CB Richard Ellis k

N E W S
R E L E A S E
〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-1-1
明治安田生命ビル 18F
T 03 5288 9288
www.cbre.co.jp
Twitter: @cbrejapan
2017 年 1 月 19 日
お問い合わせ先:
CBRE
コーポレートコミュニケーション
03-5288-9283
CBREが全国13都市のオフィスビル市場動向(2016年第4四半期)を発表
東京オールグレードの空室率は再び低下に転じる
大阪グレードA空室率は2008年Q2以来の2%台
札幌、金沢、京都、福岡では空室率が過去最低を更新
CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、2016年第4四半期(Q4)の全国13都市のオフィ
スビル市場動向を発表しました。
【注目動向】
 東京グレードA空室率は対前期比+0.1ポイントの2.8%と小幅上昇にとどまる



大阪オールグレード空室率は2007年Q4以来、9年ぶりに3%台に
名古屋グレードA空室率は二次空室の発生により、対前期比+0.7ポイントの4.0%に
東名大を除く地方都市全て賃料は3期連続して上昇
【CBRE予測】
 東京グレードA賃料は2017年下期にピークを打ち、その後は緩やかな低下傾向が続くと予想
■東京23区
2016年Q4の東京23区のオールグレード空室率は対前期比-0.3ポイントの2.3%となり、再び低下
に転じました。空室が長期化していた築浅ビルで、館内増床や拡張移転により空室が消化されたほ
か、賃料水準の割安なエリアでは空室を消化したビルが複数みられました。依然としてテナントのコ
スト意識は高いものの、人員増を計画する企業がオフィス床を求める動きは続いています。企業のオ
フィス拡張ニーズは根強く、為替がさらに円安方向に進めば、業績見通しの改善により、製造業や
サービス業などで具体的に移転を検討する企業も現れると考えられます。
2016年Q4の東京グレードA空室率は対前期比+0.1ポイントの2.8%と小幅な上昇にとどまりました。
既存ビルでは、館内増床や新規開設によって500坪前後の空室を消化したビルが複数みられました。
一方で、前期に続いて今期も新築ビルが1棟、空室を抱えて竣工しました。今後2017年末までに、複
数のグレードAビルが竣工を予定していますが、いずれも従前に比べてリーシングに時間がかかって
います。このため、稼働率を優先する一部のオーナーは、フリーレント期間を長めにするなど、募集条
件を柔軟に考えるようになりつつあります。CBREでは引き続き、賃料は2017年下期(7月~12月)に
ピークを打ち、その後は緩やかな低下傾向が続くと予想しています。
グレードAの想定成約賃料は対前期比+0.6%の35,950円/坪。新築ビルによる平均賃料の押し上
げ効果を除けば、全体的に賃料の値動きは鈍い状況です。アドバイザリー&トランザクションサービ
ス 執行役員マネージングディレクターの田口淳一は、「2018年以降の大量供給を控え、オーナーは
賃料条件を柔軟に考えるようになってきている。一方、高い賃料がネックとなり移転を諦めていた企
業にとっては、高グレードビルへ移転できるチャンスになるだろう」とコメントしています。
©2017 CBRE, Inc.
CBRE News Release
Page 2
■大阪
2016 年 Q4 の大阪のオールグレードの空室率は対前期比-0.7 ポイントの 3.9%と、2007 年 Q4
以来 9 年ぶりに 3%台になりました。2016 年初からこれまでマーケットの脇役に甘んじていたグレー
ド A が一気に巻き返し、今期は大阪全体の空室率低下を牽引しました。
2016 年 Q4 の大阪グレード A の空室率は対前期比-1.7 ポイントの 2.8%と、2008 年 Q2 以来の
2%台に低下しました。もともと移転意欲の高かった企業が移転を決定するケースが相次いでみられ
ました。グレード A の中で競争力が低いビルでも、館内増床を中心に空室消化が進んでいます。これ
まで賃料上昇はグレード B で顕著でしたが、今後はグレード A 賃料の上昇に弾みがつきそうです。
CBRE 関西支社長の上遠野孝は、「今期の空室率は予想以上に低下した。これまで多くのテナントは、
高額な賃料のビルを敬遠してきた。しかし、大阪の新規供給が極端に少ない上、空室を待ち続けても
空室が出てこないどころか、移転先の選択肢は減る一方であることにテナントが焦り始めたのではな
いか」とコメントしています。
■名古屋
2016年Q4の名古屋のオールグレードの空室率は2期連続して対前期比横ばいの4.1%となりました。
製造業以外にも、金融やサービスなど幅広い業種でオフィス床を物色する動きがみられました。その
結果、空室が残っていた新築大型ビルでは、複数のテナントによってまとまった面積が消化されまし
た。一方、テナント退去後のビルでは、設備水準の古さや最寄駅からの距離などの理由で後継テナ
ントがすぐに決まらないケースも複数みられました。
2016年Q4の名古屋グレードAの空室率は、対前期比+0.7ポイントの4.0%と2期連続の上昇となり
ました。「名駅」エリアの複数のビルで二次空室が発生したことが主因です。来期2017年Q1は同エリ
アで大型ビルが2棟竣工の予定。ただし新築ビルでも一部空室が残る見込みであることに加え、既存
ビルで二次空室の発生が見込まれるため、空室率は引き続き上昇すると予想されます。グレードAビ
ルの想定成約賃料は対前期比-0.2%の23,500円/坪。新築ビルの竣工を控えて、既存ビルの
オーナーが募集賃料をやや引き下げています。
CBRE名古屋支店長の藤本隆博は、「名古屋のオフィスマーケットは引き続きタイトな状況にある。グ
レードAでは空室率に若干の上昇がみられたが、依然として4%台の低水準。今後、大型開発竣工の
影響が考えられるもののオフィス需要は安定しており、空室率が大きく上昇するとは考えにくい。」とコ
メントしています。
■全国の市況
2017年Q4の全国各都市の空室率は、調査対象13都市中、11都市で前期に比べて低下しました。
企業の新規開設や拡張ニーズは強く、空室が少ない状況でも物色が続いています。まとまった空室
がないため、分室やレイアウト変更によってスペースを確保する事例も散見されました。空室が発生
しても複数テナントにより競争となるケースが多く、地方都市の供給不足は深刻となっています。「札
幌」、「さいたま」、「京都」、「金沢」、「福岡」で空室率は過去最低値を更新しました。「大阪」でも2007
年Q4以来9年ぶりの3%台と大幅に低下しました。「横浜」では、新規開設や自社ビルからの移転に
より空室が消化され、2008年Q4以来、8年ぶりに4%を下回りました。
想定成約賃料は、3 期連続して、地方 10 都市全てで上昇しました。「札幌」と「福岡」では、対前期比
+2.5%超の大幅な上昇を記録しています。また「京都」、「広島」でも 1%以上の上昇率となりまし
た。
©2017 CBRE, Inc.
CBRE News Release
Page 3
■全国の空室率・想定成約賃料
グレードA
想定成約賃料
空室率
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
東京
2.7%
2.8%
+0.1pts
35,750
35,950
+0.6%
大阪
4.5%
2.8%
-1.7pts
20,200
20,350
+0.7%
名古屋
3.3%
4.0%
+0.7pts
23,550
23,500
-0.2%
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
2.5%
2.0%
-0.5pts
24,400
24,400
±0.0%
グレードAマイナス
東京
グレードB
空室率
想定成約賃料
想定成約賃料
空室率
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
東京
2.7%
2.5%
-0.2pts
20,700
20,800
+0.5%
大阪
3.7%
3.2%
-0.5pts
11,550
11,650
+0.9%
名古屋
3.4%
3.2%
-0.2pts
12,100
12,150
+0.4%
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
Q 3 2016
Q 4 2016
前期比
東京
2.6%
2.3%
-0.3pts
東京主要5区
2.2%
2.1%
-0.1pts
大阪
4.6%
3.9%
-0.7pts
名古屋
4.1%
4.1%
±0.0pts
横浜
4.4%
3.8%
-0.6pts
14,010
14,120
+0.8%
さいたま
1.6%
1.4%
-0.2pts
15,730
15,880
+1.0%
札幌
1.1%
0.8%
-0.3pts
11,520
11,830
+2.7%
仙台
6.9%
6.1%
-0.8pts
9,570
9,600
+0.3%
金沢
9.8%
8.3%
-1.5pts
9,680
9,710
+0.3%
京都
2.3%
2.1%
-0.2pts
11,660
11,850
+1.6%
神戸
6.0%
5.7%
-0.3pts
10,740
10,780
+0.4%
広島
3.3%
3.3%
±0.0pts
10,250
10,370
+1.2%
高松
10.0%
9.8%
-0.2pts
8,760
8,770
+0.1%
福岡
2.1%
1.5%
-0.6pts
11,640
11,940
+2.6%
オールグレード
空室率
想定成約賃料
出所: CBRE, Q4 2016
©2017 CBRE, Inc.
CBRE News Release
Page 4
■東京
(円/坪)
36,000
35,500
35,000
34,500
34,000
33,500
33,000
32,500
32,000
31,500
31,000
3.5%
35,950
2.8% 3.0%
2.5%
2.3%
2.5%
2.0% 2.0%
1.5%
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
Q4 2016
グレードA 想定成約賃料
グレードA 空室率
グレードAマイナス 空室率
グレードB 空室率
オールグレード(23区) 空室率
出所: CBRE, Q4 2016
■大阪
(円/坪)
20,500
6.0%
20,350
20,000
5.5%
5.0%
4.5%
19,500
3.9% 4.0%
3.5%
3.2% 3.0%
2.8%
2.5%
19,000
18,500
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
グレードA 想定成約賃料
グレードA 空室率
グレードB 空室率
オールグレード 空室率
Q4 2016
出所: CBRE, Q4 2016
©2017 CBRE, Inc.
CBRE News Release
Page 5
■名古屋
(円/坪)
24,000
5.0%
23,500
23,500
23,000
22,500
4.5%
4.1%
4.0% 4.0%
3.2%
22,000
3.5%
3.0%
21,500
2.5%
21,000
2.0%
20,500
1.5%
20,000
1.0%
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
Q4 2016
グレードA 想定成約賃料
グレードA 空室率
グレードB 空室率
オールグレード 空室率
出所: CBRE, Q4 2016
■全国10都市空室率
14.0%
12.0%
10.0%
9.8%
8.0%
8.3%
6.0%
6.1%
5.7%
4.0%
3.8%
3.3%
2.0%
2.1%
1.5%
1.4%
0.8%
Q4 2016
0%
Q4 2015
©2017 CBRE, Inc.
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
横浜
さいたま
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
高松
福岡
CBRE News Release
Page 6
■全国10都市想定成約賃料
(坪 /
16,000
円)
15,880
15,000
14,120
14,000
13,000
11,940
11,850
11,830
12,000
11,000
10,780
10,370
10,000
9,710
9,600
9,000
8,770
8,000
Q4 2015
横浜
京都
©2017 CBRE, Inc.
Q1 2016
さいたま
神戸
Q2 2016
札幌
広島
Q3 2016
仙台
金沢
高松
福岡
Q4 2016
CBRE News Release
Page 7
各都市のマーケットデータおよび市況の解説詳細は、1月30日発刊の「ジャパンオフィスマーケット
ビューQ4 2016」または弊社ホームページ上でもご覧頂けます。 www.cbre.com.
CBRE について
CBRE グループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン 500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大
の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2015 年の売上ベース)。全世界で 70,000 人を超える従業員、
400 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、投資家、オキュパイアーに対し、幅広いサービスを提
供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジ
メント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティ
ングを主要業務としています。詳細につきましては日本国内ホームページ www.cbre.co.jp
をご覧ください。
@cbrejapan
※免責事項: 本文書は貴社の責任と判断で利用いただくものであり、弊社は、貴社又は第三者が本文書に基づい
て行われた検討、判断、意思決定及びその結果について法律構成・請求原因の如何を問わず一切の責任を負わ
ないものとします。
©2017 CBRE, Inc.