教師あり学習を用いた ARドローンの安定化 工学部 電気電子工学科

教師あり学習を用いたARドローンの安定化
教師あり学習を用いた ドローンの安定化
工学部 電気電子工学科 T213015 榎本
1.
.研究背景
研究背景・目的
背景・目的
我々の生活にドローンが浸透し始めると同時に、
様々な事故が発生している。しかし、今後ドローン
は我々の生活により密接にかかわってくる可能性が
高い。ドローンの大きな問題の一つとして、飛行中
に大きくバランスを崩してしまう、という事が挙げ
られる。そのため、人の手による操作だけでは墜落
などの事故を引き起こす可能性がある。本研究では
これを防ぐため、教師あり学習を用いて、安定した
滞空性能を獲得することを目的とする。
擁(白井研究室)
図 2. 抽出データ散布図
2.2 教師あり学習による航行の安定化
2.1 節で述べたように時系列としての飛行データが
2.
.研究内容
得られたので、これを用いて、図 3 にあげる中間層
AR ドローンとはフランスのパロット社が開発・
を 1 つもつニューラルネットを作成し、学習により
販売を行っているクアッドコプターである[2]。
AR ドローンの制御を考える。
図 1. AR ドローン
この AR ドローンに内蔵された 3 軸加速度計のデー
タを読み取り、その時系列データを基にして安定し
た航行のための制御を行うニューラルネットワーク
を構築し、教師あり学習を行う。ここで教師あり学
習とは機械学習の手法の一つであり、入力データ
(ドローンの状態)とそれに対する正解(ドローン
の制御)とを大量に与えて、いろいろな入力に対し
て適切な答えを出力できるようにすることである。
2.1 データの抽出と表示
AR ドローンの操作には、プログラミング言語
Python のモジュール python-ardrone-mastter[1]という
プログラムを借用した。提供されているサンプルプ
ログラムに対し、x,y,z 軸方向の加速度データを
取得できるように改変した。そして、基礎データの
収集のため、本的に離陸時以外の操作を行わず、大
きくバランスを崩し、墜落する可能性がある場合の
み緊急停止措置を行うという条件で飛行実験を行っ
た。
図 2 に抽出したデータを示す。プログラムによっ
て横方向(vx, 右方向が正)、前後方向(vy, 前方向が
正)、上下方向(vz、上方向が正)の変化量が 0.2 秒ご
とに得られる。図では vx と vy の関係を示している。
この結果、vz 方向は安定した動作が得られたが、残
りの 2 方向に対しては何も操作していないにも関わ
らず、バランスを崩して墜落することが非常に多か
った。そこで、vx, vy 方向の変動を小さくする、図 2
で言えば、各点が原点付近に集まる様な操作をすれ
ば安定動作が得られることがあきらかになった。
図 3. AR ドローン制御のためのニューラルネット
2.3 評価方法
学習を終えた AR ドローンの飛行データを取り、
図 2 のように表にまとめて比較する。各点をすべて
内包するような円を描き、その半径を比較すること
で評価を下す。また飛行時の映像データを比較し、
体感でどのくらい改善されているかを確認する。
3.
.研究結果
時系列データを含む飛行データの収集は 20 回ほど
取り終わっており、追加のデータ収集を行ってニュ
ーラルネットワークを作成し、教師あり学習を行う。
4.
.考察
(正確にできなかった場合)データを取ったところ
の気流の問題、もしくは過学習が原因として挙げら
れる。
5.参考文献
参考文献
参考文献
[1] python-ardrone-master (2015)
https://github.com/venthur/python-ardrone 2016 年
12 月参照
[2] Parrot 公式サイト (2016)
https://www.parrot.com/us/Drones#decouvrez-notregamme- 2016 年 12 月参照