ス て 会 を目 社 ト 指し ー マ or N IK K t 日経BP社 環境報告書 EI BP E nvironme 2015 年版 p e nt R はじめに 日経 BP 社は、約 40 の専門媒体と書籍、またインターネットやイベント・シンポ ジウム等を通じて専門性の高い情報を発信する出版社です。近年、地球温暖化、再生 可能エネルギーへの転換、さらには急激な人口膨張への対応が世界的な重要課題とな るなか、「持続的な成長を可能にする社会への変革」を大きなテーマのひとつとして 掲げ、さまざまな取り組みを行っています。 1999 年に月刊誌「日経エコロジー」を創刊。翌 2000 年には国内外の有力企業・ 団体が加盟する会員組織「日経 BP 環境経営フォーラム」を発足し、企業、産業界の 環境・CSR 対応、低炭素社会の実現に向けて、より専門的で実効性の高い情報を多 面的に提供し続けてきました。 さらには ICT とクリーンエネルギーの普及による新しい豊かな都市づくりの推進 を目指し、2010 年「日経 BP クリーンテック研究所」を設立、2011 年 10 月には 世界に先駆け、大規模な国際シンポジウム「Smart City Week」を開催するなど、 時代の要請、社会ニーズの変化に合わせて活動の範囲を着実に広げてきました。 日経 BP 社は、ビジネスの柱のひとつとして紙資源を消費する出版事業を展開して います。それだけに地球温暖化が顕在化するなかで、環境問題克服のための情報を積 極的に提供することも情報発信企業としての使命だと考えています。 同時に自らの企業活動における環境負荷削減を目指し、電力使用の節減、廃棄物分 別の徹底やリサイクル促進といったオフィスでの改善活動を推進しています。出版事 業においては、用紙選択、印刷工程への配慮、流通の効率化に配慮するなど、資源の 保全と保護に積極的に取り組んでいます。 今後はさらに、一企業として環境対策への取り組みを深めるとともに、企業・産業 活動と地球環境の調和を目指す専門メディア企業として、環境問題に関わる情報をさ らに広く、深く提供していきます。 2 1 紙消費の効率化に取り組む 環境負荷の少ない用紙の使用 日経 BP 社は環境負荷を軽減するための一環として、できるだけ軽い用紙を使うことを全社的に進 めています。同時に、紙資源の循環を進めるため再生紙利用の推進も全社的に呼びかけています。 日経 BP 社が発行する雑誌 31 誌(定期刊行物)の 77%が、 再生紙を配合した用紙を使用しています。 図に、雑誌ごとの再生紙の配合率(古紙配合率)の分布を示しました。半数以上の媒体で古紙配合率 40%以上の紙を使用しています。 日経 BP 社では雑誌ごとに要求される紙の特性を考え、その範囲で可能な限り高い再生紙配合率の 紙を選択しています。 2014 年古紙配合率別雑誌数 50 59% 0% 7誌 7誌 10 19% 2誌 40 49% 30 39% 9誌 20 29% 1誌 5誌 ※ 1∼9%と 60%以上の古紙配含率の紙を使用した雑誌はありません 再生紙への考え方も変わりつつある 再生紙の配合量が環境負荷の面からどの程度が適切かについては、さまざまな考え方があります。 国内で製造される紙(ダンボール、板紙等を含む)全体の再生紙利用率は 63.9%(製紙連合会の 2014 年統計)であり、需給関係から再生紙を使う必要性は明白です。 しかし再生紙比率の高い紙は、製造時に薬品を多く使用することや製造歩留まりが低くなることから、 地球温暖化の側面で「再生紙には問題がある」という見方もあります。だからといって、新しいパルプ を得るために需要に合わせて森林を伐採すれば、CO2 吸収源が減少し、地球温暖化にも影響します。 再生紙の利用も必要だが、比率を単純に高めることが良いことであるとも言えないのが現状です。 日経 BP 社は、目標数値は掲げず、現状の比率を維持しながら、できる範囲で再生紙の利用を推進す る方針で、業界の今後の動きにも注目していきます。 3 2 電力消費、一般ごみの排出の現状 日経 BP 社とグループ会社(一部除く)は、東京・港区の白金エリアで 2 つのビルを使用しています。 本報告書では、日経 BP 社とグループ会社が入居する、2 つのビルの消費電力と事務用紙の使用量、 ゴミの排出量などについて示します。 オフィス活動に伴う環境負荷削減にも取り組む 出版事業に伴う環境負荷(紙の使用)とは別に、日経 BP 社は、電力使用、事務用紙、廃棄物など 日常業務(オフィス活動)に伴う環境負荷についても、改善活動に取り組んでいます。 2006 年、当社は東京・千代田区にあったオフィスを現在の港区白金エリアに移転しました。旧オフィ スは事業拡大に伴い本社周辺ビルにもオフィスが分散していましたが、移転を機にオフィス・ビルの 集中を図りました。 白金エリアのプラチナタワーは、再開発事業の一環として建設された高層ビルであり、エネルギー 消費、廃棄物処理などの点で「環境にやさしい」設計となっています。この結果、移転後の 2006 年 1 年間で、前年と比べ電力消費量、廃棄物排出量が大きく減少しました(以下は、移転後の推移だけを 表示)。 2008 年 7 月には、同じ日本経済新聞社グループの日経ホーム出版と経営統合し、従業員数が大幅 に増加したことによって 2008 年の電力使用量、事務用紙使用量、廃棄物排出量はいずれも増加しま した。 2011 年、東日本大震災の影響により、電力使用量、事務用紙使用量が減少。その後、企業活動が元 に戻るに従って、事務用紙の使用量は微増傾向にありますが、今後も節電、事務用紙の節約に努めます。 オフィス活動における電力使用量(単位:キロワット時) (キロワット時) 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 2006 2007 2008 2009 4 2010 2011 2012 2013 2014(年) 消費電力量(熱源使用量を含む) 2011 年は、東日本大震災の影響で大幅な節電に迫られたこともあり、電力使用量が減少しました。 それまで実施してきた節電を、さらに進めて節電に努めました。 そのため、2011 年の電力使用量は、約 234.7 万キロワット時で、前年(2010 年)比マイナス 17.7%でした。2009 年以降、年々電力消費量を減らしており、これまでの対策(OA 機器や照明な どの ON/OFF 管理)も徹底しています(消費電力量には、熱源使用量も含まれています) 。 2009 年は、オフィス・フロアの利用効率化やコピー機・複合機・電化製品の集約を行い、無駄な プリント出力・複写機の利用をなくすよう徹底しました。2010 年には、ビル賃貸フロアの減少(3 フ ロア分を返却)による、消費電力の低減効果がありました。 2011 年は、空調の温度調整の適正化や使用していないエリアの空調を停止するなどの効果もあっ たと見ています。 2014 年 10 月には全フロアを LED 照明に切り替えたため、11 月から大幅減少に転じ、年間約 197 万キロワットとなりました。 事務用紙の使用量 2006 年から 2008 年の経営統合(日経ホーム出版との統合)まで、事務用紙の使用量は増加して いましたが、2009 年以降、コピー機(複合機)の集約などを実施し、毎年数%ずつ使用量の削減を 図ってきました(2009 年は前年比マイナス 9.1%、 2010 年は前年比マイナス 5.2%) 。2006 年以来、 50 トンを超えていた事務用紙の使用量は、2011 年以降 50 トンを下回る量に削減できました。 2012 年以降は企業活動の活性化により微増傾向にありますが、2 イン 1 印刷などで事務用紙の使用 量を減らすよう努めています。 オフィス事務用紙の使用量の推移 (トン) 70 60 50 40 30 20 10 0 2006 2007 2008 2009 5 2010 2011 2012 2013 2014(年) 分別と事務用紙削減で、ゴミ排出量を低減 ゴミ排出量は、事務用紙の使用量と同様、経営統合による業務拡大に合わせて 2006 年以降、毎年 増加していました(2008 年は前年比プラス 13.8%と大幅増) 。しかし、2009 年は事務用紙の使用 量減と同様、ゴミ排出量(リサイクル紙)が減少しました。 ゴミは、一般ゴミ(一般廃棄ゴミ)と産業廃棄物(廃プラスチックを含む不燃ゴミ、パソコン、各 種記録媒体など)、リサイクル紙(OA 紙、ミックスペーパー、雑誌など) 、リサイクル瓶・缶・ペット ボトルなど、9 種類に分類しています。 2009 年以降は、事務用紙の使用量の減少にあわせて、リサイクル紙の廃棄量が減少しています。 2009 年は廃棄物全体で前年比マイナス 16.9%でした。なかでもリサイクル紙は、前年比 24.0%減 少し、全体の減少に大きく寄与しました。さらに、2010 年はオフィス・エリアの縮小(3 フロア分を 返却)や事務用紙の節約の周知などで、廃棄物全体で 23.2%を減らしました。 2013 年には WindowsXP のサポート終了直前のリプレースで、パソコンの廃棄が通年の 1.5 倍に なったことにより産棄物全排出量が前年より増加しましたが、2014 年には前年比 8.1% 減と、2011 年とほぼ同等の水準になりました。 廃棄物全排出量の推移 350 (トン) 300 250 200 150 100 50 0 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 一般廃棄:一般ゴミ 産業廃棄:不燃ゴミ (廃プラ含む)、 パソコン廃棄、 メデイア廃棄など リサイクルビン・缶:ビン・缶・ペットボトル リサイクル紙:OA 紙・ミックスペーパー・雑誌ほか 6 2013 2014 (年)
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