ᐲᚧ 其の七十 六 「 猫 ちぐ ら 」づくり 歳)を訪ねると開口一番「 歳の時から 静かな農村の新潟県関川村に 猫 「ちぐら づ 」 くりの名人・ 横山ノブさん( ( 写真・文 樋口健二 ) 微笑ましいものである。 原料はワラのみだが、人間の手で編み出す温もりが何とも 的 民 芸 品 と し て 名 を 馳 せ、 全 国 か ら 注 文 が 相 次 い で い る。 れた。現在は猫のマイホームと親しまれ、珍重される伝統 ゃんを入れ農作業を行った「つぐら」をヒントに考え出さ れ て い る。「 猫 ち ぐ ら 」 の 由 来 は、 昔、 子 供 用 と し て 赤 ち 微笑む。今では村一番の名人と謳われ、生きる喜こびが溢 事になじんでいたので「この年になって役立ったなす」と るという。幼少時、学校の勉強は良くなかったが、ワラ仕 を出す姿は美しいの一語に尽きる。完成まで一週間を要す 口を作るぐみ編みだすな」と語る。黙々と手編み仕事に精 水を向けると「ワラの選別やワラ打ち、それと猫の出入り の良い方言が心地よく響く。ワラ仕事で一番大切なのはと ねす、孫に手が掛らなくなったので始めたなす」と歯切れ 60 2016/11/22 午前10:08 02_観光文化231_風致探訪_表2.indd 2 90
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