第35回京都府文化賞受賞者紹介 ○日本地震学の第一人者で元京都大学総長の尾池和夫氏、美術史学者で京都国立博物館館長の 佐々木丞平氏が特別功労賞を受賞 受賞者の特徴等 ○功労賞は、工芸、書、洋楽、歌舞伎、料理など幅広い分野の方々が受賞。昨年7月に紬織(つむぎお り)の重要無形文化財(人間国宝)に指定された染織作家の村上良子氏が受賞。 ○奨励賞は、漆芸家の井川健氏、デザイナー・シューズアーティストの串野真也氏、能楽狂言方の茂 山良暢氏など、幅広い分野から、現在活躍する新進の芸術家が受賞 氏 名 いわくら ひさし 岩倉 壽 特 別 功 労 賞 お い け か ず お 尾池 和夫 く ろ さ き あきら 黒崎 彰 さ さ き じょう へい 佐々木 丞平 あ べ ひろゆき 阿部 裕之 かみむら き ち や く り す まさひろ く り も と な つ き なかはら こうだい まえかわ みつなが むらかみ り ょ う こ よしかわ しょうせん 上村 吉弥 栗栖 正博 功 労 賞 栗本 夏樹 中原 浩大 前川 光長 村上 良子 吉川 蕉仙 い が わ たけし 井川 健 く し の ま さ や 串野 真也 奨 励 賞 さ さ き 80 日本画家 風景や花鳥などを題材とし、精神の清らかさが結実した日本画を描き高く評価される。長年京都市立芸術大 学などで後進育成にも大きく貢献。 76 地球科学者 日本の地震学の第一人者で、日本列島の内陸地震の原因が花崗岩の分布にあることを発見。地震予想や 地震知識の普及にも尽力。京都大学第24代総長、京都造形芸術大学学長を務めるなど、後進育成にも大き く貢献。 80 版画家 伝統的な技法に現代的表現を加味し、明快で躍動感に満ちた線と濃厚かつ優美な色彩を特徴とする日本を 代表する版画家で、海外でも高く評価されている。国内外の多くの大学で後進の指導・育成に大きく貢献。 75 美術史学者 京都府教育委員会事務局にて京都府の文化財保護行政に携わった後、国の文化財調査官として国宝、重 要文化財の指定業務に尽力。日本近世絵画史の研究でも大きな業績を残す。平成19年から京都国立博物 館館長となり、「平成知新館」を開館し、好評を博した展覧会を数々主導。 59 ピアニスト 鋭い感性と多彩な音色から描き出される独特の響きと奥の深い音楽が高く評価され、特にラヴェルの演奏に は定評がある。ラヴェルの弟子のV.ペルルミュテール氏から受け継いだ正統的な演奏を伝えるとともに、再 解釈にも努める。京都市立芸術大学で、後進育成に尽力。 61 歌舞伎俳優 平成5年、6代目上村吉弥を襲名。しっとりとした色香、はんなりとした風情と表現されるような、舞台を豊かに 彩る女形として評価が高い。平成5年から23回続いた京都南座の「歌舞伎鑑賞教室」にすべて出演、歌舞伎 ファンの裾野拡大に尽力。 59 料理人 「たん熊北店」主人。食材の選択、料理方法、器、お客様に出すタイミングなど、独自の美学に基づく和食の 世界を作り上げる。日本料理アカデミー副理事長も務め、和食の国内外への普及へ尽力。 55 漆造形作家 伝統的な素材や技法の継承にとどまらず、漆の持つ魅力と奥深さを最大限に引き出し、新しい漆表現を海外 に発信。漆造形の第一人者として制作を続ける一方、京都市立芸術大学で後進育成に尽力。 55 美術家 1970年代、多様な素材を用いたユニークなフォルムの巨大作品から、90年代のレゴ・ブロックやフィギュアな どを用い彫刻作品そのものを問う作品、近年の日常と非日常、プライベートとパブリックを往来する作品ま で、常に注目され、高く評価されている。 64 染織作家 植物染料ならではの透明感のある色彩と、綴織(つづれおり)や絣(がすり)手法を組み合わせた独自の表現 技法が高く評価される。昨年7月重要無形文化財(人間国宝)指定。倉敷芸術科学大学で後進育成に尽力。 78 書家 筆や墨にこだわり、線をいかに強く引くかに精魂を傾けるなど、「訴える力の強さ」を特長とする作品が高く評 価される。府立高校で教鞭を執る傍ら、橘女子大学(現京都橘大学)で後進育成に尽力。 36 漆造形作家 大きなオブジェからクラフト作品まで幅広く制作し、洗練されたシャープなフォルムと、人の手を感じさせない ほど磨き上げられた漆黒の作品が高く評価され、受賞歴も多数。 デザイナー・ 動物や昆虫、植物など自然のデザインを生かしたシューズが高く評価される。米国の人気歌手レディー・ガガ 34 シューズアーティ がプロモーションビデオで氏の作成したブーツを着用したことでも知られる。 スト し ん じ よしのぶ 茂山 良暢 なかおか ま す み 金春流太鼓方の継承者として活躍。「なびき」といわれる響きの余韻を大切にし、細心の注意を払う演奏は高 能楽囃子太鼓方 く評価され、美しい舞台姿も観るものを惹きつける。京都囃子方同明会理事長や京都能楽養成会講師を務め (金春流) るなど、能楽の普及や後進育成に尽力。 67 佐々木 真士 41 しげやま 受賞者紹介 年齢 34 中岡 真珠美 38 日本画家 インド旅行を重ね、明るい色彩と細やかな表現で、インドのドラマチックな世界観を大胆に描き上げる。京都 府美術工芸新鋭展に入選するなど、早くから高く評価される。 能楽狂言方 今年8月に五世茂山忠三郎を襲名。忠三郎狂言会を主宰し、京都ほか全国各地で毎年上演。狂言教室の開 催や海外公演など幅広い活動を積極的に行い、狂言の普及に尽力。 画家 人工物と自然をモチーフとし、清浄な「白」に包まれた静謐な世界を持つ「風景画」が高く評価される。パーツ を抽象画として描き、それを組み合わせてひとつの作品を構成するなど様々な表現に挑み続ける。 (年齢は受賞日現在)
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