
3.0
自国通貨安
米ドル高
1,200
69
7.00
自国通貨高
米ドル安
1,100
67
17
2016/11
2016/8
2017/2 (年/月)
メキシコ・ペソ
14.5
1,220
2016/11
2017/2 (年/月)
2016/8
2016/11
2017/2
(年/月)
南アフリカ・ランド
アルゼンチン・ペソ
13.0
自国通貨高
米ドル安
18
3.2
15.0
13.5
15.5
14.0
16.0
14.5
19
20
3.4
21
自国通貨安
米ドル高
22
3.6
16.5
23
2016/8
57.5
2016/11
2017/2
ロシア・ルーブル
(年/月)
2016/8
3.7
2016/11
2017/2 (年/月)
ポーランド・ズロチ
270
60.0
4.0
注) 直近値は2017年2月2日
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2016/8
2017/2 (年/月)
2016/8
2017/2
(年/月)
トルコ・リラ
自国通貨高
米ドル安
3.20
3.40
3.60
自国通貨安
米ドル高
3.80
305
2016/11
2016/11
3.00
300
4.3
(年/月)
2016/8
2.80
295
4.2
2017/2
ハンガリー・フォリント
290
4.1
2016/11
(年/月)
285
65.0
2016/8
2017/2
280
3.9
67.5
15.0
2016/11
275
3.8
62.5
2016/8
4.00
2016/11
2017/2
(年/月)
2016/8
2016/11
2017/2 (年/月)
出所) Bloomberg
8
M
エマージング・マーケット・マンスリー 2017年2月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
◎為替変動リスク
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場に
おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元本
が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。運用
により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取
引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託
説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等をよくご覧ください。
海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。そ
のため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元本を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあ
ります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの
計算方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書
補完書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限
額またはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間
等に応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につ
きましては、三菱UFJ国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用にお
ける最高の料率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますの
で、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の活動や業績、市場・経済の
状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金利の変動等を受けて変動する
ため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎信用リスク
信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場
合もしくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値
がなくなること、または利払いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、
有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制の変
更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信
用・流動性の各リスクが大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、
投資元本を割り込む可能性が高まることがあります。
本資料に関してご留意頂きたい事項
■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に
基づく開示資料ではありません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
■投資信託は、預金等や保険契約とは異なり、預金保険機構、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
銀行等の登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の補償の対象ではありません。
■投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い委託会社が運用を行います。
■本資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
(作成基準日:2017年2月3日)
■本資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するもので
はありません。
■各ページのグラフ・データ等は、過去の実績・状況であり、また、見通しないし分析は作成時点での見解を示
したものです。したがって、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。
また税金・手数料等は考慮しておりません。
■本資料に示す意見等は、特に断りのない限り本資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。
また、三菱UFJ国際投信が設定・運用する各ファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りま
せん。
■投資信託をご購入の場合は、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご
確認のうえ、ご自身でご判断ください。
■クローズド期間のある投資信託は、クローズド期間中は換金の請求を受け付けることができませんのでご留意
ください。
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て一切の責任を負いません。
◎流動性リスク
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分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利
な価格での取引となる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割
り込むことがあります。
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巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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