CFOの北村です。 それでは、お手元の資料にそって、2017年3月期第3四半期の決算について ご説明いたします。 2ページをご覧ください。 1 昨年は、皆さんもご存じの通り、各国の金融政策や、イギリスのEU離脱をめぐる国民投票、11 月にはアメリカの大統領選など、「歴史的な転換点」と言っても良いようなイベントが、目白押し でした。年の後半に向けて、視界がクリアになっていくなかで、株式市場では投資家がリスクオ ンに転じ、債券市場では金利や為替の急激な変動をうけて、ポートフォリオの入れ替えが活発 になりました。 こういった環境下、4月から12月の野村グループの税前利益は2,405億円、前年比35%の増 益、当期純利益は1,784億円、18%の増益、ROEは8.6%、一株当たりの当期純利益は48円 76銭となりました。 営業部門の業績は、前年比で減少しましたが、今期は第1四半期を底に、回復傾向にありまし た。アセット・マネジメント部門は、運用資産残高の拡大もあって、前年比で増益。ホールセー ル部門では、フィクスト・インカムの収益が拡大したことに加え、コスト削減の取組みが成果とし てあらわれ、大幅な増益となりました。 特に、課題であった海外ビジネスは、全地域が黒字化し、全社利益の3割に相当する、714億 円の利益をあげることができました。 続いて、第3四半期です。 右上にありますように、全社の税前利益は959億円、前期比17%の増益、当期純利益は703 億円、前期比15%の増益と、昨年の第4四半期を底に利益水準が大きく回復しました。EPSは 19円44銭、第3四半期を年換算したROEは10.3%です。 右下にありますように、3セグメント合計の税前利益は874億円、全てのビジネス部門が、前期 比で増収増益となっています。 2 3 4 それでは、各ビジネスの状況についてご説明します。 まず5ページの営業部門ですが、 収益は1,013億円、前期比18%の増収 税前利益は259億円、前期比80%の増益となりました。 アメリカの大統領選後、株高・円安の流れが急速に進んで、お客様の投資マインドが 改善した結果、株式・投信・債券の取引が活発になりました。 左下の総募集買付額は、3兆円を超える水準まで回復。 なかでも、セカンダリーを中心とした国内外の株式や、個人向け国債、外債などの債券販売が、 大きく増加しています。また投資信託では、米国ハイイールド債や米国株式の投信に、資金が 入りました。 5 6ページの左下にありますように、投資一任は426億円の純増。市場要因も追い風となり、12 月末の残高は2.4兆円まで拡大しました。マーケットの急回復を受けて、投信の残高も拡大し、 ストック収入は前期から回復しました。 次に、アセット・マネジメント部門です。7ページをご覧ください。 6 第3四半期も、投信・投資顧問ビジネスで資金が流入し、12月末の運用資産残高は43.2兆円 と、過去最高の水準です。 このような残高の拡大を受けて運用報酬も増加、また、アメリカン・センチュリー関連の損益や、 配当収入を計上した結果、 収益は289億円、前期比36%の増収 税前利益は140億円と、2002年3月期以降で、最高の四半期利益となりました。 投信ビジネスでは、ETFや地域金融機関向けの私募投信に資金が入りました。また、投資顧 問ビジネスでは、ハイイールド・プロダクトを中心に、オーストラリアや中国の機関投資家から、 マンデートを獲得しました。 8ページをご覧ください。 7 右下にありますように、昨年5月に出資が完了したアメリカン・センチュリー・インベストメンツ、 ここではACIと言いますが、さまざまな協業が進んでいます。11月に、ACIが運用する「米国バ リュー・ストラテジー・ファンド」を、日本のリテール顧客向けに設定したほか、国内の年金基金 でもACIが運用するグローバル株の商品が採用されました。 9ページをご覧ください。ホールセール部門の概要です。 8 収益は1,973億円、前期比10%の増収。地域で見ると、米州とアジアが好調、ビジネスでは、 為替や金利ビジネスの健闘により、フィクスト・インカムが牽引しました。 税前利益は474億円、業績に応じて賞与の引当を行いましたが、コストの抑制にも努めた結 果、前期比21%の増益となりました。 それでは、ビジネスライン毎の状況です。 10ページをご覧下さい。 9 まずグローバル・マーケッツですが、収益は1,730億円。 うち、フィクスト・インカムは1,173億円、金利やエマージング為替が好調で、前期比18%の増 収となりました。右上のヒートマップにありますように、地域別では、金利や為替が好調だった 米州と、エマージングが好調だったアジアが、上向きの矢印になっています。 エクイティは558億円と、前期並みの収益を確保。10月はスローなスタートでしたが、アメリカ 大統領選後のマーケットの大幅な回復を受けて、11月、12月と、顧客アクティビティが増加しま した。ヒートマップにありますように、アジアは、好調だった前期から減収、その他3地域は増収 でした。 続いてインベストメント・バンキングです。11ページをご覧ください。 10 左上の図にありますように、第3四半期の収益は242億円と、前期比2%の増収。 他部門にアロケーションする前のグロス収益は、前期並みの417億円でした。日本企業による エクイティ・ファイナンスが減少し、日本の収益は前期比で減収となりましたが、ビジネスや地 域を超えた収益源の多様化が進み、特に米州、アジアが健闘しました。 右側は、この第3四半期の代表案件ですが、M&Aでは、グローバルなフランチャイズを活かし、 クロスボーダー案件や複合化案件を多数獲得しました。ご覧頂いているように、日本だけでな く、海外企業のアドバイザーとして関与するケースも増えてきています。 次にコストです。12ページをご覧ください。 11 第3四半期の全社コストは2,727億円と、ご覧頂いている通り、1年前と比較すると、着実にコス ト水準が低下してきているのがお分かり頂けるかと思います。 今期は、円安の進行や、事業促進費など、非人件費がやや増加したことで、前期比で3%のコ スト増となっています。 13ページをご覧ください。 12 バランスシートの資産合計は43.1兆円、当社株主資本は2.8兆円となりました。 Tier 1比率は18.5%、普通株式等Tier 1比率は17.6%と、9月末からやや下がっていますが、 これは、主に円安が進行し、リスク・アセットが14.6兆円と、9月末の13.7兆円から約9,000億 円、増えたからです。12月末のバランスシートに2019年基準を適用した、いわゆる、出口基準 の普通株式等Tier1比率は17.0%でした。 また、レバレッジ比率は4.47%、流動性カバレッジ比率、いわゆるLCRは、178.6%となってい ます。 以上、第3四半期決算についてご説明申し上げました。 13 最後になりますが、2016年は、市場を揺るがすような大きなイベントがいくつもありましたが、 特に、この第3四半期は、全ての地域、全てのビジネスが、バランスよく利益に貢献し、総じて 良い決算だったと思います。かつての野村は、日本ビジネス、とりわけ、営業部門に依存した 収益構造でしたが、ここ数年で、選択と集中を行い、地域間・部門間の連携をより一層、押しす すめた結果、収益源が多様化し、利益の面でも、地域と部門の分散が図れるようになってきま した。 足元、当社の業績は、全体的にしっかりしています。営業部門の1月は、営業日数の関係で、 第3四半期をやや下回るペースですが、悪くない水準です。円安・株高は、アセット・マネジメン ト部門の運用資産残高にとっても、ポジティブだと言えます。ホールセール部門も、第3四半期 までのモメンタムを維持し、引き続き、フィクスト・インカムが収益を牽引しています。今後も、収 益の安定化を図りながら、コスト管理やリスク管理を徹底することで、持続成長が可能なビジ ネス基盤を確立してまいります。 引き続き、ご支援のほどを宜しくお願い致します。 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
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