野外調査の解説書のダウンロード プログラムの詳細

WEB 版
アースウォッチ・ジャパン
調査プログラム解説書 2016
石垣島白保のサンゴ礁調査
赤土堆積量と流出対策の長期モニタリングとサンゴ礁文化の体験
佐藤
哲
総合地球環境学研究所/教授
現地調査日:9 月 9 日(金)- 12 日(日)三泊四日
募集人数 :最小 5 人、最大 8 人
認定特定非営利活動法人
アースウォッチ・ジャパン
〒113-8657 東京都文京区弥生 1-1-1
東京大学大学院農学生命科学研究科
フードサイエンス棟
4階
Tel. 03-6686-0300 Fax 03-6686-0477
e-mail: [email protected]
URL: http://www.earthwatch.jp
目次
1. アースウォッチ・ジャパンからのメッセージ .......................................................................... 3
2. 主任研究者からのメッセージ................................................................................................... 3
3. 集合・解散時刻及び場所、交通案内 ........................................................................................ 4
4. 宿泊、食事 ............................................................................................................................... 5
5. 持参装備品 ............................................................................................................................... 6
6. スケジュール ........................................................................................................................... 8
7. 調査地について........................................................................................................................ 9
8. 調査の目的・意義 .................................................................................................................. 10
9. ボランティアの作業............................................................................................................... 11
10. 研究成果の応用...................................................................................................................... 11
11. 安全確保の為の予定変更について ......................................................................................... 12
12. 医療機関 ................................................................................................................................ 12
13. 調査中の危険や留意点について ............................................................................................. 13
14. 傷害保険 ................................................................................................................................ 13
15. 研究者の紹介 ......................................................................................................................... 13
16. 参考書籍、文献、用語の説明など ......................................................................................... 14
17. ご協力のお願い...................................................................................................................... 14
18. 情報の取り扱いについて........................................................................................................ 14
情報の取り扱いについて
・
・
・
・
・
・
この調査プログラムから得られる経験や知識、写真、動画などは、参加者の家族や友人、ローカルメディア、
フォーラム等で共有することはできます。
(もちろん肖像権などには十分なご配慮をお願いします)
しかし、調査の間に収集・共有された全ての情報、特に科学的データやレクチャー時に研究者が使用したスラ
イドなどは、研究者の知的財産となることをご理解ください。
論文への使用や自らの利益、第三者の学問やビジネスへの使用のために、主任研究者の許可なしに、これらの
情報を盗用・公開することを禁止します。
特に調査現地の人たちに取材したデータや、フィールドで収集した科学的なデータは、主任研究者の知的財産
となることを理解し、その扱いには厳重に注意をしてください。
主任研究者は、科学的なデータや特定の研究に関連した情報を共有することに対して制限を加える権利を持っ
ています。もし参加者が学術上有益なデータやその関連情報を使用・公開する場合は、必ず書面で許可を得る
か、アースウォッチを通して主任研究者に確認してください。
希少生物の捕獲を防止するために、撮影した写真を公開する場合には GPS による位置情報を削除するほか、撮
影場所が分かるような情報は公開しないなどのご配慮をお願いします。
アースウォッチは、調査プログラムに関連して撮影した写真及び提供いただいた写真の利用についての権限を
有しています。
2
1.
アースウォッチ・ジャパンからのメッセージ
ボランティアのみなさま
このたびは、アースウォッチ・ジャパンが主催する国内調査プログラムへお申込みいただき、
ありがとうございます。
世界各地の海で、熱帯雨林で、草原で、数多くの研究者が長く、そして地道な調査に取り組んでい
ます。アースウォッチは、このようなフィールドと一般市民をつなぐことによって、自然環境やそこ
に生息する生物の変化に対する認識や理解を深め、持続可能な環境を維持するための行動に結びつけ
るために生まれました。
この「石垣島白保のサンゴ礁調査」は、サンゴ礁に影響を与える陸上からの赤土の海域への流入を
把握し、白保地域の自然環境の再生・修復・伝統的利用を学んでいただくプログラムです。
短い期間ではありますが、この調査を通して、自然の多様なつながりや自然と人との関わりについ
て実地で学び、そこで得た体験を多くの方と共有していただければ幸いです。
認定特定非営利活動法人アースウォッチ・ジャパン
2.
主任研究者からのメッセージ
石垣島白保地区の沿岸に広がるサンゴ礁は、この海域の生態系を支えてい
るだけでなく、白保に住む人たちの暮らしと密接な関わりをもっています。
本調査プログラムでは、サンゴの生育環境に影響を与えると考えられる海
底の赤土堆積量と、陸地からの赤土流出を減らすための農地におけるグリ
ーンベルト植栽の生育状況のモニタリングを実施します。
海底の赤土堆積量調査は白保で 2000 年から実施されてきた方法を用い、ボ
ランティアの皆さんが自ら試料を採取し、分析、データ記録まで行います。
グリーンベルト調査は、本プログラムにおいて初めて本格的に取り組むも
ので、これまでにグリーンベルトとして植えられてきたゲットウやイトバ
ショウの状況を記録します。こうしたデータは、今後の赤土対策に活用さ
れることを想定しています。
また、白保のサンゴ礁文化を体験するというのが本プログラムの最大の特徴です。白保の人たちと農
作業に参加し、ホームステイをすることを通じて、密度の濃い対話と交流を行い、過去から現在に至る
人々とサンゴ礁の関わりについて理解を深めましょう。これは、参加するすべての人たちにとって豊か
な学び合いの機会となることでしょう。
この新しい調査プログラムを、白保の人たちや私たちと一緒に実施し、白保の人々とサンゴ礁が直面
する課題や、その対応策についての理解を深め、実りある時間を過ごしましょう。
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構・総合地球環境学研究所/教授
佐藤
3
哲
3.
集合・解散時刻及び場所、交通案内
集合場所:WWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」
日時:9 月 9 日(金)海上調査の装備で 9:00
※集合時の連絡用に、携帯電話番号は必ず事務局までご連絡ください。
※参加者には、当日の緊急連絡先を記入した調査プログラム解説書を別途お送り致します。
現地拠点:
WWFサンゴ礁保護研究センター
「しらほサンゴ村」
〒907-0242 沖縄県石垣市字白保 118
Tel: 080-8553-8848(NPO 夏花)
出典:サンゴ村 web より
石垣空港から集合までのアクセス(参考)
石垣島
路線バス:系統4(30 分ごと運行)石垣空港から「白保小学校前」まで8分 運賃 210 円
バス停からサンゴ村までは、徒歩5分程度
(タクシーの場合は、サンゴ村まで5分程度で着きます。
)
最新の時刻表は空港の案内所または下記にてご確認ください。
http://www.cosmos.ne.jp/~bus/azu_hp4-rosen.html
解散:9 月 12 日(日)17:00 頃
サンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」にて解散
4
4.
宿泊、食事
宿泊施設:1・2日目は民宿、3 日目は一般家庭への民泊(ホームステイ)です。
1・2 日目
宿泊施設名
民宿 たあづくやー
宿泊施設の住所
〒907-0242 沖縄県石垣市字白保 730-8
TEL:0980-86-8440 / FAX:0980-86-8445
URL: http://www7b.biglobe.ne.jp/~tazukuya/index.html
※ 男女に分かれての相部屋となりますので、予めご了承ください。
※ 民宿の備品:バスタオル・ドライヤー・シャンプー・リンス・ボディソープ
※民宿は、
「白保」バス停のすぐ目の前です。
石垣空港から集合(民宿)までのアクセス(参考)
・石垣島 路線バス:系統4(30 分ごと運行)石垣空港から「白保」まで 7 分 運賃 210 円、バス停
から空港方向に少し戻る(徒歩1分)と民宿です。
※系統 10 の一部は白保に停まります(乗車前に要確認)。
最新の時刻表は空港の案内所または下記にてご確認ください。
http://www.cosmos.ne.jp/~bus/azu_hp4-rosen.html
※タクシーの場合は、5分程度で着きます。
3 日目:民泊(白保にお住いの個人宅に 2~4 人ずつホームステイします)
※
※
※
※
タオル・バスタオルはご持参ください。石鹸やシャンプー、ドライヤーなどは借りられます。
その他、ご自分が必要な備品は全てお持ちください。
白保のご家庭のお風呂は、バスタブはなく、シャワーのみ設置されていることが一般的です。
民泊のホストは、好意で自ら購入したお酒を勧めてくれる場合がありますが、アルコール費用
は研究分担金には含まれていません。なるべくご自分が飲みたい物は事前に購入するなどの
お気遣いをお願いします。(現地で購入することができます)
また、お土産を持っていくのも喜ばれてお勧めです。
民宿ではないので、食事や布団の支度などは一緒に行ってください。
食事と現地で発生する費用:食事は全て研究分担金に含まれます。ただし飲み物は各自でお願いします。
二日目の夜の懇親会については会費(1,000 円程度)を現地で集めさせていただきます。
トイレ:海上での調査時はトイレはございません。陸上での調査では、調査地点の移動途中で、必要に応
じてトイレ休憩を取りますので、お申し出ください。
5
5.
持参装備品
以下に典型的な持ち物をご紹介します。これをもとに各自の必要にあわせて持参してください。
シュノーケリングに必要な装備は、貸与しますので、足のサイズ・身長・視力を事前に事務局に
ご連絡ください。持ち物の注意と説明もご確認ください。
◇持ち物
海での服装:水着、ラッシュガードなど(ウェットスーツなどは貸与します)*注①
陸での調査:長そでシャツと長ズボン 、靴下、歩きやすい靴、帽子、軍手、サングラス
*注②
着替え *注③、注④
日焼け止め
飲みもの(水筒・ペットボトル)
タオル・バスタオル
筆記用具(ボールペン等)
雨具(傘・合羽など)
健康保険証
洗面用具(歯ブラシなど)
医薬品(虫除け・バンソウコウ・胃腸薬・酔い止めなど) *注⑤
本プログラム解説書と筆記用具
携帯電話と充電器
救急法の基礎知識(事前配布)
必須でないがあると便利なもの
熱中症対策用品(首に巻ける保冷剤など)
フィールド持参用サブバッグ
水中カメラ
マスクの曇り止め
ウェットティッシュ(手が汚れた時に便利です。
)
防水用のビニール袋など(カメラや携帯電話等を入れておくため)
耳栓(相部屋のため、音が気になる方)
サンダル
※注:持ち物に関する説明
①
海での服装:海ではウェットスーツ(貸与します)を着用しますので、その下に着られる服装とし
て水着やラッシュガードなどをご用意ください。ジョギング用のタイツなどもお勧めです。
②
陸での服装:農地などで作業をしますので、虫やヘビなどの対策として必ず長そで長ズボンの着用
をお願いします。希望者は長靴を借りて着用することができます。
③
着替え:海洋調査後に行う実験室での作業の時や、汗や土で汚れた時など、調査用とは別に 1 枚余
分に着替えをお持ちください。
④
サングラス:沖縄の夏の日差しはかなり強いため、その強烈な紫外線から目を保護するためにUV
カットのサングラスをお持ち下さい。
⑤
医薬品:常備薬や虫よけスプレー、かゆみ止めなど各自必要と思うものを持参してください。海域
の調査は船に乗りますので、乗り物酔いしやすい人は酔い止めをお持ちください。
なお、携帯電話や貴重品は、万が一に備え防水用のビニール袋に入れるなどの対策をお願いします。
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(貴重品は、夏花の事務所(実験室)で預かることも可能ですが、各自の責任で管理してください)
ご参考(この調査に参加した方の持ち物へのコメントです)
・ ウェットスーツの下に着るラッシュガードを購入していきましたが、結果的に不要でした。
でも日焼け止めとしては活躍しました!
・ 実験室でウェットスーツに着替えて、車で海に向うので、上に羽織るものを用意しておいた
ほうがいい。
・ 防水カメラを持って行きましょう。絶景です。
・ 海での作業は意外に目が疲れた気がしましたので、目薬を持ってゆくと良いと思います。
・ 暑いので帽子、日焼け止め、そして虫刺されの薬は必携。
・ 濡れてもいい小さなデイパックのようなものがあると便利だと思いました。貴重品は、実験
室に置いていけます。
・ 農作業をするとありましたので自前の簡易的な長靴を持参しましたが、長靴は現地でお借り
できました。
・ 水分補給はマメに行うこと。
・ 民泊の家庭にお土産を持ってゆくと喜ばれた。また夕食時のビールぐらいは事前に買い出し
をして用意するほうが望ましい。地元の皆さんはお酒に強いので、同じように飲んではいけ
ない。
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6.
主なスケジュール
当日の天候や潮の状態などにより変更になることがあります、あらかじめご了承下さい。
調査時間はおおよその予定です。調査時間は潮汐表での潮位やコンディションを見ながら調整されます。
□1日目:海での赤土堆積量調査(民宿たあづくやー泊)
時刻
実施内容
9:00~
プログラム開始(関係者の顔合わせ・本日の調査概要とスケジュールの説明)
9:30~
調査地の海へ移動・海底の赤土採取調査
14:00~
実験室にて、サンプルの測定やデータ処理
18:30~
民宿へ移動・チェックイン・休憩(シャワー)
19:30~
民宿にて夕食、レクチャー、懇親
22:00~
自由・就寝
□2日目:陸上でのグリーンベルト調査(民宿たあづくやー泊)
時刻
実施内容
7:30
起床・朝食・サンゴ村へ移動
9:00~
本日の調査内容やスケジュールの説明・移動
9:30~
グリーンベルトの調査・適宜休憩(トイレ)
13:00~
昼食(集落内の食堂)
16:00~
調査終了。サンゴ村に移動
18:30~
民宿へ移動・懇親会
22:00~
自由・就寝
□3日目:日曜市、白保サンゴ礁文化の聴き取り調査(民泊)
時刻
実施内容
9:30
チェックアウトし、荷物を持ってサンゴ村へ移動
9:45~
スケジュールの確認や調査目的・内容の説明
10:00~
日曜市を見学・昼食(日曜市のお弁当)
13:00~
民泊のホストとボランティアの顔合わせ後、各自が宿泊する家へ移動
13:30~
家業のお手伝い、サンゴ礁文化の聴き取り調査
各々、夕食や懇親、就寝
8
□9/12(月)
4日目:データ整理、振り返り、後片付け
時刻
実施内容
9:00~
サンゴ村へ移動
9:30~
グリーンベルト調査のデータ整理
12:00~
昼食
13:00~
白保サンゴ礁文化調査のデータ整理と分析
15:00~
調査全体の振り返り・まとめ・片づけ
17:00
サンゴ村にて解散
白保の特産がいっぱい白保日曜市
9
7.
調査地について
白保は亜熱帯に属する温暖な気候で、遠浅のサンゴ礁があり波も通常は穏やかな場所です。白保サン
ゴ礁は世界屈指のアオサンゴ群落を有し、豊かな生物多様性に恵まれています。スノーケリングによる
赤土堆積調査の際には、このサンゴ礁の魅力を十分に味わうことができます。
調査拠点となる WWF サンゴ礁保護研究センターは、白保のサンゴ礁文化に関する魅力的な展示を持っ
ています。調査期間中には、施設内で地産地消の市である「白保日曜市」が開催され、そこで販売され
る地元の食品や軽食は、地元の味として多くの訪問者に親しまれています。
8.
調査の目的・意義
石垣島白保地域は、世界的にも貴重なアオサンゴ群集が広がり豊かな生態系に恵まれています。
しかし、そのサンゴ礁の生息環境は絶えず変化にさらされており、とりわけ陸域から流出した赤土は、
サンゴ礁に大きな影響を与える要因の一つとなっています。
WWF サンゴ礁保護研究センターでは、地域ボランティアの協力を得て、2000 年から赤土堆積量のモニ
タリング調査を続けてきました。2011 年からは、白保魚湧く海保全協議会や NPO 夏花などの白保住民に
よる地域組織がモニタリング調査を実施しています。また、2006 年には白保集落を挙げて赤土流出防
止対策に取り組むこととし WWF の支援のもとで白保魚湧く海保全協議会が中心となり、農地周辺部への
グリーンベルトの設置に取り組むようになっています。
グリーンベルトづくりでは、ゲットウやイトバショウなどの在来植物を植えてきましたが、植栽の場
所によって活着率や成長速度に大きなばらつきがあり、また赤土の堆積量に大きな改善がみられていな
いことなどから、体系的なモニタリング調査を実施することで植え付け方法や管理方法の改善が望まれ
ています。
白保では、2013 年には NPO 法人「夏花(なつぱな)
」が設立され、サンゴ礁保全、歴史・文化の体験学
習、農業・水産業の活性化を住民が主体となって実施する体制が整いつつあります。
今回、研究者や WWF、NPO 夏花、白保魚湧く海保全協議会と協働して、サンゴ礁海域における赤土堆積
量とグリーンベルトのモニタリング調査を行います。また、農家との交流を通じて、サンゴ礁文化と呼
ばれる白保の生活文化について記録を行ないます。
これらの調査は、赤土流出対策の効果を、総合的かつ定量的に把握するための基礎データとして役立
てられます。
参加するボランティアは、調査を通して白保周辺のサンゴ礁の現状だけでなく、白保の方々とサンゴ
礁との関わりを記録することで、サンゴ礁文化の継承に貢献することができます。
美しいサンゴ群
地元の伝統「海垣(いんかち)
」
10
9.
ボランティアの作業
1.海底の赤土堆積量調査
NPO 法人夏花スタッフの指導のもと、2隻のボートで観測地点を回り、シュノーケルで海に潜り、海
底に溜まっている土砂を採取します。採取した土砂は持ち帰り、実験室で透視度を測り、その数値から
赤土含有量を算出します。最後に、得られたデータをデータベースに入力します。
2.グリーンベルトのモニタリング調査
赤土流出対策として農地の周囲にグリーンベルトとして植栽されたゲットウやイトバショウの生育状
況を記録します。手順としては、まず実際の植え付け作業を行い、グリーンベルトの仕組みや植栽の方
法を体験しながら学びます。次に、植栽を始めてから数年後のグリーンベルトを視察し、植栽したとき
の状況やその後の管理の仕方などについて農家さんや夏花スタッフの話を聞きます。その後、2組に分
かれて調査対象の農地を訪れ、グリーンベルト植栽の測定を行い、調査票に記入します。また、生育状
況を左右する条件や赤土の流出を効果的に防止する条件などについて気付いたことを各自記録します。
最後に、サンゴ村に戻ってから、これらのデータをデータベースに入力します。
3.白保の生活文化に関する調査
白保の農家に行き、家業を手伝いながら白保におけるサンゴ礁文化や農業・漁業などの地域産業の歴
史、住民と海のかかわりなどについて、聞き取り調査を行います。
ボランティアは、聞き取り調査をした農家でホームステイを一泊するほか、白保の方々が地元特産品
を販売する「白保日曜市」や、WWF サンゴ礁保護研究センターの展示見学なども行います。最終日午後
に、以上の3種類の調査を実施して分かったこと気付いたことを全体で共有します。
※
調査の方法については事前にガイダンスを行います。ボランティアは、調査に関する知識や特別な
技能はいりません。どなたでもご気軽にご参加できます。
【白保と調査エリア】
11
10. 研究成果の応用
今回の調査・研究の成果により、赤土堆積量の継続的なモニタリングのデータが充実し、赤土堆積メ
カニズムに関する精度の高い理解へとつなげていきます。また、新たなデータを 2000 年から蓄積され
てきたモニタリングデータと比較し、直近の状況を科学的に把握します。
これらの成果は、科学論文として生態学関係の国際誌に発表していきます。さらに、日本語での解説
記事や書籍の執筆、学会でのシンポジウムや市民参加型セミナーなどを通じて発信していきます。
このほかにも赤土流出対策としてのグリーンベルトのモニタリング方法を確立し、継続的なデータを
得ることによって、赤土流出対策の現状に関する知見や白保の農地における活着率や成長度を高めるた
めの条件・植栽方法の知見、グリーンベルトの赤土流出防止効果について、他の地域にも適用できる普
遍的な知見を得ることが期待できます。
このような土壌流出防止のためのバッファーの効果に関する研究は、特に流域生態系管理の観点で国
際的に多くの知見が集積されており、本研究の成果も国際誌において発表する予定です。
11. 安全確保の為の予定変更について
◇やむを得ない事情による調査中止の場合など、実施に関する注意事項◇
調査は基本的に雨天でも行われます。しかし、台風や雷、集中豪雨など、調査地に入ることがボラン
ティアにとって危険と研究者が判断した場合には、調査チームの安全確保のためやむを得ず野外調査を
中止することがあります。その場合は、研究者の指示に従ってください。皆様のご理解とご協力をよろ
しくお願いいたします。
・事前に予想される場合:調査開始以前に発生した台風や強雨の影響で調査が困難になると研究者が事
前に判断できた場合は、調査開始 1 週間前までに中止や予定の変更を事務局からご連絡いたします。
・直前の予期せぬ天候の変化などの場合:台風の進路の急変など、予期せぬ気象条件により、調査実施
が難しいと研究者が判断した場合は、調査 3 日前までに事務局からご連絡いたします。
・調査期間中の天候の急変について:そのほか天候の急変など、アースウォッチの管理できない事由に
より調査の安全確保が困難になると研究者が判断した場合、調査を早めに切り上げ、データ整理など
の他の作業に切り替えることがありますので、研究者の指示に従ってください。
※上記のような予期せぬ状況により調査が全く実施できなかった場合は、若干の事務手続き費用(ボラ
ンティア保険等)を除いた研究分担金の残額をお返しいたします。
(そのほか、詳細は免責承諾書の記載事項もご参照ください。
)
12. 医療機関
病
院
沖縄県立八重山病院
住
所
〒907-0022
沖縄県石垣市字大川 732
石垣市消防本部
〒907-0023
沖縄県石垣市字石垣 420-1
電
話
0980-83-2525
(代)
0980-82-4047
0980-82-4050
0980-82-0119
救急箱は用意致しますが、ご自分の必要な常備薬はご用意をお願いします。
配布資料「救急法の基礎知識」に事前に目を通し、当日も持参してください。
12
備
考
0980-82-1742
(代)
0980-83-6698
13. 調査中の危険や留意点について
■海域調査での注意事項
海の生き物のうち、ウミヘビ・ウツボ・ミノカサゴ・オニヒトデ・ハブクラゲなどは注意が必要な生き
物です。またサンゴもかぶれる場合がありますので、基本的に海中のものには触らないことが原則です。
■陸域調査での注意事項
農地での調査では、草むらにいるハブや毛虫などに注意が必要です。虫対策を含め、調査時は帽子、
長そで、長ズボンを着用してください。
日射の照り返しのため、昼間の作業はかなり暑く感じられます。日射が強いため、必要に応じて帽子、
サングラス、長袖・長ズボンの服などで肌や目を紫外線から守るなど日焼け対策を十分にすると共に、
脱水症にならないように水分のこまめな補給に努めてください。
14. 傷害保険
アースウォッチのボランティア活動中に万一発生する傷害(病気は対象となりません)に対して保険が
参加者全員に手配されています。補償(天災Aプラン)の詳細については、下記をご覧ください。
http://www.tokyo-fk.com/document/V1-hokennaiyou.pdf
15. 研究者の紹介
◇主任研究者
佐藤 哲:総合地球環境学研究所/教授
専門は、生態学、持続可能性科学。地域環境知プロジェクトのリーダーとして、科学と社
会の相互作用の研究に従事。
◇共同研究者
上村 真仁:筑紫女学園大学現代社会学部現代社会学科環境共生社会コース
NPO 夏花
准教授
理事
専門は、環境計画、地域計画。石垣島白保集落でのサンゴ礁資源の持続可能な利用によ
る地域づくりに従事。
竹村 紫苑:総合地球環境学研究所/プロジェクト研究員
専門は、景観生態学。地域環境知プロジェクトのメンバーとして、地理情報システム(GIS)
を活用した自然資源管理などの研究に従事。
NPO 夏花(なつぱな)
サンゴ礁保全活動や白保の歴史・文化の体験学習、農業・水産業の活性化のための活動
などを実施。
◇調査の体制◇
調査統括・企画・現地運営
佐藤
上村
竹村
企画調整・広報・ボランティア各種手続き
哲
真仁
紫苑
NPO 法人アースウォッチジャパン
地元との調整・民泊手配など
調査補助,分析補助
ボランティア
NPO 夏花
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16. 参考書籍、文献、用語の説明など
 安村茂樹,前川聡,佐藤哲. 2004. 沖縄県石垣島白保サンゴ礁海域における赤土堆積量の時空間
分布について 保全生態学研究 9:117-126.
 佐藤哲. 2016.「フィールドサイエンティスト: 地域環境学という発想」.東京大学出版会.234pp.
(特に第2章「沖縄のサンゴ礁-定住する研究者」)
17. ご協力のお願い

アンケートにご協力ください
本調査参加後、アンケートをお送りしますので、ご意見、ご感想を事務局にお寄せください。今後の
調査運営の向上に役立てさせていただきます。

お写真をお寄せください
みなさんがボランティア活動中に撮影した写真を、体験したコメントとともにご提供ください。いた
だいたお写真は、アースウォッチの広報に役立てさせていただきます。
・アースウォッチ・フォトコンテストにご応募ください。詳しは、以下をご覧ください。
http://earthwatch.jp/events/photocontest.html
18. 情報の取り扱いについて
・
・
・
・
・
・
この調査プログラムから得られる経験や知識、写真、動画などは、参加者の家族や友人、ローカルメ
ディア、フォーラム等で共有することはできます。
(もちろん肖像権などには十分なご配慮をお願い
します)
しかし、調査の間に収集・共有された全ての情報、特に科学的データやレクチャー時に研究者が使用
したスライドなどは、研究者の知的財産となることをご理解ください。
論文への使用や自らの利益、第三者の学問やビジネスへの使用のために、主任研究者の許可なしに、
これらの情報を盗用・公開することを禁止します。
特に調査現地の人たちに取材したデータや、フィールドで収集した科学的なデータは、主任研究者の
知的財産となることを理解し、その扱いには厳重に注意をしてください。
主任研究者は、科学的なデータや特定の研究に関連した情報を共有することに対して制限を加える権
利を持っています。もし参加者が学術上有益なデータやその関連情報を使用・公開する場合は、必ず
書面で許可を得るか、アースウォッチを通して主任研究者に確認してください。
希少生物の捕獲を防止するために、撮影した写真を公開する場合には GPS による位置情報を削除する
ほか、撮影場所が分かるような情報は公開しないなどのご配慮をお願いします。
アースウォッチは、調査プログラムに関連して撮影した写真及び提供いただいた写真の利用について
の権限を有しています。
※これは、調査プログラム解説書のweb版です。参加者には、緊急連絡先や調査スケジュール
の詳細を記載したプログラム解説書を別途送付致します。 (アースウォッチ・ジャパン事務局)
アースウォッチ・ジャパンが主催する国内調査すべて
が、
「国連生物多様性の 10 年日本委員会(UNDB-J)」が推奨
する事業として認定を受けています。
この調査は、三菱商事株式会社を受けて実施されています。
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