秋田県の人口減少と労働生産性

金融経済調査シリーズ
2017年1月
秋田県の人口減少と労働生産性
日本銀行秋田支店
照会先:日本銀行秋田支店
(TEL:018-824-7802
総務課(斎藤、立野)
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秋田県の人口減少と労働生産性
1. 初めに
秋田県では、全国最高のペースで進む人口減少が経済成長を妨げる要因となってい
る。特に人口の社会減に関しては、大都市圏との賃金格差が影響しており、人口流出
を防ぐ為には、賃金水準を左右する労働生産性の大都市圏との格差を是正する必要が
ある。成長会計のフレームワークに基づき、資本装備率、労働の質、全要素生産性の
三点から当県の労働生産性の現状を考察した上で、労働生産性の向上に向けて金融機
関に期待される役割を整理する。
2. 人口減少と賃金
秋田県では、全国最高のペースで人口減少が続いており(図表 2-1)
、経済成長を妨
げる要因となっている(図表 2-2)。人口減少の内訳をみると(図表 2-3)、自然減だ
けではなく社会減も大きく影響している。都道府県別の人口流出率と賃金の関係をみ
ると(図表 2-4)、両者には強い負の相関があり、賃金が相対的に低い地方圏から賃金
が相対的に高い大都市圏に人口が流出していることが窺える。よって、県外への人口
流出を防ぐには、大都市圏との賃金格差を是正する必要があると考えられる。
図表 2-1:総人口の推移
図表 2-2:経済成長率の推移(秋田県)
14
4
130
13
3
120
12
140
(万人)
(千万人)
2
(年率、寄与度、%)
就業者数変化率
生産性成長率
実質GDP成長率
試算値
1
110
11
100
10
0
-1
秋田県
90
9
-2
全国(右目盛)
80
80
85
90
95
00
05
10
8
15(年)
-3
(出所)総務省「国勢調査」「人口推計」
1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 2030年代
(注)将来の就業者数は「将来推計人口」より試算。
(出所)国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」、
総務省「国勢調査」
、内閣府「県民経済計算」
1
千
図表 2-3:人口の自然・社会増減(秋田県)
15
(千人)
図表 2-4:人口流出率と賃金
0.8
社会増減
自然増減
人口増減
10
(流出率、%)
秋田
0.4
5
0
0.0
-5
-0.4
-10
東京
-15
-0.8
80
85
90
95
00
05
10
15(年)
200
(出所)厚生労働省「人口動態調査」
、総務省「住民基本
台帳人口移動報告」
250
300
350
400
(月額、千円)
(注)2015 年時点。
(出所)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、総務省
「国勢調査」
「住民基本台帳人口移動報告」
次に、地方圏と大都市圏の賃金格差の要因を考察する。賃金水準は数多くの要素に
影響を受けるが、都道府県別の賃金と労働生産性の関係をみると(図表 2-5)、両者に
は強い相関がある。労働投入量が一定ならば、労働生産性の成長率が鈍化すると、分
配面を通じて賃金の伸び率に対し下押し圧力となる。但し、産出量が一定ならば、労
働生産性の成長率が鈍化すると、労働市場の需給改善を通じて賃金の伸び率に対し上
押し圧力となる可能性もある。この点、都道府県別の賃金と有効求人倍率の関係をみ
ると(図表 2-6)、労働市場の需給バランスよりも、労働生産性の格差の方が、都道府
県間の賃金格差に対する影響が大きいことが窺える。よって、大都市圏との賃金格差
を是正するためには、当県の労働生産性を向上しなければならない。
図表 2-5:賃金と労働生産性
(月額、千円)
400
図表 2-6:賃金と有効求人倍率
(月額、千円)
400
東京
東京
350
350
300
300
250
250
秋田
秋田
200
200
5
7
9
11
0.5
13
(百万円)
(注)2013 年時点。労働生産性は就業者一人当たりの付加
価値額。
(出所)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
、内閣府「県
民経済計算」
1.0
1.5
2.0 (倍)
(注)2015 年時点。
(出所)厚生労働省「職業安定業務統計」「賃金構造基本
統計調査」
2
3. 労働生産性
労働生産性は、成長会計のフレームワークに基づくと、資本装備率、労働の質、全
要素生産性に要因分解できる。地域間の生産性格差を分析した徳井・深尾他(2013)
40 年間の労働生産性の成長率と各項目の寄与を都道府県別に比較す
ると(図表 3-1)、当県の資本装備率の寄与は全国平均を上回っており、労働の質の寄
与は全国平均並、全要素生産性の寄与は全国平均を下回っている。全体として、労働
生産性の成長率は全国平均を幾分上回っているものの、大都市圏との労働生産性の格
差を是正するためには、労働生産性の成長率を一段と加速させる必要がある。
1に基づき、過去
図表 3-1:労働生産性の成長率(1970 年-2009 年)
4.0
(年率、寄与度、%)
全要素生産性
労働の質
資本装備率
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
長滋群福東静山愛福三山栃鹿京神大広秋茨埼福岩徳岐大熊鳥新兵宮宮島富青長石愛北山千佐岡高沖香和奈
野賀馬島京岡梨知井重形木児都奈分島田城玉岡手島阜阪本取潟庫崎城根山森崎川媛海口葉賀山知縄川歌良
島 川
道
山
(注)労働生産性は労働投入一単位当たりの付加価値額。資本装備率は資本の質を含む。
(出所)RIETI「R-JIP データベース 2014」
まず、当県の資本装備率の寄与は、全国平均を上回っているが、背景としては、労
働投入の減少が強く影響していると考えられる。資本ストックは、就業者数の減少ほ
どには減少しないため、就業者数の減少により労働投入が減少すると、資本装備率に
対し上押し圧力となる。労働投入の成長率をみると(図表 3-2)、当県は全国対比低い
状態にあり、資本装備率の寄与が全国平均を上回っているのは、県内企業が資本スト
ックを積み上げる動きが活発であったためとは言い難い。もっとも、足許の県内企業
の設備投資動向をみると(図表 3-3)、設備投資が 4 年連続で増加しているほか、金融
面をみると(図表 3-4)、金融機関の貸出態度判断 D.I.が「緩い」超で推移している。
緩和的な金融環境の下、県内企業が前向きな投資スタンスを維持し、資本装備率を一
層引き上げることに期待したい。
1徳井丞次・深尾京司・牧野達治・宮川努・荒井信幸・新井園枝・乾友彦・川崎一泰・児玉直美・野口尚洋、
「都道府県別産業生
産性(R-JIP)データベースの構築と地域間生産性格差の分析」、RIETI Discussion Paper Series 13-J-037
3
図表 3-2:労働投入の成長率(1970 年-2009 年)
1.5
(年率、%)
1
0.5
0
-0.5
-1
-1.5
和山北大秋兵高広徳長山富京東青鳥愛福岩新大岡香島鹿岐長石福福静宮三佐群熊神愛宮山栃奈茨千沖滋埼
歌口海阪田庫知島島野形山都京森取媛岡手潟分山川根児阜崎川井島岡崎重賀馬本奈知城梨木良城葉縄賀玉
山 道
島
川
(出所)RIETI「R-JIP データベース 2014」
図表 3-3:設備投資動向(秋田県、全産業)
100
(前年度比、%)
図表 3-4:貸出態度判断 D.I.(秋田県、全産業)
30
(「緩い」-「厳しい」・%P)
80
20
60
40
10
20
0
0
-20
-10
-40
-20
-60
-80
-30
96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 (年度)
96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 (年)
(注)2016 年度は計画ベース。
(出所)日本銀行「全国企業短期経済観測調査(秋田県内)
」
(出所)日本銀行「全国企業短期経済観測調査(秋田県内)
」
次に、労働の質の寄与は全国平均並となっている。上述の徳井・深尾他(2013)で
は、地域間の人的資本格差を分析した徳井・牧野他(2013)2が作成した労働の質の
指数を引用している。同論文では、労働の質は教育機会に左右されることが示されて
いるが、当県の労働の質の水準は全国下位に甘んじており、改善の余地が大きい。こ
の点、大学進学率と一人当たり雇用者報酬をみると(図表 3-5)、両者には強い相関が
あり、賃金格差を背景とした所得格差が教育機会の格差に繋がっていると考えられる。
つまり、労働生産性の格差が分配面を通じて賃金格差を生むだけではなく、賃金格差
が教育機会の格差を通じて労働生産性の格差を助長する負の連鎖が生じている可能
性がある。もっとも、当県は全国学力・学習状況調査で全国有数の実績を残しており
(図表 3-6)、学力面で高いポテンシャルを有している。奨学金制度など高等教育支援
2徳井丞次・牧野達治・児玉直美・深尾京司、
「地域間の人的資本格差と生産性」
、RIETI
4
Discussion Paper Series 13-J-058
を充実するほか、高等教育を受けた人材の就職先を県内に確保するなど、県民がポテ
ンシャルを発揮できる環境を整備し、この負の連鎖を断ち切ることが望まれる。
図表 3-5:大学進学率と一人当たり雇用者報酬
75
(大学進学率、%)
65
図表 3-6:全国学力・学習状況調査
(平均正答率、%)
小学校
国語A
国語B
算数A
算数B
石川 78.6 秋田 64.0 石川 82.4 石川 53.5
広島 78.4 石川 63.0 福井 82.4 秋田 51.8
青森 77.4 福井 62.7 秋田 82.0 福井 51.5
秋田 77.4 愛媛 60.9 沖縄 80.7 富山 51.4
東京
55
45
国語A
秋田 79.1
石川 78.1
富山 78.0
福井 77.9
秋田
35
300
400
500
600
700(万円)
(注)2013 年度時点。
(出所)内閣府「県民経済計算」、文部科学省「学校基本調査」
(平均正答率、%)
中学校
国語B
数学A
数学B
秋田 72.4 福井 69.3 福井 50.8
石川 70.8 秋田 66.6 富山 49.1
富山 70.5 兵庫 65.7 石川 48.8
福井 70.1 石川 65.6 秋田 48.4
(注)2016 年度時点。上位都道府県。一部地域を除く。
(出所)文部科学省「全国学力・学習状況調査」
続いて、当県の全要素生産性の寄与は、全国平均を下回っている。この背景を、企
業の取り組みと地域全体の資源配分の二点から考察する。全要素生産性の改善には、
研究開発による技術革新だけではなく、ブランド力や販売網などの営業力の強化も挙
げられる。まず、一人当たりの財貨・サービスの純移出入をみると(図表 3-7)、当県
は全国対比低い水準にある。これは、県内企業の営業力が乏しく、域外需要を十分に
取り込めていないことを示唆している。この他、特許保有件数では、当県は全国で
43 位となっており3、県内企業の研究開発やブランド力も全国対比見劣りしている。
図表 3-7:一人当たりの財貨・サービスの純移出入
250
(万円)
200
150
100
50
0
-50
-100
-150
高愛埼鳥奈秋和岩青沖鹿神福島北宮山千宮新長熊福佐山京石長兵徳岐福香富三茨岡大広群滋山静栃大愛東
知媛玉取良田歌手森縄児奈島根海崎形葉城潟崎本井賀梨都川野庫島阜岡川山重城山分島馬賀口岡木阪知京
山
島川
道
(注)2013 年度時点。一部地域は統計上の不突合を含む。
(出所)総務省「人口推計」、内閣府「県民経済計算」
32014
年時点、秋田経済研究所まとめ
5
全要素生産性の改善を考える上では、地域全体の資源配分も重要となる。理論的に
は、労働生産性の高い企業が市場に新規参入する一方で、労働生産性の低い企業が市
場から退出し、労働力などの生産要素が労働生産性の低い企業から高い企業に移動す
ることによって、地域全体の労働生産性が上昇すると考えられる。この点、開廃業率
をみると(図表 3-8)、当県は開業率、廃業率ともに停滞しており、経済の新陳代謝が
活発とは言い難い。
図表 3-8:開廃業率
6
(廃業率、%)
5
4
秋田
3
2
2
3
4
5
6
7
8
(開業率、%)
(注)2015 年度時点。
(出所)厚生労働省「雇用保険事業年報」
この他、労働生産性の高い企業が、後継者不在などを理由に市場から退出してしま
い、労働力などの生産要素が労働生産性の低い企業に移動すると、地域全体の労働生
産性が低下する。この点、後継者不在率をみると(図表 3-9)、当県は全国対比高い水
準となっている。事業承継は、成長性が高く労働生産性の向上が期待できる企業でも
課題になっており(図表 3-10)、労働生産性の高い企業が後継者不在により市場から
退出してしまう可能性が高い状態にある。
図表 3-9:後継者不在率
100
(%)
80
60
40
20
0
沖山広北鳥神大秋島埼京愛滋山宮東大三岐千兵福長岩群栃山長岡福奈愛静新福富高青石茨鹿熊徳香宮佐和
縄口島海取奈阪田根玉都知賀梨城京分重阜葉庫岡野手馬木形崎山島良媛岡潟井山知森川城児本島川崎賀歌
道 川
島
山
(注)2016 年時点。
(出所)帝国データバンク「後継者問題に関する実態調査」
6
図表 3-10:後継者の状況(秋田県)
70
(%)
60
売上高伸び率90%未満
90%以上110%未満
110%以上
50
40
30
20
10
0
決まっている
予定者がいる 決まっていない
(注)2014 年時点。
(出所)秋田県「県内中小企業の事業承継に関する実態調査」
以上の様に、全要素生産性の改善には、各企業が技術革新や営業力の強化に取り組
むだけではなく、開廃業の促進や円滑な事業承継の実現により、地域全体の資源配分
を最適化することが欠かせない。
最後に、労働生産性の成長率を業種別に比較すると(図表 3-11)、製造業と非製造
業では大きな開きがある。非製造業の労働生産性の成長率が、IT 化の遅れなどから
製造業に比べて見劣りしている点は、我が国全体の特徴である。もっとも、非製造業
の収益は地域の需要に左右され易いため、当県の様に人口減少に伴い地域の需要が減
少すると、非製造業の労働生産性に対しより強い下押し圧力がかかると考えられる。
非製造業のウェイトが高い当県においては、大都市圏との賃金格差を是正する上で、
非製造業の労働生産性を向上することが喫緊の課題となっている。
図表 3-11:労働生産性の成長率(1970 年-2009 年、業種別、秋田県)
16
(年率、%)
12
8
4
0
-4
不 鉱 建 サ サ 電
動 業 設 ー ー 気
産
業 ビ ビ ・
ス ス ガ
業
業 業 ス
( ・
(
民 政 水
間 府 道
等 ) 業
)
農
林
水
産
業
金
融
・
保
険
業
卸
売
・
小
売
業
運
輸
・
通
信
業
石 食 パ 一 そ 繊 金 窯 一
油 料 ル 次 の 維 属 業 般
製 ・ 機
品 プ 金 他
・
石
・
品 土 械
紙 属 の
炭
石
製
製
製
造
品
品
業
(注)労働生産性は労働投入一単位当たりの付加価値額。
(出所)RIETI「R-JIP データベース 2014」
7
精 化 輸 電
密 学 送 気
機
用 機
械
機 械
械
4. 金融機関に期待される役割
本章では資本装備率と全要素生産性の改善に関して、中小企業金融を中心に、金融
機関に期待される役割を整理する。まず、県内主要金融機関の県内向け貸出の動向を
みると、貸出残高は前年を上回って推移しているものの(図表 4-1)
、公的部門向け貸
出の寄与が大きく、法人向け貸出の伸び率は全国対比見劣りしている(図表 4-2)。
図表 4-1:県内向け貸出の動向
8
図表 4-2:借入主体別貸出
4
(末残、前年比、寄与度、%)
公的部門
民間部門
前年比
6
(末残、前年比、%)
秋田県
全国
3
4
2
2
1
0
0
-2
11
12
13
14
15
16
法人向け貸出
(年)
(注)県内 4 行庫ベース。海外円借款、国内店名義貸は除く。
(出所)日本銀行秋田支店
個人向け貸出
(注)2016 年 9 月時点。秋田県は県内 4 行庫ベース。海外
円借款、国内店名義貸は除く。
(出所)日本銀行秋田支店、日本銀行「貸出先別貸出金」
こうした中、足許の県内企業の設備投資動向をみると(図表 4-3)、中小企業の投資
スタンスは、大企業に比べ抑制的となっており、資本装備率の引き上げが十分でない
可能性がある。当県の金融環境は緩和した状態にあるものの(前掲図表 3-4)、中小企
業は投資回収の展望を描きづらいほか、担保提供が難しいなどの課題を抱えており、
県内金融機関には事業性をよりきめ細やかに評価した金融仲介機能により、中小企業
の設備投資を後押していくことが期待されている。
8
図表 4-3:設備投資動向(秋田県、企業規模別)
180 (前年度比、%)
160
140
120
100
80
60
40
20
0
-20
14 15 16 14 15 16 14 15 16 (年度)
大企業 中堅企業 中小企業
(注)2016 年度は計画ベース。
(出所)日本銀行「全国企業短期経済観測調査(秋田県内)
」
全要素生産性の改善に関しても、金融機関に期待される役割は大きい。全国の中小
企業が金融機関に求める経営支援サービスをみると(図表 4-4)、ビジネスマッチング、
事業承継の支援、ブランド力の向上など全要素生産性の改善に繋がるサービスが求め
られている。実際、地方銀行によるビジネスマッチング成約件数や事業承継の相談受
付件数は増加している(図表 4-5)。もっとも、県内企業の事業承継に関する相談先を
みると(図表 4-6)、4 社に 1 社は何処にも相談しておらず、金融機関への相談は 1 割
未満に止まっている。県内金融機関には、円滑な事業承継を支援し、労働生産性の高
い企業が後継者不在を理由に市場から退出してしまう可能性を低減する役割が期待
される。この他、全国的に地方銀行による創業支援実績も増加しており(図表 4-7)、
当県でも金融機関の創業支援を通じて経済の新陳代謝が活性化することが望まれる。
図表 4-4:中小企業が金融機関に期待する経営支援サービス
ビジネスマッチング
地方公共団体の補助金や制度融資の活用支援
事業承継、M&A支援
固定費、経費等の削減方法
税務・法務・労務相談
計数管理に関するアドバイス
人材教育
自社のブランド力向上のためのアドバイス
事業戦略・経営計画策定支援
経営改善計画の策定支援
社内体制整備に関するアドバイス
公的機関との連携
各種債務整理支援
海外展開支援
その他
0
10
20
30
40
50 (%)
(注)2016 年時点。
(出所)金融庁(委託先:NTT データ経営研究所)
「金融機関の取組みの評価に関する企業アン
ケート調査」
9
万
図表 4-6:事業承継に関する相談先(秋田県)
図表 4-5:ビジネスマッチングと事業承継支援
6
(万件)
家族・親族
ビジネスマッチング成約件数
事業承継の相談受付件数
5
税理士
誰にも相談なし
役員・従業員
4
商工会・会議所
他社の経営者
金融機関
3
公認会計士
その他
2
事業引継ぎ支援センター
中小企業診断士
1
弁護士
国・県・市公的機関
0
11
12
13
15 (年度)
14
0
(出所)全国地方銀行協会「地方銀行における「地域密着
型金融」に関する取組み状況」
10
20
30
40
50 (%)
(注)2014 年時点。
(出所)秋田県「県内中小企業の事業承継に関する実態調査」
図表 4-7:地方銀行の創業支援実績
12
(百億円)
創業・新事業支援融資実績
企業育成ファンドへの出資残高
8
4
0
11
12
13
14
15 (年度)
(出所)全国地方銀行協会「地方銀行における「地域密着
型金融」に関する取組み状況」
5. 最後に
県外への人口流出を防ぐには、賃金水準を左右する労働生産性を向上し、大都市圏
との賃金格差を是正することが欠かせない。資本装備率に関しては、緩和的な金融環
境の下、県内企業が前向きな投資スタンスを維持しており、県内金融機関の後押しに
より、こうした動きが中小企業まで拡がることに期待したい。全要素生産性に関して
も、中小企業を中心に、ビジネスマッチング、事業承継の支援、ブランド力の向上な
どの経営支援サービスが求められており、県内金融機関が当県の労働生産性の向上に
貢献する余地は大きい。
以
10
上