強い同窓会(GE SURGE)は強い消化器外科教室の礎

「強い同窓会(GE SURGE)は強い消化器外科教室の礎」
森
正樹
2008 年に土岐教授と私で大阪大学消化器外科を担当させていただくことが決定しました。そ
れから早くも 5 年が経とうとしています。この間、医局員はもとより、旧 1 外科、旧 2 外科の
消化器外科関係者から本当に温かい支援と協力をいただきました。そのおかげで順調な医局運
営ができています。消化器外科の教室内では一年目から同窓会をスタートさせて、結束力を高
めてきましたが、この度、関連病院の先生方にもこの同窓会(GE SURGE)に参加していただける
こととなり、真に大阪大学消化器外科の同窓会がスタートすることになりました。発足に関し
て尽力いただいた関係の皆様に厚くお礼申し上げます。
さて、GE SURGE の発足は、大学と関連病院の円滑な関係の構築に欠かせないものです。人事
交流、若い外科医のリクルート、学術活動の活性化など、大阪大学消化器外科の発展は、この
GE SURGE の礎の上に成り立っていくと考えています。皆様のご支援とご協力をよろしくお願い
申し上げます。
あらためて私たち大阪大学の消化器外科学講座の目指すところを簡単に記載します。それ
は 1)患者さんからは受診し治療を受けて良かったと満足していただける事、 2)医学部の学生、
若い医師からは同じ釜の飯を食って一緒にがんばってみたいと思われる事、 3)全国の消化器外
科医からは良い意味で「阪大恐るべし」と言われる事です。そのために臨床・研究・教育の各方
面で真摯に努力し、成果を出し続けていく姿勢を持ちたいと考えています。現在、教授 2 名、准
教授 2 名、講師 2 名、助教 16 名、寄付講座 5 名(教授1、准教授1、助教2、医員1)、兼任
教授 3 名、兼任教員 1 名がスタッフです。大学院生を含めると 100 名近い医師が大学で活動し
ています。上部疾患グループ、下部疾患グループ、肝胆膵グループの三つの診療科に分かれてい
ますが、臨床、研究、教育ともに一体となって活動しています。症例数の多い関連病院が多くあ
り、しかも連携がきわめて良好であるため、初期研修(2 年間)、後期研修(3 年間)を、これ
らの病院で行った若い医師は、いつの間にか外科に魅力を感じてくれるようになっていると推
察しています。そのためこれらの中から消化器外科学教室を志す者は年々増加しています。その
数はここ 5 年で、12、15、21、23、26 名と増えており、来年度は 30 名近い若い医師が仲間に加
わる予定です。私の座右の銘は「一樹百穫」ですが、仲間になった若い外科医が世界に通用する
のみでなく、トップリーダーとして活躍できるように土岐教授との深い連携のもと、育てて行き
たいと思っています。
外科学講座の再編により、スタッフ、連携病院、症例数など圧倒的な存在感を有する消化器外
科教室となりました。大学を基盤とし、約 50 の連携病院が参加する消化器外科共同研究会が発
足し、疾患ごとに臨床治験、臨床研究などを積極的に進めています。これらの病院で行われてい
る手術数を総計すると大腸癌 4500 例、胃癌 2600 例、原発性肝臓癌 500 例、膵臓癌 400 例、食道
癌 340 例、胆道癌 200 例などです。これらの症例を患者さんの了解のもと、一例も無駄にするこ
となく臨床研究・臨床治験に入れさせていただき、新しいエビデンスを創出するようにしていま
す。最近の中国からの論文を読むと、その症例数の多さに圧倒されます。このような状況を鑑み
ると、連携病院で一致団結して臨床研究を行うことが重要です。関西からそのようなエビデンス
を世界に発信できるようにしたいと思います。
今後、日本一の消化器外科教室を目指して、がんばって行きましょう。それにはくどいようで
すが、GE SURGE の会員一人ずつの力の結集が必要不可欠です。GE SURGE の発展は教室の発展に
直結しますので、重ねてご指導、ご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。