地域と企業の未来をつくる商工会議所 2017 すかがわ会議所ニュース 1 月号 No. 497 (毎月5日発行) 須賀川軟式ルーキーズスポーツ少年団の餅つき大会 撮影:青年部次年度会長予定者 深谷勝俊氏(㈲深谷石材店 代表取締役) インフォメーション 1 10日㈫ 青年部三役会(商工会館) 12日㈭ 青年部新春懇談会(ホテルサンルート) 13日㈮ 経営計画書作成支援セミナー個別相談会(商工会館) 16日㈪ 須賀川地区税務関係団体協議会臨時会(商工会館) 青年部役員会(商工会館) 17日㈫ 田善顕彰版画展一次審査(商工会館) 19日㈭ 福島空港有識者懇談会(東京) 20日㈮ 第19回会員交流大会第3回実行委員会(商工会館) 23日㈪ 須賀川地区経営者協会・財務金融部会新春経済 講演会(ホテル虎屋) 24日㈫ 第532回常議員会(商工会館) 新春議員懇談会(グランシア須賀川) 女性会新年会(マンマ鎌倉屋) 25日㈬ 田善顕彰版画展二次審査(商工会館) 28日㈯ 元気だ!すかがわあきんど祭り(地域交流館ボタン他) 2 月 5日㈰ 田善顕彰版画展表彰式(CCGA現代グラフィックアート) 月 ∼すかがわ商店街∼ 第13回雛(ひゝな)の笑顔に会えるまち 展示店大募集! 「雛の笑顔に会えるまち」 事業を、中心市街地の各商店会 や商店街振興組合、須賀川商工会議所・女性会等合同で実 施いたします。 つきましては、より多くのお店に雛展示にご参加いただ き、すかがわ商店街を盛り上げていきたいと考えておりま すので、ぜひ皆様のご協力をいただきますようお願い申し 上げます。 抽選で商品券があたるスタンプラリーやお店の雰囲気に 合った飾り方やおもてなしの優秀なお店を表彰する展示店 コンテストも実施します。 展示期間:2月17日㈮∼3月5日㈰ 展示内容:各店の所有する雛飾りを展示していただきます。 申込締切:1月12日㈭ お申し込み、お問い合わせ先 地域振興課 ☎76−2124 発行所/須賀川商工会議所 〒962−0844 福島県須賀川市東町59−25 TEL(0248)76−2124(代) FAX(0248)76−2127 ホームページ 須賀川商工会議所 で 検索 E-mail skgwcci01@sukagawacci.or.jp 印 刷 (有)和田印刷〒962-0057福島県須賀川市袋田字守子92-8 TEL0248-75-2256 さらに、貴重な地域インフラであり交流 拡大の核となる福島空港につきましては、 現在も国際定期便の運休が続いております ﹁中小・小規模事業者の支援に全力﹂ が、福島県、須賀川市とともにチャーター 便の増発に努めるなど実績を積み重ねて一 日も早い再開を目指すとともに、国内線に 邉 達 雄 須賀川商工会議所会頭渡 おいては新たな就航先開拓に加え、現行の 大阪・札幌各路線の需要拡大を目指し、利 用客の利便向上につながる機材の大型化な 発事故に係る風評被害の払拭、放射能汚染 新年あけましておめでとうございます。 どについてエアラインに対する要請活動を 物質搬出等の事業促進、中小企業等の活力 皆様方には、平成 年の輝かしい新春を 強化するなど、多様な利活用促進策を県内 お迎えのことと心からお慶び申しあげます。 強化、地域活性化に資する諸施策等につい 外の関係機関に強く働きかけてまいりたい て強く要望していくとともに、昨年制定さ 昨年 月の須賀川商工会議所の役員改選 と考えております。 れた須賀川市小規模事業者支援推進条例に 今後の地域を取り巻く状況は、風評被害 にあたり、引き続き会頭職を務めることと 基づき、会員の身近な相談相手として税務・ の払拭や除染土壌などの搬出など多くの課 なりました。微力ながら最善の努力を尽く 金融・経営支援・法律相談等にきめ細かに す所存でありますのでよろしくお願い申し 題を抱えております。関係機関と連携を密 対応しながら、市域全体の振興発展につな あげます。 にし、万全の対策を講じて事業所支援に積 げてまいる考えでおります。 須賀川商工会議所は、東日本大震災から 極的に取り組むとともに、地域経済を支え 大きな課題である中心市街地の活性化 の5年余の間、震災被害からの復旧・復興、 る新たな企業を育てるための創業支援事業 につきましても、市並びに商店街、株 式 特に地域産業の復興再生、企業や市民の社 を引き続き実施して参ります。 会社こぷろ須賀川などと連携しながら取 新年を迎え心新たに、安全・安心なまち 会・生活基盤の回復を最優先課題として取 り組んでおりますが、今年は市民サービ り組んでまいりましたが、本年も日本商工 づくりと、地域の振興発展に邁進したいと スの飛躍的向上につながる新市庁舎が完 会議所や全国 商工会議所のネットワーク 考えておりますので、会員の皆様をはじめ、 成いたしますし、 (仮称)須賀川市市民交 を活用しながら、厳しい経営環境にある会 市民の皆様のより一層のご支援、ご協力を 流センターの建設も着々と進んでおりま 員事業所、特に当地において9割を占める お願い申し上げるものであります。 すので、中心市街地活性化の促進に大き 今年も皆様にとって佳い年となりますよ 小規模事業所や中小企業の支援に一層力を く寄与するものと期待を寄せているとこ 注いでまいりたいと考えております。 う心からお祈り申しあげ、新年のご挨拶と ろです。 また、国に対しては復興予算の継続や原 いたします。 11 515 29 2 2017年1月号 すかがわ会議所ニュース 大きな問題となっておりますが、本市も同 様で将来の人口動態の変化が市の経済活動 ﹁復興から発展へ、 や行政サービス・財政に大きな影響を及ぼ 新たな須賀川の礎を築きます﹂ すことになります。これらの影響を最小限 にするため、人口減少社会に対応すること を目的に策定した「須賀川市まち・ひと・ 須賀川市長 橋 本 克 也 しごと創生総合戦略」の推進体制を更に強 化してまいります。 新年度は須賀川市第7次総合計画の最終 療棟が開院しますので、長年の課題であっ 明けましておめでとうございます。平成 年度で、 震災からの「復興期」から「発展期」 た「安心して産み育てる環境づくり」に大 年の新春に当たり、謹んでお慶び申し上 へ移行する年となります。このため、市民 きな役割を担っていただけるものと期待 げます。 の皆様との協働のもと、これまで以上に住 しております。 市民の皆様には、日頃から市政進展のた む人、働く人、育てる人、訪れる人、企業に、 新たな文化交流と市民活動の拠点とな 「選ばれるまち須賀川市」の実現に取り組む め、温かいご支援とご協力を賜り、衷心よ て っ て る市民交流センターの愛称が「tette」 とともに、新たな須賀川の礎を築くため、 り厚く御礼申し上げます。 に決まり、皆様に愛されご利用いただけ 東日本大震災から間もなく6年となりま 市民の皆様とともに「ふるさと須賀川」の希 るよう、平成 年のオープンを目指して すが、これまで震災からの復旧・復興に全 望に満ちたまちづくりに全力で取り組んで 建設を進めてまいります。 力で取り組み、去る 月には、被災された まいりますので、引き続き、市政に対する 先 人 が 築い た 貴 重 な 文 化 遺 産 や 偉 業 を 皆様のご理解を得ながら事業を進めてきた ご理解とご支援を賜りますようお願いいた 後世に引き継いでいくため、地域の宝を 藤沼ダムの堤体が完成し、試験湛水を経て します。 発掘し、本市が生んだ円谷英二特撮監督 結びに、今年一年の皆様のご健勝とご多 4月末には受益者の皆様が待ち望んだ農業 と円谷幸吉選手、この「二人の円谷」の足 用水が供給される見込みとなりました。 幸をお祈り申し上げ、年頭の挨拶といたし 跡と偉業を多くの皆様に知ってもらうと また、3月末には市民サービスの拠点で ます。 ともに、ウルトラヒーローのイメージアッ あり、復興のシンボルでもある市役所新庁 プ戦略を引き続き推進し、その力を借り 舎が完成し、5月8日の業務開始に向けて て須賀川の元気と魅力を全国 に発信して 準備を進め、市民の皆様により質の高いサー ビスが提供できるよう努めてまいります。 まいります。 今、全国的に人口減少や少子高齢化が 4月初旬には公立岩瀬病院に産科婦人科診 29 11 30 2017年1月号 すかがわ会議所ニュース 3 商工会議所役員・議員 会 頭 渡 邉 達 雄 平半染工㈱ 代表取締役 副会頭 橋 本 良 紀 須賀川瓦斯㈱ 代表取締役社長 副会頭 佐 藤 俊 彦 佐藤産業㈱ 代表取締役 副会頭 横 山 敦 ㈱横山建設 代表取締役 専務理事 須賀川商工会議所 市 川 守 常議員 赤井田 貴 之 赤井田造園土木㈱ 代表取締役 常議員 ︵旅館料飲部会長︶ ホテルサンルート須賀川 専務取締役 味 戸 雄二郎 新年明けましておめ でとうございます。 昨年は皆様には大変 お 世 話 に な り ま し た。 深く感謝申しあげます。 本年も変わらぬご支援 をどうぞ宜しくお願い致 します。 常議員 ︵財務金融部会長︶ 安 藤 利 之 ㈱東邦銀行須賀川支店 支店長 常議員 伊 藤 平 男 須賀川信用金庫 常勤理事 常議員 大 内 康 広 ㈱グランシア須賀川 代表取締役 常議員 大 木 和 彦 ㈱瑞穂不動産 代表取締役 常議員 小 野 浩 喜 ㈱オノヤ 代表取締役 常議員︵運輸観光部会長︶ 樫 村 聡 ㈲あさひ観光 代表取締役 常議員 トキワ印刷㈱ 顧問 金 子 健太郎 常議員 ㈱あおい 代表取締役 菊 地 大 介 常議員 草 野 正 美 福島空港運輸㈱ 代表取締役 常議員 ㈱釜屋 相談役 近 藤 孝 一 常議員 ㈱ひまわり 代表取締役 佐 藤 博 常議員 三 瓶 久 三 三瓶重機建設㈱ 代表取締役社長 常議員 菅 波 良 隆 丸和水産㈱ 代表取締役社長 常議員 須 郷 康 史 日本工営㈱電力事業本部福島事業所 所長 常議員︵庶業部会長︶ 鈴 木 和 幸 ㈱セルクル 代表取締役 常議員 関 根 一 男 ニューワーク情報サービス㈲ 代表取締役 常議員 西 川 茂 大内新興化学工業㈱須賀川工場 常務取締役工場長 常議員 ︵建設部会長︶ ㈱橋本組 代表取締役 橋 本 和 直 常議員︵工業部会長︶ 林 明 博 林精器製造㈱ 代表取締役社長 常議員 広洋設備㈱ 取締役 広 瀬 吉 彦 常議員 藤 田 元 ㈲フジ薬局 代表取締役 常議員 東北電力㈱須賀川営業所 所長 星 薫 常議員 ︵商業部会長︶ 堀 江 祐 介 ㈲堀江屋呉服店 代表取締役 常議員 ㈱安田塗装 代表取締役 安 田 喜 好 監 事 遠 藤 信 一 岩通マニュファクチャリング㈱ 代表取締役 監 事 小林会計㈱ 代表取締役 小 林 集 監 事 清 水 勉 ㈱常陽銀行須賀川支店 支店長 議 員 新 井 実 税理士法人アイワ会計 代表社長 議 員 商品倉庫㈱ 取締役 石 井 敬 三 議 員 遠 藤 秀 樹 ㈲エンドー自動車工業 専務取締役 議 員 大 泉 幸 二 福島県商工信用組合須賀川支店 支店長 議 員 ㈲大賀商店 代表取締役 大 賀 一 男 議 員 ㈱ユアテック須賀川営業所 所長 尾 形 丈 男 4 2017年1月号 すかがわ会議所ニュース 議 員 影 山 章 子 ㈲カゲヤマ作画社 専務取締役 議 員 ︵顧問︶ 笠 原 賢 二 笠原工業㈱ 代表取締役社長 議 員 ㈱アメ商百貨店 代表取締役 金 箱 茂 議 員 神 田 雅 彦 神田産業㈱ 代表取締役 三柏工業㈱ 代表取締役 菊 地 一 樹 議 員 紅食㈱ 代表取締役 栗 原 敏 郎 議 員 ㈲割烹万松 代表取締役 郡 部 仁 喜 議 員 齋 藤 信 治 ㈱大東銀行須賀川支店 支店長 議 員 佐 藤 徹 郎 ㈲さとう写真館 取締役会長 議 員 ㈲テクノ事務機 代表取締役 佐 藤 裕 議 員 ㈱渡清建材店 取締役 佐 藤 善 彦 議 員 ㈱マザール 代表取締役 鈴 木 成 保 議 員 ㈲日用商会 代表取締役 鈴 木 勝 幸 議 員 福島交通㈱須賀川営業所 所長 鈴 木 元 議 員 高 木 茂 保 エスケー電子工業㈱ 取締役相談役 議 員 田 中 修 ㈱福島LIXIL製作所 工場長 議 員 樽 川 久 夫 アルファ電子㈱ 代表取締役 議 員 ㈲円谷印刷 代表取締役 円 谷 哲 司 議 員 飛 木 久 行 須賀川電器販売㈱ 代表取締役社長 議 員 ㈲内藤酒店 代表取締役 内 藤 祥 一 議 員 ㈱ニイダテック 代表取締役 仁井田 敦 朗 議 員 代表 Dining BAR ANRI 野 木 彰 議 員 ㈱末原屋 代表取締役 野 村 重 忠 議 員 萩 原 輝 一 ㈱ホテル虎屋 代表取締役 議 員 割烹 萩乃井 代表 萩 原 政 幸 議 員 橋 本 修 一 アクサ生命保険㈱須賀川営業所 所長 議 員 ︵特別顧問︶ 深 谷 幸 弘 ㈱南部自動車学校 代表取締役 議 員 前 野 博 之 ㈱福島銀行須賀川支店 支店長 議 員 ㈱アイ・パートナー 代表取締役 真 壁 正 彦 議 員 松 原 浩 幸 SUS㈱福島事業所 所長 議 員 ㈱保土原屋 代表取締役 宗 方 保 晴 議 員 東建土質測量設計㈱ 代表取締役 村 上 常 雄 議 員 山 本 弘 則 山本電気㈱ 代表取締役社長 議 員 吉 田 廣 光 ㈲山吉吉田商店 代表取締役 議 員 福陽ガス㈱ 代表取締役 吉 田 陽 一 議 員 ㈲中央測量設計事務所 代表取締役 吉 村 安 寿 議 員 渡 辺 進 ホテルウィングインターナショナル須賀川 総支配人 議 員 渡 部 富三夫 ㈲渡部ボディー工業 代表取締役 議 員 ㈱ワタスイ 代表取締役 渡 辺 徳 之 議 員 和田装備㈱ 代表取締役社長 和 田 太 郎 議 員 和 田 信 之 ㈲和田印刷 代表取締役 2017年1月号 すかがわ会議所ニュース 5 須賀川 復興・再生に一丸となって邁進し 真の地方創生を目指す 会議所の うごき うごき 加入事業所を募集! 抽選会やクイズ大会楽しむ 須賀川・岩瀬地域航空機産業研究会が発足 女性会年忘れクリスマスパーティー 大歓声があがった抽選会 発足にあたり挨拶する 林明博会長 当地域の事業所 11 社の設立発起人により、 「第 1 回 須賀川・岩瀬地域航空機産業研究会」が12月 6 日に商 工会館で開催され、林明博会長をはじめ 14 名が参加 しました。講演会はANA総合研究所主任研究員の山 田圭一さんから「航空機産業について」をテーマに世 界の民間航空機市場の動向や国内の動向を紹介され、 福島空港を有する地域特性を生かした今後の航空機産 業への参入に向け共同研究を始めました。 女性会(村上香織会長)の年忘れクリスマスパー ティーが 12 月6日にホテルサンルート須賀川におい て開催され 134 名が参加しました。 開会にあたり、佐藤眞人氏らによるフルートアンサ ンブルが披露され、豪華景品の当たる抽選会やクイズ などで会場は大いに盛り上がり、会場には満面の笑み が溢れました。参加者間の今年1年の労をねぎらい来 年の飛躍を誓い合う絶好の機会となりました。 決算書の新分析法“ビジュアル分析”学ぶ 復興支援コンサート開催決まる 第531回常議員会 消費税軽減税率対策セミナー 挨拶する渡邉会頭 解説する横山氏 消費税軽減税率対策セミナーが12月13日商工会館 に於いて開催され、37名が聴講しました。 財務リスク研究所㈱代表取締役の横山吾一氏が“一 目で判断!” 『簡単にわかる決算書の見方』をテーマ に、指標を使わない“ビジュアル分析”の手法につい て分かり易く解説しました。 聴講者は、将来の増税に負けない経営力の強化に向 けて熱心に耳を傾けていました。 第 531 回常議員会が須賀川商工会館で開かれ、㈱セ イコーホールディングスが実施主体となり震災被災地 各所及び都内で開催している「 “わ”で奏でる東日本復 興支援コンサート」を、 7月にコーラスグループ「サー カス」をゲストに迎えて当所主催で開催することを決 定しました。また報告事項として、2017 議員懇談会、 年末調整個別相談会などの開催、目黒雅叙園百段雛ま つり見学ツアー実施など8件が報告されました。 福祉制度 秋の募集キャンペーンご協力お礼 去る9月15日から11月30日迄2ヵ月間半にわたる当所福祉制度秋の募集キャンペーンが終了致 しました。 会員の皆様のご協力によりまして春のキャンペーンの2部門1位に引き続き、今回も「紹介件数占 率部門」で全国1位の成績をおさめることができました。 これも皆様方のご支援の賜物と心から感謝申しあげます。 会員事業所様の益々のご発展とご健勝をお祈り致しますとともに、当商工会議所並びにアクサ生 命の事業への一層のご協力とご理解をお願い申しあげまして、募集キャンペーンへのご協力に対す るお礼に代えさせていただきます。 ありがとうございました。 すかがわ会議所ニュース 2017年1月号 6 平成29年 三村会頭年頭所感 日本商工会議所会頭 三 村 明 夫 明けましておめでとうございます。 平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。 昨年11月の臨時会員総会におきまして、各地商工会議所の 皆様のご推挙をいただき、日本商工会議所の会頭に再任さ れ、日商会頭として4回目の新年を迎えました。各地商工会 議所におかれましても新体制のもと、新たな年を迎えておら れることと存じます。日商としましては、改めて、515商工 会議所125万会員の皆様と総力を結集し、商工会議所の使命 である、企業の繁栄、地域の再生、日本の成長の同時実現に 向けて、全力で取り組んでまいります。 昨年は、世界中で政治的に様々なサプライズが発生しまし た。加えて、地政学的混乱の悪化、余剰マネー等の動きによ る株価や為替の大きな変動など、振幅の大きい不安定な一年 でした。 本年もおそらく国際政治の大きな動きが金融市場を揺さぶ る場面などがあるかと思いますが、幸いにして我が国には、 世界に誇る安定政権がありますので、いたずらに動揺するこ となく、じっくりと直面する課題に取り組むことができま す。 我が国の最大の課題は、足元で0.2%台まで下がってし まった潜在成長率を引き上げることです。「人手不足」と 「生産性向上の停滞」が潜在成長率を押し下げるボトルネッ クとなっていますので、サプライサイド政策に力を入れて取 り組むことが必要です。 サプライサイド政策の特徴のひとつは、政策の打ち出しか ら成果がでるまで時間を要するということです。また、規制 改革等の構造改革は、国全体の効率化・生産性向上を図る政 策であり、一部の人には痛みを伴うことから、利害の調整と いう政治本来の役割が必要となることも特徴です。 従いまして、政府も民間も、アベノミクスのサプライサイ ド政策には、時間と粘り強い取り組みが必要であることを自 覚するべきです。 こうした中、商工会議所として重点的に取り組むべき課題 は、「中小企業の成長の底上げ」と「地方創生の実現」で す。 中小企業が直面している最大の課題が、「人手不足への対 応」です。 深刻化する人手不足に対して、女性や高齢者など多様な人 材の活躍を推進していくことが必要です。中小企業は、女性 の活躍推進、柔軟な働き方の導入、高齢者の積極的な雇用な ど「働き方改革」をいち早く実践していますが、こうした取 り組みを加速していかなければなりません。 そして、人手不足を解決するもう一つの方策は、「生産性 向上」です。 中小企業の生産性は、平均で大企業の二分の一にとどまっ ていますが、中には大企業の生産性の水準を上回っている中 小企業もあり、そうした企業に共通するのは、経営者の成長 への意識が高く、ITや設備投資などに積極的であるという 点です。ここに生産性向上の鍵があると考えます。 生産性向上の有力な手段として、ICT(情報通信技術) の導入がありますが、中小企業の取り組みは、まだわずかに とどまっています。経営者自身の気づきを促し、ICTを超 えて、デジタル技術やAIの導入、ロボットの活用などによ り、工場の生産現場やサービス分野の生産性の向上を図って いくことが必要です。 人手不足には、その解決を図る過程で、構造改革の中でも 最も難しいと言われている「働き方改革」を加速するととも 7 すかがわ会議所ニュース 2017年1月号 に、若者と女性の活躍する場を拡大し、さらには、IoT、 AI、ICT技術導入の大きなインセンティブにもなるポジ ティブな面もあると言えます。 中小企業が直面するもう一つの課題は、「後継者の確保」 であります。 商工会議所として、事業承継の支援を積極的に推進すると ともに、事業承継の大きなハードルとなっている「事業承継 税制の見直し」についても、提言を続けてまいります。 我が国の付加価値額の約半分は、三大都市圏以外の地方で 生み出されており、「地方創生の実現」は、潜在成長率の引 き上げと持続的な経済成長に不可欠であります。また、東日 本大震災や熊本地震の本格復興、福島再生の早期実現なしに 日本経済の再生はあり得ません。 私は、地方創生の実現に向けて、広域観光振興や農商工連 携など、地域の資源や強みを最大限に活用した成長産業を育 成し、域外の需要、消費、投資を取り込むことの重要性を繰 り返し申しあげてまいりました。さらに、地域で産んだ キャッシュは、地域で消費する循環を創出することが重要だ と思います。 観光産業は、担い手の大半が中小企業であるとともに、自 動車産業に次ぐ消費規模を持つ一大産業です。 現在、全ての商工会議所に観光担当者が設置され、ネット ワークを活かした観光商品の開発が進んでいます。未だ見落 としている地域の自然や伝統文化などを掘り起こして磨き上 げ、ストーリーをつけて売り出し、地域を挙げておもてなし をする持続的な取り組みを、一層加速していくことが必要で あると思います。 また、2020年オリンピック・パラリンピックは、我が国の 観光、文化、特産品、技術等を世界的にアピールする絶好の 機会です。地方と都市の広域連携により、国全体のバランス のとれた成長に繋げていくため、各地域において、国際交 流、ビジネスチャンスの拡大、観光振興等に積極的に取り組 んでいただきたいと思います。 農林水産業も長い年月をかけて育てられた貴重な地域資源 です。大規模化やコスト削減など、競争力強化に向けた農業 改革が進み、また、2020年に輸出額1兆円を目指した政府目 標が前倒しで達成される見込みとなるなど、海外を含めさら なる市場の拡大が期待できる成長産業であります。 商工会議所と農林水産業団体との連携によって付加価値の 高い商品を開発し、海外も視野に入れ、広く販路を広げてい くことが重要です。 さらに、地方の中小企業には、高い技術力と競争力を持 ち、世界マーケットを狙えるものづくり企業が数多くあり、 これも地域の重要な財産です。 こうした地方創生の取り組みを支え、加速するのが、物 流・人流の円滑化を促す社会資本整備であります。とりわ け、地方創生にとって効果が大きい整備新幹線、高規格幹線 道路、大型クルーズ船に対応した港湾の整備、コンセッショ ンを活用した空港民営化などは、観光客の増加、設備投資の 促進、雇用創出などに大きく寄与するものです。 民間投資を喚起するストック効果を重視しつつ、商工会議所 としても、社会資本整備を強く要望していく必要があると考 えております 政治的な混乱はあるものの、欧米の経済は堅調と言えま す。OPEC・非OPEC諸国の合意により原油の減産が決 まり、原油価格も適正な価格に向け上昇し始めています。我 が国もまだ大企業の動きではありますが、景況感が好転しつ つあります。これは私の仮説ですが、我が国は、2∼3年間 の時間的な猶予を得られ、時間と腰を据えた取り組みが必要 なサプライサイド政策に大きく舵を切るチャンスを与えられ たと言えると思います。 私達は、短期的な動きに一喜一憂することなく、与えられ た猶予の大切さを認識した上で、構造改革とイノベーション を着実に深化させていかなければなりません。成長のトレン ドを変えるため、これから2∼3年が、我が国にとって勝負 の年となります。 日本商工会議所としても、515商工会議所、青年部、女性 会、海外の商工会議所等との緊密な連携の下、企業、地域、 そして、日本経済の持続的な成長の実現に向け、全力を尽く してまいります。 郡山支社 須賀川営業所 〒962−0844 須賀川市東町 59−25 TEL 0248−76−6915 すかがわ会議所ニュース 2017年1月号 8
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