平成28年度新潟県公立高校入試解説数学

平成 28 年度 新潟県公立高校入試 解説 数学[5]
★
目標 40 点
★★
目標 60 点
家庭教師のホームティーチャーズ
★★★ 目標 80 点
正方形の折り紙を規則通りにつないでかざりを作る、いわゆる規則性の問題です
筆答検査 A を行う高校の受験生は、正解不正解だけでなく、色々な角度から理解を深めたい良問です
(1) ア★
イ★★
ア 縦横 6 枚ずつつないだ場合、折り紙の枚数は、6 × 6 = 36枚ではありません!
また、6 × 4 = 24枚でもありません!
四隅をダブって数えないように気をつけましょう
6 + 6 + 4 + 4 = 20
4枚
ア 20 枚
6枚
6枚
4枚
(6-2)枚
1枚
1枚
イ 折り紙が 3 枚重なった部分は、縦につなぐときにはできますが、横につなぐときにはできません
また、図 1 を見ると、縦に 5 枚つないだときに 3 か所できています
図 1 へ、縦にもう 1 枚つなげて書いてみると、1 か所増えて 4 か所になるのが分かるでしょう
3 枚重なった部分の面積は、
1
縦5枚
2cm × 2cm = 4cm2 ですから、
1
2
2
3
3
4
縦6枚
合計は 4cm2 × 左右 8 か所 で
32cm2 となります
イ 32cm2
縦にもう 1 枚
つなぐ
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(2) ①★★ ②★★ ③★★★★
補足 筆答検査 A を受ける受験生は参考に
(1)で、具体的な枚数(6 枚)のときの合計と 3 枚重なった部分の面積の合計を求め、
(2)では、𝑥枚という具体的でない枚数の合計と 3 枚重なった部分の面積の合計を
文字 𝑥 を使った式で表す
このような作業を、文字式を使った「一般化」と呼び、一度、一般化してしまえば、
折り紙が 100 枚になっても 10,000 枚になってもすぐに計算できるというメリットがある
(𝑥 = 100 , 𝑥 = 10000 を代入するだけ)
また、(3)のような「〇〇になるのは何枚つないだときですか?」という問題に、一般化した式を
方程式として利用することができる
規則性の問題は、一般化した式を作ることが大きな目標になるが、まずは、具体的な数で
いくつか試してみて、法則を見つけ、式にしていく
この手順は、筆答検査 A を解くときにも通じるところが多いのでしっかり身につけましょう
以上補足
① (1)アを参考に考えます
?
𝑥枚
𝑥枚
したがってこの場合は、𝑥枚から隅 2 枚を
引いて、(𝑥 − 2) 枚となります
?
1枚
(𝑥 − 2) 枚
(1)の図で、横を 4 枚としたのは、
隅をダブって数えないように、6 枚から
左右の隅 2 枚を引いているからです
1枚
したがって、折り紙の枚数の合計は、
となります
𝑥 + 𝑥 + (𝑥 − 2) + (𝑥 − 2) = 4𝑥 − 4
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② (1)イを参考に考えます
(1)と同様に、3 枚重なった部分は、縦につなぐときにしかできません
また、図 1 のように縦に 5 枚つなぐと 3 か所、左右計 6 か所でき、
(1)のように縦に 6 枚つなぐと 4 か所、左右計 8 か所できます
同じように考えていくと、
5 枚 → 3 か所 → 左右計 6 か所
6 枚 → 4 か所 → 左右計 8 か所
7 枚 → 5 か所 → 左右計 10 か所
8 枚 → 6 か所 → 左右計 12 か所
・
・
・
𝑥枚 → (𝑥 − 2)か所 → 左右計 (𝒙 − 𝟐) × 𝟐 か所 となります
1 か所あたりの面積は、(1)と同じく 4cm2 ですから、面積の合計は、
4cm2 × (𝒙 − 𝟐) × 𝟐 か所 = 8𝑥 − 16 となります
③ ※大変ややこしく、時間がかかる問題なので、90 点を目指す受験生、筆答検査 A を受ける受験生
以外は飛ばしてもかまいません
横5枚
図1
C
A
縦5枚
C
C
C
A
B
B
B
B
B
B
B
B
A
C
C
C
C
A
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図 1 考えてみると、折り紙が 2 枚重なった部分は A,B,C の 3 種類のパーツに分類できます
A
A 面積 12cm2
= (42 − 22 )
B
B 面積 4cm2
C
C 面積 4cm2
パーツの数は、図 1 の縦 5 枚横 5 枚のとき、 A 4 個 , B 8 個 , C 8 個 です
縦 6 枚横 6 枚に増えると、それぞれのパーツが何個増えて何個になるか、
図 1 に書き込んでみたり、イメージしてみて下さい
縦横 6 枚
A 4 個(増えない) , B 12 個(4 個増える) , C 10 個(2 個増える) となり、
同じように、
縦横 7 枚 A 4 個(増えない) , B 16 個(4 個増える) , C 12 個(2 個増える) となります
したがって、
縦横 𝑥枚 A 4 個(増えない) , B 8 + 𝟒(𝑥 − 5) , C 8 + 𝟐(𝑥 − 5)
= 𝟒𝑥 − 12 個
= 𝟐𝑥 − 2 個
となります
面積の合計は、 12cm2 × 4 個 + 4cm2 × (4𝑥 − 12)個 + 4cm2 × (2𝑥 − 2)個
= 24𝑥 − 8
これが 400cm2 となるのは、 24𝑥 − 8 = 400 𝑥 = 17
※ パーツ B,C の個数について
B は、はじめに 8 個あり、そこから縦横 1 枚増えるごとに 4 個ずつ増えていくので
8 + 𝟒 × ● という式になります
同様に C は、はじめに 8 個、1 枚増えるごとに 2 個ずつ増えていくので、8 + 𝟐 × ●
となります
新潟県発表の正答率
(1)ア 52.3%
イ 47.6%
(2)①32.6%
②21.2%
③3.3%
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