第1部 総 第1部◆総 説◆ 説 1 第 10 次静岡県職業能力開発計画策定の趣旨 本県では、平成 23 年度に策定した第9次静岡県職業能力開発計画(計画期間:平 成 23~27 年度)に基づき、リーマン・ショック後に発生した雇用情勢の悪化につい て、「雇用のセーフティネット」となる離職者訓練の充実・強化及び成長産業分野に 取り組む企業への支援などの施策に取り組んできました。 これらの取組は、職業訓練を受講した多くの求職者の就職に結びつくとともに、 在職者の技能向上や企業の成長産業分野への参入が図られるなど、一定の成果が得 られました。 また、技術専門校の学卒者訓練においては、即戦力となる若年技能者を育成し、 県内企業を中心に数多くの人材を輩出しています。 本県は、全国的にみても大きな経済規模を持ちますが、リーマン・ショック以降 の回復は全国水準に遅れをとっており、県の主要産業である製造業の動向に左右さ れています。 加えて、グローバル化やICT技術の進展等によりものづくりの現場が変化し、 働く方に求められる職業能力も変化しています。また、人口減少や少子高齢化が急 速に進み、それに伴う労働力不足が生じており、有効求人倍率は高い水準で推移し ています。さらに、本県のものづくり産業を支える優れた技術・技能の継承も課題 となっています。 第 10 次静岡県職業能力開発計画では、ライフステージに対応した職業能力の開発 や自己実現を図るための学びの場の提供など「ジャパニーズ・ドリーム」実現に向 け、若年者や在職者の生産性の向上を図るための高度な職業訓練の実施、女性、障 害のある方、外国人、壮年盛期以降の方など、県民全員の活躍促進、及び技術・技 能尊重の社会づくりに向けた取組を、国、県、企業、大学等の多様な主体が密接に 連携をとりながら実施していきます。 2 計画の位置付け 本計画は、職業能力開発促進法第7条第1項の規定に基づく、県の職業能力開発 施策の基本となる計画であり、静岡県総合計画に掲げる基本理念及び目指す姿の実 現を目指します。 1 第1部◆総 説◆ ○ 県総合計画の基本理念 「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」 ~ポスト東京時代の日本の理想郷を創る~ 日本の国土のシンボルは富士山である。富士山は国土の中心に位置する。富 士山を擁する静岡県は、富士山から導き出される価値に立脚した地域づくりを 進めるのが、その地域性にもっともかなうのである。 “ふじのくに”静岡は、 「ポ スト東京時代」の新しい日本の理想郷になりうる。 ○ 目指す姿 「県民幸福度」の最大化 「学んでよし 働いてよし」 学校で学び、仕事や生活から学び、芸術などに触れてより良い生き方を学べ る、生涯にわたって自己を高めることができる学びの場。 年齢や性別を問わず誰もが能力と個性を発揮でき、多様な人材が働きながら 自らの能力を磨いて、感動を呼ぶものづくりや経済の創造的発展とともに生活 の質の向上を実現する場。 こうした自己実現を展開するステージを整えていき、自分の生き方を自由に 選択できる“ふじのくに”を目指す。 また、平成 29 年8月予定の「産業人材確保・育成プラン(仮称)」において、本 計画を人材育成に関する計画として位置付けていきます。 3 計画の期間 この計画の対象期間は、平成 29 年度から平成 33 年度までの5年間とします。 なお、毎年度、進捗状況等を検証するため、自己評価を行うとともに、第 10 次静 岡県職業能力開発計画検討委員会による外部評価を受け、次年度以降の施策の重点 化や早期具体化の取組を推進し、必要に応じて計画の見直しを行います。 2
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