〝未来のモビリティ〟を提案

〝未来のモビリティ〟
を提案
﹁夢﹂を原動力に、日々チャレンジを続けている本田技研工業。ダイバーシティを見据えた
未来のモビリティの提案という課題に、東京理科大学の学生たちが挑みました。
ィへの取り組み、デザインを担
当する女性エンジニアの仕事紹
介など、ホンダの基礎知識を教
わりました。
昼食後は、楽しみにしていた
試乗体験です。効率的な歩行を
サポートする歩行訓練機器「歩
行アシスト」博物館など広い場
所を体重移動だけで座って移動
できる「UNI CUB」
、ひと
の気持ちに寄り添った近未来の
パーソナルモビリティ「WAN
DER STAND」
、「WAND
レスなく行けるように
するために」
「高齢者に
優しく 」などといった
技術者の開発意図や人
の期待を上回る価値の
高い商品を「創る喜び」
といった体験談を聞き、
学 生 た ち の〝 モ ビ リ テ
ィ〟 の イ メ ー ジ が 広 が
ったようです。
最 後 に、 東 京 理 科 大
学 出 身 の O B・ O G 社
員から仕事ぶりを伺っ
た り、 課 題 へ の ア ド バ
イスをもらったりして
初 日 は 終 了。 充 実 の
日となりました。
リサーチ結果を基にデ
ィスカッションし、独自の提
案へ
組みました。 チ ー ム: H e x a g o n は
「 人世帯・ 人世帯が増加し、
人乗りの車のスペースは必要
ない」という考えから、 人乗
りの車を人数分つなげる、とい
う発想に。一方のチーム:DA
NRANは、
「家族や友人が、直
接顔を合わせてコミュニケーシ
ョンを取る機会が不足している」
と考え、モビリティがコミュニ
ケーションの場となるのではと
いう考えにたどり着きます。
途中、考えに行き詰まり発想
の転換に迫られたこともありま
したが、学生たちは決められた
日 目 か ら、 本 格 的 な ワ ー
クショップが始まりました。オ
リエンテーションから 週間
空 い て い た こ と も あ り、 初 日
に「ダイバーシテ
ィ社会とはどうい
う社会かを想像す
るに当たり、必要
となる資料を集め
てくること」とい
う宿題が出されて
いました。そのた
めチームごとに各
時間以外にも集まり、内容をブ
ラッシュアップさせていきまし
た。 日目が終わっても、両チ
担当者を交えてのワークショップ。活発な討議が行われました
ームとも発表の前日まで、何度
1
自のリサーチ結果
を持ち寄ってディ
ス カ ッ シ ョ ン し、
2
「 未来のモビリテ
4 1
もプレゼンテーションの練習を
重ねました。
2
〝モビリティ〟
のイメージを
広げる試乗体験
なホンダの企業理念を理解、賛
同した上で、プロジェクトを進
めてほしいという意図から、工
場見学や試乗体験など、同社を
知るためのさまざまなプログラ
ムが用意されました。
PBL初日、学生が訪れたの
は四輪R&Dセンター和光。ホ
ンダの作業着に着替え、オリエ
ンテーションが始まりました。
前日、大学で顔合わせとグルー
プ分けが行われていましたが、
初日とあって学生たちは緊張を
隠せない様子。午前中は業界の
現状、会社説明、ダイバーシテ
課題は、
「ダイバーシティ社会を
見据えた
“未来のモビリティ”
の提
案」。①車に限らないモビリティ
のあり方、②10年、20年後の社会
変化、③実現可能性、などを考慮
した上で、自由な発想・広い視野
からの提案が求められました。
1
ィ」へと結びつけ
ていく作業に取り
5
2
東京理科大のOB・OG社員から入社の動機、現在の仕事
内容、さらには課題へのアドバイスをもらいました
ER WALKER」と、商品
化されている製品だけでなく、
コンセプトモデルにも触れられ
る貴重な体験になりました。同
時に「自分の行きたい所にスト
OB・OG社員がアドバイス
創業者・本田宗一郎氏のもの
作りに対する姿勢を受け継ぎ、
時代に先駆けた挑戦を続けてい
る本田技研工業。
〝車〟のイメ
ージが強い同社ですが、二輪・
四輪・汎用・航空・ロボットな
ど多彩なモビリティを世に送り
出しており、
「 こんなものがあ
ったら楽しいな」
「これができ
たら、
多くの人が喜ぶだろうな」
という夢や思いを大事にしてい
ます。今回のPBLでは、そん
学生
–
テーマ
オリエンテーション
企業
プログラム 5
PB L
東京理科大学 Honda
学生のパワーポイント資料
いよいよプレゼン
開始。終了後は質
疑応答が行われ、
専門家から自由な
発想への評価と温
かい励ましの言葉
が送られました
「E3」
と組み合わせて使用できる
「HEXA」
のイメ
ージ。プライバシーを大切にしながら、連結する
ことで2人乗り、3人乗り、4人乗りに対応できる6
角形のモビリティを考えました
提案 1
チーム : DANRAN
さまざまな
“個性”
を持った人々が
使えるモビリティ
「言葉」
の壁を越えることで、
「個性」
を認め合うダイバーシ
ティが実現できるとの考えから、さまざまな
“個性”
を持っ
た人が使える1人乗りのモビリティ
「E3」
と、さらなる移動
の快適さとプライバシーを大切にした6角形のモビリティ
「HEXA」
を提案。
[参加学生]
石黒稔也、野村弘次郞、細淵江美、若山優里奈
提案 2
wa∼人の和を生み出すモビリティ∼
モビリティを
「プライベート空間を共有しつつ移動するモ
ノ」
と定義。どんな人でも移動のクオリティに差がなく、個
性の違うさまざまな人の団らんの場を提供するという考え
から、円型で中央に円卓を設けたコミュニケーションの場
となるモビリティ
「wa」
を提案。
[参加学生]
髙橋麻璃亜、磯野桃子、土屋彦樹、小泉紫魚莉
両チームのプレゼンに対し、
野崎氏からは「固定観念にとら
われない、ユニークな提案」
「デ
ータでの現状分析があるため、
説得力がある」
「ホンダの目指す
方向と合致した視点」など、課
題に真剣に取り組んだ学生の様
子を高く評価していただいたよ
うです。河野工場長からも、学
生の自由な発想に対する好意的
な評価と同時に、自筆のスライ
ドを使って社会人の先輩として
のアドバイスをいただきました。
チーム : Hexagon
人事部
多様性推進室室長
向後睦子さん
“気
深く検討され、
けるた 両チームとも
自分たちなりの答えを見つ
い楽しいプレゼンでし
の多
”
づき
多面
、
めに必要な、発想の豊かさ
の企業風土をよく理
構築する た。Ho nda
的に考える力、論理的に
いただき、関わった
案を
た提
解し
学べまし
方法など、多くのことを
ています。この
謝し
同感
員一
従業
を、仲間たちと
「限界」
た。自分の
学にぜひ生
の勉
から
これ
を、
が大き 経験
一緒に乗り越えられたこと
い。
ださ
てく
かし
な収穫だったと思います。
TUS
Council of
Women
東京理科大学
女性活躍推進会議
学生たちの顔には、やり遂げた満足感があふれていました
プレゼン終了後は、寄居工場
内の溶接や組立の工程を見学。
最新技術の導入により、少人数
化やエネルギー削減の取り組み
を実体験しました。PBLを通
して、学生たちは自身の確実な
成長を実感するとともに、ホン
ダのもの作りに懸ける思いを再
認識したようです。
PBLを終えて
理学部第一部3年
髙橋麻璃亜さん
固定観念にとらわれない
自由な発想を高く評価
企業
最終日のプレゼンテーション
は、埼玉製作所 寄居工場で行
われました。2013年、特に
環境への取り組みを重視して建
てられた最新鋭の完成車工場で
す。学生たちをサポートしてく
れたメンバー以外に、寄居工場
の河野工場長、ARD研究戦略
企画B/Lの野崎氏が学生のプ
レゼンを見守りました。
学生
プレゼンテーション
我が国の理工系分野においては、
学生、
教員、
研究者ともに
女性の占める割合は低く、
本学もその例外ではありません。
科学・技術の一層の発展のためにも、
女性理工系人財の増加、育成、
リーダーシップの積極的な支援は急務となっています。
本法人・大学は、
構成員を
「人財」
ととらえ、
男性・女性両方の
人財の対等な活躍を前提とし、
女性の活力を活かして
教育・研究の一層の活性化を図り、
更なる発展を目指します。
東京理科大学 女性活躍推進会議
http://www.tus.ac.jp/news/tcw/
〒162-8601 東京都新宿区神楽坂1-3