装置全体図 装置構成図

スパッタ装置 CFS-4ES 実験手順書
2014/3/31 水島
2006/4/26 北村
2007/11/21 金子
2011/6/15 飯島
(概要)本書は武田クリーンルーム内設置の大津研所有スパッタ装置 CFS-4ES を用いて
金属膜、無機膜を製膜する作業の手順書である。本装置は Ar プラズマによりターゲッ
ト表面の原子がはじき出されて、基板に付着・膜形成をさせるものである。
装置構成図
RP = Rotary Pump,
装置全体図
TMP = Turbo Molecular Pump
1
※ROUGHING と FORLINE が同時に開いてはいけません!
※トラブルのさいには、とりあえず MAIN バルブを閉めましょう!!
0 準備:ターゲット交換(不要なら次項の立上げから)
1.
装置左脇の冷却水の管還(OUT)を開け、管往(IN)を閉めます。
2.
AIR RELEASE バルブを開けて窒素が噴出する音がしだしたらバルブを閉め直し、
中央のチャンバーを開きます。
3.
チャンバー内のシャッター、カバーを外します。六角ナットを注意深く緩めますが、
このとき下の階にねじを落とさないように注意しましょう。
4.
装置左下の冷却水バルブの上二つを IN と OUT を共に下向きにして空気を送り、
水を抜きます。そのあと右だけをヨコにし、最後に左をヨコにします。この作業に
よって、チャンバー内で少し水が漏れ出てくる場合があるので、アルミホイルやベ
ンコットを敷くとよいでしょう。
5.
ターゲットを外します。外したターゲットから白いリングと黒いリングを外します。
黒いリングは装置本体の溝に、白いリングは新しく装着したいターゲットにつけま
す。
6.
新しいターゲットをできるだけ真中につけます。ねじは対角線から締めていきまし
ょう。
7.
管往(IN)を開けて冷却水を流し、左下の水バルブ上二つを上向きにして漏れがな
いことを確認します。漏れがある場合はターゲット装着を見直してください。
2
8.
ターゲットを覆うカバーを付けます。カバーの表裏に注意。真中の棒を外向きにし
ます。シャッターを付けます。この時シャッター動かすつまみの位置に注意。後で
ターゲット切り替えを行うためには正しい位置につける必要があります。
1 装置立ち上げ
1.
左下の冷却水バルブ 4 つ全てを上向きにします。
2.
右下メインスイッチをオンにします。
3.
全バルブ(MAIN、ROUGHING、FORELINE、AIR RELEASE, TURBO RELEASE,
RP RELEASE の6バルブ)が閉じている事を確認します。
4.
ロータリーポンプをオンにします。音が落ち着くまで数十秒待ちます。
5.
FORE LINE VALVE をゆっくりと開けます。
6.
PG2 圧力計が 10Pa 以下になったらターボポンプをオンにします。
7.
装置の上に乗っているコントローラ TC221 の表示が 0 になったら、TC221 の白ボ
タンを押し、回転数 800 まで上がるのを待ちます。
2 試料セット
※ターゲット交換をしている場合には 1.と 2.の作業はせずともチャンバーが開きます。
試料台に試料をテープで付けるところからで差し支えありません。
1.
MAIN バルブが閉まっているのを再度確認します(ここで開けてはいけません!)。
はじめて試料をセットする時点では MAIN バルブは閉まっているはずです。
2.
ROUGHING バルブが閉じていることを確認します。AIR RELEASE バルブを開
けて窒素が噴出する音がしだしたらバルブを閉め直し、中央のチャンバーを開きま
す。
(新たに試料を持ってくる場合はここに戻る)
3.
試料台(開けた蓋の内側)に試料をテープ等で貼り付けます。試料同士が重ならな
ければ基本的には大丈夫です。
4.
P-GUN 切り替え、ターゲット切り替えを回します(P-GUN は穴のあいたほうで
あわせます。ターゲット切り替えは丸いバルブ全体を握り込んで動かし、カチャッ
という音がするまで回します)。シャッター(ターゲット切り替えの内側のつまみ)
がきちんと開閉するのを確認します。シャッターは閉じておきます。
5.
チャンバーのフタをしっかり閉めます。体重をかけて、ひっかかりを乗り越えるよ
うにきちんと閉めます。
6.
FORE LINE 閉め、ROUGHING VALVE を開けます。この粗引きをする際、始め
は体重をかけてフタをしっかり押し付けておきます。真空計 PG1 が動き出すこと
3
を確認します。
7.
PG1 が 10Pa 以下になるまで引きます。
8.
ROUGHING を閉め、FORE LINE を開けます。
9.
MAIN VALVE ゆっくり開けます。
3 成膜
1.
左上 IG1 の緑ボタンを押します。10-3Pa オーダーまで真空引きをします。30~60
分程度で引けるはずです。十分に真空引きが出来たら IG1 の赤ボタンを押します。
2.
左下 Ar ガス導入バルブを下に倒して開けます。
3.
装置左上の JIG を回転させる RUN スイッチをスライドしてオンにします。
4.
マスフローコントローラで Ar 流量を決定します。通常は Ar ガスでは 16sccm 程度
に設定されています。
5.
左上の IG1 緑ボタンを押し、Ar ガスを流している状態での真空度を確認します。
0.93Pa 以下にすること!
6.
真空度が安定したら(0.6 ~0.7 程度)、装置上右の RF 電源装置を起動します。スイ
ッチは右側にあります。
4
7.
スパッタ装置中段右の SPUTTER INTERLOCK を OK。
(OK ボタンは長めに押す)
8.
右上の MATCHING と TUNING を経験的に(材料によって違います)合わせます。
通常は調節する必要はあまりないはずです。
9.
RF 電 源 を オ ン し て ( 左 の ボ タ ン )、 つ ま み を 回 し て 電 圧 を 印 加 し ま す 。
FORWARD(F)と REFLECTED(R)が共に上昇していきます。(R,F が共に上昇し
ない場合はそうなるように MATCHING と TUNING を調整)
10. Rが上がらなくなったら(60 程度)、もう一度 SUPUTTER INTERLOCK を OK し
なおします。
11. Rが下がれば放電に成功し、のぞき窓から紫の光が確認できます。何回やってもな
かなか放電しません。シャッターを少し開けた状態で INTERLOCK を OK、即シ
ャッター閉じる、という操作を繰り返します。
12. ヒーターを使う場合には、このインターロックが入ったあとにスイッチが入るよう
になります。装置上のヒーター電源を入れ、JIG 回転の制御機のつまみを「加熱」
にすれば温度を上げることができます。
13. SPUTTER TIMER をスパッタしたい時間に合わせます。表示は時計方式なので注
意(”00 59”の次が”01 00”。46 分 49 秒なら”46 49” )
14. MATCHING、TUNING を調節し、Rが最低になるようにします(0 がベストです
が、0 でなくとも大丈夫)。
15. Fをスパッタしたい値まで上げます(通常は 200W とか)
。
16. シャッターを開けると同時に SPUTTER TIMER の ON を押します。
5
17. TIMER で設定した時間が経つとブザー音と共に放電が止まり、成膜が完了します。
18. ここで次の膜を続けて作りたい場合は、シャッターを閉じ、RF つまみを 0 に戻し、
RF 電源をオフにします。そして P-GUN、ターゲットを所望のものにして、手順 4
に戻ります。
19. 終了する場合には、IG 赤ボタン押し、RF 電源のつまみを戻します。RF 電源をオ
フ、シャッターを閉め、Ar ガスバルブを起こして閉じます。
4 立ち下げ
1.
MAIN バルブを閉じます。
2.
MAIN、ROUGHING が閉じていることを確認して AIR RELEASE バルブを開け
ます。窒素が噴出する音がしだしたらバルブを閉めます。JIG の回転も止めます。
3.
チャンバーを開き、試料を取り出します。次の試料を続けてスパッタする場合、
「2
試料セットの手順 3」に戻ってください。
※ヒーター加熱を行った場合はもちろん、長時間スパッタや逆スパッタを行った後
も、試料台が熱くなっていることがあります。十分冷えてから試料を取り外しまし
ょう!
4.
FORE LINE 閉め、ROUGHING VALVE を開けます。この粗引きをする際、始め
は体重をかけてフタをしっかり押し付けておきます。真空計 PG1 が動き出すこと
を確認します。
5.
PG1 が 10Pa 以下になるまで引きます。
6.
ROUGHING を閉め、FORE LINE を開けます。
7.
TC221 の STOP ボタンを押し、ポンプの回転が止まるまで待つ(表示が”000”だと
ブレーキ動作中です。” 0”になったら OK)
8.
FORELINE を閉め、右下 TMP を OFF にします。下段 TURBO RELEASE を開
けて十数秒リークし、閉め直します。
9.
右下 RP を OFF。右下 RP RELEASE バルブを開けてから閉めます。
10. RF 電源オフ、バルブ全閉確認、メイン電源オフ。
11. 本体の冷却水バルブ4つをヨコにして閉じます。
12. ログノートに記録して終了です。お疲れさまでした。
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ヒント
 MATCHING,TUNING をいじっても R,F が変わらないときは P-GUN の接触不良
(ちゃんと定位置にハマってるか?)を疑いましょう。
 Ar15.3sccm で 5.8×10^-1Pa 程度。
 Ar 流して 5 分程度で真空度は落ち着きます。
 RF 電源の EXT を押してあると ON にできなくなるのでもう一度 EXT を押す。
 Ar 流量が少ないと放電しなかったり放電が途中で止まったりする。16.0sccm あれば
OK?
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