一夫一妻婚ノ観究 A STUDY OF MONOGAMOUS MARRIAGE I. A 鄭K oo 授十N O 茂浬 M 鍛岡● o 外R P F 1926 次 目 第一章緒 1。 論 序言_.___..._..._.___…………・…・1−4 11。本稿ノ目的ト範園…・………・一…一……・…呑一15 (1)本稿二於デ取叛フ論題一(2)超國家的婚姻法存在ノ可能一 (3、丈化現象ノ類優ハ全人類ノ通有性二基グ瀧會生活上ノ必要ガ類似 スかガ爲デアル(丈化非綴受論)一一(4、人女ノ稜展ハ全人類ノ通有性 二基ク法ガ受グル地域的國民的影響チi減少セシメ疵 (5)比較立法 學ト人種學的法律學 皿。参考書目……………… (1) ●9……●●………… ● 15}18 邦文参考書一(2)外國文参考書 第=章 婚姻制度ノ起源 第一節総 論 1。婚姻ノ意義…・…・……一…gσ…・・……………・19−30 α)序言(A・婚姻ノ意義チ明確ニスかコトノ重要一B・原始雑婚制 ノ存否二關スシ論雫ハ婚姻ノ意義如何二依テ定マか)19−21 (2) :意義(A。タゆ一ウヰン、スターグ、サエスター・マーグ、フリードリ ツヒス氏ノ輿^タ定義一B.生物學的現象トシデノ婚姻ト冠會學的現 象トジデノ婚姻一C.「婚姻ハ共諾二成リテ共諾二成ラズ」トノ法諺〜 一D.我民法二於ケか婚姻ノニ意義一E.薩先崇拝ノ俗ガ婚姻ノ意義 二與^タ影響一E建部遜吾博士、穗積陳重博士ノ與ヘタ婚姻ノ定 義)瓢一30 ∬。研究方法……・…………・……………・・……30〜105 (1)序言(A.研究方法チ明確ニスルコトノ重要一B.資料昌封ス勘 2 次 目 麹察、解繹ノ相蓮ハ之二封シテ與フル償値二差異チ蹴ス)31−31 r2) 歴史上ノ記録(A.歴更上ノ記蓮ハ婚姻制度ノ起源二關彫直接二資 料チ供給スァレモノヂハナイーB.人類歴史ノ記録ノ有無ガ直チニ以テ 法律學ノ限界チ定ムァレモノデハナイーC.文献ノ存セザ疵祉會モ法律 學ノ謝象トナか二適スか)32−33 (3)紳語及ビ傳読(A.紳話及ビ傳説ハ淋話的乃至傳説的歴史デハナク テ歴史的示申話乃至傳1説テ随アルー一B.紳話傳訊二俵ツテノミ爲ス探究ハ 吾人チシテ満足セγムPレニ足ラヌ)33−37 (4) 野蟹民族及ビ逡風 37−100 A。総説(a.進化論ノ磨用一融.野讐民挨ト原始人、i遺風ト先住民族 一C.之二野ス7レ鋤判一d.野蜜人ノ映態チ傷フか記蓮ノ不正確一 一e.フイソン氏ノ報告ト團騰結婚訊一£表象若クハ逡風ノ解繹) 37_50 B. The C1翫ss溌eaレtory Syste】m of R61ationsと…P (a.親族1講呼ハソレニ 封慮スァレ實際ノ若グハ蓋然ノ血族關係チ示スモノデアァレト云フモル ガン氏ノ主張一b.血族關係チ表ハス言葉ノ三種ノ組織ト之二封慮 ス膨三種ノ婚姻ノ形式(丁五e虹alayan TLe Consa・ngu1ne −The The Punaluan }アamily・ Eamilヱ丁血e The SyStem Turanian Aryan of System System of Consanguinity一一 of Consanguinity Consanguinity− Monogamian:恥mily.)一C.マレィ式親族構呼、ッラン式親族 樗呼及ビアリアン式親族穂呼ノ比較表一d。モァレガン氏ノ學設二封 スル幾列(トーぐス賃ノ説明一英法二於加レ劔ius nullius一ウ エスターマーク、グローバー、リヴァース、ラング氏ノ説明))50一一72 C.Pre−Nuptial Unchastity(a.未婚男女ノ淫奔ハ原始雑婚ノ潰風デア ルトナス潔スト氏ノ主張一b.ポスト氏ノ説明二封スル批鋼(1.淫 奔ナルコ}ハ低級民族ノー般的特徴デハナイー一2.野蜜人ノ漣奔的 ナ風習ハ多グノ場合昌於テ開化人ノ誘致シタモノデア7レー一3.性的 關係ノ放縦ハ丈明ノ進歩スかニツレテ其ノ度チ層シテユ〃一4・性 慾ノ強弱及ビ倫理思想ノ高低ハ野蜜人ノ婚姻訪二於ケル男女關係二 3 次 目 重大ナル影響チ及瀞スモノヂハナイ))72−79 D.The Jus Prim肥:Noctis(a.「初夜穣」若グハ「妻貸ジ俗Jハ原始 雑婚ノ遺風デア膨1・ナスラ瀞ツ〃氏ノ主張一一一b.ラ瀞)ンク氏ノ読明 二欝スψ批判(マツグレナン・ウエスターマーク氏ノ説明一此等ノ 風習2、原女台雑女爵ノ存在チ推倫セシ〆ムル〆二足ラヌ) 一Ce「 妻ノ交換 俗』)79一一89 猛.簸0もぬerイig五t(&.メツホーフェン、マツクレナン氏ノ「母櫻制度J論 一わ.「母櫻制度」論二i封スル幾列(1.mother−rightトmo比er−rule −2.母系親族制ハ常二父系ノ不明昌基因スルトハ限ラナイー3。 父系ノ不明ハ當然二原始雑婚ノ結果トノミ齪ルコトモ出來ナイー 生母系親族制ノ存在理由一一5.母系親族制チ訊明スル・二原始雑婚 ノ存:在チ假定スルチ要シナイー6・母系親族制ハ父系親族制二先キ 立ツタト云フ言尭明二i野スル 幾鋼)) 89−100 (5)結論 100−105 A.漣會的現象ノ過去二於〃アシ普遍的存:在チ臆噺スルコトニ關スル條 件一B。婚姻制度ノ起源二關シテハ其ノ生物學的原因チ探究スかハ 極メテ重要ナ事ヂア1ンーC。一定ノ豫備:知裁 一(第二章第二節本論以下未党)。一 一夫一妻婚ノ研究 外岡茂十郎 第一章緒 論 1.序言 婚姻制度ハ、後段二於テ詳述スノソガ如ク、吾々人類ガ持ツタ 最モ古キ歴史ヲ有スル纏績的共同生活ノ組織デアツテ、其ノ進 化ノ過程ハ全人類ガ箪濁唯一ノ進路ヲ通過シ熟來タモノデノ・ナ イ。從ツテ其ノ径路ヲ辿ネ、更ラニ遡ツテ其ノ起源〔謎〕ヲ 〔霊〕弦二云フ所ノ起源ハ、必ズシモ人類ガ婚姻劒度ヲ持ツタ眞ノ 出嚢黙ヲ云フモノデハナイo蓋シ斯クノ如キ出嚢鮎ヲ、科學的 考謹二基ヅクコトナク・想像的二叢キ出スコトハ・肚會制度ト シテノ婚姻殊二之二關スル法的規範ヲ研究セントスル者ニトツ テハ、何等ノ儂値モナイコトデアルカラデアル。從ツテ私ガ弦 二云フ所ノ起源ナル言葉ハ、縄封的意義晶於テ、之ヲ用フルノ デハナクシテ、今日ノ科學ノカヲ以テ近ヅキ得ル婚姻進化ノ最 低階段ヲ意味スルニ外ナラナイo 探究スノレガ如キコトノ・誠二至難ノ業二属スノソ。「モノンガン」(L 正L:M:organ)「マックレナン」(M:cLennan)及ピ「ラボツク」 {L Lubbock)等ノ古代開化史二關スノソ研究・ (Sir 、既二吾々ヲシテ 2 一夫一妻婚ノ研究 此種ノ問題二關スノレ或ノレ種ノ観念ヲ會得セシムノソモノ・・アツタ ガ、其ノ紛々タノソ異論・・、古代二關スノソ知識ヲ得ノソコトノ不可 能ナノレヲ思2・シムノソコト再三ナノソモノガアノン。而モ婚姻制度ノ 研究ハ人事法研究ノ根幹ヲナスモノデアノソガ故二(M泓nねge The面gin of is sta加es)人事法ヲ研究セントスノン者ノ・一度ノ・通ラ ネバナラヌ難關デアノソ。而シテ之ガ研究・・、先ヅ之ヴ起源二於 テ始メラレネバナノレマイ。凡ソ肚會ノ制度ノ・一トシプ其ノ存在 理由ヲ有セザノレモノノ・ナイ。此ノ存在理由ヲ理解スノレニ非ザレ バ︑ 其力制度ノ本質ノ・之ヲ理解スノソコトノ・出來ナイ。而シテ存 在理由ノ理解・・、先ヅ第一二之ガ螢生理由ノ理解二求ムベキヂ アラウ〔謎〕。 〔註〕勿論・自分ハ或ル杜會制度ノ起源ノ設明ガ・必然的二其ノ肚 會制度ノ現芦存在シテ居ル理由ノ説明トナルモノデアルトハ思 ノ、ナィo既二「メーン」(SirHenrySumllerMaine,1822−1888) ハ其ノ名著古代法(Anciellt:Law,1861・但シ私ノ手許ニアルノ ハー八八五年ノ第十版デアル。以下引用スル頁敷モ凡ベテ此ノ 第十版ニヨルモノデァル)二於テ、吾人二制度ノ存在理由ト嚢生 理由トハ、之ヲ混同ス〈鋳モノニ非ヅルコトヲ教ヘテ居ラレル ーThe waming can never be too often repeated,tha,むthe gTands・urce・fmist泓keinques樋・ns・fjurisprudenceisthe impression右ha七右hose momel1右,ill the reasons mainten批nce necessarily乱nything in whch actu我te of&n commoll existing with the us aむthe presen右 illstitu右iol1フhave sentimellt in which institution 昌=口 the 緒 ム冊 第一章 3・ origin乱ted.(P。189)一要ハ婚姻ノ本質ヲ探究 セントスル自分ハ、勢ヒ其ノ起源ノ探究ニマデ遡ルノ已ムナキ ノミデアル。 蓋シ今日吾々ノ有スノソ婚姻制度ノ如キモ、幾多ノ日時ト幾多 ノ麺遷トヲ経テ、今日ノ有様二達シタモノデアツテ、突然トシ テ天ヨリ降リ、若シクハ地ヨリ湧キ出タモノデナイ以上・・、今 日ノ婚姻制度ガ過去ノ婚姻 制度二、更二遡ツテ、其ノ起源ニモ 關係ヲ持ツテ居ノンモノデアノソコトノ・、容易二理解スノンコトヴ出 來ノレコトデアソ、其ノ起源ヲ探究スノソツトニ依ツテ、過去並ビ ニ現在ノ婚姻制度づ理解スノレノ階梯トナシ、以テ其ノ本質ヲ探 究セントスノソコト・・、決シテ無理ヵラヌ普通ノ企ヂアノソカラデ アノン。是レ婚姻劔度ノ研究ガ、先ヅ婚姻制度ノ起源ノ研究二始 マμ所以デアノソ。 前述セシノデ如ク、多敷ノ學者ノ研究ノ結果ハ、多クノ重要ナ ノソ黙二於テ甚ダシク其ノ見解ヲ異ニシ、吾人ヲシテ幾多ノ疑念 ヲ抱カセノソモノガアノレガ、研究ノ…階梯トシテ、一一先ヅrウエ スターマーク」(Ed冊rd Westermarck〉ノ丁五e Eistory of Hum肌 Marriage(5th.edit,London,192勾二基キ、此ノ種ノ問題二關ス ノソ自分ノ思想ヲトリマトメノソコトニシタ。固ヨリ其ノ術早ニシ テ且ツ未熟ナノソコトヲ知ラヌ者デモナイガ、之二依ツテ先輩諸 賢ノ示敷ヲ仰グ機會ヲ作り、今後ノ講究二資シ度イト思フタカ 4 一夫一妻婚ノ研究 ラデアノソ。 IL本稿ノ目的卜範園 本稿ノ、、 前段二・方全1テ、婚姻制度ノ起源ヲ探究スノレ コトニ・依ツ プ、婚姻ノ本質ヲ明力ニシ、以プー夫一妻婚ノ由來二及ビ、後 段二於テノ・、婚姻ノ形式ト題シグ、此ノー夫一妻婚ガ各民族ノ 間二如何二採用サレタヵト云フ事實ト、更ラニ出楽得べ:クンバ 其ノ事實ノ原因ノ説明ト、其ノ事實ノ行ノ・ノソノレ理法ノ閲明トニ 及バンBノソモノデアノソ(Wes七ermarck,・P・citv・LI,P・2生)。 而シプ第一章ノ緒論昌至ツプノ・、即チ此等ノ説明ヲ試ミノレ豫備 的研究ヲナスモノニ他ナラナイ。 前段二於テ、婚姻制度ノ起源ヲ探究スノソコトハ、或ヒノ・男女 ノ性ノ琿別ノ起源ト云7穣ナトコロマデ、遡ノソベキモノデアノソ カモ知レナィ。蓋シ婚姻制度・・男女爾性ノ存在ヲ前提トスル問 題デアノソカラデアノソ。或ヒノ・叉少クトモ、肚會ノ起源ト云フ様 ナトコロマデ、遡ノレベキモノデアノレカモ知レナイ。蓋シ肚會制 度トシプノ婚姻ヲ取扱7者ニトツテハ、其ノ探究ハ、人類ガ肚 會生滑ヲ螢ミ始メタ蒔代以上二古ク、遡ノンコトノ必要モナイヤ ウデアノソカラデアグ。然シ本稿ハ、實ハ婚姻法ト云フモノヲ、 場所ト云フ織二於テ我國ノ婚姻法二、又時代ト云フ黙二於プ現 在ノ婚姻法二、制限セラノソノソコトナク、廣ク婚姻法ノ原理ヲ、 綜合的二考察シプミタイ ト云フ希望ノ下二書キ出シタノデァ 第一章 緒 論 5 ノレ〔話〕。 〔註〕法ノ歴史的展開ヲ綜合的二考察シテ、法律進化ノー般形式ヲ 論定スルコトガ、果シテ可能ナリヤ否ヤニ關シ・栗生武夫氏ハ 「法律ハ、風俗ヤ言語ノヤウナ無意識的自然的ノ産物茜アラズ シテ、爲攻者ノ個人的意思二依リ製作セラル・場合モァルノデ アルカラ、同一文化階段二立ツ國民ニシテ全ク其法ヲ異ニスル 揚合モナイデハナイ。若シ各國互二濁自ノ法律史ヲ有ツモノト スレバ、法ノー般進化階段ナルモノヲ立テ得ザルコト勿論デア ル」ト述ベラレテ居ル(法學論叢第六巻第六號同氏「西洋法制 史研究ノ必要二就テ」一三九頁参照)。然シ私カラ之ヲ観レバ、寧 ロ法律ガ爲政者ノ個人的意思ノミニ依リテ、製作セラルルコト ノ可能ヲ疑ハザルヲ得ナイQ勿論法制史上ノ事實ハ、形式的二之 ヲ観レバ、法律ガ爲政者ノ個人的意思ノミニ依リテ製作サレタ カノ様ナ揚合モアラウガ、其ノ法律ガ法律トシテ行ハルルノハ、 其ノ奥底ニソレヲ行ハセシムル國民ノ法的確信(欲望)ガ、意織 的二又ハ無意識的二潜在シテオツタ結果二外ナラヌノデアルo 爲政者ノ個人的意思二基クモノデアル以上ハ、其ノ意思ノ内容 如何ヲ問ハズ、從ツテ其ノ法律ノ内容ガ肚會的存在性ヲ訣クト モ、之ヲ以テ法デアルトナス分析法學派ノ態度ヲ駁スルコトハ、 弦ニハ省略スル。「同一文化階段二立ツ國民ニシテ全ク其法ヲ異 ニスル場合」ハ、其ノ爲政者ノ個人的意思二依ル結果デハナク、 寧ロ其ノ固有ノ風俗、國民性乃至経濟事情二基クモノデハアル マイカ。爲政者ノ個人的意、思ハ其ノ國民的確信(欲望)ヨリ離 レテハ、法律ヲ制定攣更慶止スルノカヲ有セザルモノデハナカ ロウカ。之ヲ要スルニ法律ハ其ノ肚會ノ欲望ト離レテ、爲政者 ノ個人的意思ノミニ依リテ製作セラルル揚合モアルカラ、タト 6 一夫一妻婚ノ研究 ヒ同程度ノ文化階段二立ツ民族ハ、互ヒニ類似ノ欲望ヲ抱クモ ノデアルトスルモ、其〜各自ノ有スル法律ハ全ク相異ナル場合 モアリ・從ツテ法律進化ノー般法則ナルモノハ之ヲ立テルコト ガ出來ヌト云フ主張ハ、到底是認セラルベキモノデハナ{Q 寧ロ場所ヲ異ニシ、時代ヲ異ニスル異種ノ種族モ、等シク人類 ト云フ同種ノ生物デアルガ故二、其ノ欲望ハ、タトヒ庭ト時ト ヲ異ニスルモ、自ラ互ヒニ類似スベキガ故へ此ノ馳二於テ、 「法ノ進化」ナルモノノ存在ヲ疑フベキ飴地ガァルデハァルマ イカ。但シ「法ノ進化」トハ人類トシテ有スル欲望ガ、瘍所ト 時代トニ從ヒ、法ノ上二如何ナル形ヲ以テ現ハルルカト云フ「法 ノ攣遷」ヲ設明スルコトデアルトスレバ,ソレハ自ラ別問題ト ナロウ。從ツテ自分ハ「法ノ進化」トハ、「法ノ質ノ進化」ヲ論 明セントスルモノニハ非ズシ入輩二「法/形ノ愛遷」ヲ説明 セントスルモノニ他ナラズト解ス。 詳言スレバ、由來親族法殊二婚姻法・・、土地ニヨリ、人種ニ ョリ、叉時代笛ヨソプ、其ノ法律慣習ヲ異ニスノレモノデアツテ 統一的傾向ノ極メテ少イモノトサレテ居ノソノデアノソガ、然シ叉 他面二於テ、古代二於ノレ人類モ、現在二於ノソ人類モ、又東洋二 於ノン人類モ、酉洋二於ノレ人類モ共二廣イ動物學ノ上カラ之ヲ観 レバ、等シク「入類」ト云フ範園ヲ出デナイノデァノレ。從ツテ 此ノ「人類」晶ノ・、又ソコニr入類」トシテノ通有性ザナケレ バナラナイ筈デアノレ。從ツテヌ此ノ通有性二基礎ヲ置イタ婚姻 法ガナケレノぐナラヌ筈デアノソ。比較魅會學(COlmp躍a七ive Socio− logy)ノ・既論吾々・二其ノ住居ノ地ヲ異ニスノレ異種ノ種族間二於 第一章 テ、類似ノ文化現象印he 緒 論 resemblances・f ワ cul七ure−p飴n・me皿a) ノ存スノソコトヲ激一テ居ノレ。例ヘバ各異種族ガ持ツテオノン宗激 二關スノソ信仰及ゼ其ノ實行・・、之ヲ大騰二於テ萬有精神主義 (A蚕mism)「トーテミズム」(To七emism)祀先崇拝(Anees七〇r− worship)多神敏(Poly七heism)及ピ唯一一紳敢(凱onobLeism)二 分類スノンコトガ出來ノレ。叉其ノ神話(逼y七h)二至ツテモ、之ヲ 大騰二於テ、日出日没ヲ標題トスノ唖申話(Myths Sunset) 日蝕月蝕ヲ標題トスノレ囎串誘 of (Eclipse−myths) sunrise紐d 地震ヲ標 題トスノレ紳話(Ear七hq瞼ke−my七hs)等二分類スノノコトげ出來ノレ シ、更二其ノ使用シタ武器(We鞭on)ノ類二至ツテモ、之ヲ槍 (Spe乱r)棍棒(Club)投石器(Sling)弓矢(Bow and arrow) 等二分類スノンコトザ出來ノレ。斯ノ如ク、異種ノ種族ガ類似ノ文 化現象ヲ有スノソニ至ツタ癒因・・、蓋シ人類/通有性二基ク類似 ノ肚會生活上ノ必要(欲望〉ガ、其ノ各自ノ文化現象ヲシブ類 似ナラシメタノソニ外ナラナイノデノ・アノソマイカ,、詳言スレバ、 入類・・、タ}ヒ其ノ佳居ノ地ノ異ナノソニモカカハラズ、叉其ノ 民族ノ異ナノソニモカカ・・ラズ、貌レモ入類デアノレト云フ灘二於 プ、共蓮ノ性質ヲ持ツテ居ノソガ故二、其ノ肚會生活上ノ必要ハ 自ラ互ヒニ類似スベキモノデアツテ、此ノ各自ノ肚會生活上ノ 必要グ、互ヒニ類似デアノレコトカラシテ、各民族間二類似ノ思 想ヤ信仰ヤ風習ガ自ラ形成セラノソノレニ至ツタモノデアノン》観察 サノソ^ミキデアロウ。勿論、皮相的二之ヲ観察シテ、或ノソ場合二 8 一夫一妻婚ノ研究 ノ・其ノ相互間二於ケル肚會的1交通(Socia1血tercourse)二基ク 傳承(縫受)ノ結果デアグトシテ、説明サレ得ノソヤウナ場合モ アラウガ〔註〕 〔註〕 例ヘバ「ナボレオン」法典ガ「イタリー∫ペルギー」等ノ諸國二 傳承サレタガ如キ、若クハ明治維新以後二於ル我國ノ立法ノ如 キハ、是ガ顯著ナルモノデアラウ。 然シ此ノ傳承ノ結渠トシテノ・、其ノ居佳ノ地ヲ異ニスノレ異種 ノ種族ガ、類似ノ文化現象ヲ全ク同時二持ツニ至ツタ場合ハ之 ヲ説明スノソコトげ出來ナイ。蓋シ此ノ場合ニハ此ノ爾種族聞二 因果ノ關係(C&usal connec七ion)ガ存ス〃ト見ノソコトガ出來ナイ カラデアノン〔謎〕。 〔設〕相接近シテ居ル異種ノ種族ガ、時ヲ異ニシテ互ヒニ類似ノ文 化現象ヲ持ツニ至ツタ場合二於テモ、之ガ嚢生原因ハ、必ズシ モ相互ノ間二於ル趾會的交通二基ク傳承(縫受)ノ結果トノミ ハ、論ジ去ルコトハ出來ナイ。例ヘバ、結婚式摩行ノ際二卵ヲ 用フル慣習ハヤー般二原始的民族ノ間二行ハルルコトデハアル ガ、此ノ慣習ガ欺クー般二・廣ク行ハルルニ至ツタコトハ、必ズ シモー民族カラ他ノ民族二傳承サレタ結果デハナィ。寧ロ自嚢 的二其ノ民族ノ間二嚢生シタモノトシテ説明サレル揚合ガ決シ テ少クナイ 蓋シ其ノ各民族ガ結婚式二卵ヲ用フルコトニ依ッ テ、表示セントスル思想ハ必ズシモ同一デハナイノミナラズ、原 始的民族間二於テハ、動作ヲ以テ或ル種ノ思想ヲ表示スル方法 ハ、極メテ制限サソテ居ル結果、類似ノ動作ガ異ツタ揚合二、異 第一章 緒 論 9 ツタ意義二於テ、用ヒラルルコトガ屡々アルモノデアルカラデ アル。例ヘバ或ル民族二於テハ、結婚式二卵ヲ用フルコトハ・之 二依ツテ其ノ多産(:F㏄undity)ヲ助長スル意味デアリ、或ル民族 二於テハ、其ノ白色二依ツテ將來ノ幸蓮ヲ説幅スル意味デアリ、 ,叉或民族二於テハ、卵ノ外穀ノ破レ易キコトヨリシテ、結婚完 結(床入リー破瓜)ヲ容易ナラシムル象徴トシテ結婚式二之ヲ 用フルモノデアリ、更二或ル民族二至ツテハ.分娩(Dell▽ery) ヲ助長スル意味二於テ之ヲ用フルモノデアル。斯ノ如ク結婚式 二卵ヲ用フルコトニ謝スル解繹ノ相違ハ、印チ此ノ慣習ガ傳承 ノ結果二基クモノデハナイコトヲ語ルモノデァル。 之二加フノソニ、表面的二傳承(繊受)ノ關係ガアノソトシテモ、 若シ此ノ爾種族間二其ノ通有性二基ク類似ノ趾會生活上ノ必要 (欲望)ガ存シプ居ラナカツタナラバ、其ノ傳承ノ結果ノ・、或 ヒノ・一時ノ流行ヲ惹起スノソコトガアツテモ、決シテ、ソレノ・永綾 的ノ慣習乃至制度トシテハ残ラナヵツタデアラウ。從ツテ表面 的ニハ傳承ノ結果ト観察シ得ノソ場合デァツテモ、ソレノ・輩二傳 承ノ形式ヲ経テ、ヨリ早ク其ノ登生ヲ見タニ遇ギナイノデアツ プ、タトヒ其ノ傳承ノ關係ガナクトモ、既二其ノ間二、類似ノ 肚會生活上ノ必要ガ存シテ居ノソナラバ、早晩ノ・其ノ登生ヲ見ノソ ベキ性質ノモノニ外ナラナイノデアノン。別言スレバ、甲ノ肚會 ノ需要二墓イテ登生シ登達シタノソ法律ガ、傳承サレテ乙ノ肚曾 ノ法律トナツタ現象ハ、乙肚會ノ肚會生活上ノ必要(需要)ガ、 傳承(縫受)ノ形式ヲ通シテ、乙杜會二其ノ法律ヲ登生セシメ 一夫一妻婚ノ研究 ユ0 タニ外サラヌモノデアツテ、斯クシテ、甲ノ肚會ト乙ノ魁會ト ガ類似ノ法律ヲ有スノンニ至ノソ根本的基礎ハ、實二甲ノ肚會ノ需 要ト乙ノ肚會ノ需要トげ、類似シテ居ツタコトデナケレバナラ ナイ。 之ヲ要スノソニ、自分ノ・超國家的全人類的婚姻法ノ存在ノ可能 ヲ主張スルモノデァノレ〔謎一〕。其ノ世界各國ノ婚姻法げ、地域 的二、時代的二、』叉國民的二差異ガ存スノンノノ・、蓋シ物的條件 一氣候、地理、纒濟事情等一一ト心的條件一民族観念、道 穂、宗漱等一トガ相互二縫績的二影響ヲ與ヘタノソ結果二、飽 ナラナイノデアツテ〔謎二〕此ノ表面的差異・・、此ノ差異存ス ノレガ爲二、其ノ奥底ニヒソム人類ノ本質的基本的ノ共通性昌基 ク婚梱法ノ存在ヲ否定スノレモノデノ・ナイノデァノソ。別言スレバ 各國ノ婚姻法ハ、全入類性二根底ヲ有スノレ原則ガ、地域的二、時 代的二、國民的二各異各種ノ相ヲ表現シタノレニ過ギナイノデア ツテ、之ヲ讐フレ・ 、各國法ノ根源ヲナス原期法ト各國法トノ 關係・・、一大樹幹ト其ノー分枝トノ關係二飽ナラナイノデアノレ。 C註一〕 民法編纂ノ企ハ、明治三年太政官二制度局ヲ設ケタノニ始 マル。當時、同局ノ民法編纂會ノ會長デアツタ江藤新李氏ノ言 葉ハ、此ノ意義二於テ誠二意昧深{モノガアル(穂積陳重博士 法窓夜話二〇八頁以下滲照)。印チ同氏ハ「日本ト歎洲各國トハ 各其風俗習慣ヲ異ニスト錐モ民法無カル可カラザノしハ則チーナ リo宜シク佛國ノ民法二基キテ(フランス民法ノ手B繹ヲ殆ンド 八冊 善貢 第一章 緒 ■■ 其ノ儘二日本ノ民法ト爲ヨウトスル敷キ寓シ主義二依ツテ)日 本ノ民法ヲ制定セザル可ラズJト云フ意見ヲ持ツテ居ツタトノ コトデァル。津田眞道先生ハ之ヲ評シテ「秀吉ノ城普講ノヤウニ ー夜二日本ノ五法ヲ作リ上ゲヨウトスルハ無理ナ話デ到底出來 ヨウ筈ガナイ」ト云ハレタトノコトデアル(同書二一〇頁)。然 シ「フランスJ入モ日本人モ共二等シク人類デアルQ從ツテ其 ノ聞ニハ人類共通ノ性質が存スル。ソレ故二「フランス」入二 適當ナ民法ハ叉日本人ニモ適當ナ民法デナクレバナラヌ筈デア ル。此ノ黙二於テ、江藤新李氏ノ意見ニハ誠二意昧ノ深イモノ ガァル。然シ叉、「フランスJ人ト日本人トノ間ニハ、全ク其ノ 人類ノ通有性 基ク同一原理二依ツテ、支配セラルル方面ガア ルト同時二、又ソレゾレ固有ノ風俗、國民性乃至経濟事情等二 適合スル各國濁自特有ノ原理二依ツテ、支配セラルル方面モア ルト云フコトヲ、力説セラレタ鮎二於テ津田眞道先牛ノ言葉ニ モ亦意味深イモノガアル。 C註二〕穂積陳重博ヒハ、嘗テー國ノ法律ハ、固有法分子(lndige− nous element)ト纏受法分子(Foreign リ成7レコトヲ教示セラレタ Japmlese Civll Code as dement)トノニ要素ヨ rN.1王ozumi,1」ecturesollt姓eNew r【1ateri乱1負)r the stu(iy of comp乱rati▽e jurisprudeDce,pp.3L32同氏法窓夜話二一四頁乃至二一七頁。 穂積重遠博士法理學大綱八○頁滲照)。而シテ其ノ縫受法ノ分予 ガ存スルト云フモ、結局ハ其ノ緩受ノ行ハレタ各民族ガ、互ヒ ニ類似ノ欲望ヲ有シテ居タコトヲ、前提トシテ、法ノ縫受ガ可能 デハアノレマイカ。果シテ然ラバ、縫受法ハ其ノ縫受ノ行ハレタ各 民族ノ通有姓二基ク法デナケレバナラナィ。又其ノ固有法ノ分 子トハ、結局ハ此ノ通有性二基ク法ガ、輩二其ノ國ノ固有ノ風 俗㌧國民性、濟経事情等二依リテ影i響iサレタル部分二夕}ナラヌ 一夫一妻婚ノ研究 ■2 部分デハアルマイカQ從ツテー國ノ文明ノ程度ハ、其ノ國ノ法 律二於ケル固有法分子二封スル縫受法分子ノ分量ノ塘加デ秤ル コトガ出來ルトスレバ(The tke sc翫le of civilizaむion,the higher釦e greater is commulllty t五e stands proportion of in the fbre呈911t・the量ndigel1・uselement.一N.II・zumi,o正)・cit・ p・32・同氏、法信説論評一一法學協會雑誌第二十六巻三號殊二 一七六頁滋下参照)法ノ進化スベキ又其ノ進化ノ行程ハ、入類 ノ通有性二基ク法ガ地域的二、時代的二、父國民的二受クル影響 ノ滅少シツツアル現象デナケレバナラナイo 而シテ自分ガ鼓二試ミントスノレ仕事ハ、此ノ國家ヨリモ更二 廣イ魁會ヲ規律スノソ全世界的ニシテ且ツ全人類的ノ婚姻法ヲ探 究スノソコトニ依ツテ〔誰一〕〔註二〕婚姻法ガ遙化スベキ基準 ヲ知リ、之ヲ知パコトニ依ツテ現在及ゼ將來ノ國法二封シ、或 ヒノ・解繹的二、或ヒノ・立法的二材料ヲ供セントスノソコトデアノン。 此ノ事ノ・在來行レケ居タ各國婚姻法規ノ異同ヲ比較スノレコトニ 依ツプ其ノ利害得失ヲ批判スノン研究方法ト共二、婚姻法研究ノ 重要ナノソー方面ヲ爲スベキモノデノ・アノレマイカ〔註筥〕。 〔謡一つ 但シ其ノ比較探究ノ劃照トナリ得ノL國ヲ・自國ト同種ノ開 化、類似ノ経濟的生活、其池歴史上ノ關係等二依リ類似ノ法律 生活ヲ有スル國ノ法制二限リ、此等ノ各國ノ法制中ヨリ普遍的 元素ヲ抽出セントスルモノ(「ラムベづレ」ELambe幻ト・ 普ネク糸慮テノ開明諸國ノ法希q二共通ナル原則ヲ抽出セントスル モノ(rサレイユ」R Saleille賎)』更二其ノ探究ノ手ヲ古今未開 民族ノ法制ニマデ延バシ、之ヲ比較研究セントスルモノトガア 第一章 緒 論 ユ3 ル(rボスト」A.H.Pos亡.)。前二者ハ敦レモ其ノ;警遍的元素ヲ 抽出スルコトニ依ヅテ、自國ノ法律ノ制定(及ピ解繹)ノ滲考 トナサントスルコトヲ、其ノ営面ノ目的トシテ居ルトコロカラ 比較立法學(1姐6g呈s1痴on eompar6e)ト構セラレ、後者ハ未開 民族ノ法制ヲ比較研究スルコトニ依ツテ、史的材料ノ訣ケタル 古代原始戻族二關スル法制歌態ヲ類推シ、以テ綜含的二法律ノ 進化論ヲナサントスルモノデアルカラ、人種學的法律學(die eもhnologiscbe Jur1spn】dellz)ト欝セラレテ居ル(穂積重遠博士 法理學大綱七六頁以下滲照)Q て註二〕斯クノ如クニ法律ヲ世界的二綜合シテ観察シヨウトスル企 テハ、從來、國家間ノ雫闘、人種間ノ軋礫ヲカ説シテ、世界各國ハ 各自其ノ猫自ノ國民性、民族精神ヲ有スルガ故二、到底融合ス ルコトノ難キヲ説ク者カラ之ヲ観レ・㍉恐ラクハ不可能ノ事ト シテー笑二附セラルルコトト思フ。叉婚姻制度ノ起原ト題シテ 現代ト全ク懸ケ離レタ時代ノ入類ノ歴史ヲ研究スルコトハ、閑 人ノ道樂トシテ考ヘラルル人モ少クナィコトト,思フQ然シ自分 カラ之ヲ観レバ、第一ノ黙二關シテハ、欺クノ如キ國家主義的 乃至人種主義的見解二基イタ法律観コソ、人類ヲシテ永遠ノ國 家的乃至人種的闘孚ノ渦中二置カシムルモノデハアルマイカ。 全人類ガ本質的二同一性ヲ有スルコトヲ信ズル者ノ、歩ムペキ 道ハ世雰主義的乃至全人類的見解二基イタ法律観デハアルマイ カ。若シモ「國民トシテ蝕ヲ食フ、結婚スルト云フヨリモ、人 間トシテ飯ヲ食フ・結婚スル」「穂積重遠博士民法講義要領一 頁)モノデアルト、観察サルペキデアルトスレ・㍉國家ヲ軍位 トスル各自特殊ノ國民トシテノ生活ヲ律スルコトニ專ラデァツ タi近代法律ハ、超國家的二・倣界的二、全人類的二改造サルベ キモノデハアルマイカ。更二第ニノ錨轟關シテハ・西村眞次民 一夫一妻婚ノ研究 ■4 ガ之ヲ明快二誘明シテ居ラレル。一一若シ私蓬7今日ノ文化ノ 中、ドコカニ悪イモノ、誤ツテヰルモノ、望マシカラヌモノガ アルナラバ、私達ハ其悪クナカツタ前、誤ラナカッタ前、望マ シカラヌヤウニナラナカツタ前二戻ツテ、善ク、誤ラヌ、望マ シイ黙カラ再度ノスタートヲ切ルコトニ努力ゼネバナラヌー ト。是レ婚姻法ノ研究範園ガ人類ノ國家生活以後、記述歴史以 後轟限ラルベ:キモノデナィコトヲ主張スル所以デアル(後段三 二頁三三頁参照)。 〔謡三〕法律學二於テ法律ヲ蒔聞的へ室間的㍉又國民的二比較 観察スルコトニ依ツテヤ地域的ノ、時代的ノ、若クハ國民的ノ 差異ト類似トヲ明ニスルト云フ方面モ存スルト同時㍉又比較 ソレ自畳豊ヲーノScimceトセズシテ、輩二一ノmethodトシテ ユク方面モアロウ。前者ハ博物學者ガ其ノ動植物ヲ綱(Clas3)目 (Order)、科(F我miIy)二分類スルガ如ク、其ノ差異ト類似トニ從 ツテ、全ク自然科學的観察ヲ以テ法律ヲ分類スルコトソレ自罷 ガ手段デアリ且ツハ同ロ時二目的デアルガ、後者二於テハ比較ハ 或ル種ノ原理探究ノ手段二過ギナィ(N・H・zumi,op・C1L PP・ 餓etseq,殊二IVMe亡h・ds・fC・mP我rativeJurisprudence)。 「ウエスターマーク」氏ハ此ノ馳二關シ次ノ如ク述ベラレテ居ル ーTheもask・c・mpar翫tives・cicl・gyisn・trestrictedt・ t溢at・fclassifyingt1・edi飾renむPhen・mena・fcul加rewi右h我 view fo ry.Its making out ultimate their distributioll o博ecむ1s,of ill course,the geogra,phy same as alld that of histo− every o右hersclence,namdy,右・exp1乱i・粍he魚αswithwhichiむis collcerlled,to give乱11allswer when customs,belie£sンlegends,or simila,r to the questiol1ノ下Vhy?Hellce, a・rむs,are fbulld am・ngdi蝕enむpe・Ples,む五equesti・・1ariseshσ禍hesimil⑳囎 一 章 緒 瓜冊 老ロ 第 ユ5 istobeaccountedfbL(Hisむory・fHumanM乱rriage,voLi, P・2。)一要スルニ此ノニツノ分科ハ共二親族的ノ關係二立ツ モノデアツテ、前者ハ後者ノ補助的地位ニアルモノト観ルコト ガ出來ヨウ(遊佐慶夫民「法律史實ト法律史」トノ詮明一早 稻田法學第一巻同氏「ハンムラビ法典ノ研究」一七、一八頁参 照)。 III.参考書目 第一、邦文(ABC順) (1)、秋山蓮三氏、内外普通動物誌(脊権動物篇及ゼ無脊椎 動物篇)。 (2)、穂積陳重氏、「タブrと法律(土方敷授在職二十五年 紀念私法論文集一頁乃至一二九頁) (3)、穗積重遠氏、法理學大綱 (4) 河田嗣郎氏、家族剃度研究 (5)、西村眞次氏、文化人類學 (6)、岡村周諦氏、生物學精義 (7)、砂川寛榮氏、日本家族制度史研究 (8)、高橋清吾氏、欧洲魁會制度登達史 (9)、建部遷吾氏、普通肚會學(殊二第三憲肚會静學) (10)、田崎仁義氏、家族制問題(現代魁會問題研究第二十一 憲ノ 一夫一妻婚ノ研究 ユ6 (11)、戸水寛人氏、法律學綱領 (12)、内田清之助氏、鳥類講話 (13)、和田干・一氏、婚姻法論 第二、外國文 (1)、Bebe1(August〉,Woman ure。Tr勘ns。by H.B.Adams in 〜1▽ thePas七,Presen施nd:Fut− 乱1七her,London. (2)、Bosanque七(H。),The:Family.London,1915. (3)、 Bryce (」乱mes,工 ord),Studies in H:istory and Jurispn1− dence,2vols.Oxford,1901. (4)、Burge ign IWilham),Commentaries Laws.Ed.by Phillimore。4 A.Wood on Colonial Renton鋤d and:Fore− G。Grenville vols.London,19〔)7−1914. (5)、Bume(Charl・tteS・画乱),TheHandb・・k・f:F・1kl・re・ New edi七ion revised乱nd enlarged (6)、Darwin(Ch&rles),The (7)、 Enge㎏ (Fr.),The pe就y挑nd七he by.London,1914. Descen七〇f:Mlan.London,1913. Or五gin of七he S七我七e,Trans.by F乱mily, Ernest Priva七e]E》ro− Un七erm泓nn, Chic一 乱go,1902. (8)、H:・w乱rd(G・E),AHist・ry・fMatrim・niallns七i七uti・n鼠 3vols.Cbcago夕:London,1904・ (9)、Hozumi(N。),:Leo七ures on the New J&panese Code.Secondandrevisededition.Tokyo,1912. OiviI ‑ , *^ 17 l (1(̲}) . Ancestor‑Worship and Japanese Law. l'hird and revised edition. Tokyo, 1913. (11) Hutcl]inson (Walter) , Customs of the World. 2 vols. London. (12). Johnston (Sir Harry) , The Living RaGes of Mankind. 2 vols. London. (13) . Joyce (T.Athol) and Thomas (,N.W.) , Women of All Natious. 2 vols. London. (14) . Lang (Andrew) and Atkinson (J. J.) , Social Origins and Primal Law. London, 1903. (15) . Letourneau (Ch.). The Evolutiou of Marriage and of the Falnily. Trans. London, 1904. (16) . Lubbock (Sir John) , The Origin of Civilisation and the Primitive Condit,ion of Man. Seventh edition Lon‑ don, 1912. (17) . McLennan (J.F.), The Patriarchal Theory. London, 1885. (18) . tudies in Ancient History. The Second Series. Ed. by his widow and A.Platt. London, IS96. ( 19) . Maine (Sir Henry Sumner) , Ancient Law. London, 1885. (20) . Morgan (L.H.) . Ancient Society. Chicago, 1907. 一夫一妻婚ノ研究 ■8 (21)、P勘rsons(且C.),The:F泓mily・New york,1906. (22ノ、Sc五uster(Ernes鳳),丁五ePrinciples・fGerm肥Civil I」昂w.Oxford,,1907。 (23)、Starcke(C。N.),ThePrimi七iveFamilyini七sOrigin &nd:Devel・pmenも。L・nα・n,1889. (24)、Sutherla、nd (Alex.),The 皿or温1nstinぐ七.2 Origin 昂nd Grow七h of the vols.1」ondon,1898. (25)、Wesもermarck(Edw副),Tぬe History of Hum鍼M:a− rriage.IFiftheditionrewrit七en.3vols.ILondon,1921。 (26ノ、一Theαigi服ndl)evel・p皿ent・f七heM:・r泓11dea鼠 2 vols.London, 1912−19裏7. (27)、WilIiams(lvy),The Sources of Law ln t五e Swiss Civi1Code.Oxford,19」3. 以上ノ外、雑誌論文其他部分的二引用シタ著書、論文ノ類ハ 之ヲ引用シタ場所二掲グノレガ故二、弦二・・之ヲ省略スノソ。 簗二童婚姻制度ノ起源 第一節総 論 1・婚姻ノ意義 (1)序言 「ダーウヰン」(CharlesDarwin)ノ・其ノ名著丁互・el)escent・f 皿an鋤dSelect1oninRelat三〇n to ー J.Lubbock! 「ジョン、ラボック』(Sir Sex二於プ謂フテ居ラレノソ ノ所謂 Colnmuml M翫rri聡e〔謎一〕即チー族内ノスベプノ男女ガ、互ヒニ皆ナ夫デ アリ妻ヂアノレト云フ婚姻制度ヲ、持ツプ居ノレ種族ガ、今日二於 テモ術ホ存在シテ居ノソト云フコトガ、主張サレテ居ノソ。勿論、多 敷野攣民族ノ其ノ放縦淫奔・・、吾人ヲシテ驚カシムグニ足ノソモ ノガァソ、加フノンニ此ノ種ノ問題二關スノレMcLennan(:Primitive 皿arri泓ge。),■4ubbock (丁五e oc.Ameri㈱Ac島d.αξSciences Origin of Civilisa七ion・),皿organ ( Pr再 ,v・i.vii』Feb.1868.〉,:B勘c五〇一 fen(Das蜘tterrech七.)等ノ學者ノ研究・・、頗ノレ精細ナノソモノ ガアツテ、且ツ此等ノ學者ノ・Commun泓1Marriage一兄弟姉 妹聞ノ近親結婚ヲモ此ノ中二包含サセテーヲ以テ、婚姻ノ原 始的形式デアツテ、又全世界ヲ通ジテ行・・レタ普遍的形式デア ノレ (()0皿mUna,1m鉱ria}ge__..,W乱S fom throu91・σut the the Origi:n泓1and U:niVerSa}1 world)ト考ヘテノ・居ノレガ〔註二〕而モ吾 人ヲシノ此ノ雑婚制ガ、絡テノ原始肚會ノ特徴デア〜ソコトヲ信 20 一夫一妻婚ノ研究 ぜシムノレニノ・、更二幾多ノ謹擦ヲ要スノンモノガアノソト思フ。現 5南「アフリカ」ノ内地ヲ廣ク族行シ、多敷ノ野攣人ノ慣習二付 イプヨク知ツテ居ノン「スミス」(Sir A.Smith)氏・・、自分二告ゲ プ日ク「女子ガ其ノ部落ノ財産デアノソト考ヘラノレノレ穣ナ種族・ 決シテ存在シプ居ラナイ」ト。思フニ此ノ鐵二關スノレ學者間ノ 異論ハ、一般二婚姻ナノレ語ノ意義如何二依ツプ、生ズノソモノニ 他ナラナイート (lbi乱,PP.896,897)。 i斯クシテ、「ダーウヰンP・雌雄淘汰(Sexual Selection)ヲ研究 スノソ上二於テ、必要ナノレ婚姻ノ意義ヲ定メタ(後段参照)。私モ 亦此ノ「ダーウヰン」ノ研究方法二傲ツグ、肚會制度トシプノ婚 姻ノ起源ヲ論ズノンニ當ツテ、先ヅ婚姻ノ意義ヲ定メノン必要ガァ ノソ。蓋シ之ヲ現代二付イプ云フモ、婚姻ノ意義・・必ズシモー致 シプ居ラナイ〔註三〕。法律家ノ云フ婚姻ノ・多クノ場合二於プ、 成文法的色彩ヲ多量二含ミ、宗激家ノ云フ婚姻・・、同様二宗敷 的色彩ヲ動物學者ノ云フ婚姻・・、岡穣二動物的色彩ヲ帯ピプ屑 ヅプ、法律家ノ婚姻ト呼プモノ、必ズシモ動物學者ノ所謂婚姻 デモナク、又宗敷家ノ所謂婚姻デモナイノデアノレ。而モ此ノ婚 姻ノ意義如何ノ・、先キニ「ダーウヰン」ザ喝破セシガ如ク、:婚姻 ノ最初ノ形式ガ、所謂雑婚制デアツタカ否カノ問題二蜀スノレ結 論ヲモ異ニスノンニ至ルデアラ:ウシ、』叉用語ノ不明確ノ・、研究ヲ シテ盆々不明晰ナラシムノレモノガアノレト思7カラデアノン。 第:二章 〔謎一〕Communal 2■ 婚姻制度ノ起源 Ma雌ageノ意義二關シテハ、後段八一頁〔註三」 滲照。 〔註二〕See乱1s・Lubb・ck,TheOrig1n・fGvilis乱tion,ete・,PP・79・ 80. 〔註三〕木村徳藏氏ハ其ノ著「雨性問覆ト生物學」二於テ、婚姻二關 スル種々ノ定義ヲ封比シテ居ラレル(同書三六二、三六六頁)、 必要部分ヲ抜粋スレパ、 (1)。小説家ハ、結婚ヲ定義シテ・「人類求愛ノ最極、1デアルト ナシ、 (2)o「ラスキン」(Ruskin)ハ、結婚トハ、一一時的奉仕ガ不断 ノ奉仕二、且ッ嚢作的ノ愛ガ永久ノ愛二攣ゼシコトヲ表ハス 契約ノ調印二外ナラナィト定義シ、 (3)。法律家ハ、結婚トハ、法律上夫ト妻トノ關係二於テ結合 セルー人ノー男子㌧一人ノ女子トノ身分デアルト爲シ、 (4)。基督教ヲ信ズル諸國デハ、結婚トハ相互ノ奪敬ト情愛ト ノ上二正當二基礎ヅケラレ、且ツ適當二是認サレ、死二至ル マデ夫婦トシテ同棲スル相互ノ任意ノ約束デアルQ結婚ノ圭 要ナル目的ハ家庭ヲ作リテ、道徳上並二肚會的ノ純潔ヲ維持 シ、種族ヲ縫績シ、人生ノ義務等二劃シテ子供ヲ訓練スル昌 アルト解シテ居ル云々。 (2)意義 動物ノ・個禮維持ノ作用(M島intainable:Fmction ノ爲メニ、若クノ・種族維持ノ作用 of hdividml) (Main七ainable:Func七ion of l臨ce)ノ爲メニ、種々ノ形式ノ群居生活ヲ螢ンデ居ノン。餌ヲ取 22 一夫一妻婚ノ研究 ノレ爲メノ周葛ノ群居、目民ノレ爲メノ編虫畠ノ群居ノ女ロキノ・、共二・i其ノ 生存上ノ騨居生活デアラウシ、又多クノ肉食ノ哺乳類及ピ鳥類 二於テ見出サノレノレ生殖時期二於ケノレ集合・・、其ノ生殖上ノ群居 生活デアラウ。而シテ此ノ生殖上ノ群居生活ヲ爲ス者ノ聞二於 テ、購…化乃至育見等ノ爲メニ、一定ノ雌雄(親)ガ、多少持績的 ノ共棲生活ヲ爲スモノガアノソ。例ヘバ沙鶏科(Pteroclid泓e)燕 科(Eirundi玲idae)畠属スノレ諸鳥ノ如キノ・是デアノレ。而シプ、此 ノ協同生活關係ヲ以テ、直チニ婚姻ト欝スノン學者モアノレ。例ヘ バ「ダーウヰン」ガ、此庭二婚姻トハ、養育期(B「eeding−Se翫 son)若ク・・一年間ヲ通ジテ、一雄ザー雌ト共棲シ、極力其ノ雌 ノ猫占二努ムノレ場合二、其ノ動物ヲ博物學者(Naturalis七)ず一 雌一雄ノ(皿onog乱皿OUS)動物デアノレト構シ、若ク・・一雄ガ多雌 ト共棲スル場合ニノ・、之ヲ多雌一雄ノ (P・b「gamous)種族デア ノレト欝スノソノト、同穣ノ意昧ヂアルト云フガ如キ〔設一〕「スタ ーク」(C』N・S七arcke)ヴ、廣義二於テ婚姻D・、輩ナノレ男女聞 二於ケノソ瞬間的ノ結合ヲ云フニノ・非ズシテ、其ノ結合ガ持績ス ノン間・・、彼等ノ・其ノ生計ノ資ヲ得ント共同シテ努力スル所ノ結 合(即チ生活ヲ共同ニスル所ノ結合)ヲ云フノデアノレトナスガ 如キ〔註二〕〔註三〕若クハ「クエスターマーク」ガ婚姻トノ・、 輩ナノン繁殖動作 (the mere挑c七〇f prop&ga伽n〉ダケヲ云フモ ノデハナクテ、其ノ子供ノ出生後マデモ績ケル塾コ・ノ、雌雄 聞ノ多少永綾的ナ結合ヲ云フモノデアノレ〔註四〕ト爲スガ如・キハ 第二、章 23 婚姻制度ノ起源 共二是二薦スノン。然シ此ノ意昧二於ケノソ婚姻・・、全ク博物學 (N勘七ural Eistory〉上二於ケノソモノヂアツテ、吾々人類ノミ有 スノレ濁占的現象デハナイノデアノソ。サモアレ、「ウエスターマー ク」ハ其ノ名著:二TheHistoryofHum勘nMa・rr瓶geナノL・表題ヲ 附シテ、特二「人類ノ」結婚ノ溜革史ヂアノレコトヲ示サント企 テタ〔註五〕。 〔註一〕 r註二〕 hrwin,OP.cit.P.897 St駄rckeヲThe Primitive Fa,mily,P・13。 〔註三〕「フリードリツヒス」(DLFriedF圭ehs)ハ、此ノ「スターク」 ノ與ヘタ婚姻ノ定義ヲ.大禮容認シテハ居ラレルガ、猶ホ不充 分ナル黒占ガアルトナサレテ、女昏姻ヲ次ノ如クニ定義シテ居ラレ ノレーEi11 irte von der Verehligung F眞hru泊g eines chもsverkehrヲ anerkanllte geschlechtsdi飾rel1七er gemeihsamen oder (Fam1Iiens加fen from Rechtsordnullg 忽ml H翫usstalldes lmd privileg鴨 Personen,elltweder ulld ausschliesslichen zしlm G zur eschle− GeschlechtsverkehL uIId:Ehe£ormen,ZVR、,X,253−56り(Quoted Howard,o玉).cit。vol.i。PJO2)Q「ウヱースターマークJ ハ此ノ「フリードリツヒス」ノ與ヘタ定義ヲSocial InStitUtiOn トシテノ婚姻ノ定義トシテハ、最善ノモノデアルトナサレテ居 ル(ldeD},TheOrigin,e楓,v()Litp.361) C註四〕Westermarck,oP.cit。PP,19,20.(3.Edlt,)・ 1δem,The Origin,etc。,voL ii。p,364。 「ウエスターマーク」ハ此ノ定義二翼シテ更二・Socia11nstituむio11 トシテノ婚姻ノ定義ヲ其ノ第五版二於テ與ヘテ居ラレル(lbid., voLI・PP。26・27・SeealsoTl・eOrigil1・eむc。,v・!.ILp.364) 24 一夫一妻婚ノ研究 〔言主五〕 The marriage of m乱nkind,as we hεしve seen,圭s noむ我n 1s・latedp血enomenon,buthasitscounむerpaitinmany・ther anim&I human species 訊nd allcestor。1右is called my book is probably 茸n an )rder in}1eriむ翫nce to theh1storyofhum乱n enphas1se this marriage, will probabl:y be regarded by some that I pre願 have 一_.(Weste− rmarck,oρc圭t.v()Li。P.72。)。Theexpression 我ge from huma・・marri一 mosむpeople乱s all impro− pertautol・gヱBut,aswesh翫11see,m乱rri我ge,inthe・1atur我l hモstorysense・ftheterm,d・es・}・tbe1・ngexclusivelyt・・ur ownδpecie$(lbid.,P.6(3.:Edi㍍)) 私ザ弦二云フ婚姻・・、斯クノ如キ博物學上ノ意義二於テ、云 フモノデノ・ナクテ、肚會制度トシテノ婚姻ヲ云フモノデアノソ。 別言スレ・f輩純ナノン生物學的現象(:Biologie飢Phen・men我)トシ テノ婚姻ヲ云フモノニ非ズシテ、魁會學的現象 Phenomem) (Sociologica トシテノ婚姻ヲ云フモノデアノレ。蓋シ本稿・・魁會 制度トシテノ婚姻ノ起源ヲ、探究スノレユアノレカラヂアノソ。勿論、 婚姻ガ鮭會制度トシテ確立スノソニ至ツタノノ・、其ノ根底ヲ遠ク 博物學上ノ意義二於ケノ・婚姻ヨリ登シタモノデァツテ、薩會制 度トシプノ婚姻ノ基調ハ、博物學上ノ意義二於ケノレ婚姻二、深ク 根ザシプ居ノソモノデハアノレガー從ツテ又爾者ノ問二、基礎的 差異ノ存スノレ筈モナイノデアノレヴー而モ筒ホ此ノ雨者ノ間ニ ノ・、次ノ如キ重要ナノン差異ガ存スノンモノデノ・ナカ・ウカ。詳言 ヌレバ、爾者ハ共二異性間ノ協同生活關係〔註一〕デノ・アノレヴ、 第二章 25 婚姻制度ノ起源 肚會制度トシテノ婚姻タノソニノ・、其ノ者ノ薦スノレ肚會二於ケノソ 慣習』叉ハ法律二從ツテ、婚姻トシテ公認セラレタノソモノデナケ レバナラナイ。元來、肚會ハ其ノ道徳的威情二基イタトコロノ 婚姻二關スノレ種々ノ慣習又ハ法律ヲ持ツテ居・ソ。例ヘバ或ノソー 定ノ人々ノ間二、婚姻關係ノ存在スパニ至ノソコトヲ、禁止スノレ 慣習乃至婚姻締結ノ方式二關スノレ慣習等・・部チ是デァノレ。而シ テ魁會制度トシテノ婚姻・・、即チ此ノ種ノ慣習ナリ法律ナリノ 要求スノントコ・ノ、條件ヲ充タシタ男女間ノ協同生活關係ヲ云 フノヂアノレ〔註二⊃。勿論此ノ種ノ道徳的威情ノ・、其ノ肚會ノ溜 革、文朋ノ程度二慮ジテ、各肚會必ズシモー穣デノ・ナイ。從ツテ 叉婚姻二關スノレ慣習モ法律モ、必ズシモ同一ノ事項ヲ同檬二規 律シプ居ノソモノデノ・ナイ。極メテ野壁的威情二基イタ、野攣的 慣習ノ奢テノ・レプ居ノレ趾會モアラ:ウシ、ヌ,高度ノ文明二浴シ、精練 サレタ戚情二基イタ規範ヲ有スノレ肚會モアラウ。例ヘバ男子ノ 婚姻資格二關シ、毫溝ノ「アタヤーノレ」人(TheA七即乱1s)、rノレ スン」ノ「ガッダン」人(The轍dd勘nes・fl」uz・n)、「セーラム」 ノ fアノンフ・一ノレ」,人 (Tぬe Aぜoors of Ceram〉、 「ボノレネオ」 ノ fダイアク」人(丁地Dy激sofBomeo)、上「アサム」ノ「ナ げ」人(丁血eN乱9薦ofUpperAss勘m〉等ノ間二存スノソト云ノ・レ テ居ノレー一男子ハ自己ノ剛勇ノ表象トシテ、少クトモ人間ノ首 ヲー個得タ後デナケレバ、婚姻スノンコトグ出來ナイー一p云7 慣習卜〔謎三〕優生學(Eugellics〉乃至優境學(Euも五enies)ヲ 26 一夫一妻婚ノ研究 婚姻法二慮用シ、花柳病者、癩滴病者、濫酒習癖者等ノ如キ悪 質男女ノ婚姻ヲ禁止シ、以テ人種ノ禮質的改善ヲ計ラントスパ 米國其飽「ノノソウエ r「スウエーデン」等ノ婚姻法〔謎四〕ト ヲ比較スノソナラバ、其ノ文化ノ瓢二於テ、思ヒ雫 ぐ二過ギノレモ ノガアラウ。而モ央々其ノ肚會ノ慣習、法律二從フコトニ依ツ テ、夫々其ノ赴會ノ道徳的藏情ヲ満足サセノレ黙昌至ツテノ・、全 ク同一デアツテ、均シク其ノ趾會ノ、其ノ時代ノ祉會的規範タ ノレ本質ヲ失フモノヂ・・ナイノヂアノソ〔議五〕。從ツテ叉萄クモ其 ノ胱會ノ慣習法律二從ツテ、締結サレタ婚姻デアノソ以上ハ、其 ノ 慣:習、法律ノ内容ノ如何ヲ問ハズ、均シク耐:會制度トシテノ 婚姻トシテ観察ゼラノレベギモノデアノレ。 〔註一〕 從ツテ同 1生間ノ 性白勺關{系(lnむerα)ursebetweenlndividuls oftheSameSex。H・m・〜exu乱liむy.一SeeWes右erm泓rck,The Origin,etα,vol・ii,cb XLI1工)ハ、假令肚會制度トシテ観察 サレ得ル揚合デアヅテモ、爾ホ婚姻トナルコトハナイQ て註二〕甑述シタルガ如ク婚姻ヲ以テ、公認セラレタル.男女間ノ協 同生活關係デアルトナス他、我民法二於テハ・斯クノ如キ協同 生活關係ヲ創設スルコトヲ目的トスノレ法律行爲、印チ結婚行爲 ヲ指シテ、婚姻ト云フ揚合ガアルQ例ヘバ民法第七百九十八條 ノ「婚姻ヨリ生ズルー切ノ費用」トカ、同八百二十條ノ「婚姻 中二懐胎シタル子」トカ、ト云フ揚合ノ婚姻ハ、前者即チ「夫婦 タルノ關係」ヲ指スモノデハアπガ、例ヘバ民法第七百三十八 條同七百三十九條同七百四十一條二云フ「婚姻二因リテ他家二 第二章 27 婚姻制度ノ起源 入リタル者Jトカ、同七百六十五條乃至七百七十四條二云フ「婚 姻ヲ爲ス」若クハ「再婚ヲ爲ス」トカ、ト云フ場合ノ婚姻ハ、 後者印チ「結婚行爲」ヲ指スモノ轟地ナラナィ。然シ肚會制度 トシテノ婚姻ヲ論ズル者ハ、婚姻ヲ以テ「夫婦タルノ關係」デ アルトナシ、「結婚行爲」ハ「婚姻ノ儀式」トシテ之ヲ取扱フガ 普通デアリ且ツ自然デアロウo 〔註三〕Wesむermarck,oP,cit.voL i p、52. 〔註四〕穂積重遠博士「婚姻制度講話」一四九頁以下及ビ同博士「離 婚制度の班究」六一七頁以下参照。 〔謡五〕 1此ノ黙二關シ、「ルトウルノヲ、」(Ch,1』etoumeau)ノーi妻 多夫婚ノ存在理由二關スル読明(L de 6volution du Marねge la,F鵠miIle,Paris,1888,tra・n$London,1904。) et ハ、誠二適 切ナモノデアロウo即チー一lh乱ve:nolollgertoprove七hat m・r&1iむyisvar呈乱blealldPer£ecむible,tb乱tiむresGlts伽msoc一 ま乱11i長),Rlld is only重o beむ批kenむogeむher wiむh the other nee− ds,deslres,andnecessiむies・f亡五estrug91e{brexistence.Our moral sel1む呈ments are simply hab三むs量ncarnate in our br乱in, ・rinst1nαsarむ潰ciallyoreaむed卿}d伽s紺・乱cむrepIltedcu1− pableatParisoraむ:Londonmaybe乱ndfrequenむ1ylsheld im・cenもaむCalcuむta・raむPek1n.ln・rdert・ludgeim脚むi抗11y of PolyaIldr量c marrl我ge 亡ru右hs・(The:Evolu亡ioll we musむremember these elemenむa♂y of皿arr1&ge,PP.73,74.)猶ホ高柳賢 三氏「新法學ノ基調」四〇九頁乃至四一五頁滲照。 從來「婚梱・・共諾二成リテ、共諾二成ラズ」ト云フ言葉ガア ノン。是・・、趾曾制度トシテノ婚姻ガ成立スノソガ爲ノニノ・、當事者 28 一夫一妻婚ノ研究 間ノ共諾ノ外、更二慣習法律二依ノソ耐會ノ公認ヲ要スノレコトヲ 雄辮二物語ノレモノデアノレ。婚姻ノ儀式ハ、此ノ胤會ノ公認方法 トシテ、沿革上塵ほ重要ナ役自ヲ演ジテ來タモノデァノ吸謎一⊃。 之ヲ要スノンニ、魁會ノ既ノ種ノ公認ノ有無ハ、肚會制度トシプ ノ婚姻 (A recognized (An illicit marriage) ト、然ラザノン男女間ノ結合 connection)トヲ隔別スノソ重要ナ〃要素(element) ヲナスモノデアノレ〔謎=〕。本稿ヂ・・、此ノ爾者ヲ隔別スノソ爲メ ニ︑ 便宜上前者ノ・之ヲ「婚姻」ト呼ゼ、後者ハ之ヲ軍二「共棲 生活jト呼プコト5スノン。 〔註一〕Westerm乱rck,H1storyy etα,vo1。IL pp.432,et seq、, 中川善之助氏「婚姻ノ儀式」(法學脇會難誌四四巻一號四八頁乃 至七〇頁)滲照。 〔壽孟ニニ〕 (}S.Burne,The H我ndbook of Folklore,P.203. タダ蛙二異性聞ノ協同生活ト云フモ、常二必ズシモ性的生浩 若クノ・子女ヲ畢ゲノレコトノミヲ目的トスノン、生活ヲ意味スノソモ ノデ・・ナイ。其ノ協同生活ノ本質・・「相共二飲ミ、相共二食ヒ 相共二寝ノレ」(:B・ire,m泓nger,c・ucherensembleestmari乱ge, cemesemble.)〔誰一〕ト云フコトニアノソモノデア〃。彼ノ婚 姻ヲ以テ、其ノ家ノ祀先祭就ノ縫承者ヲ得ルノ方法デアノレ(M甜 rri勘ge t五e wε』s s&cra regεもrded勘s of七he t上e Means of obt勧ining乱suecessor to house)ト麹念スノンガ如キノ・、蓋シ祀先崇拝ノ 第二章 29 婚姻制度ノ起源 俗(Ancestor−WQ粥hip〉ノ盛ンナノレガ爲メ轟、受・ケタ影響二他ナ ラナイ〔謁二〕。從ツテ現在二於テノ・、一家ノ戸主タラザノレ者若 ク・・將來戸主タリ得ザノレ者デアツテモ、法律上婚姻ヲ爲スヲ禁 ぜラノ均ンモノニ非ザノレト同時二、現二一家ノ月主タノレ者若クハ 將來戸主タノソベキ者デァツテモ、法律上他ヨリ婚姻ヲ爲スコト ヲ強制セラノレノソコトハナイ て註一・〕Westem乱rck,Eistory,etα,▽ol.L pp71,72. 〔註二〕我國二於テハ、從來、戸主若クハ其ノ家督相綾人二封シテ ハ、濁身禁止ノ慣例(Customary prohibition of celi砿cy)存シ 其ノ以外ノ家族二謝シテハ、寧ロ猫身ヲ彊制シ、此等ノ者ハ適 法ノ婚姻ヲ爲スコトガ出來ナカツタ。蓋シ死後二於クル祀先ノ 幸幅ハ、一二祀先祭祀ノ執行二依ルト思惟セラレタ時代二於テ ハ、一家ノ戸主タル者若クハ其ノ家督相綾人ガ、其ノ祭祀ノ永 績ヲ圖ルガ爲メニ婚姻ヲ爲シ、其ノ縫承者ヲ墾グルハ、將二其 ノ租先 鋤スル重大ナ義務デアルト考ヘラレタト同時二、其ノ 以外ノ家族二饗シテ、婚姻ヲ禁止シタノハ、蓋シ此等ノ者ハ、 祭祀ヲ纏承スルガ爲メニ婚姻ヲ爲シテ、子ヲ墾グルノ必要存セ ズト思惟シタノニ依ルモノデァル(N。Rozumi,Allcestor−Wo_ rship a,nd Ja})a、nese I/aw,pp.129,eむseq.H.Bosallquet,The :Family,1洗23)。此ノ事ハ明治四年八月二十三日大政官布告二 「華族ヨリ耶民二至ルマデ互二婚姻被差許換條双方願二不及其 時々戸長へ可届出事」トアリ、更晶明治八年五月五日内務省指 令二「茨三男在官非職二拘ハラズ聚妻差許シ可然」トアルニ照 シテモ、推察スルコトガ出來ル。蓄妾ノ制(Legal recognitiOIl o∫eoncubi服ge〉ノ如キ、若クハ大寳令ノ戸令二於テ無子ヲ以 30 一夫一妻婚ノ研究 テ離婚原因ノ讐頭二置キタルガ如キ、敦レモ婚姻ノ目的ヲ以テ 組先祭祀ノ縫承者ヲ得ノレニアリト爲シタノニ露因スルモノニ他 ナラヌ。此ノ事ハ猫リ我國二於テノミナラズ、一般二廣ク行ハ レタヤウデァル(Hozumi.oP.ciLpi.129−131.M&ine.Allc一 …entL蹴PP.192,e右seq.H.B・sanqueむ,・P.cit.P.25ノ 以上、述くタノレトコ・二從ツテ要約スレバ、娃二肚會制度ト シテノ婚姻トハ、「特定ノ男女間二於ケノレ協同生活關係デアツテ、 其ノ属スノレ疵會ノ慣習又・・法律ニヨツテ公認セラレタノレモノ』 ヲ云フノヂアノン〔謎〕。 〔罐〕建部逝吾博士ハ肚會學上ヨリシテ、婚姻ヲ定義シテ「男女ノ 有性的協同生活(Sexu・l Associ瀬on)ナリ」トナサレ(前掲書 三九頁八四頁八五頁)、穗積陳重博士ハ男女ノ性交關係ガ、緩キ 意義二於テモ、婚姻ト穣シ得一汁ガ爲メニハ少クトモ、(1)性 交ノ縫績的ニシテ目.ツ終生的關係ナルコト、(2)固鰹的二定マ リタル配偶者アルコト、(3)性交ノ排他的ナルコト、(4)其ノ 性交關係ノ公認セラレタルモノナルコト、ノ要素ヲ具フルコト ヲ要スト説カレテ居ル(「タブー」ト法律。八四頁八五頁)。 サレド・建部博士ノ定義ハ・肚會制度トシテノ婚姻ヲ説明スル モノトシテハ、果シテ適嘗ナリヤ。叉穗積博士ノ説明二至ツテ ハ、(1)乃至(3)ノ要件ハ主トシテ、肚會制度タル婚姻トシテ 其ノ杜會ノ公認二關スルモノニ非ザルナキカ。 ∬・研究方法 第二章 婚姻制度ノ起源 3ユ (1)序言 婚姻制度ノ起源ヲ探究スノソニ先立ッテ、其ノ研究ノ方法二付 テ・・、特二…言シプ置ク必要ガァノレ。蓋シ研究方法ノ曖昧・・、 其ノ研究ノ径路ヲ不明ニスノレバカリデナク、其ノ方法ノ如何ノ 研究ソレ自身二封シテモ、重大ナノレ影響ヲ及ボスモノデアノレカ ラデアノン。就中、或ノン資料ヲ観察シ解繹スノレニ當ツテ、其ノ観察 ノ方法、解繹ノ仕方ヲ異ニスル爲メニ、之二封シテ與ヘラレノレ 儂値二差異ヲ來スコトノ・、其ノ最モ重大ナノレモノデア・ウ、例 へ・畷段二於テ詳述スノンガ如ク、恥ツホPフエン」(B乱chofen) ガ神話乃至傳説二非常ナ注意ヲ沸フタノモ、「マツクレナン」(皿C Len餓n)ヴ象徴若ク・・遺風二大キナ償値ヲ與ヘタノモ、叉「モ ノンガン」(皿or鎭n)ガ親族關係ヲ表・・ス言葉二非常ナ重要サヲ 認メタノモ、結局ノ・、此等ノ學者ザ採ッタ研究方法ノ差異ザ、 然ラシメタノニ他、ナラナイ〔誰〕。 〔註〕此ノ黙二關シテ「ウェスターマーク」ガThe various inves。 tigat・rshave,inmanyimportan碕uesti・ns,c・met・results so widely di論rellt,that infbrm&tioll about the difibrences,however,seem the possibiliむy past to me migぬt to of easily be thuδgeむ亡量ng be due,110t any doubted.These to右he maもe− rial,butt・themanner・fむreatingit.(Hist・ry・fHum我n M乱rri批ge,3。e(1・,1901,P.2.) イ言葉デアル。 ト云ハレテ居ルノハ誠二意義深 32 一夫一妻婚ノ研究 (2)歴史上ノ記録(Written 在來ノ歴史上ノ記述(w亘tten Records) evidenees of history)・・、婚姻制 度ノ起源ヲ探究スルニ付イテ、直接ノ資料ヲ供給スノレモノデノ・ ナイ。蓋シ歴史ノ記述スノントコ・ハ、文明ノ程度ガ既二比較的 高マツタ時代二始マノンノデアツプ、其ノ以前ノ古式二關スノレ肚 會制度ノ起源及ピ其ノ初期二於エノレ登達(丁加or1gin developmenもof social and early institution号)二付テノ・、吾々二何等直接 二知識ヲ與フノレモノデノ・ナイカラデアノン。凡ソ、歴史上ノ記録 (written records)二基イプ遡り得ル過去(Hiも七〇ric Age/ノ・、 大髄二於グ、五六千年ノ昔二過ギナイ。而モ近代科學・・、人類 ガ其ノ何百倍ト云フ極メテ奮イ昔ヵラ、地球上二棲息シプ居ツ タモノデァノレト云フ事實ヲー勿論、過去幾十萬年ノ昔ニマデ 遡り得ノンカト云フコトニ關シプノ・、精確ナ年敷ノ・與ヘラレグノ・ 居ラナイガー最早、軍ナノン假説(Hypoti・eses) トノ・思ノ・レナ イ程ノ確實サヲ以ツプ吾々二激ヘプ居ノソ。從ツプ記述的歴史二 現・・レプ居ノ・最初ノ婚姻制度ガ、人類・有史以前(Prehistoric Age)二於プモ有シタツシ婚姻制度ナノレカ否カノ・、之ヲ歴史上 ノ記録二頼ツプノミ、究メノンコト・輯來ナイ。更二他/資料、 方法昌基イプ講究セネバナラナイノデァノレ。 或ヒノ・、法律ノ・人類ガ肚會生活、殊二國家生活ヲ爲スニ至リ プ、始メプ成立スノゾモノデアノレガ故二、國家以前ノ人類ノ生活 現象・・、法律學ノ取扱フベキモノデナイト云フ議論ガ考ヘラレ 第二章 婚姻制度ノ起源 33 ノン。勿論、自分モ現在若クハ將來ノ法律二封シテ、最モ重要ナ ノソ資料ヲ與フノソモノ・・、人類歴史ノ展開二於テ、所謂人類ノ國 家生活以後二於ケノレ生活現象ト、之二封慮シテ螢生シタ法的規 範トノ研究デアノレコトヲ否定スノソ者デモナイガ、サラバト云フ プ、私ノ・國家ノ有無乃至人類歴史ノ記録ノ有無ガ、直チニ以ヲ 法律學ノ限界ヲ定ムノンモノデァノソトモ考ヘラレナイ。科學的考 謹ノ許ス限ソニ於テハ、文献ノ存セザノソ肚會モ、文獄ノ存スノソ 以後ノ肚會ト同等二、法律學ノ封象トナノレニ適スノレモノー一一否 ナ劉象トセネバナラヌモノート考ヘルノデアノレ。蓋シ近世二 於ケノソ進化論ノ敷フノレ所二糠レ・ 、文献ノ存セザノレ肚會ノ・、内 容的二之ヲ観レバ、文獄ノ存スノレ肚會ノ先行毅階ヲ爲スモノデ アツテ、爾者・・確然ト匠分サレタ限界ノアノレ、別個ノモノデハ ナイヵラデメノレ。要・・、婚姻制度ノ起源乃至其ノ初期二於ケル 展開ヲ、科學的二探究センガ爲メニ、勢ヒ研究ノ範園ガ有史以 前ニモ遡ノレノミデアノン。 (3) 示申話及ビ傳読 吾々ノ・神ヤ君主ヤ支配者ガ、紳ノ子、臣民乃至其ノ被支配者 ノ爲二婚姻制度ヲ創設シタト云フ幾多ノ紳話(皿yths)ヤ傳説 (Tmd.i七ions)ヲ聞キ傳ヘラレプ居ノン。例ヘバrエヂプU人ハ 「メネス」(Menes)二依ツテ、支那人・・「フオヒ』(IFohi〉轟依 ツプ、叉「ギリシァ」人ハ「セクロプス』(Cecrops〉二依ツテ、 一夫一妻婚ノ研究 3伍 更二「インド1人・・「スヴエタケツユ(Svetaketu)二依ツテ婚 姻制度ヲ持ツニ至ツタモノデアノレト云・・レテ居ノレ〔謎〕。 〔註〕Wesもermarck,The History,etα,voL i,P.105. McLennan,StudiesinAncientHist・ry,P.95. :Lubbock,TheOriginofCivilisationalldThePrimitiveColld− ition・fMa・・,P.69. 即チ支那ノ史紀ノ物語ノレ所二依レバ、入間・・其ノ初メニ於プ ノ・、生活方法ガ飽ノ動物ト何等異ナノソトコ・ガナヵツタ。彼等 ノ・森林ノ中二漂泊シテ居プ、スベプ女子・・其ノ共有二屡シテ居 ソタガ故二、此ノ共産的性關係カラ生ズノレ子供等・・、自分達ノ 父ヲ知ラズ、軍二自己ノ母ノミヲ知ツテ居ノレニ過ギナカツタ。 「ファウ馬(FOU一ぬi)帝ノ 此ノ飢雑ナ性的關係ヲ磨止シテ、婚 姻ナノレ制度ヲ倉U設シタト〔言主〕。 〔註〕 Gogueし,Origin (quote(i by of Laws,Arむs,and 、Vestermarckプdp。cit,voL Sc孟ellces,iii.311,313. I,p.105.) 之卜同様ナ記述・・財ンド」ノ敲事詩「マノ・バラタ」(皿ah翫 bhara七&)ノ中二於ケノソ「パーンヅ」(Pandu)其ノ妻「クンプイ」 (Kun切及ピ「ウヅダーラカ」(Udd乱1ak泓)ノ子「スヅィータケ ーツ』(Sv6tak6tu)ノ物語ノ中二於テモ〔註一〕』叉「アツェンズ」 /傳説(At:hen.ian tradition) 二表ノ・レテ居ノレ「アツェンズjノ第 第二章 35 婚姻制度ノ起源 一代ノ國王「ケク・プス」(:Kekropsフ ニ關スノレ物語ノ中二於テ モ見出サレノンシ、更二「ラプランド」(Lapl乱nd)人ノ「ヌジャヴヰ ス」(珊avvis)ト「アットヂス」(Attlis)二關スノン歌ノ中ニモ之ト 同穣ナ物語ヲ見出スコトガ出來ノレ⊂註二〕。 〔註:_〕 M帥批bhara餓,i.王22.4sg墜Muir,Origin&l ii.327.(quoted 〔註二〕See also by SanskritText鰯 Westerm鉱ck) Westermarck,op。ci七.voL I,p。105. 然シ科學的二婚姻制度ノ起源ヲ探究シヨウトスノレ者ニトツテ ノ・、此種ノ傳説ノ内容ソノモノヲ以テ、直チニソノ儘歴史的記 述デァルト見ノレコトノ・許サノソベキデ・・ナィ。 「ウエスターマー ク」ノ言葉ヲ以プスレバ、此ノ種ノ紳議傳説ヲ以プ、直チニ原 始雑婚ノ謹擦トナスコトノ・、恰モ奮約全書創世記第二章ノ記述 ヲ以プ、直チ轟原始一夫一妻婚ノ讃篠トナス〔註〕ト同罪デナ ケレバナラヌー][」egends o{t:his sort can:no more beregaト ded翫sevidence・fprimi七ivepromiscuiもytぬan七hesec・ndc㎞一 pter of Genesis can be {luoted in prcof 髪lb鳳,p・106・)一元來、坤話ヤ傳説・ of primi七ive monogamy. 直接二吾々二歴史的事 實ヲ物語ノレモノデノ・ナイ。其ノ性質ノ・紳話的乃至傳説的歴史デ ノ・ナクシプ、歴史的神話乃至傳説一古代民族ノ風俗習慣ヤ宗 激道徳二關スノン思想ヲ傳説化シ、象徴化シタモノートシテ観 察サノ〆ベキモノデアノンニ過ギナイ。從ツプ自分ハ神話ヤ傳誘ガ 一夫一妻婚ノ研究 36 人類學、考古學等ト相待ツトキノ・、古代研究二封シ、有力ナ資 料ヲ提供ス・レモノヂアノソコトヲ是認スノン者デアノレト同時二、而 モ紳話ヤ傳説ノ記蓮ヲソノ儘二史的事實トナシ、之二依ツテノ ミ、古代ヲ研究セントスノ〆方法ヲ否認セントスノン者デアノレ。叉 假リニ、紳話ヤ傳説ノ傳フノソ所ヲソノ儘二史的事實トシテ承認 サノレノソコトガアツタトシテモ、上述ノ婚姻制度起源二關スノノ説 明ハ、以テ科學的立場二立ツテ婚姻制度ノ起源ヲ探究セントス ノレ者ヲ満足サセノソコトノ・出來ナろ。蓋シ凡ソ祉會ノ制度タノソヤ、 登生ノ原因ナクシプ螢生スノソコトーナイ。此ノ内的ヌ!・外的要 求二基イタ螢生ノ原因ヲ探究スノソコトナクシテ、軍ニソレヲー 人ノ賢轡播シテ権威アノン統治者/指揮命令二蹄シテ了フニノ・、 若クノ・至高至上ノ紳意ノ螢現ナリトシテ説明シテ了フニノ・、婚 姻制度・・吾存人類ノ個人生活ノ上二於テモ、又肚會生活ノ、L二 於プモ、アマソニ、重要ニシテ且ツ直面ノ 制度デアノレヵラデァ ノソ。之ヲ要スノレニ、人類ノ内的叉・・外的要求ガ、統治者ヲシテ 婚姻制度ヲ形成セシムグニ至ツタ關係ニアノレモノデアノンコトヲ 承認スノレ以上ノ・、此ノ内的叉・・外的要求ヲ研究スノソコトナクシ プ、箪二形ノ上ノミノ起源ヲ論ズノソコトノ・、到底吾々ノ堪へ得 ザノソ事二薦スノレ。 〔註〕Bishop ol1もhe Jeremy MaITiage Taylor,s Ring). Works,Ed・1848,P。207(8ermoll Mεぼriage was not originat(xl by 第二章 37 婚姻制度ノ起源 hum我111aw.WhellGodere易ted E亨e,she w乱s易wi驚ofAdam3 they出enandthere・cctipiedthestatus・凸usb出nd加w漉 and w蓑fb Marriage be七ween to husband.,,Grlgsby▽.Rieb,105Tex。597(1913) w鵠貫rst Adam illsもituted by God and E▽e, says乱writer (Ayli艶,Parergon Jurise Canonici Himself on hl par乱dise C抗11011L乳w in1734. Allglic泓ni,p.359.)一 qllotedbyOttoEKoegel,C・mmonI」awMaでriage,P・7・・一 (4) 野攣民族及ビ遺風 A・総読 紳話ヤ傳説ノ傳フノレ所ヲソノ儘二史的事實デアノL!ト考へ、之 二依ツプ、祉會、家族、婚姻ノ起源及ビ其ノ初期二於ケノレ登達 ヲ説明セントスノレ濁断的研究方法二劃シ、科學的二其ノ起源及 ピ螢達ヲ探究シ出シタノ・・、實二第十九世紀中葉珍後ノコトデ アノレ。蓋シ其ノ端緒ノ・一八五八年ノ「チヤーノソス、ダーウヰン」 (Ch乱rles Ihrwin) Dεぽwinフ1809−1882タ ノ進化論(Seleothn T』heory 二開カレ、「{ノソガン」(L』H』Morgan,Ancient 1877)「マツクレナン」(」.E』McLenna11,Studies in of Society, Ancient His七・ry,1886)「ラポツク」(SirよLubb・・k,TheOrigin・fCiv− ihs尉・nandThePrimi七iveConditi・n・fM:an,1889)等二依ツ テ、此ノ進化論ノ理論・・肚會、家族、婚姻等ノ起源登達ノ説明 二慮用セラレ、途二近代二於ケノレ科學的研究方法ノ確立ヲ見ノソ 38 一夫一妻婚ノ研究 二至ツタノデアノン。郎チ諸種ノ野攣民族及ビ未開民族二關シテ 探究スノンコトノ 、是レ師チ文明諸民族ノ脛過シ來レノレ進化ノ経 路ヲ明ラカニスルモノデアノLノトナシテ、幾多ノ野攣民族及ビ未 開民族ノ間二現存スノソ若クハ嘗テ存シタト云7慣習乃至制度ノ・ 帥チ今日二於テハ既二開化シタノレ文明民族ト雛モ其ノ進化登達 ノ階段二於テ、嘗テノ・之ヲ有シタリシモノデアラウ}推論スノレ ガ如キ、若ク・・文明諸民族ノ間二於ケノソ其ノ保守的肚會力二依 ツテ、保有セラルノレ表象乃至逡風ヲ探究スルコトユ依ツプ其ノ 表象乃至逡風二相當スノレ先住民族ノ生活欺態ヲ推論スノレガ如キ ノ・、貌レモ此等ノ學者ノ探リタグ研究方法二外ナラヌ。「マツク レナン」ガー八八六年ノStηdies in Ancient History二於テ、「凡 ソ人類肚會ノ古代史二關スノレ知識ノ主要ナノン源泉ヲ爲スモノノ・ :先ヅ第一二原始状態二在ノン種族ノ研究デアリ、第ニニノ・進化セ ノン國民ガ権利ヲ設定スノレニ當り若クノ・権利ヲ實行スノレニ嘗ツテ 其ノ進化シタ國民ガ使用スノン表象(Symbols)ノ研究デァノレ」ト 述ベラレテ居ノソノノ・、實二此ノ研究方法ヲ摘要シタモノデアノン (lbid,P.1。)・ 例ヘバ、原始時代二於ケノレ人類ハ其ノ性的關係二付イプ、何 等ノ制限拘束ナク飢雑二交接ヲ爲シタモノヂアノソト云フ謹擦ノ ー二、族行家ヤ古代學者ノ逡シタ記録二基イテ、多敷ノ野攣民 族ガ雑婚(Promiscui七y)〔註〕ノ撒態5於テ生活シテ居り、若ク ノ・生活シテ居ツタト云フ事實ヲ畢ゲノレヅ如キ (:Lubbook,The 第二章 Origin of 39 婚姻制度ノ起源 Civilis鳥七io丑,eもe.,PP.54,e七seq.) r註〕PrOmiscuityヲ謬シテ籍婚トナスハ建部趣吾氏ノ繹二依ノレ (同氏普通耐會學第三巻砒會欝學九五頁参照)。或ヒハ之ヲ鰍婚 ト樗スル學者モアル(高田保馬氏一一経濟論叢第四巻一號一二 四頁滲照)。 若ク・・、夫ガ死亡セグ場合二、其ノ妻ハO夫ノ兄弟ノ嫁トナ ノソト云フ「レヴ』イレート』(:Levir勘te)〔註〕ノ制度ノ存在カラシプ 先住民族ノ間二於テ・・、同家族中ノ兄弟ハ、共同ノ妻ヲ持ツテ 居ヅタモノデアノレト云フ即チー妻多夫(Pdy鋤融y)ノ制度ノ存 在ヲ推論スノレガ如キ1皿CLennanヲStheOでyOlthepOlyandriC gin of the Ori− Ievira,士e,_M:cLennan,op,ci鉱p.112sqJdem, ▽f賊eandPoly翻dry, Le一 inF・rtnigh助Revie、Ψ,N.S。xxi.703 sqq.)ハ節チ此ノ研究方法二外ナラヌ。 〔註〕 Levira七eヲ講iシテ中山太郎氏ハ假リニ「逆縁婚1トナス(肚 曾學雑誌第一號「我國二於ケル逆縁婚二就テ」参照)。和田干一 氏モ亦之二從フ(同氏婚姻法論五三頁乃至五九頁参照), 我國二於プモ、此ノ研究方法ヲ探用シテ居ノレ學者ハ、決シテ 少クナイ〔註〕, 〔註コ例ヘバ和田子一氏ガ其ノ「婚姻法論」二於テー定婚論者モ 認ムルガ如ク、或ル種ノ蟹族間ニハ霞し婚ガ現實行ハレテ居タコ 蔓0 一夫一妻婚ノ研究 トハ疑ナィノデアルカラ、此事實二徴スレバ、現時ノ定婚制ハ 原始飢婚制ヨリ進化シタモノト爲ス読ガ有力デァノLト信ゼラレ ルー一ト説カレルガ如キハ(同書二八頁)、若クハ砂川寛榮氏ガ 其ノ「日本家族制度史研究」二於テー予ハ古代ノ著者及近世 ノ族行家ガ未開民ノ翻婚制二就テ語レルコト且ハ今日ノ未開民 聞ニハ古代ノ鰍婚制ノ名残トモ見ルベキ奇習例ヘバ濠洲ヤ「エ スキモー」ノ或部族ガ現B縮1ホ妻貸(Wi免1endlng)ヲ實行シ》 「ハワイ」ノ或部族間ノ轍昏、叉ハ「ニュー・ジーランド」ヤ「ニュ ーメキシコ」二於テ結婚ノ嘗夜花嫁ヲ先ヅ酋長、僧二差上ゲル 風(Juspr呈maenoctis)アルヲ聞キ、殊二今日文明ノ華ヲ以テ 誇レル佛國二於テモ友藝復興期前後マデハー部二此ノ風習ノア ツタコトヲ信ズ(鋳著者二依テ知ラサレタルニ及ンデハ、入類 史ノ最初ノ頁二或程度迄ノ鰍婚ガ書カルベキヲ信ズルモノヂア ルート設ヵレルガ如キ(同書五〇、五一頁)ハ敦レモ此ノ研 究方法二屡スルモノデァラウ。其他之ト同種ノ思想ハ中村彌三 次氏ノ「肚會法學」「早稻田法學第一巻)中VIII・集團婚ノ復活 二於テモ、叉佐野學氏ノ「肚會ノ進化」 (同書八頁)二於テモ 之ヲ窺フコトガ出來ルo 此ノ研究方法二依ノンコトニ就イプモ亦吾々ノ・、躊躇セザノソヲ 得ナイ繋ガアノレ。吾々ノ・或ノソ制度ガニ、三ノ野攣人ノ間二現二 行ノ・レ、又ノ・嘗テ行ハレタト云フコトノミヲ以テー侮二充分 二︑ 其ノ行ノ・ノソノソ若クノ・行ノ・レタ理由ヲ明ラカニスノレコトナク シテー直チニ其ノ制度ノ・、全人類ガ其ノ進化登達ノ階段二於 テ、嘗プ・・之ヲ有シタノソ制度デァノソト推論スノレコト・・、其ノ論 法粗筆ナリト云フベキデ・・アノレマイカ〔誰〕。 第二章婚姻制度ノ起源 4ユ 〔註〕「ウエスターマーク」ハ此ノ鮎二關シ、次ノ如ク述ベラレテ居 ルー一Anerror・fmeむhodwh1ch轍sverypre酬enむ乱n・ong the this evolutionarv school ill those work was wr圭tten,and wrifers,1s the pracもice from prev飢ellce the of of davs which when the i6st111comnlitted infbrrin9,wi亡hout a custom f1rst or edltion by eertaill su伍c圭en亡reaso11, institu伽n乱mollg s翫vagepeoples,orfromf乱c亡sinterpretedassurvivals tha右亡h餐 custom elopmenむwhich or t illsむitution e fs whole溢um&n a relic ra,ce from once of a sむ乱ge some ofit, (》f dev− we11亡出rough。 (Westerm乱rck,・P・cit,v・LLp・19・) 勿論、現存セノ・野攣人・・、今ロノ文明人ガ其ノ原始時代二在 リシ面影ヲ其ノ生活二、叉其ノ習慣二保有シテ、以テ吾々二人 類ノ進化登達二關スノソ幾多ノ暗示ヲ提供シヅツアノレモノデハア ノレガ、而モ人類ノ生活駅態蚊ゼニ其ノ登達2・、其ノ住居セノレ土 地氣候其他諸般ノ事情ヲ無硯シプ之ヲ論ズノレコト・・出來ナイノ デノ・アノンマイカ。叉或ヒノ・、現存セノレ野攣人ガ今日ノ文明人ト 異ナノソ、敏陥アノレ家族組織ヲ有スノソコトザ、其ノ肚會的登達9 シテ不可能ナラシメ、以プ今日ノ野攣状態二在ラシムノレ主要ナ ル原因ヲナスモノニ非ザノレナキカ〔誰〕。 〔言主〕 Hlelen Bosanquet,The Family,Pレ・27夕28・猶ホ「ボザンケ ー」ハ「オーストラリア」ノ土人ノ有スル風習ヨリ推論シテ、 我ガ「アーリア」人ノ組先ノ有シタリシ風習ヲ論謹スルガ如キ ハ、正営二非ズトナシテ、此ノ研究方法ガ有敷ナルガ爲メニハ 42 一夫一妻婚ノ研究 少クトモ、其ノ前提要件トシテ、第一ニハ現存セノレ野蟹人ハ進 化ノ初期メアルモノデアヅテ、i退歩シテ此二至レルモノ(dege− ner翫tes)5非ザルコトヲ明ラカニスルコトヲ要シ、第コニハ、 スペテノ人種ハ敦レモ同一ノ階段ヲ経テ嚢達スルモノナルコト 及ビ同一ノ肚會的現象乃至制度ヲ有スルモノナルコトヲ立護ス ルヲ要スト謂ハレテ居ル。 況シテ、野攣入ノ状態ヲ傳フノソモノトシテ、其ノ引用サレノソ 族行家ノ記録二至ツテ・・、幾多ノ誤謬ヲ含ム場合ゴ極ノテ多イ ノデアツテ、此ノ事ハ此ノ研究方法ヲシテ、盆鑑不正確ナラシ ムノレモノデアル。蓋シ性的關係ノ如キ私事二關シ、軍ナノレ巡 遊者ノ見聞・・、往々ニシテ異常ノ若ク・・偶登ノ (曲norm勘l or 乱ceidenta1)出塞事ヲ以テ、常態ノ風習デァノント誤解スノソ場合モ アラウシ、ヌ族行家ハ此等ノ土地デ奇異二威ジタ家族組織ヲ、 事實以上二誇張シテ報告スノレ場合モアラウシ、更二叉自己ノ薦 スノレ種族二封シ持ツテ居ノレ優越観念・・、時二野攣人二封スノレ輕 蔑、僻見、嫌悪ノ威情トナツテ表・・レ、其ノ結果、野攣人二封 スノレ報告、事實二封スノレ解鐸ガ、幾多ノ曲解ヲ含ム場合モ亦決シ プ少ナクナイカラデァノソ。之ヲ要スノソニ野攣人ノ生活乃至慣習 ヲ、眞實二観察スノレコト・ノ困難、及ピ其ノ観察シタノレコトヲ誤 リナク解鐸スノレコトノ困難ノ・、此ノ研究方法ヲシ允盆ヌ困難ナ ラシムノンモノデア・ウ〔誰〕。以下「ウエスターマーク」ノ比較 i陰討二從ツテ、此ノ種ノ報告ヤ記述ガ、如何二不確實ノモノデ 第二章 43 婚姻制度ノ起源 アツカ、二、三ノ例ヲ以テ之ヲ示サウ〔謁二〕。 〔註i一〕Westermarck,oP.cit。voL工PP,40,41。 Maine,Andent:Law,p,121. B()sanquet,・p・cit,PP,28−31. 〔謎二〕 〜Vesむermarek,op,ciむ.voL工pp.106−124. τサー、エドワード、ベノソチャー・」(SirEdward Belcher)ノ、rア ンダマン」(An面m乱n)群島轟於テハ、男女ノ・其ノ子供ガ乳ヲ 離レノソマデハ同棲シテ居ノレザ、既二乳ヲ離スニ至レバ、彼等・・ 分レテ別々二各存新シイ配偶者ヲ探スト云フ習慣ノアノレコトヲ 述べ:テ居ノレ〔謁贈〕。然シ 「マン」 (EH:.Man) 氏ノ 「アンダマ ンユ島民二關スノン報告二依レ・f、重婚(Big乱my)…夫多妻(P・1y− gamy)一妻多夫(Polyandry)拉ゼニ離婚(Divorce)ト云フコ トノ・、彼等ノ問二・・奄ク知ラレテ居ラナイ。彼等・・嚴絡二一夫 一妻(班onog乱my) ヲ守ツテ居ツプ、夫婦ガー生誠實ヲi蓋シ合 フコト・・、其ノ例外ヲナスモノデ・・ナクテ原期デアノソト〔謡二〕 ロ 此ノ黙二關シ「ボートマン」(皿.V。Portm副氏ノ・朋確二云フプ 居ノレー「ベノソチヤ・一」氏ノ記述・・全ク誤ツテ居ノレ。假リニ彼 ノ云フガ如クデアグトシプモ、其ノコトノ・雑婚存在ノ讃擦ニハ ナラナクテ、寧・短イ持績期間ノー夫一妻婚 (皿0且o鍵mOUS 皿雌iage)ノ存在ヲ聯想セシムノンモノザアノ〆一ト〔註…〕。此 事ノ・「ウエスターマーク」氏モ蓮ベラレテ居ノソ〔註羅〕。 44 一夫一妻婚ノ研究 〔言主一〕 Belcher, SoαLondon,new ⊂言主二=〕 Notes ser。voL ]M〔an, Is1翫11ds,;in oll JouL OII AnthL the the Andaman Is1我nds,;in Tr島n$Ethl】. V.P.45. Aboriginal Inh&bitan撫 of撰、e And翫m易n Inst.vol。xii。p.135。(Westerma、rc『k, 3,ed。,P57、) 〔註三〕 Porむman,History of Our Relatlons with the Andamane− se,P・519. C註四〕Westermarck,3.ed・,1901,P.55! 「クゥヰーン、チヤー・ツト」(Queen Ch乱rlo七te)群島ノ「へ一 ダj人(TheE&id抽)二關シ、「プーノソ」(IF・Poo1隻)氏・・云フテ 居ノソー一彼等ノ間ニノ・婚姻制度ト云フ檬ナモノノ・ナクテ、スベ テノ女子・・同族ノ者(稀二・・飽族ノ者)ト飢難二同棲シテ居ノソ ート〔議一〕。サレド「ジヤコブセン」(」乱cobsen)船長ノ北「ア メジカ」ノ北西海岸二於ケノレ航海記二依レバ、此等ノ慧島ノ士 人ノ聞二於テハ、夫ノ・屡宝其ノ妻二責淫ヲサセノレコトノ・アノレガ ㈹ホ婚姻ナノレモノノ・存スノント〔罷二〕。更二「ヘー菊人ノ中二 十ケ月ヲ過シタrスウオントン」(」,R,Sw&nton)氏ハ、彼等ノ 婚姻二關シテ種々詳細二物語ツテ居ノレー婚姻・・塵三子供グ生 レノレヤ否ヤ取り極メラレノレ。ソシテ叉、實際男ヴ婚姻後二於テ 不貞ナノレニ於テハ、男ノ義母(Mo七ぬer4n4aw〉ハ男カラ亘額ノ 財産ヲ強請スルノデアノソ。若シモ妻ガ不貞ナノレニ於グノ・夫・・… 般二個人的復讐(Person乱1Revenge)ヲナスノデアノソート〔議 第二章 45 婚姻制度ノ起源 三〕。 〔註同P・・1e,QueeRCh乱r1・tむelsl乱nds,P.312. 〔註二〕WoldtフC乱pitain J乱cobsen,s Reise島n der Nordwestk蔵s毒e Amerik我s,PP.20,21,28,etseq。 〔註三〕Sw乱nton,TheHaida,P.50sqq。 「フユージアン」人(丁五e:Fuegi乱n)二關シテ、「フイツ・有 (R』Fi七zroy)大將・・云フテ居ノソー少数ノ女ト多数ノ男トガ共 棲シプ居ノソノデ、雑婚生活ガ存在スノレト思考スベキ理由ずアノソ ート〔謎一「。此ノ鮎二關シ「フユージアン」人ノ間二三十年 間佳ンデ居ヅタ「プリッジス」(Bridges)氏ノ・rウェスタ_マ_ ク」氏二報告シテ居ノソー雑婚生活ヲシテ居ッタト云フ土人ノ 夫婦二關スノソ「フイツ・イ」大將ノ臆説・・誤ツテ居ノソ。姦通 〔Adulter』y) ヤ淫蓉畏 (Lewd』簸ess) ノ・肉慾ノ 1吉ガ彊烈ナ爲二覆き3 行ノ・レノンコトデ・・アノアガ、決シテ夫叉・・妻若クノ・親ノ同意ヲ得 テ行ノ・レノソノデハナク、』叉此等ノ行爲ノ・悪行・トシプ責メラノレノン 所デアノレート〔闘=〕。 〔註一〕 ofthe King&11d Fi右zroy,Narraむive Adventure and Beagle, of the sur▽eying Voyages voLii.1L182・ 〔註二〕Westermarck,oP.cit.vo1.1.P.119・ 以上述ベタノレ他、「スマトラ」ノ「ノレブ」人 (丁五e:Lubus of 46 一夫一妻婚ノ研究 Suma七ra)「スマトラ」島ノ西海岸沖二在ノレ「ボツギr Poggy) 島ノ島民、「ボノレネヲ」(Borneo)ノ「オ・、オ』人(TheOloO七) i其他二、三ノ種族、「セレベス」(Celebes)ノ東方「ぺ一リング」 (Peling)ノ山地住民及ピ「マラツカ」(皿alacca)ノ「オラング、 サカイ」人(TheOrangSak&i)「オラング、セマング』人(The Ora,:ng Sema皿9フ「オラング、ゼノー」人(The Ora,ng 關スノレ「ウ〃ソケン」(G・A・Wilken,Over het huwelilks−en erfrecht PP20,82五〇七e・) es, biJ senberg volkon ノ宰艮告ノ・C・A・Va,B vaR 二 ver鴨ntsG塩p en he七maleische臨s, Ophuijsen ( De Loebo− inTijdschriftザ・・rindischetaal一,1乱nd−env・lkenkunde,v・1・ xxix.97sq.)」・hnαisp( Poggy dle de Benua,) Isla、nds,,in (Der Asiatick mal町isc:he (H&ndleiding Nederla,塾dsch bij Aee・u且t・{thel曲bi七繊七s・fthe de Rese&rches,voL Arc:bipel,p,199,〉 beoefening der vi。87sg.)H.Ro_ 」.」.H:olland.er Iand−en volkenkunde van Oos七一lnd.i6シi。(工895)p.615。)σA.L玉∫。Schwa,一 ner(B・fnesi.230,23h・殉皿。deαercq(Bil伽gent・tde ke画sde賀esidentieTernate,P.131〉皿ikluch・・Maclay(6Eth− nological Asi編ic Excursions in Soc.Str抗its Asi曲Soc.S七raits the 〕〜lalay Peninsul乱,, in Jour。 Bra阻ch,no.ii.215.)Maxwell(JouL Br乱nc五,m Roy・ Roy, i.112。)W.W。SKeat(Account oftheBriもishSet七lementsintheSt翻もs・fMぬcca,ii,379.〉 工)r・Rudolf 皿ar七in (Die I貧夏andst翫mm(}der]M[alayisehen Ha1一 第二章 47 婚鯛制度ノ起源 binseLp。8磁sq.)EVaug1】髄Ste▽ens(皿&七erialienzur:Ke− n丑七nissderwildenS愉nme挑ufderHalbinselM泓lakaii.132.) E.A.Swet七e油am of in some of the ( Wi丑d Jour.Roy。Asi&tic CompaTative T血bes Vocabu臨ry of七he Dialec七s i駐ぬabi七ing伽M勘1購n:Peninsule,, Soc・Straits Br勘Bc五,no・v.156) 等ノ宰浸 告ト全ク相違シテ居ノレ。叉「ジ・一、チュー・ン」(Giraud−Teulon) ノ引謹スノン「ダッパr(0』D勘pper)氏ノ:Bomw王國二關スノソ 記述ノ・ (1)escriptioゑde1,Afrique,P.223,)「ポスト」(A。H:,Post) 氏ノ述ベノレ所ト甚ダシク齪灘シプ居ノレ(Post,A館k&五ische J陥 spru伽z,i・304)〔議〕, 〔註〕嘗テ中村彌三次氏ハ「北「アフリカ.」ノ「アウゼァン」人二 就テハ、「ヘロドートス」ニヨツテ、「エチオピア」ノ「ガラマ テ」入昌就テハ「プリ・二一一」ニヨツテ、「アイノレランド」ノ「ケ ルト」入及ビ「アラゼア」人二就テハ「ストラボ」ニヨツテ其 等ノモノガ何レモ、動物ノ薙群二於ケル如ク、無規律ナノし性的 生括ヲナシツツアリシコトガ、確實二告ゲラレテヰルコト述ベ ラレテハ居ルガ(早稻田法學第一巻同民1肚會法學二付テ」一 九頁)「ウエスターマーク」氏ノ比較検討二從ヘバ中村氏ノ云フ ガ如クニ「確實二告ゲラレタ」モゾデモナイ。詳細ハ同書参照o 此ノ他 「ウェスタ 一マーク」氏2・、雑婚ノ欺態デ生活スノント 云ノ・レテ居ノレ種族二關シ、一々比較槍討ヲ試ミラレテ居ノレノデ アノレガ、然シ私ガ此庭二此種ノ記述ヲナス目的ハ、野螢人二關 48 一夫一妻婚ノ研究 スノン報告ガ、極メテ不正確ノモノデアノソコトヲ示スコトニアノソ ノデァルヵラ、コレ以上、例示スノソノ煩雑ヲ避ケノソ。タダ最後 轟︑ 彼ノ有名ナ團騰結婚説(TheoryofGroup−M灘ri嬉e)ノ重 要ナ基礎ヲナス所ノ英國宣教師始リマー、フイゾン』(Lorimer ∬ison) ノ南 「オーストラリア」 ノ土人「カミラロイ」(Ka・mil乱一 roi)族〔謡一〕轟關スノレ報告二付イプ槍討ヲナスニ止メノン〔註 二〕、 〔註一〕此ノ種族ハ1ーシドニー」(Sydney)ノ北方「ダーリング」 (Darli119)河流域二・注ミ、其ノ用フル言葉ハ「カミラロイ」語 デァル(Morgan,AncientSociety,p.48)Q 〔註二〕Westerm翫rck,oP.cit.voLi。PP。115。/16.vo】。iii.PP. 258−261.Morg乱11,0p.cit.pp.47,eむseq. αE.Howard,AHistoryofM漱imoniall臨itu右ions,vol. LPP・7α71, Bosan竃u(む,・P・cit・PP。28,29・ 1 ubbock,OP.PP・71・72・ 蓋シ「フイゾン」ノ記スノレ所二從ツプLubbock Civilisation,p.84 sqq。ノ Morg乱n(in his and Howitt,K乱milaroi乱nd Kurmi,P. 10.) das Recht der Aus七ra1皿eger,,in vit34・4,)Kovalewsky (Ta・bleau kOrigin Introduction,to K.ohler of Fison (・Ueber zei七schr・f.verg1.Rechtswiss. des origines de la,fa・m皿e,P. 13町)等ノ多敷ノ學者ノ・、「オーストラリア」ノ野攣人ノ間二 第二章 49 婚姻制度ノ起源 於プ・・、男ノー團ガ女ノー團ト事實上結合シテ居ノント主張シ〔謡 一〕更二進ンデ・・、之ヲ以テ全人類ザ通過シタノレ婚姻進化ノー 階段ト観察スル 二至1レノデアノソカラ〔詩1ニ〕「フイゾン」ノ言己述 ヲ正確二理解スルコトハ、婚姻進化史上頗ノン重要ナノレ問題タル ヲ失ハヌカラデアノレ。 〔言主一〕Westerm乱rck,ol、cit.vo1.iii.P.258。 〔註二〕 「モルガンJハ此ノ莞貼二關シテ、次ノ如ク明言シテ居ル The£amilyヌcommellchlg in the consanguiIle,fbunded upon tbei・}tem】乱rriage・fbr・thers乱ndsistersinagr・up,passed 圭n古・thesec・nd魚rm,thepIm乱lu乱n、lmder我s・ci&1sysカe皿 akinむ・もheAusむrallanc1包sses,w漉hbr・keup右he盗rsむspe− c1es・fm乱rriagebysubs伽伽ggroups・fbr・むhersw五〇sh乱red theirvivesincommo・〕,andgroups・fsis萱erswhoshared their むhe hlsb乱nds coIn nlon,一m我rnage grouP.._。.._.。For about ugh 1n to it be these ill reasoRs presented,(ieserves泓ttentive carries lls into a low grade of both the cases beillg Allstrali乱n in system, consi(ier乱tiol1ヲ田tho− hほman li君e.1むreprese_ 1・tsastrikingPhase・fthe鋤clents・cia1List・ry・f・urrac軌 (Mor望n,oP・cit・P・48)Q「ラボツク」モ亦次ノ様昌云ハレテ 居ル。 The communal marriage sysむem・9,_(中略)…… representstheprimitiveande乱rliestsocialco・1diもi・n・fman ._。.(.1」ubbock夕oP.cit.P.79.See &1亀o ibi(i.PP。71.72)o琢酋ホ 我國二於テモ、高橋溝吾氏ハ其ノ蹄洲肚會制度嚢達史二於テ「最 近敷十年來、我等ハ眞摯ナル學者達ノ賞賛スベキ努力、就中「オ ーストラリア」ノ炎熱}闘ヒ終始憂ラザル親切ヲ盤シテ土人等 50 一夫一妻婚ノ研究 ノ信頼ヲ受ケ途二其ノ目的ヲ貫徹シタ「エー、ダブルユー、ホ 御一ウィット」氏、「ロリマー、 フイソン」師「ρボールドウィン、スペ ンサー」教授及ビ「ギレン」氏等ノ偉大ナル貢獣ニヨリテ可ナリ 正確二原始人ノ生活欺態ヲ知悉スルニ到ツタ。爾ホ、コレラ學 者達ノ叙述ハ、「アメリカ、インディァン,ノ研究二於テ原始人 ノ杜會カラ族長祉會ヘト嚢達シツツアル種族ノアルコトヲ登見 シテ十九世紀二於ケ,レ優秀ナル科學的産物ノーツト認メラレタ トコロノ、カノ「古代杜會」ノ著者「リウィス、モルガンJ氏ノ 砺究ニヨリテ有盆二補足セラレテヰル」ト述ベラレテヰル(同 書一六、一七頁参照)Q 「フイゾン」ノ・其ノ著K挑milaroi a,nd Kumai二方全テ、「カミラ ・イ」族ガ其ノ親族關係ヲ表ノ・ス爲メニ使用シテ居ノレ言葉ガ、 幅ノレガン」ノ所謂階級鋼度(Classi£ca七・rySystem)二属スノレ モノデァノレコトヵラシテ、「ヵミラ・イ」族ノ婚姻ノ・共産的(C卜 1 mmmユa)ノモノデアツテ、或ノレ部族ノ』匝分二属スノレ凡プノ男 子ト、他ノ麗分二属ス・同年代ノ凡テノ女子トガ、理論的ニノ・ 共同シテ婚姻スノレモノデアノレト云フ結論ヲ導キ出シテ居ノン(lb− 1d.P.50)。此ノ事ノ・「ノ・ウイツ』(A・W・Eowit七, N醐ve TribesinSo11七h−Eas七Austr翫1ia,,in:恥lk−Lore,xvii.189)「スペ ンサ of 一」及ゼ「ギレン』(Spe迎cer&nd Central Gille:n,T:he:Native Tribes Austr我1i&,PP,57一一59)ニヨツテモ亦認メラレテ居ノ% B。TkeC1編ssi丘catorySystem・f:Relati・nship. 婚姻制度ノ起源 第二章 5■ 元來、父トカ子トカ兄弟トカ姉妹トカノ親族繕呼・・、ソレニ 封鷹スノレ實際ノ若クノ・蓋然ノ (Ac七u乱l or Probable)血族關係ヲ 示スモノデアノレトナシ、更二進ンデ、其ノ使用スノレ親族稽呼ガ 階級制度(CI我ssi且c挑tory System of Rela七ions五ip)二属スノレモノ ナノントキニ・・、其ノ先住民族ノ間畠ハ共産的結婚(Commun81 皿a面age)又ノ・團騰的結婚(Group Marri購e)ガ存イ1齢シタモノ デアノレト云フコトヲ、推断スノレコトガ出來ノント云フ思想2・、「モ ノソガン」ノ研究二於テ始メテ顯箸二現ノ・レ of Cons畠nguini七y Quo七ed from and A僅ni七y o垂七五e (Morgan,Systems Hum,a:n.:Family,p.488. Westerm窃rck,op.cit.v・Li p239)廣ク學界ヲ風 靡スノンニ至ツタ〔註〕, 〔註〕我國二於テモ西村眞次氏ガ「父母ト同一年輩ノ人々ヲ親シン デ呼ブ場合ニハ、子供達ハヨク「赦父サン」「叔母サン」ノ語ヲ 用ヒ、叉自分蓬ト同一年輩、或ハ同一地位ノ人々ヲ呼プ揚合ニ ハ「兄サン」・「姉サン」ノ語ヲ用ヒノ㌔コレハ云フマデモナク 群婚(Group Marriage)ノ痕跡デアル。_(中略)一一・群婚ハ ツマリ個婚ノ行ハレル前二存立シタ制度デ、文化人ノ間ニハ今 日其ノ跡ヲ縄ツテ居ルケレド、言語ヤ慣脅ノ上ニハ今日モ爾ホ ソレガ残存シテヰルノデアル」(同氏文化人類學一三三頁一三四 頁参照)ト述ペラレルガ如キ、其他中村彌三次氏ノ「肚會法學 二付テ」五二頁以下参照。「エンゲルス」ハ此ノ鮎二關シデ次ノ 如ク明言シテ居ラレルー「バリー」限近デ嚢見サレタ有袋動 物(Marsupi泓lia)ノ骨骸カラシテー今ハ縄エタル有袋動物デ 52 一夫一妻婚ノ研究 ハアルガー嘗テハ貰ノ地方二其ノ有袋動物ガ棲息シテ居ツタ コトヲ「キュヴ アー」 (Cuvler) ガ推論シ得タノト、同ジ程度 ノ確實サヲ以テ、吾々ハ歴史的二傳承サレ來タ親族制度カラシ テー今ハ縄エタル家族形態デハアルガー嘗テハ其ノ親族制 度二勤慮スル家族形態ガ、存在シタモノデアルコトヲ推断スル コトガ出來ル(Engels,The 一一ト。債1ホ Slr Or玉gin ofthe Family,e七c.,P.37⇒ James(先Fr乱zer(To霊em…sm i.303,304,501;ii.69sqq.)JosefK:ohler( in Os七afrika,;in ZeitsehL£vergL alld Exogamy, DasBanむureGhむ Rechむswiss.▽oL xv㌔p.13,) モ亦此ト同一ノ見解ヲ探ツテ居ラレル。 「フイゾン」し・ウイツ㌧「スペンサー」「ギレン」ノ・軌レモ此ノ 思想二影響サレテ居ノレ〔謎〕。 〔註〕Fis…andH・witt,KamilaroiandK:umai,P.50. Howit七,5N我tive Tribes hl South−E包st Australl泓,,il1]『olk−Lore, xv韮.189. Spencerand(}illen,NativeTribe§・fCentra1Australia,P・59・ (Quoted f「om Weste「marckヲo群ci㍍w)1.1.p.241) 蓋シ「フイゾン」ノ叙述スノン所・・、決シテ「カミラ・イ」族ノ 間二、團禮結婚ガ現在行・ レプ居〃コト(present grOUP−ma贈i我ges)二關ス〃モノデノ・ナイ。彼 existence of 自ラ云フテ居ルー 一親族關係ヲ表・・ス爲メニ現在使用シテ居ノソ言葉/、意味スノレ 通ワノ親族關係ガ、現二存シテ居ノレ種族ヲ知ラナイ。現在行ハ レテ居ノレ慣習ハ、何庭二於テモ、言葉ガ意味スノレ所ノ親族制度 53 級形形反不家ヲ者表㎏雌コbD ︑從レリテトシコ リ進ス血有ガ︑︑︑的葉トシ來き テ ︒撤タシコ輻〃 ヨト達︑ヲ織ノ動言脚り出血 剛糠静訣μ川謝騰齢鮨︑ 難簾彊疫繍血Pげ伽 デ59︒存テ在題推 ヨ現ッ㎝シ ヲ一グト 高歩〃族シ根テ︵ガm︑7ル 残秒燗蜘野.吻搬灘へ匡鰍鉱射縣隊軸殉踊﹂脚諸︸ 葉居制コノ︑/關考家随騰不帥進於的︒性o古㎝ 言ハ級パト上イ族ノノ一一形テ鞠〃二動〃績叩ハP ︒シ テル 階テ 居〃 コ事 實ハ ナテ 血否ヤ 〃 人類 ス一ノ 淡シ 葉て シタ タ時 ハ能 デケ ト持 蛤伽 五々 ロ㎡ 砧 据赫励ル齢帥げ卿卿田勘藤乳︑梧鵡妙潴耐鐡脚乳㎞ シヲ︑行推﹂モヨナ﹂トハッハ織牝チノ不圃イe 齢囎題ノ乳ル妙欝蟷嚇鰹愈押壊鯉漿卿調階㎜垂跳 撚錨幕鷺飽購騰添灘糠穐帥鰍賄融囎㎜ 物1㎝ノツ存問ヲ・恢級キ︒一ハノ化後ヲs皿ル妙 糧 齢耐饗卸蔽説論塙諸㌦慶教縣蝕㎎露 度取y騰ノ形テノ得肚ヨヨイ血シ的ノ族 ㎎推倣 繭 甜個晦欄饗欄岬麹囎御刃㎎講躰耗漉叶曲齢㎞ 婚姻制度ノ起源 第二章 54 一夫一妻婚ノ研究 iolns drawn from七}1e f乱c七s,舳d h泓s p∫eserved and brought for_ w副獄ecordof&ncientsocie七ywhc1・otherwisewouidh&ve been entirely lost to humεしn knowledge.(皿organ,Ancie:n七Soc− ieもy,p・408)一蓋シ血族關係ヲ表・・ス言葉ノ・、ソレガ設ケラ レタノレ當時ノ家族組織二於ケル、實際ノ ノ (Actua1)若ク・・蓋然 (PTob乱ble)血族離係ヲ表示スノレモノデアノレガ赦二、ソレ・・ 叉、ソノ當時二於ケノレ婚姻ノ形膿ヲモ示スモノデアノレカラデア ノレト (lbid,pp,398.401−403。407−409.4i1.444.)ぐ 斯クシプ、「モノレガン」ノ・入類進化ノ過程二於テ、血族關係ヲ 表!・ス言葉二、三種ノ異ツタ組織(Tl・reedistbtsys七emsof CO聡韻guinlty)アノレヲ登見シ、之ヨリシプ、之二劉慮スノレ重要 ナノレ三種ノ婚姻形禮ノ存在ヲ推論シタノデァノレ〔謎一■註二〕。 〔註一〕Ibid.PP.393。394.409. 〔駐二〕 「モルガンJハ此ノ三種ノ婚姻形催ノ他二、二個ノ婚姻形禮 豊ロチ(1)T1}eSyndy段smi乱110rPairingFamUy(1禺女昏家族)(2〉 The Pa面archa1:Family(父擢的家族)ノ存在ヲ認メテ居ノレ・ 然シ「モルガン」二從ヘバ、コレラハ中間的(三ntermediate)ノ モノデアツテ、從來存シタ血族關係ヲ表ハス言葉二 憂更ヲ與 へ若クハ新タナル言葉ノ組織ヲ、創設スノレ程マデ㍉人類二重 要ナー般的ナモノデハナカヅタ(lbid.P.394)。從ツテ血族關係 ヲ表ハス言葉ト、婚姻ノ形盟トノ關係ヲ、論述セントスル者ニ トツテハ・暫ラク此ノニツノ形罷ハ・之ヲ除外シテ観察スルガ 便宜ナコトト,思フo 第二章 55 婚姻制度ノ起源 「モノレガン」ノ云フ、三種ノ異ナノレ血族關係ヲ表・・ス言葉ノ組 織ト、ソレヨリ推論シタ三種ノ婚姻ノ形騰トノ關係ヲ、分説ス レバ、大髄次ノ如クデアノレ。 1.「マレイ」式ノ親族構呼(丁加Mal町蹴System of Cons&卜 guiniもy) 此ノ親族繕呼ノ・「ボリネシア」人(The:Polynesians)ノ中二、 殊二「ハフイ』人(TheEawaiian)ノ中二於テ、典型的二行ノ・ レテ居ノレ。帥チ 「・・ワイ」人ハ自分自身ノ子ヲ其/息子、娘ト 呼プノミナラズ、自分ノ兄弟姉妹ノ子ヲモ亦同ジヨウニ息子、 娘ト呼ゾ。ソシテ自分ノ父母ノ兄弟ノ・自分ノ父ト同様二、之ヲ 父ト呼ゼ、父母ノ姉妹ハ自分ノ母ト同様二、之ヲ母ト呼ゼ、自 分モ亦父母ノ兄弟姉妹カラ子ト呼バレテ居ノソ。部チ人ノ・其ノ爾 親ノ凡プノ兄弟姉妹ノ共同ノ子トセラレテ居ノソ。從ツテ自分ノ 父母ノ兄弟姉妹ノ子ノ・、自分ニトツプ自分自身ノ兄弟姉妹ト同 様二、兄弟姉妹タノン關係ヲ有スノレコトニナノン。從ツ允叉此ノ親 族欝呼ノ下二於プノ・、伯叔父母、甥、姪.從兄弟姉妹ト云フ様 ナ観念 ・存スノソ鯨地ガナイ。勿論、現存ノ婚姻形式カラ生ズル 實際ノ血族關係ノ・、此ノ親族稽呼ノ意味スル所ト2・、一致シグ ノ・居ラナイ。 「モノソゴン」・・此ノ親族欝呼ヨリシテ、之二到鱈スベキ、兄弟 各自・・其ノ姉妹ノ全部(姉妹、從姉妹、從々姉妹、從々々姉妹 タノソトヲ問ノ・ズ、1葡クモ姉妹タノレ關係ガ認メ得ノソ範園二属スノソ 56 一夫一妻婚ノ研究 凡テノ姉妹ヲ含ム)ヲ妻トシ、叉姉妹各自ハ其ノ兄弟ノ全部(兄 弟、從兄弟、從々兄弟、從々々兄弟タノソトヲ問・・ズ、筍クモ兄 弟タノレ關係ガ認メ得ノソ範園二属スノソ凡テノ兄弟ヲ含ム)ヲ夫ト スノレト云フ多夫多妻制ノ婚姻ノ形式ノ存在シタリシコトヲ推論 シテ〔謎〕此ノ家族組織ヲ丁五e Cons汕guine:Family(血族制家 族)ト名ヅケタ。「モノレガン」ノ・云フテ居ノレー現今二於テノ・、 最低級ノ野攣人ノ間ニスラ、此ノThe Consa㎎マine:Familyノ 婚姻ノ形式ノ・存シナイノデノ・アノソガ、此ノ種ノ婚姻ノ形式ヴ存 在シタリシコトヲ、假定スノレニ非ザレバ、此ノ 「マレイ」式親 族稽呼ノ因ツテ生ジタ理由ヲ、説明スノレコトガ出來ナイノデア ノソト (MlorganヲSJ7stems of Consa,nguinity a,nd A錫nity of七he Human1『amily,P・488)。蓋シ前述ノ親族稽1呼ダ示スガ如クニ 自分ノ兄弟ノ子ヲ自分ノ子ト呼ブ以上、自分ノ兄弟ノ妻ハ、自 分ノ妻デモアツタト云フ即チ、兄弟ヅ其ノ妻ヲ共有シタリシ生 活ノアツタコトヲ信ぜシムノレシ、又自分ノ姉妹ノ子・・自分ノ子 トナサレテ居ノソ以上、自分ノ・自分ノ姉妹ノ夫デアノレ。叉同穣ニ シテ、自分ハ他ノ自分ノ姉妹ノ夫デモアノソ。斯クシテ姉妹ハ、 其ノ夫ヲ共有シタデアラウ。 之ヲ要スノレニ、此ノ蒔代二於ケノレ婚姻ノ形式ハ、兄弟姉妹(從 兄弟姉妹、從々兄弟姉妹等ヲ含ム)デアノソコトガ、當然二相互 間二夫婦ノ關係ヲ作リ田スモノデアノレガ故二、租父母ハ輯父母 ノ列ニアノレ自己ノ兄弟姉妹ト相互二夫婦デアリ、父母ハ父母ノ 第 二 章 57 婚姻制度ノ起源 列ニアノレ自己ノ兄弟姉妹ト相互二夫婦デァリ、自分ノ・自分ノ列 ニアノソ自己ノ兄弟姉妹ト相互二夫婦デアリ、自分ノ子ハ自分ノ 子ノ列ユアノソ自己ノ兄弟姉妹ト相互二夫婦デアリ、更二自分ノ 孫・・自分ノ孫ノ列二7ノソ自己ノ兄弟姉妹ト相互二夫婦デアノソト 云フ標5、婚姻ノ範園ガ世代(Gener醐ons)ニョツデ匿分サレ タ多夫多妻 制ト云フコトニナル。 〔註〕「モルガン」ハ此ノConsanguine 謹スルニハ、親族構呼(System of l恥milyノ存在セシコトヲ Consanguillity)二依ラザ ルペカラズトナシ、更二Consanguine:Family Sysむem ofCons泓11guin1ty レテ居ルーlt(The トMa1町an トノ關係晶關シテ、…欠ノ如ク述ペラ Malayans』ystem ofcollsanguinity)defines もherel乱tionshipsthatwouldexis七inaconsanguine鉛milyl 翫hditdem乱ndstheexisten(℃・fsuch我魚milytoacc()untfor itSOWnexiS亡enCe。MOre・ver,1tprOVeSWithm・r乱ICert乱inty the existellce of a cons飢19uine£amily when the s》s七em was £・mled.(lbid,PP410.41L) II, 巨,ラン』式ノ親毒突構四乎(The Tur&11ia,n Sys七em of Consa− nguini七y)。 此ノ親族欝呼ノ・、「アメリカ』土人ノ間二一般二行ノ・レ、叉南 印度ノ「ドラヴィデイア」語(Dr我vidianlanguage)ヲ用フ〃土 ,入ノ間ニモ塚テノ、レ、更ニオヒβP度/ 「ゴーラ」語(G我ura Iangua,ge) ヲ用フノレ土入及ゼ「オーストラリア」土人ノ間二於テモ、多少 58 一夫一妻婚ノ研究 i攣更ヲ受ケタ形二於テ行ノ・レテ居ノン。即チ「ツラン」式親族構 呼ノ下二於テモ、男ノ・自分ノ兄弟ノ子・・、之ヲ自分自身ノ子ト 同標二、息子、娘ト呼ピ、ソシテ此等ノ者モ亦彼ヲ父ト呼ゾノ デ・・アノレゴ、自分ノ姉妹ノ子ノ・、之ヲ息子、娘トノ・呼ノ ズシテ、 甥、姪ト呼ピ、此等ノ者モ亦彼ヲ父トノ・云・・ズシテ、伯叔父ト 呼ブノデアノレ。女モ亦自分ノ子ノミナラズ、自分グ姉妹ノ子ヲ モ、其ノ息子、娘ト呼ゼ、此等ノ者モ亦彼女ヲ母ト呼ゾノデハ ァノレザ、自分ノ兄弟ノ子ハ、息子、娘デノ・ナクテ、甥、姪ト呼 ピ、此等ノ者モ亦彼女ヲ、伯叔母ト呼プノデアノン。從ツプ兄弟 ノ子同志若ク・・姉妹ノ子同志ハ、互ヒニ兄弟姉妹デノ・アノソガ、 兄ノ子ト其ノ妹ノ子若ク・・弟ノ子ト姉ノ子ト・・互ヒユ兄弟姉妹 デノ ナクテ、從兄弟姉妹トナノレ。 「モノンガン」ノ・此ノ親族構呼ヨリシテ、之二封鷹スベキ婚姻形 式ガ、存在シタリシコトヲ推断シテ、此ノ婚姻形式ヲ『プナグ アン.ファ」イ」(The Pu翻u船:Family〉ト欝シテ居ノレ。「モノレ ガン」二從一バ、人類進化ノ過程二於テPu丑aluan翫milyノ・ Cons鋤9uine Family二次イデ出現シタモノデアノレ。ソシテ其ノ 進歩・・、自分ノ肉身ノ兄弟姉妹〔誰一〕間二於ケノン婚姻關係ノ存 在ヲ、排除シタコトニアノレ/(lbid・P・43勘〔註1二〕。蓋シ此ノ親 族欝呼ノ下二於テ・・、男ノ・自分ノ兄弟ノ子ヲ白分ノ子ト呼プガ 故二、兄弟ノ・共同ノ妻ヲ持ヅプノ・オツタガー從ツテ、妻ノ・其 ノ夫ノ兄弟ニトツプモ亦妻デァリ、其ノ夫ノ兄弟・・悉ク彼女ノ 第二章 59 婚姻制度ノ起源 夫デ・・アパガー自分ノ姉妹ノ子ノ・、之ヲ子ト呼ノ ナイ以上、 自分ノ姉妹ハ、最早、彼ノ妻デノ・ナイト推測デキノレカラデアノレ。 叉女・・自分ノ姉妹ノ子ヲ自分ノ子ト呼プガ故二、姉妹ノ・共同ノ 夫ヲ持ツテノ・居ツタガー從ツテ、自分ノ姉妹ノ夫・・悉ク同時 二自分ノ夫デノ・アノソげ一自分ノ兄弟ノ子ハ、之ヲ子ト呼バナ イ以上、自分ノ兄弟・・、最早、彼女ノ央ヂ・・ナイト推測デキノソ リ ハき カフプア レ ○ 〔註一〕 弦二自分ノ肉身ノ兄弟姉妹トハownbrothersa,ndsis七ers ノ繹デアツテ、colla七eralbrothersalldsisters帥チ從兄弟姉妹 そ楚、々兄弟女市妹等;二封スπモノニ他ナラナぞ○要スルニ、今日ノ 観念ヲ以テスレバ、前者ハ兄弟姉妹ニシテ、後者ハ兄弟姉妹ト 同列二在ル從兄弟姉妹等ヲ指スモノデアル。 〔註二3 「モルガン」ハ此ノ Consallguhle Family カラPunalu蹴 F乱milyヘノ進歩ノ原因ヲ・次ノ如ク読明シテ居ラレルー Fromもhis first fbrm to the secolld the tr批nsition 乱de▽elopmel1亡飾m翫Iower量nto島ぬigher through observation improvable human mental and alld exper1ence. moral It qnaHties was soci乱l was a which natural= condition resuIt belong of to the the species.(lb…d。p.4r5) III.「アリアン」式ノ親族欝呼(丁五e Aryan System of Con− sanguini七y)。 以上述ベタノソニツノ親族聡呼ヲ、「モノレガン』ノ・CI我ssi丘ca七〇ry Sys七emofRel醐onsh加ト呼ピ、之二封シテ、此ノ「アリアン1 60 一夫一妻婚ノ研究 式ノ親族欝呼ノ・、之ヲ:Descrip七ive Sys七em(♪f Relatioぬsl・ip ト 呼ンデ居ノン。蓋シ此ノニツノ間ニノ・、極メテ根本的ナ差異ガ認メ ラノソノレカラデアノソ。帥チC1勘ss迅ca,t¢y SysもemofRe臨tio盈slip ノ・或ノレ人ト或ノレ人トノ間二於ケノレ親族關係(Rel葡on曲ip)ヲ記 述スノレモノデノ・ナクテ、.輩胤或ノレ人ト或ノレ範疇(Ca七egory) 二 属スノソ凡テノ人々(群)トノ關係ヲ記述路ノレニ止マノレ。從ツテ其 ノ表示スノレ所ノ・Group−Rel甜onshipsデアノレ。斯クノ如キGr− oup−Rela七ionshipsヲ表示スノレ制度ノ・、其ノ起源ヲGroup−Mar一 τiage二持ツテ居ノソモノデァノソトナス(T:heonlyre&sonableand prob&ble iS exl)1ε』na七ion t比誌it OrigiIIated of such,a in乱SyStem system of grol1P−rel乱tionships O蚕grOUp−m勘rriε』ge.Seρ,Fr乱Zer, op.ciも.二。303.304、5()1。)。之二反シテDescriptiveSys七←mof Rela七ions五ipノ・、常二或ノレ人ト或ノレ人トノ聞二於ケノレ穀族關係 ヲ記述スノソ。從ツテ、此ノ親族欝呼ザ行ノ・レノレコトヲ得ルカラ ニハ、ソコニ必ズヤー男一女間二於ケ・レ箪一婚姻(Single 置iages beもweon single pa三rs) ma一 ガ存セネバナラヌトナシ、「モ〃 ガン」ノ・此ノ種ノ婚姻ヲTheMono望mi細:Family(一夫一妻麓 家族)ト呼ブ「モノレガン」・・「ツラン」式ノ親族繕呼二代ツテ、 「アリアン」式ノ親族聡呼ガ起ツタ理由ヲ、婚姻ノ形式ガPuna1− uauFa,milyヨソMlonoga,mi乱n:F&mil;yヘト進化シタ爲メデア ノソトナシ、更二此ノM・no9泓mi肥:臨milyノ起源ヲバ、人類ノ 財産観念ノ曇達ヘト結ピツケプ説明シテ居ラレノレ (lbid・pp・ 第二章 婚姻制度ノ起源 6■ 398.3991。 之ヲ要スル 二・「モノ1/ガ』ン」ノ・Ma,laya・nSys七emo至Consa,nguinity ヨリシプCo:ns&nguilne:Family ノ存在セシコト、即チー群ノ中 二於ケノソ兄弟姉妹ノ關係アノン者ノ間二、團騰的結婚ノ行・・レシ コトヲ推 テ 論シ、次二Tum益捻nSysteln :Puna,lua,nEa,mily ofConsanguinityヨリシ ノ存在セシコト、 即チー→群ノ中二於ケノン 妹妹ガ、各自ノ夫ヲ共有スノレ若ク・・一群ノ中二於ケノレ兄弟ゴ、 各自ノ妻ヲ共有スル團騰的結婚ノ行ノ・レシコトヲ推論シ、最後 二 Ary&n :Family System of Cons泓nguinity ヨ リシテ Monogami乱n ノ存在スノソコト、帥チー男一女間二於ケノレ濁占的同棲 (EXClusiveCO1〕乱bit勘tio皿) ノ俘フト女昏姻ノ牙テノ・レシコトヲ推論シタ ノデアノレ。 以上記述シタ「モルガン」ノ學説・・、廣ク學界ヲ支配シ、幾 多ノ追随者ヲ出シタコトノ・、餅述iシタ通リデアノレガ(51頁墾照) 叉他方二於テ、之二劃シテ有カナノレ反封論モ現ラ・・レタノデア ノン。就中Westemlarckヲ始メW.R』R.Rivers(照ns血ip Soci飢Organi温tion,工』ondon.1914)Andrew gins肌d Primal I」ang and (Sooi飢Ori− Law,London,1903)N.W。丁五〇mas(Kinship Org&nis&七ions a,nd 1906)及ビG.E Howard Group (A 麹[ε』rri島ge His七〇ry in Austr窃lia,C&mbridge, of〕匪飢rimonia,11nsti七u七一 ions,C五icago,1go4)ノ・其ノ有カナノレモノデアラゥ。 先ヅ其ノ主要ナノソ非難・・、「モノソガン」ガ階級制度二薦スノン親 62 一夫一妻婚ノ研究 族樗呼 (The nOmencl乱tUre鱗Of t1しe claSSi翫ah堀SyS志emS Te1翫tion曲ip)・・當然二實際ノ血族關係ヲ表示スノソ制度(A of sys− temofblood−ties)デアノソトナシ〔謎〕親族穣呼ガ、果シテ血 族關係ヲ表示スルモノデアノレカ否カノ黙二關シテノ・、何等探究 ヲ試ミヨウトシナカツタコトニ・加ヘラレノレ!。 〔註〕 「モルガン」ハ此ノ鮎二關シ、其ノAncientSociety,p.403 二方杢テ次ノ如ク1主張セラレテ居ルーCohse併研el1亡!yt五ethree systems (出ree むhree費》rms as the existed £act of of m翫rriage∫ could betweell ective1}へIt systems be and tbey known,もhe persons w皿be colls我nguinity) lmder geek actua,l these fbrms to 乱re魚unded upon expres3,乱s near relatiollship which of resp− seen,therefbre,tha,むthey m乱rriage do not res仁upoa naもure,buむuponmarriage;noむuP()n館it1onsconsideraもions, butupo・丑魚cむ;乱ndthaむe呂ch玉ni右stumis乱10gical乱swell 段struthfulsystem,…・ト。Seeals・H・w我rd,・pcit.v・1。i。 1).7(瓦 此ノ黙二關シテThoms氏 ・血族關係lcons組guinity)ト親族 關係(Kins五ip)トノ・、其ノ性質上明ヵ二之ヲ逼別スノンコトヲ要 スト説カレテ居ノソ。蓋シ血族關係ハー二出生(b描h)二依川モ ノデアノソガ、親族關係・・法律若ク・・慣習(The of the Iaw or custom co撮munity)二依ノレモノデアツテ、即チ前者・・生理學上 ノ事實((Physidogical fact)デア〃二反シ、後者ハ趾會學上ノ ・事實(Sooiologica1翻ct)デアノソカラデアノレト〔謎〕。 第二章 〔註〕 63 婚姻制度ノ起源 Thom3s,oP・c瓶PP・3.4.9歌 此ノ爾者ヲ観念上匠別スベキ例トシプ・・、吾々・・母系親族制 及ピ父系親族制ヲ撃ゲノソコトガ出來ノレ。蓋シ母系親族制ノ行ノ・ レタノレ時代ニアソプ・・、親族ナジヤ否ヤハ、母方ノ系統二依ツ グノミ定メラレ、後代、父系親族制ガ行ノ・ノレノソニ至レバ、父方 ノ系統二依ツテノミ、親族ナリヤ否ヤガ定メラノソノソニ至ルノデ アノソガ、其ノ血族ナリヤ否ヤト云フコトニ關シテノ・、母系親族 制ガ行ノ・ノレノソト、父系親族制ガ行ノ・ノレノレトニ依ツグ何等ノ差異 ヲ來サナイカラデアノソ。別言スレバ、或ノン肚會二母系親族制ガ 行・ レテ居ノレカ、父系親族制ガ行ハレテ居ノレヵト云フコトノ・、 或ノソ入ト或ノレ人トノ間二親族關係アソヤ否ヤト云フコトニ關シ テノ・、影響ヲ及解スモノデ・・アノレガ、或ル人ト或ノン人トノ間二 血族關係アリヤ否ヤト云フ・トニ關シテ・・、何等ノ影響ヲ及ボ スモノデノ・ナイノデァノレ。 更二英法二於プ、非嫡出子(lllegitimate child)〔註一〕ヲ「親 ナシ子」(飢us皿ullius)i・ナシナガラ、而モ他方二於テ非嫡出子 ニモ近親相婚禁止 (Prohibitions o{皿arriage between ne証 lRelatives)ノ原則ガ適用サレノソ理由二至ツプモ〔註二〕吾々ノ・ 親族ト血族トヲ匝別スノンコトニ依ツタノミ、之ヲ理解スノレコト ガ出來ノンノデアノレ。彼ノ「イングランド』法ノ「Once always a a bas撤d bas七ard』ノ主i義ト「スコツト』ランド」法ノ準正 (Leg一 64 一夫一妻婚ノ研究 iti・nationpθ㌍8?668θg%e%8伽傭伽o箆伽?z)トヨリ生ズノソ敷果ノ差異 ノ如キ、亦同機ニシプ始メテ理解スノソコトげ出來ノソデア・ウ。 〔註一〕111egitimatechUd若クハBa甑rdハ從來「私生子」ト鐸 スルガ如クナルモ、寧ロ「非嫡出子」ト云フガ至営二非ザルナ キカo 〔註二〕 Reg.v.Brighton.(1861)30LJ・M・C・197・臼Pチ裁判所ハ 夫ガ其ノ亡妻ノ姪トナシタ婚姻ヲ無敷ナラシメタノデァル。而 モ此ノ事件二於テハ、姪ノ母ハ亡妻ノ母ノ非嫡出子二過ギナカ ツタノデアルQ從ツテ亡妻ソ姪ト云フモ、亡妻カラ観レバ、實 ハ自分ト父ヲ異ニスル非嫡出子タル姉妹ノ娘(D翫u911ter illegitimate of halfsister)ト云フニ外ナラヌノデァル。之ヲ英法 ノ立場ヨリ観レバ、亡妻ト非嫡出子タル其ノ姉妹ノ娘トノ間二 從ツテ亡妻ノ夫ト其ノ娘トノ間ニモ、伺等ノ親族關係存スル筈 ナク (A 翫nd h翫s basむ翫rd Iega,ily is no c(msidered kindred by tLe excepもhis hw to owll be f伽8盟腕%8, descendanむs。)從ッ テ叉其ノ間二、何等ノ禁婚親族關係(Relati・nsh呈p within the ProhibltedDegrees)ハ存シナィノデアルガ。而モ他方二於テ、 其ノ姪ノ母ハ亡妻ノ母ヲnaturalmotherトスノL鮎二於テ、姪 ト亡妻トノ間二血族關係(伯叔母i姪トノ關係)ハ存スルノデ ァル。爾ホW.P。Eversley,The ti() s,1)p.77,78.590。591.E L翫w,BK hw of the Domestic:Rela− Jenks,Digeトt(♪f Eng1.Civ. I▽,§1855・』参照o 場上述ベタノソガ如ク、親族ト血族トノ・凝念上匿別スベキモノ ナノソニモ拘ノ・ラズ、「モノレガン」ガ親族制度ヨリシプ、直チニ血 第二章 65 婚姻制度ノ起源 族蘭係ヲ推噺シタノ・・、正シイ論法ト・・云ヘナイ。現二「モノン ガン』自身ノ説明ノ中二於テモ、親族欝呼ザ血族關係ヲ表示ス ノレ!モノデナイコトヲ、裏書シテ居ノレ鮎ガ少クナイ。例ヘバ子ノ・ 何人げ果シテ自分ノ父デ アノソカ不明デアノレカラ、自分ノ父タリ 得ノレ可能ノ男子ノ・、スベテ之ヲ父ト呼ンダト云アコトハアリ得 テモ、自分ヲ現二生マヌ女例ヘバ母ノ姉妹ヲモ(前掲親族稽呼 比較表参照)母ト呼プト云フコトハ、帥チ親族欝呼ガ、實際ノ 血族關係ヲ表示スノソモノデナイコトヲ、明カニ物語ツテ居ノソモ ノデナケレバナラヌ。別言スレバ、「モノレガン」自身「母』ト云 フ欝呼ガ、母タノソ實際ノ血族關係ヲ表示セザノソベキコトノァノソ ヲ認メテ居ノソノデアノレo 親族繕呼ノ起源ガ、血族關係ノ表示二存セズトセバ、其ノ起 源如何ノ問題二關シテWestermarck(His七〇rユe七軌,vol・i・PP・ 21,e七seq.Seeals・ldem,田heOriginandDevel・P・nent・f 七heMorallde&s,vol.ii。PP.197,e七seq・〉』Rivers(Kins五ip・ etc.,P.1.) (Kinsぬip La,ng (SoGial Origins.e七c.,PP.102・103.) Organisations・etc・,PP.122.e七 年齢及ピ話者(spe誌eリ seq・) ノ・、 Thom乱s 軌レモ性、 ノ相手方二劃●スノレ肚會的地位等ガ、其 ノ親族構呼二重大ナ影響ヲ及ボスベキコトヲ説カレテ居ノン。殊 ユ『ウエスターマータ』ノ・、父トカ母トカ云フ様ナ言葉ガ、子 供ノ最モ容易二螢音シ得ノレ音(sounds)カラ組成サレノレ場合ノ 頗ノレ多キコトヲ、「プツシユマン」(」.G・瓦Buschmaエm)敏授ノ作 66 一夫一妻婚ノ研;究 ツタ多敷ノ國語二於ケノソ父母ト云フ欝呼ノ比較表ヨジ推論シテ 居ラレル〔謁〕。 〔註〕Buschmann教授ハ、多激諸國ノ父母ト云フ構呼ヲ比較シタ後 二、凡ソ父ト云フ構呼二、四ツノ典型ガ存スルト述ペラレテ居 ル。印チ盟,ta,ap,at,ガ是デアル。之ト同時二、母ト云フ欝 呼ノ四ツノ典型ハma,na,乱m,al1,デアルー但シ塵ニヨツ テハ、之ガ全ク正反野ニナツテ、例ヘバ「イザベル」(Ysabe1〉 ノ「マハガ」(Mahag乱)語デハ父ヲ「ママー」(mam乱) ト呼ビ 南「インド」ノ「ツルヴァ」人(TheTuluvas)ハ父ヲrアム メー」(乳mme)母ヲ「アツペー」(appe)ト呼ンデ居ル(See Wester鵬rck,oP.cit・▽oL i・PP.242。243)一一而シテPreye で 教授二依レバ、由來pa一餌,ma−ma,tata,即a,ama,a幅,ト云 フ音ハ、人ガ息ヲ吐セ出ス時・唇又ハ舌デ吐キ出スノヲ妨グタ 時二、ヒトリデニ出テクル音デァルト(Seeldem,DieSeele des Kindes,p.321)o 此ノPreyer教授ノ説明ト前掲Buschmann教授ノ畢グタ父母 ト云フ構呼ノ四ツノ典型トヲ比較スルトキ、父母ト云フ構呼ノ 起源二關シテ、何等カノ暗示ヲ得ルコトガ出來ヨウQコノ四ツ ノ典型二屡セザル例ヘバ、父ヲ「リフ」(L漁)語デ「カカー」 (Kak我)ト云ヒ、「バラデェア」(Baladea)ノ「ドール」(D賜uru) 語デ「チチャー」(ChiGha) ト云ヒ、「マレー」語デ「チャァチセ ー」(Chacha)又ハ「チェッチェーJ(Cheche) ト云フガ如キハ、 人種ニヨツテ、或ル音ヲ出スコトニ關シテ・難易ノ差ガアコト ニ結果スルモノデアルト、観察サレ得ル場合ガ少クナイ。爾ホ 1 ubbock/ Origill ofCivihsation pP,346−350 ノ父母ト云フ樗呼ノ比較表ガ掲ゲラレテ居ル。 一モ止七ノ種 第二章 而シプ幼見ノ片言 (babble 婚姻制度ノ越源 of 67 i蚕翻ts〉二由來スル親族欝呼 ノ・、幼兜ガ大人ニナツプモ、幼見ノ時二使ツタ親族欝呼ヲ其儘 二用フノソデア・ウシ、1叉父トカ母トカト云フ言葉ガ、幼兇ノ片 カタ 言二其ノ起源ヲ有スノソモノトスンバ、其ノ言葉二深イ意昧モア コト ロ:ウ筈ガ ナイト述ベラレテ居ノン (「Westermεぱck,OP・ciしvoLL PP.24・2−246)。勿論fウエスター一マ・一ク」氏ノ・、スベテノ親族 欝呼ノ起源ヲ斯クノ如クシテ、説キ去ロウトスノレ者デノ・ナイコ トノ・固ヨリデアノレ〔罰巨〕。 〔註〕 lbid。vol.i.PP・251・252. 前述シタノレ論難ノ他、(1)「モノンガン」ノ云フガ如クニ、階級 渕度二驕スノ・親族欝呼ガ、血族制又ノ・團燈制結婚ノ、嘗グ存シ タリシ謹振デァツプ、其ノ痕跡ガ言語ノ上二残存シプ居ノンモノ デアノレト云フコトヲ主張シ得ノレヵラニノ・、少クトモ共ノ前提要 件トシテ、吾存・・斯ノ如キ共産的結婚ノ状態ノ下二生活シク居 ツタ.人々ト錐モ、尚ホ今昌ノー夫一妻婚ノ下二生活シプ居ノレ人 人ガ持ツク居ノント全ク同様ノ意義二於ケノレ「父」「母」「姉妹』「兄 弟」「息子』「娘』等ト云フ観念ヲ持ツテ店ツタコトヲ説明セネバ ナラヌノデアノン。而カモ此等ノ親族關係ヲ表ス言葉ノ・、「モノンガ ン』自身モ示スガ如クニ、階級制度ノ下二於テノ・、極メテ不精 確二用ヒラレタノデアツプ、此ノコトノ・L鋤g氏ガ云ツプ居ノン 68 一夫一妻婚ノ研究 ガ如クニ〔謳〕共産的結婚剃ノ下二在ノン人々・ト、一夫一妻制ノ下 二在ノレ吾々ト・・、同ジク「父」『母」「姉妹」「兄弟』「息子」「娘」ト 云フモ必ラズシモ其ノ意義、観念ヲ同ジウスルモノニ非ザノソコ トヲ示スモノニ外ナラヌノデハアノレマオカ。 之ヲ要スノレニ、「モノレガン」氏ノ學説ノ・一夫一妻制ノ下二於ケ ノン「父」「母」「姉妹「「兄弟」「息子」「娘」ト云フ観念ガ、直チニ共産 的結婚制ノ下二於テモ、存シタリシコトヲ、何等ノ説岨ヲ試ミ ノレコトナクシテ、推断シプ議論ヲ進メタ黙二於プモ非難セラレ ネノ寧ナラヌノデァノン。 〔謡〕:Lal19氏ハ吹ノ如ク云テ居ラレルー一一〇ur relationsh1ps etical could s醸ge of lloむenter cul加re the whell huI忍乱1i nobody ideas m玉ndアa,t kllew who the is ofむhese hypoむh− who alld the血ypo右hesisiswreckedonthadacむ.(lbid,PP.102,10&) (2)更二Kroeber鍛授及ピ:Dr』Rivers二從へ・寧〔註〕「モノンガ ン』ガ』爲シタ親族關係ヲ表ス言葉(termsohelationship〉ノ組 織二、根本的二異ナルニツノ別一Classi丘catory 』Relations:h1P ト Descriptive System of Sys七em of Re籔tions姐p〜アノソコ トモ、非常二怪シクナツテ來タ。此ノ事ノ・「モノLげン」ノ學説 ニトツテノ・、誠二重大ナ事柄デアノレ。蓋シ「モルガン」ノ・Group− Re1乱tionships ヲ表示スノンC1島ssific乱七〇rySystemofRel&tions五ip ノ・、其ノ起源ヲGroup−Manねge二持ツテ居ノレモノデアノレトナ 第二章 69 婚姻制度ノ起源 スカラデアノグ。 〔謡〕:Kr・eber, Cla蕊圭伽むorySysむems・fRe1乱ti・11shlP, inJ・u孔 Roy・Anthr.lnst.xxxix.P。77. Rivers,KinshipandS・eia10rg我nisati・11・P.76sq。 Kroeber敷授二依レ・ 、ス(ミテノ國語ガ軍一ノ欝呼ノ下二、 親等ヲ異ニシ、種類ヲ異ニスノソ多数ノ親族ヲ配合スノソモノデア ツテ、濁リCl泓ssi倉catory System o£:Rel乱tionship二属スノレ親族 総呼ノミニ關スノン特性デノ・ナイノデアノン。例一バ英語デbr・ther ト云フトキハ、 兄ヲモ弟ヲモ含ムノミナラズ、男ノbrotheでタ ノレト女ノb麟herタノントヲ匠別スノレモノデ・・ナイ。叉英語ノ cousinト云フ言葉ハ、三十二個ノ異ナツタ親族關係ヲ表示シテ 居ノソト 鑑二於テカ、DescriPtive Sys七em of Rel醐o且曲ipノ特 色タノL/descriptiveナノレコトノ・、Classi貴cl油orySystemofRelat− onship ノ叙述スノレトコ・ト、何等異ナノン所ガナクナツテ來タ ノデアノソ O 更二「モノンガン」ノ學説二依レバ、父系親タノレト、母系親タノント ヲ雇i,別セザノレ制度ハ、ソレラヲ囁別スル制度ヨリ、ヨリ右イモノ デアノソ。蓋シ後者ハ前者ヨリモ親族關係ヲ表ス言葉ガ、豊富デ アノソヵラデアノレ。果シテ然ラパ、父ノ兄弟姉妹ヲモ、母ノ兄弟 姉妹ヲモ、同一二類別スノン現代英語ハ、父方ノ伯叔父母ト、母 方ノ伯叔父母トヲ匠別スノソ「アング・、サクソン』語叉ハ「ラテ 70 一夫一妻婚ノ研究 ン』語ヨリ、ヨリ古イモノデアノレト云フコトニナラネバナノソマ イ〔謎〕。鼓二於テカ、rモノレガン』ノClassi£ca{orySystemof Rel勘tionship ヨ リ Desclip樋ve System o{Rela櫨onsh1P ヘノ進化 ノ中二見出サレタ原則ノ・、至・ク破壌セザノンヲ得ナイノヂァノレ。 〔莚〕Westermrckヲop.ciL vo1.L p・24α 以上記述シタノレザ如クデアノレヵラ、親族關係ヲ表ノ・ス言葉ヨ リシテ、婚姻ノ形式ヲ推断スノソト云フ「モノレガン」ノ學説・・、決 シプ正シイ基礎ノ上二立ツテオノムノモノトハ云ヘナイ。從ツテ「モ ノレガン1ノ學説5影響サレプ記追シタ「7イゾン」「・・クイツト」 「スペンサー」「ギレン」ノ「オーストラリア』ノ土人二關スノレ報 告モ亦、決シテ正シイモノトシテ、之ヲ信ズノソコトハ出來ナイ ノデアノレ。現二「クノレ」(EM:.Curr) Ma,thewノ マツチー一∫(Rev・John ノ・此等ノ報告ト全ク異ツテ、「オーストラリア」 二於 プ・・過去二於プ、男女ガ雑婚生活ヲシプ居ツタト云フ謹糠モ存 シナケレ・ 、叉現二難婚生活ヲシプ居ノレノヲ、未ダ嘗タ見タコ トモナイ。寧・其ノ反封コソ、著名ノ事實デアノン。團騰的結婚ノ 存在セシコトヲ假定スノレニ非ザレバ、説明スノレコトノ出來ナイ 事實若クノ・言語 (linguis七ic express・・n)ノ・、タダノーツモ存シ ナイ。寧ロ團盤的結婚ノ存在ヲ假定スノソコトニ依ツノ、却ツテ 之ト矛盾スノレ事實ガ、幾多モ存スノ・ト述ベラレテ居ノ艇註〕。 第二章 〔註〕 Curr,The Mathew, The 7■ 婚姻制度ノ起源 Aus古rali乱n Australian R&c③voL i。pp.126.142. Aborigines, in JouL蹴d Proceed. R・y.S・αNewS・uthW乱le筋v・lxxiii・P・4Q4・ (Quoted£rom Westermarck) H・冊rd.Grosse.Bosan似uet就レモ、此ノ説明ヲ是認セラレ テ居ノ疫謎〕。就中、「グ・.セ1・・之ヲ以テ最低級ノ肚會ニモ、術 ホ家族ノ・存スノレモノナリトノ説ノ根篠トナサレテ居ノン。 〔註〕HQw我rd,Hi。む・ry・fM蜘m・n量allns亡iむit呈ons,P・70・ Grosse.DleFormen schafむ, P. 4・2。 derFamilieund (Quoted fωm die FomenderWirth− Bosan(luet) Bos mquet夕 The :Family,P。29・ 以上述ベタノソガ如クヂアノレヵラ、吾々ハ巡遊者ノ野攣人二關 スノレ報告ヲ資料トシテ、研究ヲ進メ得ノソガ爲ニノ・、少クトモ多敷 ノ豊富ナノソ資料ヲ有シ、自ラ此等ノ資料ヲ相互比較槍討スノレノ 蝕裕ガナクテ・・ナノ〆マイ。蓋シ其ノ量(q聰n砒y)二依ツテ、多少 ナリトモ其ノ質(qu乱h七y)ヲ償ヒ得ノソノ機會ヲ得ンガ爲デアノレ。 僅カノ此種ノ報告ヤ記述ヲ資料トシテ、誇大ナノレ結論ヲ婦納ス ノソコトノ・、吾々ノ勤メテ避ケネバナラヌコトニ驕スノン。 次二、表象若クノ・遺風ヲ研究スノレコトニ依ツテ、ソレニ封懸 スノントコ・ノ過去ノ人類ノ生活形式ヲ、推論スノソト云フ研究方 法ハ、從來多敷ノ學者二依ツテ探用セラレタモノヂアノソコト・・ 72 一夫一妻婚ノ砥究 既二之ヲ述ベタ如クデ2・アノレグ、自分トシテノ・、此ノ研究方法 二依ノレコトニ就テモ亦躊躇セザノンヲ得ナイ鮎ガァノレ。蓋シ表象 ヤ逡風ガ、人類ノ文明ノ起源ヤ其ノ初期ノ登達二關シ、極メプ 重要ナノソ研究資料デアノソコトノ・勿論デ♪・アノソガ、此ノ研究方法 ヲシテ誤ラシムノソモノ・・、常二吾人ノ臆測ノ加・ソソコトデアノレ コトヲ思・・ナクテノ・ナラナィ。郎チ文明諸民族ノ聞轟現二保有 セラレテ居ノレ逡風乃至表象ヲ解繹スノレニ鴬ツプ、多敷ノ野攣乃 至未開ノ民族ノ間二現存スノソ航態ト結ビ付ケ、以テ首尾一貫セ ノレ系統、誘明ヲ立プント企ツノソげ爲メニ、弦二多クノ想像臆測 ヲ加昧セネバナラヌ畠至ノレ!ノげ、此ノ研究方法ノ脇り易キ黙ヂ アノレト云ハネバナラナイ。 C。Pre・N嘩i窺1Unch島stiもy・ 例ヘノ桓ボスト」(A.EP・st〉2・、其ノ著DieGrundlagendes Rec血ts,p・187二於テ、未婚男女ノ私通ヲ許ス慣習ガ』、低級民 族ノ間二廣ク行ハレテ居ノレト云フコトカラシテ、人類ハ原始痔 代二於テノ・、一般二雑婚生活ヲ爲シテ居ツタモノヂアノソト云7 事ヲ推論シタノソガ如キノ・〔註〕即チ此ノ研究方法二騰スルノデ アノレ。蓋シ未婚男女ノ私通ヲ以テ、原始雑婚ノ遺風(R磁cs Primi七ive PromiSGui七y) 〔註⊃Quoted£rom of デァノ1/ト解繹スノレ5アノソカラデアノレ。 Westermarck,op ciL vo1.L n12a Seealso 第二章 ibid (3rd 73 婚姻制度ノ起源 edit。),p.61. 勿論、吾々ハ未開民族二於テ、男女ガ婚姻前二爲ス私通、淫 奔(Pre−NUP七観恥ch&s乞ity)ノ實例・・、幾多之ヲ持ッテ居ノy 〔騒一〕。然シナガラ是ヲ以テ、斯ノ如キ私通、淫奔ザ、低級民 族ノー般的特徴(Auniversalch&racteristicofthelowerr&ces〉 デアノレト考ヘプノ・ナラナイ〔謎二〕。 〔註一〕此ノ實例二關シテハWestermarck,Origill and DeveloP− mentoftheム∫o鳳ldeas,v・ljL422sq%滲照 〔註二〕Wes亡er鵬rck夕oP.clむ.voL L PP.13&1鎗Idem,Origln,: etc.,v・!。ii.PP。424.425. 蓋シ吾々ハー方二於テ・・、極メテ淫奔ナ低級民族ヲ多数有ス ノレト同時二、又他方二於テノ・、結婚前二爲ス男女ノ性交ヲ、極メ テ稀有ノ事柄トスノソ且ツ之ヲ以テ、不面目 シ若クハ犯罪 (disgrace)ナリト (磁me〉ナリトシテ庭罰スノソ低級民族モ亦多数 存スノレカラデアノソ。W憾ermarck・・此ノ種ノ低級民族二囑スノy 南北雨「アメリカ・インド』人、「シベリア」人、「マレー」騨島及 ピ「ニュ・一・ギ ニア』 ノ原住民、 「オーストラリア」及ロピ』「アフリ カニノ土人等多数二亙リテ廣大二且ツ詳細二記述セラレテ居ノソ 〔誰〕。 〔註〕Westermarck,・P.cit.v・Li。PP.139・e七seq,1dem.Origin, 74r 一 夫 一 妻 婚 ノ 研 究 etc.,vol.ii.PP。425.etseq・ 今弦二、二、三ノモノヲ其ノ例示トシテ揚ゲレバ、例ヘバ北 「アメリカ.インド1人二屡スノソグリーンランド」人(TheGr研 enlanders)二關シテ、「エゲーヂ」(H凹s:Egede)ノ語ノレ所二依 レノ 、rグリーンランド,二於テノ・、未婚婦人・・既婚婦人ヨヲモ 貞淑ヂアノソ。自分ザ「グリーンランド』二満十五ケ年住ンデ居 ノソ間二、婚姻スノソコトナクシテ子洪ヲ得タ若イ女・・、二、三人 二過ギナカツタ。蓋シ斯ノ如キコトノ・、最大ノ不名碁 gre&test (The ofinf蹴ies)トセラレテ居ノレカラデアノソ〔謁〕。 〔言主〕 Egede,Description of Greenl翫ndヲp.141.(Quo亡ed from Westermarck,oP.eiむ,vol.i・P・141.) ヌ「ウイノレケン」(G・A.Wilken)ノ報ズノソ所二依レバ、マレ ー」(臨1ay)群島二於ケノレ「ニィアス」INi我s)二於テノ・、未婚ノ 女子ガ姓娠スレ・ 、其ノ女及ピ其ノ女9口説キ落シタ男(sedu− ce「)〜、共二死牙哩声庭セラレノソ〔註〕。 〔註〕 〜Vilken, PlechLighe(1en en gebruikell b茸 verlo▽1ngen huwelijkellb導dev・11{env我ndenlndi亀cbenArchipel, :B石dr翫gell toむde幅al・タ1跳ud・en sch−Ina驚,seL volkeakunde v。vo1。iv.434sq墜(Quoted OP.ciLvoLLp.145)Q v乱n fヤom en il1 Nederland− Westermarck, 第二章 又「ムーア、ダヴィス」(Moore 75 婚姻制度ノ起源 Davis) ノ語ノン 所二・依レノ 、「オ ーストラリア」土人ノ聞二・・、男女聞昌淫奔關係ノ・滅多二存シ ナイ。此ノ事柄二關スノソ彼等ノ法律、就中New Sou協Wales ノ法律ハ、極メテ嚴重デァノソ。野宿スノレ場合ニハ、スベテノ若 キ未婚男子ハ自ラ其ノ端ノ方二位置ヲ占メ、既婚男子ノ・各其ノ ハシ 家族ト共二其ノ中央部ヲ占メノレ。ソシテ未婚男子ノ・娘及ピ既婚 婦人ト雑談スグコトヲ許サレナイ.此ノ規定ヲ犯シタ場合二關 スノソ制裁ノ・、被害部落ノ者二依ツプ課セラノソノソ場合モアノソシ、 叉違犯者自身ガ自己ノ罪ヲ購・・ンガ爲メニ、比較的短距離カラ 五、六人ノ戦士ガ投ゲタ各敷本ノ槍ヲ、軍二楯若ク・・棍棒ヲ以 プ、防ガネ・ ナラヌト云フコトニナツテ居ノレ場合モアノソト〔謎〕。 r註〕MooreD&vls,AboriginesofVictoria,ii.1λ318.(Qu・ted £rom Westemarck,oμit.vo1。i.pp.149。150.) 更二「ムンヂンガr(W。皿unzi丑ger〉ノ報ズノン所二依レ・ 丁アフリカ」ノ「ベニ、アマr人突The:Beni 、 Amer)二於テノ・、 既婚婦人・・如何ナノソ事ヲ爲シテモ差支ヘナイト思ツプ居ノソガ、 未婚婦人・・極メテ貞實デアノ〆。ンシテ、若シモ娘ガ結婚セズニ 母トナレバ、其ノ娘、其ノ父及ゼ其ノ子供ハ皆ナ殺サレテ了フ ノデアノソ。之ト同穣ノ習慣ノ・「マレア』人(The:Marea)ノ中 轟モ存スノy〔註〕。 7b 一夫一妻婚ノ研究 〔註〕Munz…nger,ぐ)sta蝕anischeStudien,P摂243,322,326. (Quoむed£rom Westermarck,oP.ciL voL i.P.154)Q 以上述ベタノソガ如クデアノγカラ、淫奔若クハ不身持ト云フ事 ヲ以プ、野攣人ノー一般的特徴デアノント考ヘプノ・ナラナイ。寧ロ 其/反劃コソ、眞實デアノン様デアノソ。蓋シ野攣人ガ淫奔的ナ風 習ヲ持ツニ至ツタコトノ・、開化入ト接鯛シタト云フコトガ、多 ク・・其ノ原因ヲナシプ居ノンモノデァルト云フコトヲ示ス多数ノ 報告ガアノソノミナラ.ズ〔註〕 〔註コWestermarckハ此ノ種ノ報告ヲ多敷集メテ居ラレル(lbid. voL L pp.127,eむseq.)。今其ノニ、三ヲ例示スレバ、「エドフ ード、ステッ』7エンス」(Edward Stephens)ノ、南rオーストラリ ア」ノ「アデレード』(Adelaide)卒原二嘗テ桂1ンデ居ツタ蟹族 二關シテ語ツテ居ルo 「原則トシテー之ニハ例外ハナイガー 一黒色人ハ・白色人ノ殖民地トハ離レテ佳ンデハ居ルガ、白色 人ノ中ノ不行跡ノ者ハ・土人ト近ヅキ、ニナラウト非常二努メ ル。其ノ目的ハ專ラ不1道徳ノモノデアル・・.・σ……。私ハ狸褻化サ レナイ獄前カラ、土人トー所二居ッテ、能ク彼等ヲ知ッテ居ツ タ._・・_…彼等ガ現在持ツテ居ル悪行ノ殆ンド全部ハ、白色人 ノ傳ヘタ不道徳ト、白色人ノ傳ヘタ酒二基クモノデァルト、私 ハ確信シテ漸言スルコトガ出來ル」ト(畿ephehs, of Aαstralia,,in JouL Aborigines RoJ、SoαN.亀W乱les,xxiii。48α)o 叉「ヴアンクノf−」(G㌔Van{30uver)ガ「クッケJ(Cook) 二「サンドウィツチ」(Sandwich) ト共 諸島ヲ訪問シタトキニハ、 婦人ノ間ニハ淫奔ノ檬予ハ殆ンド見ラレナカツタ。然ルニ籔年 第二章 77 婚姻制度ノ起源 ヲ脛テ、再ビ彼ガ其ノ諸島ヲ訪問シテ見ルト、婦入ガ淫奔デア ルコトハ極メテ目立ツヤウニナツテ居ツタQ彼ハ此ノ攣化ノ原 因ヲ、外國入トノ交際ノ結果二露シテ居ル(Vancouver,Voy− age of Discoveryヲi・171s級・)o「ボーナペJ(Ponap6.C泓roline ls1泓nd$)「タッナ」(』nna.NewH:ebride鼠)ノ嬬人ガ其ノ貞淑 ヲ失ツタノモ亦同様ノ影響ヲ受ケタモノデアルト云ハレテ居ル (Waitz−Gerl翫11d,Antもopologie der Naturvδlker,voL肌p島ii 108。Brenchley,」・ttingsam・ngtheS・u亡hSealsl乱nds,P・208・) 叉「パワース」(S倉eph窃nPowers)ノ報ズル所二依レバ、「カリ ホルニア」(Califbrnia)ノ「ヨーカット」人(丁五eYoku七)ハ、 現在デハ未婚ノ男女ガ極メテ放縦デアルガ、「アメリカ」人ノ 移住シナイ前ハ、比較的操正シクァツタト云ハレテ居ル(Pow− ers,Tribe30f(ヲalifbmia,P.381.)。 更二「クウヰー一ン、チャーロツト」 (Qlleen シ、「ジャコブセン」般長(鉱ptaill Charlotte) 島民二關 Jacobsen)ノ語ル所二依レ バ、島民ノ今日ノ堕:落ハ、實二前世紀ノ中葉、批ノ地二來タ探 金鑛夫(gold diggers)ノ誘致シタモノデアルト(Woldt,Cap− i面n s Jacobsen Reise an der Nordwestk荘ste Amerikas,p. 28)。 未婚男女間二於ケノレ貞節叉・・不貞節(IPre−nuptial c:h乱s七i七y Or unchas砒y)ノ問題・・、結婚期ノ高低二依ツテ非常二影響サレノソ モノデアノソコト 〔騒一〕 ト、文明ノ進歩ノ・結婚期ヲ遅延セシメ、 加フノソニ燭身者ヲ増加セシムノンモノデアノンコト〔謡=〕 トヲ綜 合考察スノソトキノ・、性的關係ノ放縦ノ・一タトヒ、ヨリ高尚ナ ノソ道徳的威畳ガ或ノソ程度マデ、情慾ヲ制御スルトノ・云へ一文 78 一夫一妻婚ノ研究 明ノ進歩スノレニッレテ、其ノ放縦ノ度ヲ増シテユクモノデアノレ 駈考ヘラノソルカラデアノン。別言スレバ、春情登動期ヲ以テ結婚 期トナスコトノ出來ノソ非開化民族ト、春情登動期ト結婚期トノ 聞二、非常ナ距離ヲ置クベク蝕儀ナクセラノレノソ開化民族トヲ比 較スレバ、婚姻前二於ケノソ私通乃至淫奔關係・・.非開化民族二 件フ必然ノ固有ノ現象ニノ・非ズシプ、寧・開化民族ノ間二登生 スノソ可能性ガ、ヨリ多ク存スノソノデァノレ。而シテ既二開化民族 ノ間二登生シタ此等ノ現象ガ、開化民族殊二情慾不溺足者ノ多 キ船員移民等ヲ経テ、非開化民族一ト傅承シタモノデアノレト. 麹察サレノン場合げ極メテ多イノデアノレ。 〔言主一〕此ノ事ヲ裏書スル統計ハ幾多存スノレ。Westermarck二依 レバ、隊洲ノ都市二於テハ、婚姻ノ敷ガ減少スルニ從ツテ、蓮 二淫費(Pr・sむltuti・n)ハ塘:大スル(肌Oettingen,:M・r乱1。taもis右ik, 餅199216.)Q又「エンゲル」(Enge1)及ビ其ノ他ノ學者二 依ツテ、婚姻ノ敷ガヨリ少イ年ニハ、非嫡出子ノ出生ノ割合ガ ヨリ増加スルト云フコトガ示サレテ居ル(lbid.1).327.)。 〔駐二〕 李沼淑郎博士「経濟ヨリ観タル婚姻法」一法學志林第十 三巻二號。拙著親族法概論一五六頁乃至一五八頁滲照Q 之ヲ要スルニ、婚姻前二於ケノレ淫奔ノ・人類進化ノ過程ノ或μ 階段二於テ、主トシテ妻ヲ得ノ・コトノ困難 procu:直ng a (丁地di螢cu1七y of wife)ナノy事情ヨソシテ、起ツタ現象デアツテ、入 類原始状態二件フ必然ノ現象デ・・ナイノデアノソ。從ツテニ、三 第二章 婚姻制度ノ起源 79 ノ低級民族ガ婚姻前二於プ極メテ淫奔デアノソト云フコトヲ以テ 人類一般ノ原始時代轟於ケノグi雑婚ノ遺風(A relic・f翫primi七ive COnditiOnOfgeneralprOmiSCUity)デアノソトシテ、説明スノソコト ノ・、決シプ正シイ解繹デアノソトハ云ヘナイノデアラウ。況シテ ニ、三ノ低級民族ノ間二行・・レプ居ノレ婚姻前ノ淫奔ト原始雑婚 トハ、全ク其ノ性質ヲ異ニスノレモノデアノソヲ思ハバ、一暦其ノ 推論ノ正シカブザノレヲ、信ぜザノソヲ得ナィ。 從ツテ叉、非開化民族ノ男女關係ガ放縦デアノレノノ・、其ノ倫 理観念ノ低級ノ爲メデアノソト爲シ、倫理思想〆登達ノ・、能ク開 化民族ヲシテ、雑婚状態ヨリ婚掴制ヘト進化セシメタモノデァ ノ吟云フ説明二封シテモ、亦自分ノ・前述ノ理由二依ツテ、之二 賛同スノソヲ得ナイ。殊二近時性慾學者ノ説明スノレ非開化民族ノ 性慾ノ・却ツグ交明人二劣ノレモノデアノレト云フコトヲ思ハバ、非 開化民族ガ雑婚獣態ヲ織績シテ居ノン理由ヲ、其ノ性慾關係ト、 之二結ピ付ケノソニ倫理思想ノ低級トヲ、以プスノソ推論ノ正シカ ラザノソヤ明ラカデア・ウ。之ヲ要スノレニ、性慾ノ彊弱及ど倫理 思想ノ高低ノ・、非開化民族ノ男女關係二、重大ナノレ影響ヲ及ボ スモノデハナイノデアノン。 D o The Jlls Primae Noctis 次二「ラボック」・・婚姻二際シテ、花嫁ガ信侶、君主、酋長 叉♪・貴族等ノ特殊ノ人ト、婚姻初夜ノ寝ヲ共ニスノレ慣習(」㎎ 80 一夫一妻婚ノ研究 Prim挑eNOGtis)〔謎一〕若クノ・凍客二自己ノ妻ヲ貸ス慣習(The Cus七〇mo蚕LendingWivestoVisitors)〔言孟二=〕ヲ以1テ、原始雑 婚一「ラボツク」ノ所謂C・mmun紐皿乱rriage〔謎…三〕一ノ 逡風デァノレトナシ、此等ノ奇怪ナ慣習ヨリシプ、原始雑婚ノ存 在ヲ推論シプ居ラレル。 〔駐一〕JusPrimaeNoctisハ世界ノ各地二渉ツテ、多敷ノ民族ノ 間二行ハレ若クハ嘗テ行ハレタ贋習デアル。今弦二其ノニ、三 ヲ例示スレバ(晒oted倉om Westermarck,op。cit.voLi.pp. 166,etseq・)「ブラジル、インド 」人(TheBrazili鋤lndi泓ns) ノ中二於テハ、新夫二先ンジプ花嫁ヲ試嘗スル模利帥チ Prim翫e Noc七isハ、魔術師(The medicine−m乱n)又ハ其ノ酋 長二、i現二與ヘラレテ居ルト云ハレテ居ル r蕊ge zur Ethnogrεしphie Amerika,s JUs (v』M麗もiusタBeit− i.113●v・Spix an(l v・Ma− rtius,Re1seinBrasilien,iiL1182ウ。 又「キューマナ」(Cumana)部ヂ現今ノVenezuela二於テハ、 妾デナイ本妻(:Leg玉tim乱te wives)ノ・、働侶二依ツテ其ノ塵女 ヲ汚サレル慣習ガアツテ、1比ノ慣習二從ハナイコトハ、非常ナ 罪悪デアルト考ヘラレテ居ツタ(Gom泓ra, Ia historia geller乱1 de l乱s Illd1a9,ヲin Primer乱P我rte Biblioteca de d」autores esp我n・les,xxii・206・)Q 更二「へ・ドタス」(Eer・d・むUs)ガ「ナサモニアJ人(TheNas㍗ monialls) 二關シテ、又「オごム,ボニウス、メラ」 (Pomponius Mela)及ピ「ソリナス」(Solims)ガ「オーギレー」人(The Augilae in the Cyre膿ica)二關シテ、1又「ディオドルス、シクル スJ(DiodorusSiculus)ガ「バレアリック」島(TheB翫learic 第二章 婚姻制度ノ起源 8ユ Islallds)二關シテ、又rガルシラッソー、デ、ラ、ベンガ」(GarGi1− asso de la、Veg乱) ガ「ペルー」(Peru) ノ或ル地方昌關シテ、 語ル所ヲ綜合スレバ、此等ノ各戻族二於テハ、花嫁ハ婚禮客各 自ト順次二婚姻第一夜ノ1寝ヲ共ニスル慣習ガ、存在シテ居ツタ ノデアル(Wesむerm縦ck,oP・ci㍍volj・P・197)o 〔註二〕此ノThe Cusεom of Lending Wi▽es to Visit()rs〔妻貸シ 俗〕ハ「エスキモー」人、南北爾「アメリカ、インド」人、「ポ リネシア」人、「オーストラリア」人、「バーバル」人、東西爾 黒人、「アラビア」人、「アビシニア」人、「カフィル」入、「モー コ」人等ノ間轟廣ク行ハレ、若クハ嘗テ行ハレテ居ツタ(Lub− bock,op.c圭む。巫107。Westermarck,op.cit.vol.i。:pp.225,22〔瓦) 〔置〕 「ラボツク」ハ其ノ Commmla・1Ma・rriage二封シ、次ノ:如 キ説明ヲ與ヘラレテ居ルーThe primitive conditioll of ma,n, socially,w乱s・nein曲ichmarri泓gedid・」noむex1sf,or,aswe mayperh呂ps飯c・nveniencecallit,・fc・mmしmalm乱漁ge, wherea11む1五emen乱ndwomenin乱smallcommuni右ywere regarded亀sequ翫llymarriedtoone窃n・tI、eL(Lubb・ck,・P・cit。 PP。7駄8α)一從ヅテ之ヲ雑婚ト解スルモ差支ヘナィコトト思 フo蓋シ Commun我1M翫rriage ト欝スルモ、コレハ軍二便宜 ノ爲メニ附シタ名構二過ギナイ。一族ノ男女ガスペテ李等二無 差別二、皆ナ夫デアリ妻デアルト見倣サルルコトハ、「ラボヅ ク」自身モ云フテ居ルガ如ク㍉結局、無婚姻歌態ヲ指スモノ ニ他ナラヌカラデアル。㈹ホ建部遜吾氏「普通杜會學第三巻肚 會静學」九五頁参照。 即チ「ラボツク」轟從ヘバ、JusPrimaeNoctisノ・個別婚ヲ行 ノ・ントスノソ者ガ、爲ス瞭罪行爲(Ac七s of:Expia七ion for Indivi一 82 一夫一妻婚ノ研究 du我1』rriage)二他ナラナイノデアノレ。蓋シ彼二依レ・ぐ、原始 時代昌於テノ・、部落内ノ総テノ女子ノ・當部落内ノ総プノ男子ノ 共有二囑シテ居ツタ。從ツテ此ノ時代二於テノ・、一男ガー女ヲ 猫占ス〃ト云フコP・、其ノ部落全髄ノ共有樫(Communal:Ri− 9:h七s) ヲ侵害スノソモノデアノソガひ故二、許サノ多/ノレ限ソデ㌧・ナカツ タ。然ノソニ女ヲ飽部落ヨリ掠奪スノン風習ト共二、個別婚ノ俗ず 起ツプクノソト、妻ヲ濁占セントスノレニハ、先ヅ從來存シプ居ツ タ部落員ノ女子二封スノソ此ノ共有櫨ノ行使ヲー時認メプ、後始 メテ適法二許ツフレベ:キモノデアノソト考ヘラノソノンニ至ツタ (ln m鱒c筋ses罎eexGlusivep・ssessi・n・hwife・・uld・nlybe legε駈11y ac(茎uired by乱 tempor乱τy recognition of七he pre−existing c・鵬皿u酬rig臨・一璽・437り。斯クシテ此ノ部落員各自ノ共有構 ヲ夫ガ認メノレ形式・・、或ヒノ・其ノ部藩ノ代表者タノレ償侶、君主 酋長叉・・貴族等二花嫁ヲ(代表的二)提供スルコトニ依ツテ爲 サノレノソ場合モアノンシ、又婚姻ノ夜二婚禮客二花嫁ヲ提供スノソコ トニ依ツテ爲サノレ〆場合モアノソ。其ノ軌レニセヨ、部落員ガ花 嫁二封シテ有シタノソ共有権ノ行使ヲ、夫グー・時認容スノソコトニ 依ツテノミ、夫ノ・適法二花嫁ヲ濁占スノン・トガ出i來、此ノ夫ノ 認容ノ・印チJus PrimaeNOC七isトナノソモノニ他、ナラヌト爲シプ 居ラレノレ!。從ツ1テ「ラボトツク』 2、此ノJusPrimaeNoctisヲ以 テ、部落ノ全員ガ女子二封シテ共有穰ヲ有シタリシ時代ノ逡風 デアノソトナシ、ヌ,逆二此ノJus Prim乱e Noctisヨリシテ、女子ノ 第二章 83 婚姻制度ノ起源 共有航態帥チ原始雑婚ノ存在ヲ推論セラレテ居ノン〔誰〕。 〔言主〕 Lubbock,oP.ciL p.437 sq・ 「バツホーフェン」(B乱chofbn,1)as Mutterrecht,PP.12,13, 17,18,&c.)「ジτ1一、チューロン」(Gira,ud。Teulon,Lesorigi− nes Die du m継iage eもde Ia鉛mi11e,pp.32,&lc.)「ポスト」(Post, Geschlec五むsgen《)ssenschf毒 (Blochヲ Sexual Lif6 0f Our der Urzei愈, p.37.) Time,P.190.) rブロッホ」 「ノ、ウイ ツ ト」 (H:owitも,N甜veTribes,p.219.)等モ之ヲ以テ原始雑婚ノ逡風 トナス黙昌於テ同様デアル (Quoted丘om Westerm乱rck,op。 ci㍍v・1。i.PP.166・203・)。 叉「ラボツク」二從ヘバ、丁加Custom of Le皿ding Wives to Visit・rs〔妻貸シ俗〕ヲ以テ、部落員各自ガ女ノ上二本來持ツテ 居ツタ共有櫻ヲ夫ガー・時承認シ、ソコデ來客ザー時的ノ部落員 トシテ、此ノ共有穰iヲ行使スノソモノデァノソ (Tlユe pra,c廿ce,mo− re・ver,seemstorec・gniset覧eexistenceofarig五ti血herent 油,every member of t:he communi七y,and七〇visitors&s tempo− r乱rymembers.P.107.)トシテ説明セラレテ居ノレ。從ツテ「ラ ボツク」ノ・此ノ〔妻貸シ俗〕ヲ以テ、亦同ジク原始雑婚ノ逡風 (A relic of ancien七communism i:n.women) トナスノテアノソ 〔註〕。 〔註〕「ボスト」モ亦之ト同様二、原始雑婚ノ逡風卜観テ居ラレル (Post,1)ie Geschlechtsgenossenscha丘der Urzeit,p.34sq)o 一夫一妻婚ノ研究 84} LipPerも,Kl帽er,Wilutzkyモ亦然リーQuoLed伽m We− stermarck,oP.ci㍍volj.P.225. 由來、Jus Primae Noctisノ起源乃至登達ノ説明二關シテノ・、 學者ノ間二幾多ノ論璽ガアツグ、其ノ鋸一スノレ所ヲ知ラナィ。此 等ノ諸説ヲ紹介シ批判スノレノ・ 、本稿ノ目的トスノレ所デナイカ ラ、此ノ問題二立入ノソコト・・、敢テ之ヲ避ケネバナラヌ。タダ Jus Primae Nocもis ヲ以』テ、原始雑婚ノ遺風乃至痕跡ナリトナ ス「ラボック」ノ解繹ニツキプノ・、弦デ是非共考察スノレノ必要 ガアノン。蓋シ「ラボツク」二從ヘバ、自己ノ共同婚説(Thelhy− P・施esis・fpr・misc磁y・r 6C・mmunal臨rri乱ge )ノ・、此ノ JusPri・naeNoctisノ俗二依ツテ、更二一段ト有力轟ナノレト考 ヘテ居ノレカラデアノン。 「マツクレナン」ノ・Jus 冤行爲 (Acts of Primae expia雌on{or Noctis individua,I ヲ以テ、個別婚ノ宥 m&rriage) デアノントナ シタ「ラボツク」ノ説明二封シテ、次ノ如キ批難ヲシテ居ラレ ノンー若シ「ラボツク」ノ云ノヴ如ク、JusPrimaeNoctisガ』古 代ノ女子共有権(An泌cientcommu貧ahight)二由來スノンモノ デアノレトスレバ、JusPrim我eNoctisノ・必ズヤ、夫タノレベキ者 ノ属スノレ部落ノ男子二/ミ、與ヘラノレベキモノデナケレバナラ ヌ。而モ事實ノ・必ズシモサウデノ・ナイ。此ノ特灌ノ・、或ヒノ・花 嫁ノ最近親族若ク・・花嫁ノ囑スノン部落ノ青年二與ヘラレ、或ヒ 第二章 85 婚姻割度ノ起源 ハ花嫁ノ最モ親シクシテ居ツタ男ノ友達ユ與一ラレテ居ノソト 〔罷一〕。而シテ「ウエスターマーク』昌從ヘバ、タトヘ此ノ種 ノ特構ヴ、夫タノンベキ者ノ屡スノン部落ノ男子ニノミ與ヘラノンノソ 場合ザアツテモ、ソレ・・妻タノレベキ者ヲ捕護スノソニ付イテ、種 種ト世話ヲシテクレタ事二劃スノレ謝禮(Arew泓rdforagood tumdo血e)ノ意昧二於プ、行ノ・/レノレモノニ飽,ナ』ラヌトナサレヲ 居ノレ〔謡二〕〔誰置〕。 〔謡■l 倉om MeLe駐nan,StabiesinAncienむHist・聯P.341.Qu・ted Wes七ermarck,oP.ciしvoL i.P.199) 此ノ種二属スル實例トシテハG捻rcilass(》de1乱Veg我ノ報告 二依ルperuノ或ル地方二於ケル慣習等多敷ヲ掲ゲルコトガ出 來ル。妹二The Eastem バ、Jus O餓ng Sakai of the M乱1町Peninsllla及ピ Moluccas二闇スルMiklucho−A征aclayノ報告二依レ Pr1mae Noctisハ實二其ノ娘ノ父二屡スルノデァル (Westermarck,op.cit▽01.i.pp.188。189)o 〔註二〕West〜rmarck,oP.cit。▽oL i・τ)P・203・eむseq・ 〔註三〕「マツクレナン」ハ、女ヲ捕獲シタ者ガ行使スル所ノ「戦勝 ノ共同灌」(A commoll war−right)ノ結果ト観テ居ラレル。蓋 シ彼二從へ・㌦女子ノ掠奪ハ個人的二行ハルルルモノデハナク テ、寧ロ部落ガ共同的二行フモノデアルカラデアル。從ツテ又 彼ハ個別婚ヲ行ハンガ爲メニ、掠奪婚(M乱rriage by Capture) ノ俗ガ起ツタト云フ「ラボツク」ノ見解二反封シテ居ル。蓋シ 掠奪ニヨリ個別婚ヲ行フニハ、掠奪ハ個人的二行ハルルコトヲ 要スルカラデァノレ。而シテ掠奪婚ノ起源二關スル「マツクレナ 86 一夫一妻婚ノ研究 ン」ノ説明ハ、女兜殺害(:Female Infanticide) ノ結果、女ヂノ 1映乏ヲ來タシタルコトニ基因スルモノデアルトセラレテ居ノしo JusPrimaeNoc七isガArew乱rdfor勘good七umdoneデァ ノソコトヲ、賠示サセノレ幾多ノ報告ヲfウエスターマーク」ハ墨 ゲテ居ラレノソ。例へ・ 東「アフヲカ」ノ「フタヴェタ」人(The Wぬve切ノ中二於グ・・、夫トナラ:ウトスノレ者ガ妻トシヨウト スノン女ヲ買入レタ後二、其ノ女ハ逃走シテ身ヲ隠クス。スノント 男ノ・女ヲ追跡捜索スノレコトヲ四入ノ友達二依頼スノレ,友人ガ女 ヲ捕ヘヤウトスグト、女・・反抗スル風ヲスノレダケデ、直チニ捕 フリ 獲サレノン。蓋シ女ノ捕護ノ・輩二形式的ノモノ (Ceremon掘)タ ノソニ遇ギナイカラデアノソ。斯クテ捕ヘラレタ女ノ・、男ノ母ノ家 二連レラレテ行ツプ、其慮二五日間(Acloseprisonerトシテ) 嚴重二監禁サレノン。其ノ間、女ノ捕獲二功勢ノアツタ此ノ四人 ノ友達ノ・、其ノ女ヲ自由ニスノソコトガ出來ノソ。此ノ特灌ヲ友達 ガ充分二行使シタ後二於テ、●始メプ男(legitima七ehusband)・・ 其ノ女二夫トシテノ名乗リヲスル。ソレカラ新夫婦ノ・其ノ知人 ニオ目見得バノレト云フコトニナツプ居ノレ。之ト類似ノ風習・・「フ タイタ」人(』e W漉i切ノ中ニモ亦存スノレト〔註〕。 〔註〕、Vesterm乱rck,・pciLv・LLpP.20生205. 勿論「ウエスターマーク」ハスベテノJusPでimaeNoctis ガ 第二章 A reward fo:r a,good 87 婚姻制度ノ超源 tum done ノ思想二由i來スノレモノデアノレ トシテ、説キ去ノレモノデノ・ナイ。或ヒ・・、花嫁叉・・新夫婦ヲ祝旛 スノン爲メニJus:Prim船Noctisガ行・・ノレ〃場合モアノソシ(Egede, Description o£Green1紐d,P.140・)或ヒノ・女ノ・不浄1ノモノデア ・ソト云フ信仰(Thebeliefinwoman,suncleanness)二其ノ起 源ヲ有ス〃モノモァノレシ(v.M麟ius,Bei臆ge hie A・nerika 威カノ結果 s,i・113sq)或ヒハヌ、會長叉ノ・信侶等ノ勢力家ノ (A 〈Rivers,Eis七〇ry The Book of and皿証vels zur:Eもhn。grap_ conse吼uenee・まmight)二依〃場合モァノレシ of Melanesi乱n Ser:M:.P.the ofthe SoGiety,i.386.M乱rco Vene七i勘n ooncerning the Polo, Kingdoms E翫s七,ii・268・)更二或ヒノ・初交ノ際ノ庭女 膜出血二封スノソ恐怖心(The fear of 合モア〃(Wes七erm乱rok,oP.ci七。voL hymeneal blood)二基ク場 i・PP.190,e七seg・)コト ヲ説カレテ居ノレガ、原始雑婚ノ存在ヲ推論サセノソコトノ出i來ノソ モノノ、、 』一トシラト存シナ イ ト述{ミラレ・テ居ノンノ。 .之ヲ要一スノソニ「ラボツク」ガ総テノJusPrimaeNoctis ヲー 二Aρ牽sofexpi&tionforilldividualmrriageトシプ、説明シ去 ラウトシタノノ・、其ノThehyp・thesis・fpr・miscui七yor C・一 mmunaimarriage,,二additionalprob我bili七yヲ與・、ントシテ 其ノ解繹コ自己ノ目的乃至方便ノ爲メニ曲ゲタモノト云フベキ ヂハナカロウカ。 「妻貸シ俗』(The custom ofエending wives to visi七〇rs)昌至ツ 88 一夫一妻婚ノ研究 プモ、「ウエスターマーク」二從ヘパ、多クノ・〔註一〕「款待ノ通 常ノ作法」(Thegeneralruleofhospit泓Hty)二件ツテ登生シタ 出來事二他ナラヌノデアツテ〔註=〕強イテ之ヲ以テ、原始雑婚 ノ遺風デアノソトナスノノ・、牽彊附曾モ亦甚シイモノデアノン。蓋 シ若シ「ラボツク」ノ推論ニシテ許サノンベキモノトスレバ、來 客二衣食ヲ呈スノレノノ・、衣食共産時代ノ遺風デアノソト云ノ・ネバ ナノレ!マイ。況シプ、來客二提供サノレノレ女ハ、常二妻ト・・限ラナ イ。自己ノ姉妹ヤ娘ヤ下女ガ提供サレノソ庭モアノンシ、叉娘・・容 易二來客二提供サレノレザ、妻ノ・決シテ之ヲ提供シナイ土地モ存 スノン。「ラボツク」ノ説明ヲ以テシテハ、到底カカノレ場合ヲ包含 スノソコP・、出來ナイノデァ・ウ。加フノレニ、吾々・・英領「コ ・ンビア」海岸ノ土人(The co泓s ribes o{Bri七i曲Columbia〉 ガ「妻ヲ來客二一時的判献ズノンコトノ・、來客昌示シ得ノソ最大ノ 敬意ノーデァノン」トナスガ如キ、又「エスキモr人(丁五eEsk− imo)ガ斯クノ如キー時的贈呈ヲ以テ、「手厚イ款待ノ行爲」ト 考ヘノレガ如キ乃至賠呈セザノレコトヲ以プ、無禮ト考へ若クノ・來 客ガ輕蔑・サレタト考フノソガ女ロキ〔言主…三〕ヲ考察スレノ㊦、一一層「ラ ボック」ノ説朋ノ適當ナラザノンヲ思ハザノレヲ得ナイ。 〔註一〕Wes亡ermarck,op.ci瓦voL i.pp.228−230。 〔註二〕Westerm翫rck,oP.oit.voL l・PP.225,etseq. 〔註三〕Westermarck,oP.cit L voL p.227. 第二章 此ノ 『妻貸シ俗」ト類似ノ exchange of wives) 89 婚姻制度ノ起源 「妻ノ交換俗』 (The七empor町 ヲ以テ原始雑婚ノ遣風トナス學者モアノソ 〔註一〕。サレド「ウエスターマーク」二依レバ〔註二〕此ノ風習 ノ・享樂(enloyment.一they sa,medish・) were no毒我ble to e滋&1ways o琶he ノ爲メニ行ノ・ノソノソコトモアノレシ、叉全然實禾通的動 機(pra,ctica,lreasons)二基ク場合モアノンシ、叉友情1ノ徴(勘sign of friendship) シルシ トシプ行ノ・ノソノレ場合モアノレシ、更二叉或ノレ種ノ 迷信二闘係ヲ有スル場合モアノンノデアッテ、決シプ原始難婚ノ 逡風トシテ観察セネパナラヌ場合ハ存シナイノデアノソ。蓋シ多 クノ場合二於テ、妻ノ交換ノ・、夫ト,其ノ關係者トノ間ノ任意的 協定(A perfectly voluntary雛rangement)二基クモノデアツテ 斯ノレ請求椹ヲ或ノン男ガ、他人ノ妻ユ劃シラ、當然二持ツテ居ノレモ ノデアル!ト云フ標ナ強行的ナ性質ノモノヂハナイカラデア・レ。 〔註・一〕P我ul (Quoted倉om W玉1utzky,Vorgesehichte des Rechts,i・20sq Wesむemlarck,op.ciむ、vo1.i.p.230)o 〔謎二〕Westermarck,oP.ci血vo1.i。PP.231−23岳 猛. 皿otぬer−right 一入六一年「スウヰス」ノ法學者「バツホーフエン」(Johann Jacob Bachofen)ノ・:Das:Mu七七errecht二於テ、所謂母権 (Asystem・f』t七errech七, m・七her−right・ 制度 )ガ庭々ノ古代民 族ノ間二行ノ・レテ居ツタト云フ事實二關シプ、世人ノ注意ヲ喚 90 一夫一妻婚ノ研究 起シタ。爾ホ其上二、彼・・多数ノ古代著者ガ爲シタ叙述ト傳説 及ピ紳話トニ基イテ、斯カパ母権制度ノ・、何庭二於テモ、父穰i (fa七he惣righ七)希 度ノ濫鱈寡5、先ダチシモノデアノント云フ結論 ヲ道キ出シタ。其後数年ニシテ「マックレナン1(McLe㎜.an) ハ︑ 「バツホーフエン」トノ・全ク無關係二、主トシテ近代入種學 (:鴎地0109y)上ノ研究二基イテ、而モ「バツホーフエン』ト同 一ノ假設(Hypothesis)ヲ薮表シタ。タダ「バツホーフヱン」・・ 母構制度ヲ説明スノレ轟、原始時代二於ケノレ女性ノ優越(Supre− m乱cy of Wome丑)ノ結果ヂアノソトナスニ封シ、「マツクレナン」 ノ・原始時代二於ケノソ入類ノ難婚若クノ・一妻多夫 or (Pro皿圭scui七y Po1胆ndry)ノ存在ヲ肯定シ、其ノ結果、此ノ時代二於テノ・、 子ガ出生スノソモ父親ヲ:知ノソニ由ナク、タダ母親ノミヲ知ノソコト ヲ得タノレガ故二、親族團髄ハ自ラ母系二依リテ構成セラレザノソ ヲ得ナイトナス。部チ「マツクレナン』・・「專ラ女系ニノミ依ノソ 親族制」(Kinship through female$only)ノ存在理由ヲ、父系ノ 不明ト云7コト(Uneer甑npa七emi七y〉二蹄シ、父系ノ不明ノ・、 原始雑婚ノ當然ノ結果デア〃ト観テ居ラレノレ(lt is inconceiv一 勘blet五a七anythingbuもthewaut・至cer協吻・nth泓tp・int c・uldhavel・ngPreventedthe t五rough tha七such less lnales;and in cer楓in.ty promisGuous such h勘s cases ackn・wledgment・fkinship we formerly intercourse sh&U be able to co亘clu(le bee箪wa,n七ing_七hat be七ween the sexes has more or formerly 第二章 prevailed._(Studies in 9■ 婚姻制度ノ起源 Ancien七:旺is七〇ry,p.88)_)。 但シ皿other−rig:h七ト云フ言葉ノ・、我國二於テモ從來「母擢」 ト鐸サレ、且ツ「バツホーフエン』及ピ其ノー派ノ學者例へ・ Giraud−Toulon,LipPert,Unger等ノ・、凡テM:u七terrechtト云 フ言葉二「gynocr乱cy」「女性優越」、ト云フ意味ヲ包含セシメテノ・ 居ノレザ〔註一〕「ウエスターマーク』ノ・mo七:her−rightト云フ言葉 ヲm謝iarchyトカmother−ruleトカト云フ言葉カラ、囁別シテ 使用シプ居ラレノン。蓋シ『ウエスターマーク」二從ヘバ、血統 ガ專ラ母親ヲ中心トシテ定メラノソノレト云フコト (皿泓もr宙neaI Descen七)ノ・、當然二女子ガ肚會的政治的二優越シテ居ノソコトヲ 説明スノレモノデノ・ナイカラヂアノ岐註二〕。從ツテ「ウエスター マPク」ハmot五e「−「ightノ言葉ニハ、常声apoliticalormili一 七ary gynocr我cyノ思想ヤthe he批d曲ip of wom麗in施e f勘lnily ノ観念ガ包含サレノレモノデハナクプ〔註三〕常二存スノソ特徴ノ 、 輩二母親ヲ中心トシテ、血統ヲ定ムノソト云フコトニアノンニ過ギ ナイト〔註四〕。從ツテ「ウエスターマーク」二從ヘバ、mo七五er− r㎏ht・・「母権」ニハ非ズシテ、「母系」デァノソ。「フジイドリツ せヌ1(:Friedri・hs, F&miliens七ufenundEheformen, ZVR.,X, 190,191・)ガM:ut七errech七ト云フ語ヲ斥ケテ、母系親族制(The U七eri船System of Relationship)ヲ表示スノレ場合〜・Matriarcha七 ト云フ語ヲ鐸ピ、女子ノ肚會的政治的優越ヲ表示スノン場合ニハ Gynaikohatieト云7語ヲ揮ンダノノ・(Quo七edfromHomrd, 92 一夫一妻婚ノ研究 OP・cit・vo1。P.44)極メテ意義深イコトデアノレ。之ヲ要スノソち 「母系』制ノ・必ズシモ「母穫」髄ヲ俘フモノデノ・ナイノデアノソ。 〔註一〕Eoward,or㌧cit.v・Li・PP。4生45。 〔註二〕Itisc・血venientinthe・utsetton・tetheimP・r伽ce・f caref㌔11y disむinguishing between tbe eoncep七1on of mothe卜right, imPly三11gki紬i})int五e:驚malelh・e,al〕dtもat()fgyn・伽cy den・伽gもbesuprem町・fthefbn】alesex・(Howard,・P・ciL vo1.i.1玉44・)See also,1)P.22,23.The 丘om being rare in negro Way Linder the ma、n Afrie我,bllt frOm exereiSi119 llterhle食mily 七h量s 駄 does no七in is飴r diSCre七iollary any pOWer overh量swifborwives,andstiHmoreover五iscbildren......... .。.._.Thisv1rile desp・tismm乱yeasilyc・existwlththe ad・ption・futerine煮11ation.(:Let・urneau,op・cit・P・305)。 !註三〕但シKautskyハMatrilineal ズシモ我polit1eal or I)escentガ行ハレテモ、必 mihねry gynocracy ガ、肚會的生活印チ私法(pr1vate rilineal her・rightノ語ニハthe headship of ノ観念ヲ包含セシムルコトガ出來ルトQ TyIor等亦然リ(Quoted食om 〔言主四〕 Iaw)ノ範園二於テハ、Maむ一 Descentノ行ハルルコD・、女性ノ優越ヲ來スコト多 キガ故二、mQt thefもmily ヲ俘フモノデハナィ Howard ol).c1軌voL V〜アestermarck,oP・cit・voL woman ill Peschel, i・PP。44,45)。 i・PP。276・277・ 母系縫承ガ行ハレテ居ルニモ拘ハラズ、爾且ツ父ガ其ノ家ノ長 タル民族ノ實例二關シテハ、同書四三頁珍下及ピ河田嗣郎氏著 家族制度班究一一〇頁以下滲照。 「マックレナン」ノ主張二於プ、特二吾々ノ注意スベキ鐵ハ、 第:二章 93 婚姻制度ノ起源 前掲九〇頁引用ノ原文,於テ見ラノレノンガ如ク、「專ラ女系ニノミ 依ノレ親族制」ハ、父系ノ不明ト云フコト以外ノ事情ヨヲシテハ 存在スノソコトナシトナス黙デアノソ。斯クノ如ク母系親族制ノ存 在ヲ以テ、原始灘婚二於テノ・、父ヲ定ムノソノ不能ナノソノ結果デ アノントナス説明ハ、其後幾多ノ典鳴者ヲ生ム羨至ッタ〔註〕。 〔謁 例へ・》DL Blochガmother・r1ght was七he妙piGalexpres− si・noftheunce此ain七yofpaむernitywhichresultedfromsex− ua,1promiseu琵γ(Sexu飢LifeofOurTime,pコ89) ガ女ロキ」叉Frederick £amily it is tain,who is its Engels llneertain who m(〉tLer,s side is actually 乱nd旗ose the lower 甑e the魚ther the s訟ge F蹴ily,PP.49,50う is ofむhe group of乱child,but aIso obvious cer− that, as lescentcan・nlybe七racedon and,hence,onl)ア wledged.This in is mother..。.._....。It £arasgr・upma曲geexists, the ガIna,ll長)rms トナス case of f6male among Iine翫ge be我ckno− a,11savage tribes barb蹴ism。 (The Origin of トナスガ如キ乃至我國二於テモ西村 虞次氏ガ「如上ノ鰍婚、及ビ群婚ノ時代二於テハ、子ハ其母親 ヲ正確二知ルコトガ出來テモ、其父親ヲ知ルコトガ出來ナイo ソレ故二血統ノ承縫ハ勢ヒ母親ヲ中心トシナヶレバナラナィo ソレヲ母系縫承ト云フノデアル」ト説クガ如キ(文化人類學一 三四・一三五頁滲照)ハ、帥チ是デァル。 鼓二於プカ、吾々・・母系親族制ガ多敷ノ原始民族ノ間二行ハ レテ居ノソコトガ〔註〕「マツクレナン』ノ云フガ如ク、果シテ父 94 一夫一妻婚ノ研究 系ノ不明二基因シタノソモノデアノソカ否力。更二進ンデ、其ノ父 系ノ不明ノ・原始雑婚ノ結果デアノソカ否カヲ確カメネ・ 〔註〕 ナラヌ。 其ノ實例ハB窃chof6n,McLlenna11ノ著書ノ池、倫ホ:Lubb一 ・ck,・P.ci㍍P.121sqq.StarGke,・P・eit・sec・i・ch鼠i・一v・ :Letoumeau,op.ciむ,chs.xvi.一xviiL等参照。但シ「ウエスタ ーマーク」蚤從ヘバ、父系親族制ノ行ハレテ居ノし原始民族モ亦同 様二多敷存在スノレ。其ノ實例二關シテハ同氏The voL Estory,etc・ i。P.278。110te(1)・及ビ1903年版98頁乃至104頁滲照o , 先ヅ第一二、母系親族制ノ存在ガ、父系ノ不明二原因スノレト 云フ説明ヲ以テシテノ・、「ウエスターマーク」ノ提供スノソ「バレ ア』人(The B朋ea)「・アンゴ・一』ノ黒人(The Loango〉rチャクチィー」人(The Negroes of Chu:kc五ee)及ピ南印度ノ「トー ダ』人(TheTod島sofSout五emlndia)等二關スノソ記述ハ、如 何二之ヲ説明セントスノレカ。帥チ「バレア」人及ピ「・アンゴ ー」ノ黒人ノ間二・・、姦通ノ・極メテ稀有ノ事デノ・アノンガ、而モ 相績ノ・專ラ母系ノミニ依ノレノデアノソ。叉「チャクチィー」人及ビ 南印度ノ恥一ダ」人ノ間二於テ・・、父・・之ヲ確知スノンヲ得ナ イヴ、而モ父系ガ行ノ・レテ居ノ履註一〕。從ツテし・一トランド」 (Dr.Eartlan① ノ・次ノ穣二云フプ居ラレル。一母系親族制 ノ・輩二父系ガ不明デアノソ場含ノミナラズ、父系ノ明ラカナ場合 デモ行2・レパシ、叉父系親族制ノ・軍二父系ノ明ラカナ場合ノミ 第二章 95 婚姻制度ノ起源 ナラズ、父系ガ不明ナ場合デモ行ノ・レノレート〔謎二〕。弦二於 テカ、父系ノ不明・・、以テ母系親族制ノ存在理由トナスニ足ラ ザノソヤ明ラカデア・ウ。況シテ父系ノ不明ヲ以テ、當然二原始 雑婚ノ結果ト観ルハ、決シプ正シイ論法ト云フヲ得ナイ。蓋シ 父系ノ不明ノ・離別(The separ8tl・n of五usb紐d&nd wife)女子 ノ姦通、妻貸シ俗、妻交換浴等ヨリシテモ、起リ得ノレ現象デア ノンカララ アノン。現二 しインガム」 バ︑ 「バコンゴー」人(Tぬe (lngham) ノ報ズノレ所二依レ Bakongo)ノ・父系ノ不明ノ爲メ轟、 母系親族制ヲ採用シテ居ノレトハ錐モ、雑婚ノ思懇・・彼等ニトツ テノ・誠二奇異ノ事二属スノソノデアノレ〔註三〕。 〔註一〕WesLem】arck/oP。cit.voL 〔騒=〕 Hartl乱nd夕primitive p.325(Quoもed C註匡〕 from C£Phillips, (Quoted from Lower i.P・285 paternity,L301sq鉢,pa「ticul躍ly Westermarck) Congo,,in JouL AnむhL IllsL xvii.229 Westerm泓rck) 果シテ然ラバ、母系親族制ガ存在スノソニ至ツタ理由如何。此 ノ黙二關スノレ學者ノ説明ハ頗ノソ匿々デァノレ。或ヒ・・之ヲ以テ、 生殖關係二關スノレ無智(1理or&nceof七hefao協h&七七hebirtho至 a child is七he resu1七 〇f sexual intercourse be七ween man a,nd Wo・mn)二蹄シ〔註一〕或ヒノ・之ヲ以テ、原始時代二遡〃程、母 子ノ關係ノ・父子ノ關係ヨリモー暦親密デアノレコトニ基因スルモ 96 一夫一妻婚ノ研究 ノトシテ説明シ〔謁二〕。 〔註一〕高田保馬氏「肚會學原理」八二ご頁及ビ八二六頁参照。倫 ホ之二勤スル批判二至リテハWestermarck,The v Hisカory,etα, )Li.PP・285etseq r註二〕 母子ノ關係ガ父子ノ關係ヨリモー層親密デァルト云フハ、 蓋シ原始時代二於テハ、夫嫌ノ結合脆弱ノ結果離婚ガ屡二行ハ レ、此ノ揚合二子ハ常二母二属セラレタ爲メデァル。又「ウイ ンターボットム」(Winterbottom)ノ・母子ノ關係ガ父子ノ關係ヨ リモー・暦親密デアルコトハ、一夫多妻i(Poly毅11y)ノ嘗然ノ結 果デアルトナシ、母系親族制ノ存在理由ヲー夫多妻ノ風習ト観 察シテ居ラレル。rマクドナルド」(D.Macdon我ld)ノ「ニユー、 ヘブリデス」ノ「エフアテス」人(TheE鋤eseoftheNew Hebrides) 晶關スル報告、「カザリス」 (C乱s我1is) ノ 「ベチュア ナ」(Bechualla)族ノ「バスト」入(TheBesuもo)二關スル記 述ハ敦し・モ批ノ事ヲ裏書シテ居ル(Westermarck,oF cit,voL i.P.296)Q我國二於テハ、高田保馬博士ガ此ノ説ヲ探ラレテ居 ル(前掲書八ご○頁以下参照)。 更二叉慣習上其ノ種族二行・・ノンル婚姻ノ形式ノ如何二因リプ 或ヒノ・父系親族制トナリ、或ヒノ 母系親族制トナノレモノデアツ プ、母系親族制ノ・印チ』trilocal N乱rriage(招婿婚)ノ結果タ ノソニ過ギヌト説ク〔號〕。 〔謝 「タ{ラア」(Tylor, velol)menむof OII a Meむhod Insti右uむions,,in of investigating Jour.Anthr.Ins仁 the De− xviii.258) 第二章 97 婚姻制度ノ起源 ハ母系親族制ハ、夫ガ婚姻(遅【乱triloc乱l Marriage)二因リテ、 妻ノ家二入ル慣習ヲ有スル民族ノ間二行ハルルコト及ピ妻ガ婚 姻(Patrilocal皿arriage)二因リテ、夫ノ家二入ルノヲ唯一ノ償 習トスル民族ノ間ニハ、決シテ完全ナル母系親族制ガ行ハルル モノニ非ザルコトヲ説イテ居ラレ夙SeealsoWestermarck,OP・ olt.voL L pP.296,297)。我國二於テモ岡松滲太郎博士(「母系 主義ト毫灘生蕃」一一法學新報二七巻九號一一號、二八巻一號 乃至五號七號八號滲照)ハ蔓灘生蕃ヲ調査シタ結果、婦女ガ其 ノ家二留リテ、他部族ヨリ男子ヲ招婿シ、夫ハ自己ノ部族ヲ出 デテ妻ノ家二入ル揚合ニハ、自ラ母系主義ガ行ハルベキコト、 之二反シテ・男子ガ其ノ家二留リテ、他部族ヨリ婦女ヲ迎妻シ 妻ガ夫ノ家二入ル揚合晶ハ、父系主義ガ行ハルベキコトヲ説カ レテ居ル。 其ノ貌レヲ是トスベキカハ、頗ノン決定シ難キ問題二屡スノレノ デアノソガ、其ノ軌レモガ、母系親族制ヲ説明ス翅二、原始雑婚 ノ存在ヲ假定スノレヲ要セザノソニ至ッテノ・誠二一デァノレ。 次二叉、母系親族制ガ父系親族制二先キ立ツタト云フ説明部 チ、母系親族制ガ原始/形式デアツテ、父系親族制ハ之二代ツ テ、起ツタモノデアノレト云フ説明〔註〕二封シテモ、・吾々ノ・幾多 ノ論難ヲ加ヘノソコトヴ出來ノレ。 〔註〕此ノ説明ハBachof瓠,Mc:Lennan二依ツテ爲サレタ以來、 旺aber1批ndt,Wilutzky,Bl()ch,W工Thomas,Wundt,:Kohler, Russe11,AIldrew ted froln L鋤9等ノ學者ノ探用スル所トナツタ(Qu(》一 Westermarck,op,cit,volj・P.278)。我國二於テ 98 一大一一妻婚ノ研究 モ高田保馬氏(前掲書八二〇頁以下参照)西村眞次氏(文化入類 學一三四頁婁下滲照)等ハ敦レモ此ノ読ヲ探ラレテ居ル。 帥チ、此ノ説明ヲ是認センガ爲メニ・・、先ヅ第一二、母系親 族制ノ因ツグ起リシ原因ガ、人類原始ノ生活ノ上二、一般二働 イタコトヲ説明セネバナラヌ。而モ「マックレナン」ノ云フ父 系ノ不明ヲ來タス難婚叉ハー妻多夫ヲ以テ、全人類肚曾ノ螢達 二於ケノンー般的階段 (A gener誤 s七age in the soc捻l develop− men七〇fm泓n)ナリトナシi若クハ全人類ノ歴史ノ出螢瓢(Thes七ar− ting−point of a11五uman historyノナリトナスコトノ・、後段二於 プ詳違スノめ噸ロク、今日ノ科學ノ、全ク許サザノレ所二驕スノレ。 而シプ第ニニ・・、父系親族制ノ行・・レプ居ノレ現今多数ノ野攣人 ノ・、其ノ以前二於テ、行ノ・レテ居ツタトナス母系親族制ノ痕跡 ヲ、何故畠全ク止メザノレカヲ説明セネ・fナラヌ。殊二最低級野 蟹民族タノレKalah勘ri Bushmen二薦スノンAuin人、中央「アフ ヅカ」ノPygmy人、皿alay孚島ノ野璽人、恥ilippiLe/Neg− rito.人、南Sum乱七ra/Kubu人等ノ間二父系親族 制ガ行ノ・レ プ居ツプ、母系親族制ノ行・・レタ痕跡・・全ク存シナイノデアノソ 〔註〕。 〔言主1〕 Westermarck,oP。ci㍍voL i・PP.280,281. 第三ニノ・、同一時代ノ相接近セノレ同一民族ニシプ、文化ノ程 第二章 婚姻制度ノ起源 99 度モ同一ナノレニモ拘ノ・ラズ、一方ノ民族二・・母系親族制ガ行ノ・ レ︑ 他方ノ民族ニノ・父系親族・制ガ行ノ・ノンノン〔註一⊃理由ヲ説明セ ネノ ナラヌ。殊ユ父系親族制ヲ行フ民族ガ、母系親族制ヲ行フ 民族二比シテ、必,ズシモ文化ノ程度ガ高イト・・限ラナイ黙〔湿 二〕ノ・母系原始説ヲ以プ如何嵩之ヲ説明セントスノソカ。 〔註一〕Wes愈ermarck,oP・cit・voL i・P。278. 〔聾二〕例ヘバ毫灘生蕃二關シ、岡松滲太郎博士ノ報ズル所二依レ バ、「タイヤノレ」族「セーダツカ」族「サイセツト」族及ピウ オウ」族轟ハ父系主義ガ行ハレ、「アミ」族及ビ「バイワン」族 ノ支族タル「プユで」族ニハ、母系主義ガ行ハレテ居ル。而シテ 母系主義ノ「アミ」族「プユマ」族ハ全蕃族中比較的最モ進歩開 化シタモノデアツテ、父系主義ノ諸族ハ、皆ナ開明ノ程度ガ之 二劣ツテ居ルト述ベラレテ居ル(前掲同氏論文滲照)Q 蓋シ此等ノ事ノ・、現今魑於テハ、或ヒノ・父系親族制ヲ行フ民 族ガアリ、或ヒノ・母系親族制ヲ行フ民族ガアリ、或ヒハ父系及 ビ母系ノ爾親族制ヲ行フ民族ガアノレニモ拘ハラズ、其ノ以前二 於テノ・、一般二全人類ノ・、母系親族制ヲ行ヒシモノデアノレト云 フコトヲ主張セントスノレ者ノ當然説明スベキ事項二囑スノレヵラ デアノソ。而モ吾々ノ・此等ノ黙二關シプ、現今充分ノ説明ヲ得ノソ コトガ出來ナイノミナラズ、寧・此ノ爾種ノ間ニノ・、先後ノ關 係アノンニ・・非ズシプ、各民族ノ肚會的事情ノ如何二依リテ、古 クカラ或ノレ民族ニノ・、母系親族制ガ行ノ・レ、他ノ民族ニハ、父 夫一妻婚ノ研究 ユ00 系親族制ガ行2・レタト槻ル^ミキコトヲ、暗示サセノレ幾多ノ資料 ガ提供サレテ居ノレノデアノン〔謡一〕。從ツテ自分・・母系親族制ヲ 以プ、総テノ民族ノ原始的制度ナリトナスノ・、恐ラク・・、正當 二非ザノレベキヲ信ズノレ者デアノレ〔註二〕。 〔註一〕Westermarckフop.clt.vo1.i.295−297. 河田嗣郎「家族制度研究」一九三頁以下(家族ノ形態ト経濟ノ 形態)滲照。 周松滲太郎博士前掲論文滲照。 〔註昌コ&arckeハ原始的民族、残二「アメリカ」及ピ「オースト ラリア」ノ野蟹人ノ慣習ヲ廣ク調査シタ結果、逆二・父系ノ原 始姓ヲ主張シテ居ラレル(The PrimitiveF乱milyinitsOrig沁 乱ndDevei・pment,PP26,27,30,11&)。 之ヲ要スノレニ、母系親族鋼ノ・原始雑婚ノ存在ヲ假定スノレニ非 ザレバ、説明出來ヌモノデノ・ナイ。寧・原始雑婚ノ結果トシテ 之ヲ説明スレバ、幾多ノ不郡合ヲ惹起スノソニ至ノレコトノ・、既二 之ヲ述ベタガ如クヂアノン。從ツテ母系親族飼ヨリシテ、原始難 婚ヲ推論スノン方法モ亦決シプ正シイモノト云フコトノ・出來ナイ ノデアノγ O (5)結論 上述シタノソガ如クデアノレカラ、婚姻制度ノ起源ヲ究メノソガ爲 メニ・・、其ノ基本タノソベキ研究ノ方法ノ・、勢ヒ眼ヲ他へ輻ジ、 第二章 ユ0ユ 婚姻制度ノ起源 飽ノ途ヲ選バネパナラナイノデアノソ。此ノ鮎二關シ「ウエスタ ーマーク」ハ、吾々二適切ナ方法ヲ示シテ居ラレノレ〔誰一〕。日 ク吾々ハ或ノレ趾會的現象ノ依ツテ起リシ原因げ、全人類昌トツ テ、普遍的性質ノモノデアノレコトヲ臆断シ得ナイ以上2・、其ノ 肚會的現象ノ過去二於ケノレ普遍的存在(The universal 皿(3e ヲ臆漸スノレノコ1・ノ、出 of乱so(3i&1phenomeぬoni盈t五ep勘st) prev島le一 i來ナイノヂアノソ。換言スレバ現在二於テ吾々げ持ツテ居ノレ肚會 的現象ヲ、記録ノ存セナイ遠イ過去ヨリ、既二持ツテ居ツタモ ノデアノソト臆漸シ得ノレグ爲メニノ・、少クトモ、其ノ趾會的現象 ヲ惹起スノンニ至ツタ原因ガ、人類全髄ニトツテ、普遍的二存在 スノレモノデアツタコトヲ、説明セネバナラナイノデァノレ。從ツ テ婚姻制度ノ起源ヲ究メノレガ爲メニ・・、先ヅ第一二、吾々・・婚 姻制度ノ依ツテ起リシ原因ヲ究メノレ必要ヴアノレ。今假リニ、吾 々ガ此ノ原因ノ普逼的存在ヲ臆断シ得タトスレバ、次二第二段 トヘふ此ノ原因ノ存在ヨリシテー此ノ原因ガ他ノ事情二依ツ テ、妨ゲラノ吟ンコトヴナイト臆断シ得ラノめン限り・・一更二婚 姻制度ソノモノノ存在ヲ推測シ得ルコトニナノレノデアノソ。 而シテ此ノ婚姻制度ヲ惹起スノソニ至ツタ原因ヲ明ラヵニスル ニノ・、種々ノ科學、就中生物學(Biology)心理學(Psychology) 経濟學(:Ecommics)及ピ肚曾學(Sociology)ノ各方面カラ、種 種ノ助力ヲ求メネバナラヌコトニナラウ。蓋シ此等ノ生物學的 心理學的、経濟學的乃至肚會學的注則・・、人類ノ進化曇展ノ過 一夫一妻婚ノ研究 ユ02 程二劃シ、相牽連シテ作用ヲ及ボスモノデァノソヵラデァグ。殊 二婚姻制度ノ・、後段二於プ詳述スノレグ如ク、入類ノ生存及ゼ子 孫ノ保存越封スノソ必要條件デアツプ、自然淘汰ノ影…響ノ下二登 達シタ本能(An P「OGess ins伽cもw五ich of蜘ural h薦been acquired througbhe selee七ion)二其ノ源ヲ螢シ、且ツ人類ノ耐會 的生活ノ登達二件フテ確立セラレタモノデアノソガ故二、其ノ生 物學的原因(biological causes)二至ツテノ・、婚姻制度ノ起源二 關シプ、極メテ重要ナノレ資料ヲ供スノグモノデア・ウ〔註二〕。 〔議_〕Wesむermarck,op.cit。vQ1.1.pp.20−25。 〔註二〕 現二「ルトウルノオ」(Ch』Le右ourlleau)ノ・此ノ灘二關シ テ、次ノ如クニ云ハレテ居ルーAs on biology,iむwill diむions t五emselves be the llecessary origin of sociology五11ally to seek greεしt ill depends physiologic我1con− sociologic&1 mani長)sta右一 io風(TheEvoluti・n・fMarriage,P.2)Q Iむwas a gre就defもct of the earlier treatises on ma,rriage th就 thebミ・1・gic乱laspect・fthepr・blemwasentirelyignored,anα even ciむ 此ノ now voL it is noもsu伍clelltly recogllised(Westermarck,oか i.p.22) 「ウエスターマーク1ノ研究方法二從ツテ、婚姻制度ノ 起源ヲ探究スノレトシテモ、弦二一ノ豫備知識ガ必要ニナツテク ノソ。ソレノ・、人類ノ古代二關スノレ或ノソ種ノ知識デアノレ。蓋シ若 シー定ノ此ノ種ノ豫備知識ヲ具ヘズシテ研究二入ルナラバ、吾 第二章 ■03 婚姻制度ノ起源 吾ハ或ノソ原因ザ古代二於テモ、人類二作用シテ居ツタカドウカ ガ、全ク不明ニナリ、結局、婚姻制度ノ起源ハ、之ヲ明ラカニ スノソヲ得ナクナノソカラヂアノソ。 人類ノ原始状態二關スノソ根本的説明二、從來ニツノ相反セノソ 見解ガァノレガ如クデァノンガ〔謎一〕吾々ノ・、此ノニツノ見解ノ是 非ヲ弦義論ズノソマデモナク、今日二於テノ・、其ノーヅー人類 進歩説トデモ云フベキヵ一一ヲ輩ナノレ假説(且ypotheses) ト思 ノ・ナイデ、信ジテモヨイヨウデアノレ〔註二〕。即チ多敷ノ學者二 依ツテ主張サレノソ様篇、人類・・最初・・軍ナノソ野攣人デアノソニ過 ギナカツタガ、歴史ノ進路ハー勿論或ノグ種族・・時々(或ノソ場 合昌・・敷世紀ノ長イ間)其ノ登達ヲ静止シ、若クノ・更二退歩サ ヘシタ場合モアルガー大騰二於テ、文明ヘト向ツデ前進シテ 居ノソト云フ見解ガ是レデアノレ(Lubbock,op.cit p.397)。即チ 今日最モ進化シタ種族ト錐モ、嘗テノ・野攣ノ状態ニアソシモノ デァノソコト及ビ人類ト云ヒ得ノソ最初ノ生物即チ原人(H:omo imigenius,Plimitive Pr− man)ノ・、恐クノ・、或ノレ猿二似タ魍先ヨリ 漸次二i攣形シテ來タモノデアノレト云フコト〔註…記ヲ推測シテ差 支ヘナイコトニナノソ。從ツプ、叉此ノ事カラシプ、吾々ハ現在 ノ朕態二於テ、人類ノ有スノソ種々ノ性質ノ中デ、或ノソ種ノ性質 ノ・、原人ノ時代二於テモ、既二之ヲ有シテ居ツタモノデアノソト云 フコトヲ推測スノレコトガ出來ノソ。蓋シ下等動物ノ中デ、入類二 最モ接近セノレ動物グ、有シテ居ノレ性質デアツグ、且ツ現今ノ人 一夫一妻婚ノ研究 ユ04 類モ亦此ノ性質ヲ保有シテ居ノソニ於テ・・、人類ノ祀先タノン原人 モ亦此ノ盤質ヲ有シテ居ツタモノデア・ウト推測スノソコトノ・、 決シテ無理ナ推測デノ・ナイカラデァノレ。此ノ事ハ我々ヲシテ、 原人ノ心理的性質ヲ講究スノソ上二於テ、幾多ノ知識ヲ與ヘノレモ ノヅアノン(後段「男牲ノ嫉妬」皿昂sculine Jealousy墾照)。 之ヲ要スノンニ、人類ト其他ノ諸動物トノ聞二、生物的ニモ、 心理的ニモ、基礎的差異ヲ設ケ、人類ヲ修飾スノレニ、崇嚴ニシ テ且ツ神秘ナ衣ヲ以テスノン偏狡ナ見解ハ、近代科學ノ全ク許サ ザノントコロデアノン〔謎四〕〔誰五〕。 〔註一〕Lubb・ck,・P.Giむ.P.397. 〔註二〕CL hrwin,The Descent of皿an,p麟1.Westerm乱rck, op。ci転p,5.(3.ediも.).Lubbock,op.citL pp.398,eむse磁.Mo卜 g2しn,op.cit.pp.513_515. 〔註三〕人猿同組論デァツテ、猿印チ人祀論デハナィ。詳細ハ東洋 學藝雑誌第一七九號ノ理學博士坪井正五郎氏「人卜猿」及ε脛 濟論叢第五巻第一號ノ川村多實二氏「生物進化論ノ誤解惨照。 〔註四〕1むis ollly our llaturaI pr呼1dice,and tha幅rrog我nce wh− ichm風de・urfbre£athersdeclareth就theyweredescended 食omdeml−gods,whichle&dsustodemurtotllisc・nclusi・n・ But the time wonder£ul the will long tha,むna七uralisむs,who comp乱rative mammals,sbould separate我ct be£ore of strucむure have belived and come,whell were it well developnlenむof tha,t e呂ch was cre乱tion.(Ch.:D乱rwin,The wi11be thought acquail1むed with m協n,我nd other the work Descent of of a, M乱n, 第二章 ユ05 婚姻制度ノ起源 PP36,δ7・)。 〔言主■〕 「ノレトウノレノオ嘱1(Ch.Letourneau)ノ、止ヒノ黙二關シテ、…i欠 ノ如ク云フテ居ラレルー人類ヲ他ノ動物ト全ク切リ離シテ所 謂辮(demシ9。ds)けシテ了ツタ韻的臆噺(blind圃udice) ハ、入類ヲ他ノ動物ト比較スルコトガ、人類自ラ入類ヲ卑下ス ノレモノデアルト云フ思想ヲ生ミ、此ノ思想ハ實二入類學的肚會 學 (Anthropo1ogical Sociology) 主要ナル原因デアル云々(The ヲシテ、嚢i達セシメナカツタ Evolution of M乱rriage,1)・2)。 (未完) 「マレイJ式親族稽呼「ツラン』式親族稽呼及ビ「アリアン』式親族稻呼ノ比較表 (MQr脚,・pciちPP・428−432・456−461,500−50虫Lubb・ck,・P・ciちPP・73−75,tablebe榊eenpP・140鋤α14LStarcke,・μciちPP.289−299う Descrip七ionof peysons Haw乱iian (七r乱n鼠) Seneca−Iro吼uois (trans.) Latin (1)。父 斑akua kana (男親) (1)。且anih (2)。父ノ兄弟 皿独ua kana (男親) (2)。且anih (父) (3)。母ノ兄弟 皿&ku泓kana (男親) (3)。Hocnose:h (伯叔父) Avunculus (4)。父ノ父ノ兄弟ノ息子 皿akm kana (男親) (4)。Hanih (父) Potml (5)。母ノ母ノ兄弟ノ息子 Makm k勘na (男親) (5)。Hocnoseh (伯叔父) Avmculi (6)。母 Makua waheena (女親) (6)。Noyeh (母) M乱ter (7)。母ノ姉妹 Makua waheem (女親) (7)。Noyeh (母) (女親) (8)。Ahgahuo (伯叔母〉 (8)。父ノ姉妹 :晦kuawaheena (9)。母ノ母ノ姉妹ノ娘 班乱kua (10)。父ノ父ノ姉妹ノ娘 』ku秘wa五eena (女親) (10九Ah爵huo (11)。息子 Kaikee塩na (男子) (11)。且8曲wuk (12)。兄弟ノ息子 Kaikee:kana (男子) waheena (父) (女親) (9)。Noye五 (母) 嘱伯叔母) (14)。父ノ兄弟ノ息子ノ息子 ・(15)。父ノ姉妹ノ娘ノ息子 (16)。母ノ兄弟ノ娘ノ息子 K乱ikeekana Kaikee:kam Kaikee kana kan乱 (男子) (男子) (甥) Ba胆w蹴da(建LS.) (18)。娘 Kaikee w乱hφena (19)。兄弟ノ娘 Kaikee w油eena (男子) (女子) (甥) H:a乱hwuk(ES.) (、恵、子) Eaahwuk(RLS) (息子) Easohae五(F・S今 (甥) Kaikee鴨heena (21)。父ノ兄弟ノ娘ノ娘 Kaikee (22)。父ノ姉妹ノ息子ノ娘 Kaikee w乱heen& w凸heena (女子) (女子) (女子) ) (甥) Haallwuk(ES.) (息子1 Ea胆w乱nda(MしS.) (甥) (24)。母ノ姉妹ノ娘ノ娘 Kaikee waheena w訪eena (女子) (女子) K&iku餓na(M.S。) (26)。父ノ兄弟ノ息子 Kaikua&n砥皿鋤(E.狗 (27)。母ノ姉妹ノ息子 (兄) fi五us (母方ノ大伯叔父ノ息子) (母) :Ma七erter& (母方ノ伯叔母) Amita (父方ノ伯叔母) 』七erterae mag血ae飾a A血i七a6magn我e伍a (母方ノ大伯叔母ノ娘) (父方ノ大伯叔母ノ娘) (息子) :Frat血s飢us (兄弟ノ息子) Sororis丘1ius (姉妹ノ息子〉 Patmi (父方ノ伯叔父ノ孫。富子) nepos Amit窃e nepos (父方ノ伯叔母ノ孫息子〉 AvuncuH nepos (母方ノ伯叔父ノ孫息子) (息子) Haa:hwuk(遅LS。) (息子) 耳aso}me11(:E亀) (甥) (18)◎:Kaahwuk Ma七er七eτae nepos (母方ノ伯叔母ノ孫息子) (娘) (女良) 11ilia, 像良) :F「a価s飢a (兄弟ノ娘) (19)。 『 (姪〉 仰・儲二1欝)灘 Kay乱wanda(M。S。) (姪) Kaahwuk(ES.) (娘) s・roris£1ia lP謝ui nep七is (姉妹ノ娘) (父方ノ伯叔父ノ孫娘) 恥hwuk(1工鼠) (娘) Amit我e nep七is. (父方ノ伯叔母ノ孫娘) Avunculi nep七is (母方ノ伯叔父ノ孫娘) } (22)。 (姪) (娘) (23)◎ Kas・hneh(ES.) (姪) Kay脚anda(皿S.) (姪) (24)。 (25)。:旺aje (娘) (兄) (兄) (26)。H勾e(:E.) Kaikua乱na(皿S.)(E) (兄) (27)。且丙e(:E・) (28)。父オ姉妹ノ息子 Kaikuaa,na(皿S.)(E.) (兄) (28)。Ahgareseh (29)。母ノ兄弟ノ息子 Kaikuaana(五工S。)(E) (兄〉 (30)。姉 :Kaikuwa五eena+(皿S.) (姉妹) (30)。Al啄e (31)。父ノ兄弟ノ娘 :KaikU照heem(五工S.〉 (姉妹) (31)。Ahle(E) (姉) (姉) (29)。Ahg我「eseh (兄) (兄) (從兄弟) Mat磁erae nep七is :F励er+ 一Pa七rui mius :Ma七er七erae飾us Amitae丘lius Somres+ P昂七rui飢乱 (父方ノ伯叔父ノ息子) (母方ノ伯叔母ノ息子) (父方ノ伯叔母ノ息子) (母方ノ伯叔父ノ、自、子〉 (姉妹) (父方ノ伯叔父ノ娘) Kaikuwaheen乱 (姉妹) (32)。Ahje(E・) (33)。父ノ姉妹ノ娘 Kaikuwa五eena (姉妹) (33)。Ahg乱reseh (從姉妹) Ami七ae飾a (父方ノ伯叔母ノ娘) (34)。母ノ兄弟ノ娘 Kaikuwa五eena (姉妹) (34)。A五gares曲 (從姉妹) A耽mculi茄a (母方ノ伯叔父●ノ娘) :Ma七er七erae且lia (母方ノ伯叔母ノ娘) 繰Elder ノ略ニシテ自分ヨリ年長ノ者チ指ス。 +自分ヨリ年長ノ者二限ラズ。 1 1 (兄弟) (從兄弟) A職nculi五1ius (姉) (母方ノ伯叔母ノ孫娘) (32)。母ノ姉妹ノ娘 甚瓦S・2・M飢e speakingノ略ニシテ男ガ云フ場合チ示ス。同様ニ シテE巳ハ:Female speakingノ略ニシテ女ガ云フ場合チ示スo と (21)。 :臨ahwuk(ES.) (25)。兄 magni (父方ノ大伯叔父〜息子) (17)e Kaahwuk(M。S、) K証kee m乱gni且1ius (16)。 K窃s・㎞eh(ES.〉 (23)。母ノ兄弟ノ息子ノ娘 (母方ノ伯叔父) (15)。 Kas・hneh(F.S.) (20)。姉妹ノ娘 (父方ノ伯叔父) (14)。 Kaahwuk(五1.S,) (女子) Pat「UUS ¥ H:a曲wuk(ES.) (17)。母ノ姉妹ノ忌子ノ息子 』Kaikee kana (,愚子) E8sohneh(ES.馨) (男子) (13)。 (男子) (父) (12)。 Hayawanda(M K&ikee Pa七er (息子)・ :Filius H:aa五wuk(玉工S.馨〉 、(13)。姉妹ノ息子 (trans。) ・
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