BaslerのLVDS対応インターフェース

マーケティングノート
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BaslerのLVDS対応インターフェースBCON:
Camera Linkとの類似点
Baslerでは、Camera Link対応カメラはもちろん、当社がエンベデッドビジョンシステム向けに新たに開発したLVDS対応インターフェース
BCONを搭載したボードレベルカメラもご提供しています。この2つのデータ転送用インターフェースとそのプロトコルには、いくつもの注目
すべき共通点があります。このマーケティングノートでは、2つのインターフェースについて簡単な比較を行っていきます。後ほど詳しくご説
明しますが、BCONはエンベデッドシステム向けにカスタマイズされているという点で技術的に多少の違いがあるものの、Camera Linkの多
くの特徴を受け継いでいます。そのため、Camera Linkを使用した経験のある技術者であれば、この新型インターフェースを簡単に使用でき
ます。
マーケティングノートの中では、概要のみをご紹介しています。技術的な詳細については、アプリケーションノート「Camera Linkインター
フェースとBaslerのBCONインターフェースの比較」をご覧ください。
目次
1. データ転送:チャネルリンクを利用しているLVDS....................... 1
2. 配線とハードウェアの接続..............................................................2
一方、BCONでは、FVALとLVALの2種類の同期信号しかなく、これら
とは別に2つの出力ビットを使用します。しかし、Camera Linkと同様に、
BCONでもデータフローの制御は行いません。
3. 両方のインターフェースで使用可能なpylon Camera Software
Suite...................................................................................................2
4. まとめ.................................................................................................3
1. データ転送:チャネルリンクを利用しているLVDS
Camera LinkとLVDS対応インターフェースBCONは、どちらも高速デ
ータ転送規格と知られるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)
に対応しているため、多くの類似点が見られます。
Basler aceのCamera Link対応モデル
より正確に言うと、この2つのインターフェースにはナショナル・セミ
コンダクター社製のLVDS用チャネルリンクチップセットDS90CR28x
が使用されており、トランスミッターでCMOS/TTLデータを4つの
LVDSデータストリームに変換し(データを7:1にシリアライズ)、レ
シーバーでLVDSデータを28ビットのCMOS/TTLデータに戻します。
チャネルリンクのプロトコルでは、1クロックサイクル当たり最大
4×7=28ビットのデータが最大4つのデータレーンで転送されます。
Camera Linkには4つの形式があります。その中の一つである
「Base Configuration」では、BCONと同様に1本のケーブルと4つ
のチャネルリンク(トランスミッター)を使用します。
Basler dartのLVDS対応インターフェースBCON搭載モデルとケーブル
Camera LinkのBase Configurationは3つの制御ビットと1つの未使
用ビットから構成されており、1サイクル当たり24個のデータビット
を持っています。一方、BCONの1サイクル当たりのデータビット数も
24個であるため、伝送周波数が同じであれば、帯域幅も同じになり
ます。ただし、Camera Linkのクロック周波数は40~85MHzに指定
されていることから、最大帯域幅が255 MB/秒となり、BCONの
252M/秒(指定周波数20~84MHz)よりもやや広くなっています。
両者の間のわずかな違いは、制御ビットにあります。Camera Link
の制御ビットは、FVAL、LVAL、DVALで構成されています。
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目次
2. 配線とハードウェアの接続
配線は、2つのインターフェースの間にある最も大きな違いであると
言えます。Camera Linkでは、MDR-26と呼ばれる 26ピンコネクター
と小型のMiniCLコネクター(HDR-26、SDR-26)を使用します。ケー
ブルには画像転送用のLVDSレーンのほか、カメラの制御とLVDSを
通じたトリガーを行う4つの調整可能な入力レーンがあります。
さらに、PoCL(Power over Camera Link)に対応している場合は、
2V±1V(4W)の電源供給レーンも加わります。Camera Link用の
ケーブルは丈夫で保護性能が高く、産業用途にも耐えられる最長
10mまでのものが販売されています。
一方、BCONはエンベデッドシステム専用にカスタマイズされている
ため、26ピンのフレキシブルフラットケーブル(FFC)が使用されて
います。このケーブルは保護性能が低いため、最長でも約1mまで
のものしかありませんが、より丈夫で保護性能の高いリボンケーブ
ルに変更すれば、ケーブル長を伸ばすことも可能です。コネクター
について見てみると、BCONはヒロセ電機社製の28ピンZIFコネクタ
ーを使用しており、LVDSによる画像転送を行うレーン、I/O信号レー
ン(外部トリガー信号などに使用)、5V±0.5V(1.5W)の電源供給
レーンのほか、Baslerのpylon Camera Software Suiteを通じてカメ
ラの設定を行う際に使用する3つのI²C対応レーンも備えています。
BCON用のフレキシブルフラットケーブル
3. 両方のインターフェースで使用可能なpylon
Camera Software Suite
実用性の面で2つのインターフェースに見られる大きな類似点として、
Baslerのpylon SDKを通じてカメラを操作できることが挙げられ
ます。例えば、pylon SDKを使用すれば、Camera Link対応システム
をカメラとBCONが直接接続されているエンベデッドシステムに簡
単に移行できます。プログラミングインターフェース(API)が同じで
あるため、ソフトウェアの接続にかかる作業も軽減されます。しかも、
どちらのインターフェースもGenICamに対応しています。
また、接続に関する技術仕様を詳しく見てみると、画像データフロ
ーとカメラの設定が独立していることが分かります。
画像データの取得
画像を取得する際には、どちらのインターフェースでもホストコンピ
ューター側にデータを受け取る機器が必要になります。Camera
Link対応カメラで撮影を行うには、Camera Linkに対応したフレー
ムグラバーが必要不可欠です。フレームグラバーはカメラから受け
取った画像データを処理し、後続のソフトウェア処理に使用できる
完全な画像に組み換えます。
一方、BaslerのBCON対応カメラはエンベデッドシステム向けにカス
タマイズされているため、従来のようなフレームグラバーは必要あ
りません。その代わり、FPGA(またはFPGAを搭載したSoC)などに
接続して画像データの処理(完全な画像への組み換え)を行うため、
ソフトウェアを使用して画像を取得することもできます。LVDSのプ
ロトコルには特定の規格がなく、メーカーによってハードウェアのロ
ジックが異なっていることから、汎用性のあるドライバーや画像取
得ロジックがありません。そのため、LVDSを使用する場合は、画像
データ転送の実装を独自に開発しなければなりません。そのため
のツールとして、Baslerでは、コード例を含むリファレンス実装が
セットになった開発キットをご提供しています。このほか、新登場
のBCONアダプターAPIを使用し、実際のハードウェアに合わせて画
像を取得する方法もあります。この方法を利用すれば、Baslerの
pylon SDKを通じて画像データを転送することも可能になります。
カメラの設定
Camera Linkでは、非同期のシリアル通信を行うために2組のLVDS
が配置されています。Camera Linkに対応しているフレームグラバ
ーであれば、Camera Linkインターフェースを通じてコンピューター
とカメラとの間の通信を行うシリアルポートが搭載されています。
Baslerのpylon Camera Software Suiteは、このポートを利用してカ
メラの設定を行います。
BCONについても同様で、別途機器を接続しなくても、pylonを通
じて直接カメラの設定を行えます。そのため、BCONにはSoCの一
般的なインターフェースであるI²Cバスが搭載されています。カメラ
の設定を行うためには、pylon Camera Software Suiteバージョン
5.0.5以上が必要になります。
Camera Link用のケーブル
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4. まとめ
画像の取得について言うと、どちらのインターフェースでもホストコ
ンピューター側にデータを処理する機器が必要になります。これに
ついて、Camera Linkはフレームグラバーを使用しますが、BCONな
らFPGAで処理を行うなど、使用しているハードウェアに応じて独自
の方法を開発できます。さらに、BCONアダプターAPIを使用すれば、
pylonを通じて画像を取得することも可能です。これはCamera
Linkにはないメリットです。
しかし、技術的に異なるとは言え、どちらのインターフェースでも
pylonを使用してカメラの設定を行うことができます。Camera Link
にはLVDSに対応したシリアルポートが搭載されていますが、BCON
では内蔵されているI²Cドライバーアダプターを通じて一般的なI²C
バスを使用できます。
エンベデッドビジョンシステムの構成機器:カメラ、フレキシブルフラットケ
ーブル、プロセッシングボード
BaslerのLVDS対応インターフェースBCONとCamera Linkは、チャネ
ルリンクを利用した信号伝送技術として LVDSを使用している点で
共通していますが、制御ビットの構成に多少の違いがあります。
しかし、どちらのインターフェースも1クロックサイクル当たり24個の
データビットを持っているため、帯域幅とクロック周波数はほぼ同
じです。
両者はコネクター、ケーブル、電源供給の要件が異なっているため、
ケーブル長にも違いが見られます。これは、BCONがエンベデッドシ
ステム向けに開発されているのに対し、Camera Linkは一般的な産
業用マシンビジョン用途向けであることによるものです。
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以上のように、BCONはエンベデッドシステム向けにカスタマイズさ
れているという点で異なる部分もありますが、Camera Linkとの間
に多くの類似点が見られます。そのため、LVDS、チャネルリンク、
Camera Linkに詳しい企業や開発者がエンベデッドシステムを導入
したいと考えている場合にBCONは最適です。
技術的な側面など、さらに詳しい共通点や違いについては、
アプリケーションノート「Camera LinkインターフェースとBasler
のBCONインターフェースの比較」をご覧ください。
筆者
連絡先
Dr. Thomas Rademacher
工場・交通部門
プロダクトマーケットマネージャー
工場・交通部門
プロダクトマーケットマネージャー
Dr. Thomas Rademacher
プロダクトマネージャーとして2015年より
Baslerに勤務。エンベデッドビジョンシス
テム向けにLVDS対応インターフェース
BCONを搭載したBasler dartの新型モデ
ルを担当。
Tel: +49 4102 463 487
Fax: +49 4102 463 46487
Eメール: [email protected]
ゲッティンゲン大学で物理学博士号を取得した後、半導体業界で工
業計測技術を専門とする大手エンジニアリング企業のプロダクトマ
ネージャーとして、主に光学計測や自動画像処理・分析を担当。
Basler AG
An der Strusbek 60-62
22926 Ahrensburg
Germany
Basler AG
Baslerは製造業、医薬、交通関連、リテールなど幅広い分野で使用
されている高品質デジタルカメラの製造で業界を代表するリーディ
ングカンパニーです。業界のニーズに合った製品設計をモットーに、
優れた画質はもちろん、取り付けが簡単でコンパクトなカメラを提
供することで、高いコストパフォーマンスを実現しています。25年以
上にわたり画像処理に従事してきたBaslerは、500名以上の従業員
を有し、ドイツ・アーレンスブルクの本社のほか、ヨーロッパ、アジ
ア、米国にも子会社と営業所を展開しています。
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