千葉県警機動隊の沖縄派遣中止を求める住民監査請求 監査委員による

千葉県警機動隊の沖縄派遣中止を求める住民監査請求
監査委員による「却下」決定に抗議する(声明)
2017 年 1 月 26 日
千葉県警機動隊の沖縄派遣中止を求める住民監査請求の会
私たちは、2016 年 12 月 15 日に請求人 911 名代理人 46 名で、千葉県監査委員に対
し住民監査請求を行いました。これに対し、千葉県監査委員は、「請求を却下する」
の結論を出し、2017 年 1 月 20 日付の通知書が、請求代理人宛て送付されてきました。
2016 年 7 月中旬以降,沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド建設予定地に千葉県警の機
動隊員が派遣され,法的な根拠もなく県道を封鎖し、住民らのテントや車両を強制撤
去し,住民排除のために住民らを不当に逮捕するなどし、警察法上の警察の責務に反
し,沖縄住民の憲法上保障された表現の自由や身体的自由を直接侵害する行為を行っ
てきました。本件請求は、千葉県がこのような行為に従事する機動隊員に対して俸給
等を支払うことは,違法・不当な公金の支出であることから,千葉県公安委員会に対
し速やかに機動隊員の派遣を中止するよう勧告することを求めるものです。申請に際
して、募集期間わずか2週間で 900 名を超える県民が請求人に名を連ねました。県民
の強い関心を表していると思います。
「却下」という結論は、審理すら行わず、門前払いするというものです。監査委員
は却下の理由として、千葉県警察機動隊員の沖縄派遣に際して、給料の支出について
は沖縄派遣と直接的な関係はないこと、特別手当の支出については個別的、具体的な
適示がなされていないこと、国から直接支給される支出については住民監査請求の対
象外であること、などを挙げています。
私たちは、却下の決定は不当であると考えます。千葉県警機動隊員により、住民の
表現の自由や身体的自由を直接侵害し、警察法に反する行為が現に行われ、そのため
に公金が現に支出されている事実,また,本件特別手当の支出が高江への派遣に伴う
手当として他の支出と十分に区別され特定認識しうる程度に摘示されている事実 に
照らしてみれば、給与や県の要請により国から支給される支出を含めて、本件請求は
厳格に審理されなければなりません。監査委員は,監査請求がなされた場合には独立
した立場で公正な監査を行う義務があるにもかかわらず,請求人らの請求に対して,
その調査権限を何ら行使せず,請求人らから意見を聴取することもせず,補正の機会
すらも与えず,一方的に却下の決定を行ったものであり,監査委員に課せられた職責
を全く果たしていないといわざるをえません。
私たちは今後も、千葉県警機動隊の沖縄派遣の動きについて、同様の違法・不正行
為が繰り返されることがないよう監視し、行動していきたいと思います。
千葉県警機動隊の沖縄派遣中止を求める住民監査請求の会
共同代表 阪上 武
山口 千春
請求人ら代理人 藤岡 拓郎(千葉第一法律事務所)他
(連絡先・090-8116-7155 阪上)