【研究課題】生育モニタリングと環境制御技術活用した長期どりトマトの生育診断・制御技術の開発 【現況・課題】 本県のトマトは,作付面積が 940ha と全国2位であるが,産出額は 132 億円と全国5位であり生産 性が低い。これは,無加温のパイプハウスで栽培し,収穫期間が短い(9 月~11 月)夏秋どり作型が 主体であることによる。このため,トマト生産振興のためには,高度環境制御施設を備えた長期どり 栽培(収穫期間 10 月~7 月)の導入における増収技術を確立し,高度な施設園芸への転換を図ること が急務である。トマト栽培では,果実肥大と植物体の生長を両立させることが重要であり,それらの バランスが適正に保たれてはじめて高収量が実現できる。そのためには,トマトの生育バランスが適 正に保たれているかを的確に把握し,果実肥大を促進して高収量に結びつく栽培管理に反映させるこ とが求められる。 そこで,本研究では,トマトの生育バランスを的確に評価するために,開花花房距離や茎径等の生 育診断指標を選定し,基準値を決定して「生育状況の見える化」をするとともに,生育診断指標に影 響を及ぼす環境条件を明らかにすることで,トマトの生育バランスを適正に保ち,トマトを安定的に 栽培管理するための生育制御技術を開発する。 【研究内容】 1 生育モニタリング指標の選定と目標基準値の決定 2 生育診断指標と環境条件との関係解明 3 生育モニタリングを活用した生育制御技術の開発と実証 【期待する効果】 高度環境制御が可能な施設において,本研究で開発した生育制御技術を導入することにより,トマ トが増収し(現状 12t→ 35t/10a),トマトの品質が高位安定化(糖度 5~6%、A品率 50%以上) することで,本県トマト産地の振興を図る。また,これらの取り組みは,栽培環境と生育状況のデー タ化を可能とし,ICTの活用等により,次世代の新たな栽培管理技術開発の一助となる。 【募集分野】 農学等 ※問い合わせ先 茨城県農業総合センター園芸研究所 研究調整監 宮城慎 TEL 0299-45-8340 野菜研究室長 金子賢一 TEL 0299-45-8341
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