good laboratory - Thermo Fisher Scientific

Thermo Scientific
Good Laboratory Pipetting(GLP )
ピペッティングガイド
good laboratory
pipetting practices
革新的なピペッティングを探求して…
ピペッティングは、正しいツールの選択、テクニックの習得、エルゴノミクスの
理 解、そして定 期 的なメンテナンスをバランス良く組み 合わせることで、ピ
ペットの 正 確 度、精 密 度を向 上させることができます。そのためには、オペ
レーターの技術と経験が最も重要なカギとなります。
このガイドは、Thermo Scientific TM Finnpipette TMをご愛用いただいている
お客様のために、50 年以上にわたる当社の経験に基づいた実用的な情報を
わかりやすくまとめたものです。
この「ピペッティングガイド」がお客様のスキルアップに役立ち、自由自在に
精度よくピペッティングできるための一助となれば幸いです。
Thermo Scientific マイクロピペット開発の歴史
容量可変ピペット
1st
マルチチャンネル
ピペット
16チャンネル
ピペット
2
フィルターチップ
エクステンドチップ
(ロング)
トリガーアクションの
電動ピペット
チップ間隔が
調整可能なピペット
インターロッキング
システム
ClipTipテクノロジー
フィルターチップの
詰め替えタワー
Good laboratory pipetting practices
Contents
CHAPTER 1
TOOLS…………………………………………………………… 4
ピペッティングツールの選択
ピペットからチップまで、ベストな選択
チップの選択 …………………………………………………………………………… 6
アプリケーション別のピペッティング ………………………………………… 9
CHAPTER 2
TECHNIQUES…………………………………………… 10
各サンプルに適したテクニック 最適なテクニックで精度向上
精度よくピペッティングするために………………………………………… 13
精度アップ 10 の秘訣…………………………………………………………… 14
正確度と精密度 …………………………………………………………………… 18
CHAPTER 3
エルゴノミクス
ERGONOMICS………………………………………… 20
毎日の操作を快適な環境で
環境………………………………………………………………………………………
22
姿勢………………………………………………………………………………………
23
CHAPTER 4
SERVICE……………………………………………………… 24
メンテナンスとキャリブレーション 確実な分注結果を得るために
キャリブレーション………………………………………………………………… 24
メンテナンス………………………………………………………………………… 28
ピペットの汚染除去 ……………………………………………………………… 30
ピペットサービスセンター……………………………………………………… 32
INFORMATION…………………………………………………………………… 34
Thermo Scientific 工場規格値とISO 8655規格値の対比表…… 34
プラスチックの耐薬品性 ………………………………………………………… 36
チップ適合表 ………………………………………………………………………… 38
3
CHAPTER 1
TOOLS
ピペッティングツールの選択
ピペットからチップまで、ベストな選択
ピペットには 2 種類あります
空気置換方式
水溶液の分注に広く使われます。
強制置換方式
粘度の高い液体や揮発性
の液体に使われます。
いずれのタイプのピペットにも、
シリンダーまたはキャピラリの中で動作するピストンがあります。
空気置換方式のピペッティングでは、一定量の空気がピストンと液体の間に存在します。 強制置
換方式では、ピストンが直接液体に接触します。
4
Liquid handling tool selection
ピストン
空気置換方式によるピペッティング
空気置換方式のピペッティングは、標準的な分注操作に使われており、非常に正
確な方法ですが、温度や大気圧、溶液の比重、粘度などの条件が空気置換方式
ピペットチップ
ピペットの性能に影響を及ぼすことがあります。
空気置換方式ピペットの操作手順
液体の吸引(ステップ 1 - 3 )
液体の排出(ステップ 4)
1 分注容量を設定すると、ピストンが指定
4 プッシュボタンを再び1段目まで押すと、
された位置に移動します。
空気が液体を押し出します。チップの中
2 プッシュボタンを1段目まで押すと、ピス
から液体を完全に排出するために、プッ
トンが設定容量と同じ体積の空気を押し
シュボタンを2段目まで押し込みます(ブ
出します。
ローアウト)
。
3 チップを液体の中に浸した後、プッシュ
ボタンを離すとピストンが元の位置に戻
るため減圧状態になり、設定した容量の
液体がチップの中に吸引されます。
ピストン
強制置換方式によるピペッティング
強制置換方式のピペッティングは、ピストンが直接液体に接触する方法です。
チップ内に吸引される液体の量は、シリンダーやキャピラリの大きさとピストンの
稼働距離によって決められています。強制置換方式のピペットでは、シリンダーま
たはキャピラリ内にピストンが入っているチップを使います。
強制置換方式ピペットの操作手順
1 チップ 内 のピ ス
2 ピ ストンを 引 き
3 ピ ストン を 押し
ト ン を 下 げ て、
上 げ ると、液 体
下 げ ると、設 定
液体に直接触れ
が チップ に 吸 引
した容 量 が 排 出
るようにします。
されます。
されます。
5
CHAPTER 1
チップの選択
理想的なハンドリングのために最適なチップを選択
どんなアプリケーションや実験の条件でも、適したピペッティングシステムが
あります。実験の特徴や液体の性質から、正しいピペットチップが決まります。
スタンダードチップ
スタンダードチップは、あらゆるラボのアプリケーションに使われる多目的チップです。非常に高い精度が要求される
試験から通常の試薬分注まで、さまざまな精度要件に十分に適応できます。滅菌済のスタンダードチップは、高いレベ
ルの純度が要求されるアプリケーションに使用できます。
滅菌済フィルターチップ
フィルターチップは、クロスコンタミネーションの影響を受けやすい
アッセイや、ピペットを汚染する恐れのあるサンプルに有用です。フィ
ルターが、ピペッティング中に誤って液体をピペット内部に吸い込ん
コンタミネーションがない
でしまったり、エアロゾルがチップコーン内に侵入することを阻止し
セルフシーリングバリア
ます。また、遺伝学研究や科学捜査、PCR 、ラジオアイソトープなど
エアロゾルのコンタミネーション
のような微量サンプルを取り扱うアプリケーションにお勧めです。
フィルターチップには、セルフシーリングバリアのタイプと、セルフ
シーリングではないものがあります。いずれのチップもクロスコンタ
サンプル
ミネーションの防止に役立ちます。
フィンチップフィルターの効果
酸
・ 35%及び 5%のトリフルオロ酢酸( TFA )を試験溶液として使用しました。
➡フィンチップフィルターは、35% TFA 溶液の酸性蒸気のフィルター通過を防ぎます。
※ 5% TFA 溶液の場合は、スタンダードチップでも、ピペット内部に蒸気が入ることはありません。
DNA
・ サンプル濃度 20 、50および 100 µg/ µ LのDNAエアロゾルをフィルターにふきつけました。
➡フィンチップフィルターは上記濃度のDNAエアロゾルがピペット内部に入り込むことを防止します。
6
Liquid handling tool selection
エクステンドチップ
エクステンドチップは全長が長いため、試験管や試薬ビン、
フラスコ、その他さまざまな容器の底から液体を分取でき、
ピペットに触れることなくサンプル容器の底に届きます。これ
Finntip1000 EXT
は、サンプルをコンタミネーションから防ぐ効果もあります。
スタンダードチップでは届かないような長い容器、細い容器
の底でも、エクステンドチップは届きます。
ローリテンションチップ
ローリテンション加工がチップの内壁表面の疎水性を高め
ており、壁面吸着による残液量を著しく軽減させます。確実
なサンプリングに加え、高価な試薬を無駄にしません。
標準タイプ
ARTローリテンションタイプ
個々のアプリケーションに最適なチップを選択して、正確度と精密度を向上させましょう。
7
CHAPTER 1
特殊チップ
特殊チップは、通常のピペッティングではハンドリングが難しいアプリケーションでも、時間の節約、コンタ
ミネーションリスクの軽減、正確度と精密度の向上、効率アップを図れるよう設計されています。
広口径チップ
広口径チップの先端の開口部は、スタンダードチップの開
口部より約 70%大きく作られています。これにより、スタン
ダードチップでは扱いにくいサンプルにも柔軟に対応でき
ART 200G Wide Bore
るようになります。広口径チップは、ゲノムDNA のような大
型分子を扱う研究者のために作られ、特に、マクロファー
ジ、ハイブリドーマ、肝細胞のようなデリケートな細胞をは
じめ、その他高粘度の液体の分注を容易にします。
ゲルローディングチップ
スタンダードチップでアクリルアミ
ドゲルやアガロースゲルに分 注し
ようとすると、非常に時間がかかり
ART 20P Gel Loading
ます。ゲルローディングチップは先
端が極細のため、細い隙間でも簡
単にチップの先端を挿入することが
可能です。アガロースゲルには先
端丸型チップを、ポリアクリルアミドゲルには先端平型チッ
プを使えば、分注をスピードアップできます。
Solvent Safe 活性炭フィルターチップ
Solvent Safe 活性炭フィルターチップは、有機溶媒の分
注に最適です。この特殊チップは酸、溶剤、有機溶媒など
によるピペットの劣化、容量不良を低減します。
ART 200 Solvent Safe
個包装チップ
特にセンシティブなアプリケーションには、個別包装のチップもあります。1本ずつ包装
された滅菌済のチップは、無菌状態を厳しく要求される場合にふさわしいチップです。
8
Liquid handling tool selection
アプリケーション別のピペッティング
空気置換方式の容量可変型シングルチャンネルピペットは最も頻繁に使用
されるラボ用器具の一つです。汎用性と広い容量レンジで、さまざまなアプ
リケーションに使われています。
容量可変型シングルチャンネル
Finnpipette F1
マルチチャンネルピペットは、ELISA 、PCR 、細胞培養などマイクロプレート
関連のアプリケーションで繁用されます。マニュアルタイプは簡単に使える
ため、小スケールのマルチチャンネルワークに便利です。96ウェルプレート
に適した8チャンネルおよび12チャンネルバージョンと、384ウェルプレート
に便利な16チャンネルバージョンがあります。
マルチチャンネル
Finnpipette F2 12チャンネル
大量の分注を繰り返すアプリケーションには、電動ピペットが人間工学的に
適しています。電動ピペットは、多機能なラボ製品で、さまざまなタスクを
プログラムすることができます。電動ピペットで最も頻繁に使われる機能は、
一定量の試薬を複数回分注する「連続分注」です。
電動ピペットのマルチチャンネルで「連続分注」モードを使用すれば、プレー
ト1枚の分注完了に1分もかかりません。特に、チップ間隔調整機能タイプを
使うとフォーマットの違う容器にサンプルを移送する時、複数のピペットを使
電動ピペット
E1-ClipTip イコライザー
チップ間隔調整機能タイプ
い分ける手間や時間を大幅に省略できます。
ディスポーザブルピペットは、細胞及び組織培養のアプリケーションや一般
的なラボでの、1 mLを超える容量の液体秤取に使われます。ガラス製とポ
リスチレン製があり、プラスチックのディスポーザブルピペットは、無菌性が
要求されるアプリケーションに便利です。ピペッティングエイドを使うと、液
体の吸排を精度よく、安全に行うことができます。吸引・排出のスピードは、
液体の種類に合わせて、別々に調整することができます。
電動ピペッティングエイド
S1 Pipet Filler
ステッパーは、5 mLまでの連続分注を簡単に行えます。
試薬ディスペンサーは、試薬ボトルから直接試薬分注できる簡単で信頼性の
高い製品です。日常の試薬分注を容易にします。
連続分注ピペット
Finnpipette ステッパー
9
CHAPTER 2
TECHNIQUES
各サンプルに適したテクニック
最適なテクニックで精度向上
フォワード法/一般的なピペッティング
バッファー、薄い酸やアルカリなど水溶液に適しています。サンプルや試薬を他の液体の中に分注してミキシングする
場合にも用います。
レディポジション
1
2
3
4
1段目
2段目
1 プッシュボタンを1段目まで押し下げます。
2 チップの先端を、試料の液面から1 cm程度まで浸し、プッシュボタンをゆっくりと放して試料を吸引します。チップの外側についた試料を容器の縁に
軽く触れて除きながら、チップの先端を引き上げます。
3 プッシュボタンを1段目まで静かに押し下げ、試料を分注します。引き続き約1秒後に2段目までプッシュボタンを押し下げ、チップ内部に試料が残ら
ないようにします。そして、チップの先端を容器の内壁をなぞりながら引き上げます。
4 プッシュボタンを放してレディポジションに戻します。
10
Proper pipetting techniques
リバース法/粘性の高い液体や泡立ちやすい溶液に
特に微量分注でお勧めします。リバース法は気泡、泡立ち、飛び散りなどを防ぐことができます。
レディポジション
1
2
3
4
5
1段目
2段目
1 プッシュボタンを2段目までずっと押し下げます。
2 チップの先端を、試料の液面から1 cm程度まで浸し、プッシュボタンをゆっくりと放してチップを試料で満たします。チップの外側についた試料を容
器の縁に軽く触れて除きながら、チップの先端を引き上げます。
3 プッシュボタンを1段目まで静かに押し下げ、設定量の試料を分注します。プッシュボタンは1段目で留めてください。チップ内部に少量の試料が残り
ますが、これは分注しないでください。そして、チップの先端を容器の内壁をなぞりながら引き上げます。
4 チップ内に残った試料は、チップと共に廃棄するか、試料の容器に戻します。
5 プッシュボタンを放して、レディポジションに戻します。
リピート法/同一容量を繰り返す時に
同一容量で連続的に繰り返し分注するのに便利な方法です。試験管やマイクロプレートなどへの分注に適しています。
レディポジション
1
2
3
4
1段目
2段目
1 プッシュボタンを2段目までずっと押し下げます。
2 チップの先端を、試料の液面から1 cm程度まで浸し、プッシュボタンをゆっくりと放してチップを試料で満たします。チップの外側についた試料を容
器の縁に軽く触れて除きながら、チップの先端を引き上げます。
3 プッシュボタンを1段目まで静かに押し下げ、設定量の試料を分注します。プッシュボタンは1段目で留めます。チップ内部に少量の試料が残りますが、
これは分注しないでください。そして、チップの先端を容器の内壁をなぞりながら引き上げます。
4 分注を続けるには、 2 と 3 の操作を繰り返します。
一日に5 枚以上のマイクロプレートを使っていますか?
電動ピペットの連続分注機能を使うと簡単に分注できる上、
リバース法での分注ができ
るため正確度、精密度が向上します。
11
CHAPTER 2
リンス法/不均質なサンプルの分注
血液や血清など均質でないサンプルに適しています。主に、プレリンスを行えない場合やサンプル全てを試験に用い
なければならない場合に用います。
レディポジション
1
2
3
4
5
6
1段目
2段目
1 プッシュボタンを1段目まで押し下げ、チップの先端をサンプルに浸します。その際、チップ先端が液面より下にあることを確認してください。
2 プッシュボタンをゆっくりと放してレディポジションに戻します。チップはサンプルで満たされます。そして、チップの先端を容器の内壁をなぞりなが
ら引き上げます。
3 チップの先端を分注済の試薬の中に浸します。その際、チップ先端が液面より下にあることを確認してください。
4 プッシュボタンを1段目まで押し下げ、ゆっくりと放してください。そのまま液面から抜かず、この操作をチップの内壁がきれいになるまで繰り返します。
5 チップの先端を容器の内壁をなぞりながら引き上げます。プッシュボタンを2段目まで押し下げて、チップの内部を完全に空にします。
6 プッシュボタンを放して、レディポジションに戻します。
12
Proper pipetting techniques
精度よくピペッティングするために
早速始めましょう
作業を始める前に、ピペットの外側にゴミや汚れが付着していないかどうか確認し、必要に応じて70%エタノールで
拭き取ります。
純正チップの使用をお勧めします。検定は純正チップを使って行われています。
精度を保証するためには、汚染のないヴァージンポリプロピレンの高品質チップが適しています。
チップは使い捨てです。再使用した場合、計量の信頼性を保証できません。
同じ処理を行うサンプルは、ピペッティングも同じ方法で行います。位置、深さ、プッシュボタン操作のスピードなど
を同じように揃えます。
チップの中に液体が入っている状態で、ピペットを倒さないでください。ピペット内部に液体が入り、ピペットが汚染
されます。
コンタミネーション防止のため、チップの取り外しにはチップイジェクタを使用して、チップに手を触れないようにし
ましょう。
ピペットを使用しないときは、スタンド等に常に垂直な状態で保管します。
各物質に適したピペッティング
物質(液体)
水溶液
粘性の高い
溶液
揮発性物質
ピペット
バッファー、薄い塩溶液
操作方法
空気置換方式
スタンダード
フォワード法
タンパク質、核酸溶液、
グリセロール、
空気置換方式
スタンダード、Wide、
ローリテンション
リバース法
Tween 20/40/60/80
強制置換方式
強制置換方式チップ
空気置換方式
フィルターチップ
強制置換方式
強制置換方式チップ
メタノール、
ヘキサンなど
体液
全血、血清
ヌクレオチド
ゲノムDNA、PCR産物
放射性物質
14
酸、アルカリ
H2SO4、HCl、NaOH
毒性物質
チップ
C、3H-thymidine
̶
備考
̶
̶
リバース法
̶
気泡発生を防ぐため、ゆっ
くりと吸引してください。
蒸発を防ぐため、迅速な
ピペット操作が必要です。
カーボンフィルターチップ
はベーパーがピペット内部
に入ることを効果的に防止
します。
余分な液がチップの外側
についていることがありま
リンス法*
す。分注前にチップを容器
(不均質サンプルの分注法) のふちに軽く触れてチップ
の外側の余分な液を除去
してください。
空気置換方式
スタンダード、Wide
空気置換方式
フィルターチップ、Wide
強制置換方式
強制置換方式チップ
空気置換方式
フィルターチップ
強制置換方式
強制置換方式チップ
空気置換方式
フィルターチップ
フォワード法
空気置換方式
フィルターチップ
フォワード法、リバース法
強制置換方式
強制置換方式チップ
フォワード法
̶
フォワード法
̶
ゲノムDNAはワイドチップ
を使うと、機械的な切断を
防止できます。
̶
̶
̶
̶
* 全血、血清をリバース法で分注する方法もあります。吸引時と排出時のプッシュボタン操作はゆっくり注意深く行ってください。吸引する時は、プッシュボタンを引き上げた後
もチップを液体の中に2、3秒浸したままにしてください。排出する時も、プッシュボタンをゆっくり押し下げ、一番下まで下げた状態で2、3秒保持してください。
13
CHAPTER 2
精度アップ 10 の秘訣
1
チップのプレウェット
正確なピペッティングのために、分注前に少なくとも3回、分注量でサンプルの吸排を行ってください。こ
のプレウェットはチップ 内 のエアギャップでの 蒸 発を防 ぎます。特に微 量 分 注では効 果 的です。プレ
ウェットはチップ内の湿度を高め、その結果蒸発を防ぐ効果があります。
2
安定した温度
ピペッティングの前に、分注するサンプルと使用するピペットと機器を気温と平衡化させてください。空気
置換方式ピペットでの分注量は、相対湿度とサンプルの蒸気圧により変化します。どちらも温度に影響を受
けるためです。一定の温度でピペッティングすることが、分注量の誤差を最小限にとどめるコツとなります。
3
チップの水滴
液体を排出する前に、チップを容器のふちに軽く触れてチップの外側の余分な液体を除いてください。ま
た、チップ開口部の毛細管現象を防ぐためにも、チップ先端はきれいな状態を心掛けてください。液体の
排出後やプッシュボタンを放す前は、チップ内に残っている液体を容器のふちに触れて全て排出してくだ
さい。チップの外側についた液体を除くには、表面張力を利用すると容易にできます。
温度が分注量に及ぼす影響
液体の温度による影響
チップのエアギャップ内で温度変化が生じる
310
と、熱膨張や熱収縮が起こります。温度が平
分注量の平均 /µL
305
衡した後は、サンプルの粘度が分注量に影響
を与えます。室温の液体に比べると、冷たい
液体は粘性が高くなり、温かい液体は粘性が
300
低くなります。
295
室温
15℃
290
285
30℃
1
2
3
4
5
6
測定回数
14
7
8
9
10
Proper pipetting techniques
4
フォワード法とリバース法の使い分け
一般的な分注方法はフォワード法です。
プッシュボタンを1段目まで押し下げ、チップを液体に浸し、プッシュボタンを放してサンプルを吸引します。
ピペットを引き上げ、プッシュボタンを2段目まで押して分注します。
このフォワード法は、リバース法よりも正確度、精密度のどちらにおいても精度よく分注でき、粘性の高い
溶液や揮発性物質以外のほとんどの溶液に適しています。リバース法は分注量が多めになることがよく見
受けられるため、その影響がその実験で許容されうるものか、調整できるものか、必要に応じて評価して
おくことをお勧めします。
5
一呼吸を一定に
液体を吸引後、1秒待ってからチップを液体から引き上げてください。この一呼吸は、できるだけ同じタイ
ミングで行ってください。プッシュボタンが上がっても、少しの間、液体はチップ内に流入しようとしています。
同様に、チップ内では蒸発が起こり始めています。一呼吸を一定に保つことで、この二つのバランスを保ち、
正確に吸引できるようになります。
粘度が分注量に及ぼす影響
202
このグラフは、200 µL の粘性
の高い液体(グリセロール)を
201.5
10回分注した時の、フォワード
法とリバース法の実験結果です
201
(P.10、P.11参 照 )
。ここでは、
分注量 /µL
200.5
グリセロールをフォワード法で
調整したピペットを使いました。
200
この図から、二つのテクニック
の正確度と精密度の違いが読
199.5
み取れます。
199
リバース法を使うと、各ポイン
ト間 の 誤 差 が 小さいことがわ
198.5
かります。すなわち、精密度が
198
197.5
良い、ということです。
0
1
2
3
4
5
6
測定回数
7
8
9
10 11
また、リバース法では、分注量
においてフォワード法とやや差
が出る傾向にあります。
フォワード法
リバース法
15
CHAPTER 2
6
ピペットの引き上げは垂直に
液体を吸引する時はピペットは垂直に保ち、ピペットを引き上げる時はリザーバーの中央からまっすぐ引き
上げてください。この方法は特に50 µL 以下の微量分注でとても重要です。ピペットを斜めに傾けて液体
から引き上げると、吸引量に誤差が生じます。
7
手際良いピペッティング
ピペットはフィンガーレストを使って軽く握ってください。ピペットを使用しない時は、スタンドにかけるよ
うにします。作業中に手の熱が伝わるのを防ぐため、チップやリザーバーはグローブをはめた手で扱って
ください。手の熱が温度平衡を崩すと分注量の誤差につながります。
8
チップを液体に入れる深さ
吸引前に、チップをメニスカスより深い位置まで
ピペットの容量範囲
チップを入れる深さ
0.1 - 10 µL
1 - 2 mm
ない場合、特に大容量ピペットでは空気を吸い込ん
10 - 200 µL
2 - 3 mm
でしまうことがあります。逆に、深すぎる場合はチッ
200 - 1000 µL
3 - 6 mm
プの外側に余分な液体がついてしまいます。また、
> 1000 µL
6 - 10 mm
確実に液体へ入れてください。この深さが十分で
チップの先端が容器の底につくと吸引の妨げにな
る可能性があります。
チップを液体に入れる深さと角度
正確度
正確度
0 .2 - 0 .4%
0 .6 - 0 .8%
1 cm
3 cm
1 ピペットを垂直にし、液体にチッ
2 ピペットを垂直にし、液体にチッ
プを約1 cmの深さで入れた場合、
プを約3 cmの深さで入れた場合、
正 確 度 は 0.2 - 0.4%になりま
正確度が 2 倍落ちました。
した。
正確度
1 - 1 .2 %
4 cm
3 ピペットを30 - 40°
傾けて、液体
にチップを約3 - 4 cmの深さで
入れた場合、正確度は3 - 5倍落
ちました。
チップを液体に深く入れ過ぎたり、
ピペットを傾けることは、1 - 10 µLピペットのような微量分注で大きな影響を及ぼします。
16
Proper pipetting techniques
9
正しいチップの選択
ピペットには高品質なチップをお選びください。純正チップはピペットとの適合を考えて設計されていま
す。チップとピペットの適合が悪い場合、正確度や精密度、またはその双方に影響を与えます。純正チッ
プは、確実な密着性を約束し、優れた成型技術と高品質の材料で作られた、リキッドハンドリングに信頼の
おける品質をご提供します。
チップの品質
チップの開口部の成型が悪く、排出
チップ内壁が滑らかで、全ての液体
チップ内壁がでこぼこで排出時に液
を排出できます。
がひっかかり、正確度、精密度が悪く
時に液滴をチップ内に留めてしまい
なります。
ます。その結果、正確度、精密度が
悪くなります。
10
プッシュボタン操作の力とスピード
プッシュボタンを押す時は、1段目に届くまで軽い力で一定
にゆっくり操作してください。チップを液体に入れたら、一
定の速さでプッシュボタンを放してください。同じ動作の
繰り返しがデータの再現性向上につながります。
17
CHAPTER 2
正確度と精密度
ピペッティングは、正確度と精密度の両方で誤差のないことが重要です。ピペットのスペックにはいくつか
のファクターが影響します。これらは、ピペットの性能を評価する上で主要な定量パラメータです。
正確度は、設定容量に対して吐出量がどれくらい近いかを示す能力の尺度です。
精密度は、繰り返し性や再現性とも呼ばれ、標準偏差で表されます。
精度の良いピペットとは、正確度も精密度もどちらも良いピペットのことです。
正確かつ精密なピペットは、分注量の平均値がピペットの設定容量に等しく、また、1回ごとの分注量も一定
です。
例
20 µLずつ5回分注した場合
正確かつ精密である
分注量の平均値が設定容量(20 µL )
に等しく、また1回ごとの分注量も一
定である。
正確であるが、精密ではない
分注量の平均値はほぼ設定容量
( 20 µL )と同じだ が、1 回ごとの 分
注量には差(ばらつき)がある。
精密であるが、正確ではない
1回ごとの分注量は一定でばらつき
がないが、分注量の平均値は設定容
量(20 µL)と異なる。
18
Proper pipetting techniques
空気置換方式ピペットの正確度に影響するファクター
温度
分注する液体の温度は、ピペッティングの正確度に影響する最
も重要なファクターです。
液体の温度による正確度の変化
(22℃でキャリブレーションを行った場合)
6
ピペットと分注液の間に温度差がある場合、非常に大きな影響
図に、22 ℃でキャリブレーションしたピペットで、温度が異なる
液体の分注を行ったときの正確度の変化例を示します。
4
正確度
(%)
がでます。
2
0
10.0
-4
6
アギャップ)の体積が温度変化に伴って膨張または収縮したた
-6
4
めです。また、分注する液体自体の体積も温度によって変動し
2
正確度
(%)
これは、チップ内の液面とピストンの間にある一定量の空気(エ
ます。
20.0
30.0
-2
液体の温度
(℃)
0
10.0
20.0
30.0
-2
1
密度
密度もチップ内に吸引される液体の容量に影響します。密度
は、液体の重量/容量の比で、例えば蒸留水に比べて密度が
正確度
(%)
0.8
-4
液体の密度による正確度の変化
変化するためです。密度は、温度や気圧によって変化します。
0.8
-0.6
密度
(kg/dm3)
0.6
20℃における主な液体の密度は、水0.998 kg/dm 、エタノー
0.4
0.2
0
0. 5
-0.2
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
-0.4
正確度
(%)
です。
1.8
-0.4
1
3
ル0.79 kg/dm 3、硫酸(95 - 98% H2SO 4)1.84 kg/dm 3など
0
-0.2
正確度
(%)
トンの間に存在する空気(エアギャップ)の体積が引力によって
液体の温度
(℃)
0.2
(蒸留水でキャリブレーションを行った場合)
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
高い(
“重い”
)液体がチップに吸引される量は水より少なく、密
度の低い(
“軽い”
)液体では逆になります。これは、液面とピス
0.6
-6
0.4
-0.6
0.25
0
0. 5
標高
密度
(kg/dm3)
-0.25
0m
1000 m
2000 m
標高
0.25
正確度
(%)
地理的な標高によって気圧が異なり、正確度に影響を及ぼします。気圧は、標高が高いほど低くなり、変換係数Zも同
様に小さくなります。また、液体によっては沸点が室温近くにまで下がり、蒸発による減少が著しく増大することがあり
ます。
0
-0.25
0m
1000 m
2000 m
標高
19
CHAPTER 3
ERGONOMICS
エルゴノミクス
毎日の操作を快適な環境で
人間工学は、人と物との関係を安全で効率的なものにするために、デバイス、機械、または作業場を整え、デザインす
る方法を研究する学問です。ヒューマンファクター解析やヒューマンファクター工学とも呼ばれます。労働安全衛生局
( OSHA )の連邦・州政府プログラムに記載されているように、人間工学は基本的に「仕事を労働者に適合させる科学」
です。
、
人間工学を十分に考慮しないと、筋骨格系障害( MSD )が発生することがあります。MSDは累積外傷性障害( CTD )
、および作業関連上肢障害
(WRULD )
としても知られており、
これらはすべて反復、過度の力、
反復性ストレス障害
(RSI )
不十分な休息などの原因からくる筋肉、神経、腱、靭帯、関節、および軟骨への傷害を指します。
業務に関連した筋骨格障害は(中略)アメリカにおいて最も多く発生し、最も費用がかかり、最も予
防しやすい労働災害です。幸い、私たちには解決策があります。
Alexis M. Herman
Former U.S. Secretary of Labor
United States Occupational Safety and Health Administration.‘One size doesn’
t fit all’(1999)
ラボで働く人々は、平均すると一日約 2時間もピペッティング作業に費やしています。これは、一年
間で換算すると500 時間にもなります。ブヨルクステーン(Bjorksten )は、一日に1.3 時間以上の
作業は障害リスクが上がる、と結論付けています。
Bjorksten, Almby, and Jansson;‘Hand and shoulder ailments among laboratory technicians using modern plungeroperated pipettes ’1994. Thirty minutes of continuous pipetting can cause increased hand complaints: David,
Buckle; A questionnaire survey of the ergonomic problems associated with pipettes and their usage with specific
reference to work-related upper limb disorders. Applied Ergonomics. 1995; 28 (4): 257-62. Typical laboratories can
perform thousands of pipetting operations a day.
20
Ergonomics
ピペッティング作業で懸念されるリスクファクターの低減
環境
周辺機器や器具の配置方法で適切な姿勢を維持できます。
姿勢
正しいツールを使えば正しい姿勢を保つことができます。
力
日々の作業の中で、チップ着脱やピペッティングの力を軽減しましょう。
反復作業
手際良く作業し、ピペッティング回数を減らしましょう。
環境
反復作業
リスク
ファクター
姿勢
力
21
CHAPTER 3
環境
1
2
3
4
5
6
1 ピペッティング作業は20
- 30分ごとに3 - 5分の小休憩をとりましょう。
2 作業エリアは、腕が体から遠くならないよう、必要な物は近くに配置しましょう。
3 腕の負担にならないよう、短いピペットを使いましょう。
4 自分の手にフィットした快適なピペットを使いましょう。
5 必要なサンプルや機器は手が届きやすいところに置きましょう。
6 使用済みチップの廃棄容器は、背の低いものにしましょう。
7 長時間の立ち作業をしなければならない時は、疲れにくいマットを使いましょう。
8 座り作業の場合は、高さを調節できるスツールや椅子を使いましょう。
22
7
8
Ergonomics
姿勢
悪い姿勢
座った姿勢
立った姿勢
・ 肩が上がっている
・ 背中の上部と首が前かがみに
・ 上腕が上がっている
なっている
・ 肘が伸びている
・ 腰と胴体が曲がっている
・ 手首が曲がっている
・ 肘が曲がっている
手首の姿勢
・ 上腕が曲がっている
・ 肘が伸びている
・ 手首が極端に曲がっている
良い姿勢
座った姿勢
立った姿勢
手首の姿勢
・ 腰が椅子でサポートされている
・ 腰と胴体が真っすぐになっている
・ 前腕が床と平行になっている
・ 背中の上部と首が真っすぐになって
・ 背中の上部と首が真っすぐになって
・ 手首と前腕が同一平面上にある
いる
・ 上腕が垂直になっている
・ 手首と前腕が同一平面上にある
いる
・ 上腕が垂直になっている
・ 肘が90 °
に曲げられている
・ 前腕が床と平行になっている
・ 手首と前腕が同一平面上にある
23
SERVICE
CHAPTER 4
メンテナンスとキャリブレーション
確実な分注結果を得るために
さまざまなニーズに合わせたソリューション:
ピペットのキャリブレーション、予防メンテナンス、および修理サービス
ピペットサービス
サーモフィッシャーサイエンティフィックは当社の全ピペットを対象に、迅速かつ専門的なキャリブレーション(校正)
、
予防メンテナンス、および修理サービスをご提供します。長期間、ピペットの性能を維持し、GLP/GMP の遵守におい
てお客様をサポートします。サービススタッフはあらゆるピペットモデルについて高度な訓練を受けており、豊富な経
験を持っています。また、さまざまなお客様のニーズに合わせたサービスプランを提供しています。
キャリブレーション
ピペットのキャリブレーションとは、設定容量と実際の分注量との差を測定することで、検定ともいわれます。
また、実際の分注量が規格範囲内になるようにピペットを調整することも可能で、検定と調整を合わせて広くキャリブ
-5
設定(表示)容量と実際の分注量との
検定
-4
-3
-4
-3
-2
-1
-1
+1
+2
+3
+4
+5
ピペットに修正を加える
?
-2
0
実際の分注量が規格に適合するように
調整
差を測定
10 0
-5
?
10 0
レーションという場合もあります。
10 0
0
+1
+2
+3
+4
+5
-5
-4
-3
-2
-1
0
+1
+2
+3
+4
+5
10 0
ピペッティングのパフォーマンス低下の要因のうち 95%は、ピペット内部の見えない部分
-5
-4
-3
-2
-1
0
+1
+2
+3
+4
+5
で発生します。ピペット外観には現れません。
24
Maintenance and calibration
品質システムにおけるピペットのキャリブレーション
品質システムの中でのピペットのキャリブレーションの目的は、意図した正確さで分注が行われることの保証です。実
際の作業ではそこまでの精度が求められていないにもかかわらず、誤差の限界値(精度規格)を、製造元の規格と同様
に設定しているケースがしばしばあります。しかし、温度や湿度など環境をコントロールしていない通常のラボで、製造
元の規格を満たすことはかなり困難であることにご留意ください。使用目的やラボの環境を考慮し、許容できる規格を
それぞれ設定するべきでしょう。あるいは、例えばISO 8655 のような規格の値を2倍するというような方法もあります。
高い精度が要求されるような場合は、工場と同様の検定環境を整える必要があるでしょう。工場では、温度や湿度が安
定した環境において、蒸留水またはイオン交換水を用いて検定を行っています。
ISO 8655に基づくピペットの規格
ISO 8655規格ではピペットの正確度と精密度の許容範囲が絶対値と相対値で示さ
れます。それぞれの値は、空気置換方式で、容量固定のシングルチャンネルピペッ
トの値として規定されます。容量可変のピペットの場合、名目容量は最大容量に
該当します。名目容量の規格(µL )がそのピペットの全ての容量に適用されます。
マルチチャンネルピペットの場合、規格値を2倍にします。ISO 8655に基づく誤差
例
10 - 100 µLの ピ ペットの 場 合
(100 µLの規格値が全ての容量
に適用される)
正確度(ACC )±0 .8 µL
精密度(SD )0 .3 µL
の許容範囲はP.34 - P.35をご参照ください。
キャリブレーションの頻度
ピペットのキャリブレーションは定期的に実施することをお勧めします。ピペットの使用頻度や使用目的によって異なり
ますが、少なくとも年に1回以上実施しましょう。
必要な機器と検定環境
天秤
分析用天秤を使用します。天秤の感量は、ピペット
の検定容量に合わせて選択します。
検定液
通常、蒸留水またはイオン交換水を使用します。
容量範囲
最小表示(感量)
10 µL未満
0 .001 mg
10 - 100 µL
0 .01 mg
100 µL超
0 .1 mg
FinnpipetteTMではISO 3696規格“Grade 3”に適合する精製水を使用しています。
検定液は、2時間以上前から検定室(キャリブレーションルーム)
に置き、液温が安定してから検定を行います。
検定環境
検定は、通気のない、20 ℃ - 25 ℃の恒温室(±0.5 ℃)で実施します。相対湿度は50%以上必要です。特に
50 µL以下の容量では、できるだけ高湿度の環境にして、蒸発の影響を防いでください。
検定
ピペット、チップ、検定液は、2時間以上前から検定室に置き、温度を安定させます。
ピペットは実際に使用するピペッティング法で検定します。
容量可変ピペットの場合、下記の 2つの容量で検定します。
最大容量(名目容量)
最小容量または最大容量の 10%のうちいずれか大きい方
例 容量レンジ 0.5
- 10 µLのピペットの場合、10 µLおよび1 µLで検定
マルチチャンネルピペットでは、左右両端のチャンネルをそれぞれ上記の2つの容量で検定します。
手順
1 正確な検定を行うため、新しいチップを使用しましょう。最初に3 - 5 回、検定液の吸排を行ってください。
2 それぞれの検定容量で4 - 10 回ずつピペッティングを行い、1 回ごとに天秤で重量を測定します。
3 測定値から、後述の式により正確度( A )と精密度(再現性、SまたはCV )を算出します。
4 結果が規格範囲に入らない場合は、調整後、再度検定を行います。
25
CHAPTER 4
計算式
重量から容量への変換
V =(w + e)× Z
V = 容量(µL)
e = 蒸発による減量(mg)
w = 重量(mg)
Z = 変換係数
蒸発による減量は、特に低容量で有意の影響を及ぼすことがあります。減量分を測定するには、風袋を測定した容器に
精製水を分注し、重量を記録し、ストップウォッチを押します。30 秒後の重量を読み取り、減少がどのくらいになるかを
確認します。通常、ピペッティング操作は10 秒程度で、重量の減少は2 mg 前後です。蒸発トラップや容器のカバーを
使用すれば、蒸発分の補正は必要ありません。
変換係数Zは、検定環境の温度と気圧によって異なる水の密度を算定するためのものです。P.27 の変換係数表を参照
してください。
正確度(系統誤差)
正確度は、そのピペットの実際の分注量と、設定(表示)容量との差異を示します。
_
A = V − V0
A = 正確度
_
V = 平均値
V0 = 表示容量
正確度は、相対的な値として表すことができます。
A% = 100% × A / V0
精密度(偶然誤差)
精密度は、ピペッティングの再現性を示すもので、標準偏差( s)または変動係数( cv )として表されます。
精密度には、ピペットの性能だけでなく、各ラボで実施されている操作手順や、担当者の熟練度も大きな影響を及ぼします。
n
s=
Σ( Vi V )
i =1
2
n-1
s = 標準偏差
_
V = 平均値
n = 測定(分注)回数
Vi = 1回ごとの分注量
標準偏差は、cv 値として相対的に表すことができます。
_
CV = 100% × s/ V
調整
検定結果が規格範囲に入らない場合、最小容量で調整を行います。調整には、サー
ビスツールを使用します。
1.サービスツールを、ハンドル上端にあるキャリブレーションナットの開口部に差し
込みます。
-
2.サービスツールを時計回りに回すと分注量が増し、反時計回りに回すと分注量が
減ります。
3.調整後に、P.25の手順に従って再度検定を行い、規格に適合するかどうかを確認
しましょう。
26
+
Maintenance and calibration
変換係数表
変換係数 Z(µL/mg )は温度と気圧の関数になります。蒸留水の場合の値を表に示します。
温度(℃)
気圧(kPa)
80
85
90
95
100
101.3
105
15.0
1.0017
1.0018
1.0019
1.0019
1.0020
1.0020
1.0020
15.5
1.0018
1.0019
1.0019
1.0020
1.0020
1.0020
1.0021
16.0
1.0019
1.0020
1.0020
1.0021
1.0021
1.0021
1.0022
16.5
1.0020
1.0020
1.0021
1.0021
1.0022
1.0022
1.0022
17.0
1.0021
1.0021
1.0022
1.0022
1.0023
1.0023
1.0023
17.5
1.0022
1.0022
1.0023
1.0023
1.0024
1.0024
1.0024
18.0
1.0022
1.0023
1.0023
1.0024
1.0025
1.0025
1.0025
18.5
1.0023
1.0024
1.0024
1.0025
1.0025
1.0026
1.0026
19.0
1.0024
1.0025
1.0025
1.0026
1.0026
1.0027
1.0027
19.5
1.0025
1.0026
1.0026
1.0027
1.0027
1.0028
1.0028
20.0
1.0026
1.0027
1.0027
1.0028
1.0028
1.0029
1.0029
20.5
1.0027
1.0028
1.0028
1.0029
1.0029
1.0030
1.0030
21.0
1.0028
1.0029
1.0029
1.0030
1.0031
1.0031
1.0031
21.5
1.0030
1.0030
1.0031
1.0031
1.0032
1.0032
1.0032
22.0
1.0031
1.0031
1.0032
1.0032
1.0033
1.0033
1.0033
22.5
1.0032
1.0032
1.0033
1.0033
1.0034
1.0034
1.0034
23.0
1.0033
1.0033
1.0034
1.0034
1.0035
1.0035
1.0036
23.5
1.0034
1.0035
1.0035
1.0036
1.0036
1.0036
1.0037
24.0
1.0035
1.0036
1.0036
1.0037
1.0037
1.0038
1.0038
24.5
1.0037
1.0037
1.0038
1.0038
1.0039
1.0039
1.0039
25.0
1.0038
1.0038
1.0039
1.0039
1.0040
1.0040
1.0040
25.5
1.0039
1.0040
1.0040
1.0041
1.0041
1.0041
1.0042
26.0
1.0040
1.0041
1.0041
1.0042
1.0042
1.0043
1.0043
26.5
1.0042
1.0042
1.0043
1.0043
1.0044
1.0044
1.0044
27.0
1.0043
1.0044
1.0044
1.0045
1.0045
1.0045
1.0046
27.5
1.0045
1.0045
1.0046
1.0046
1.0047
1.0047
1.0047
28.0
1.0046
1.0046
1.0047
1.0047
1.0048
1.0048
1.0048
28.5
1.0047
1.0048
1.0048
1.0049
1.0049
1.0050
1.0050
29.0
1.0049
1.0049
1.0050
1.0050
1.0051
1.0051
1.0051
29.5
1.0050
1.0051
1.0051
1.0052
1.0052
1.0052
1.0053
30.0
1.0052
1.0052
1.0053
1.0053
1.0054
1.0054
1.0054
27
CHAPTER 4
メンテナンス
ピペットの性能を適正に維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスの頻度
メンテナンスの頻度は、ピペットの使用頻度やピペッティングする液体により異なります。ここでは、メンテナンスの方法
と頻度について一般的なガイドラインを示します。
準備
メンテナンスを始める前に、ピペットが適正に汚染除去されていることを確認してください。
メンテナンスには以下を用意しましょう。
取扱説明書
サービスツール(必要に応じて)
グリース
細い絵筆
スポンジ
綿棒
消毒剤(70%エタノール、10%次亜塩素酸ナトリウムなど)
日常の使用時点検、メンテナンス
常に注意すること
ピペットを使用する前に、ピペット表面、特にチップコーン先端のほこりや汚れをチェックします。
汚れていたら70%エタノールで湿らせたコットンでクリーニングを行います。使用中、使用後も、
汚れに気付いたらすぐにクリーニングを行いましょう。特にチップコーンは、分注する液体に接触
する可能性があるので、注意してください。一方ハンドルは消毒剤につけたりしないでください。
また、ピペットを常に垂直に保管していれば、チップコーンに入った液体がさらに内部に浸入す
るのを防げます。ピペットスタンドを使用すると便利です。
動作確認項目
外観の確認 ➡ プッシュボタンキャップ等のパーツが正常に装着されていますか。
容量設定ダイヤルの確認 ➡ ディスプレイ窓から容量表示が完全に見えますか。異常音がしていませんか。最小から最大ま
で全て回りますか。
プッシュボタンの確認 ➡ プッシュボタンを押してみて、1段目と2段目がありますか。スムーズに押せるか、戻せるか確認します。
チップイジェクタの確認 ➡ チップを着脱してみて正常に動くか、異常音がしていないか確認します。
チップコーン先端の外側を確認 ➡ チップコーン先端に磨耗、損傷がないか確認します。
チップコーン先端の内側を確認 ➡ チップコーン内側に液を吸い込んだ形跡がないか確認します。
リークテストの実施
最大容量にセットして蒸留水を吸引し、そのまま30 秒間静止してチップの先端を観察します。水滴が生じるだけの場合は
問題ないですが、 水滴が落ちる場合はリークしています。
* リークしている場合グリースアップで応急修理が必要。グリースアップで直らないときは外部への修理依頼をしましょう。
28
Maintenance and calibration
ミキシングテストの実施
※ マルチチャンネルの場合
以下の 3パターンでそれぞれチェックします。
a.最大容量にセットしてプッシュボタンを1段目まで押し下げ、液を吸引し、全チャンネルの液面レベルが同じか確認します。
b.最大容量の50%容量にセットしてプッシュボタンを2段目まで押し下げ、液を吸引し、1段目まで押し下げ、液を排出します。
チップ先端を液に浸した状態で、レディポジションと1段目までの吸排を繰り返し、全チャンネルの液面レベルが同じか確
認します。
c.最大容量の50%容量にセットしてプッシュボタンを2段目まで押し下げ、液を吸引し、2段目まで押し下げ、液を排出します。
チップ先端を液に浸した状態で、レディポジションと2段目までの吸排を繰り返し、全チャンネルの液面レベルが同じか確
認します。
* 異常のあるチャンネルはクリーニングで応急修理が必要。クリーニングで直らないときは外部への修理依頼をしましょう。
プッシュボタンの位置
a
b
c
レディポジション
1段目
2段目
この操作を繰り返す
この操作を繰り返す
定期メンテナンス
毎日使用するピペットは、少なくとも3ヶ月ごとにピペットを分解してクリーニングし、グリースを塗ってください。
クリーニングの手順は以下のとおりです。
手順
1 取扱説明書にしたがって、ピペットを分解します。モデルによっては付属のサービスツールを使用します。
2 ほこりや汚れの有無をチェックし、拭き取ります。ピストン、ピストンスプリングおよび O-リングは70%エタノールに浸したスポン
ジで拭いてください。チップコーンには70%エタノールで湿らせた綿棒が便利です。
3 クリーニング後、ピストン、ピストンスプリング、O-リングにシリコングリースをうすく塗ります。グリースはピペット同梱のものを
使用してください。細い絵筆を使うと作業が容易です。
4 ピペットを元通り組み立てます。組立の正しい順序は取扱説明書の分解図で確認してください。この分解図では、スペアパーツの
製品番号も確認できます。
5 ピペットを検定し、必要であれば調整を行います( P.24 のキャリブレーションの項参照)
。
有機溶媒など、薬品の種類によってはピペットのパーツに損傷を与えるものもあります。そのような液体のピペッティングを頻
繁に行う場合は、メンテナンスに特に注意を払う必要があります。
有機溶媒からのベーパーは、O-リングを損傷することがあります。頻繁に有機溶媒のピペッティングを行う場合、ピペットの下部
パーツを開け、そのままオーバーナイトで静置して溶媒をとばしてください。
O-リングも週に一度は状態を確認してグリースを塗ってください。リークを防ぐため、必要に応じてO-リングを交換します。
酸やアルカリのエアロゾルもグリースに影響します。酸やアルカリのピペッティングを頻繁に行う場合は、ピストン、ピストンスプ
リング、O-リングに定期的にグリースを塗ってください。
FinnpipetteTMには、予備のO-リングとグリースが付属しています。スペアパーツとして購入することもできます。ピペット付属
のグリース以外は使用しないでください。
フィルターチップの使用は、ピペットを清浄に保ち、ピペットとサンプルの双方を汚染から守る最も良い方法です。
フィルターはエアロゾルや、過剰な液体、異物などがピペットに浸入するのを防ぎます。
29
CHAPTER 4
ピペットの汚染除去
定義
汚染除去
微生物の除去や殺菌のためのあらゆる処理。この言葉は、有害化学物質や放射性物質の除去や中和を指
す言葉としても使用されます。
消毒
物理的または化学的な方法で微生物を殺菌すること。芽胞は含まれないことがあります。
滅菌
あらゆるクラスの微生物および芽胞を殺菌したり、除去したりするプロセスです。
※ 定義はWHO の Laboratory biosafetyマニュアルによる
ピペットの汚染除去
汚染除去の必要性は、ピペットの使い方や溶液の種類により異なります。汚染除去前には、ピペットの化学的適合性を
確認する必要があります。必要に応じて、防護服、ゴーグル、および使い捨て手袋を装着しましょう。
Thermo Scientificマニュアルピペットの汚染除去のガイドライン ※ 電動ピペットについては取扱説明書を参照してください。
試料(液体)
汚染除去
水溶液、バッファー類
ピペットを分解し、汚染されたパーツを蒸留水で十分すすぎ、乾かしてください。
酸、アルカリ
酸やアルカリを扱う場合は、チップコーンやチップイジェクタの下部パーツを蒸留水で頻繁にクリーニングすることをお勧めします。
上記の「水溶液とバッファー類」と同様の方法でピペットのメンテナンスを行ってください。
有機溶媒
汚染されたパーツは、Deconex TM 12 Basic などの洗剤に浸します。蒸留水で十分にすすぎ、乾かしてください。
放射性物質
ピペットを分解し、汚染されたパーツを強力な洗剤または専用クリーニング液に浸けてください。蒸留水で何度かすすぎ、乾かし
てください。
汚染除去は、放射活性が許容できる範囲にまで減衰していることが確認できるまで行います。汚染除去に使用したものはすべて
放射性廃棄物となりますので、廃棄の際は法令にしたがってください。
タンパク質
ピペットを分解し、汚染されたパーツはDeconex TM 12 Basic などの洗剤に浸します。蒸留水で十分にすすぎ、乾かしてください。
DNA、RNA
・ DNAはピペットを分解し、汚染されたパーツを3%(w/v )以上の次亜塩素酸ナトリウムに15 分以上浸けることで除去できます。
蒸留水でよくすすぎ、完全に乾かしてください。
・ Thermo Scientific TM DNA AWAYを用いてピペットのパーツを処理してください。
・ UVライトの照射( 30 - 60 分)は、ピペット表面の DNA 汚染を軽減しますが、完全除去には至りません。
・ RNAは分解が速く、常在するRNase の影響を受けやすいので、特別な処理は不要です。
DNase、RNase
・ RNaseは最初に洗剤液でピペットをクリーニングし、水で十分にすすぎ、乾燥を早めるために95%エタノールを使って除去します。
その後、ピペットパーツを3%過酸化水素水に10 分間浸します。最後にパーツをDEPC 処理水で十分にすすぎ、乾かします。
・ Thermo Scientific RNase AWAYを用いてピペットのパーツを処理してください。
・ DNaseはオートクレーブ( 121 ℃、15 分)で失活します。
ウイルス、マイコプラズマ、 UV 照射はウイルス、マイコプラズマ、バクテリア、カビを不活性化する実用的な方法です。ピペットの内部パーツにUV 照射を行
う場合はピストンとO-リングにグリースを塗ることを忘れないでください。
バクテリア、カビ
ピペットを組み立てる前に、ピストンを70%エタノールで拭き、ピペットと同梱のグリースを塗布します。RNaseを除去
する際には、新しく開封したエタノールを使用し、DEPC 処理水で調製した70%エタノールを使用します。
ピペットの滅菌
耐熱性のピペットパーツについては、オートクレーブが一番簡単な滅菌法です。オートクレーブは取扱説明書の指示に
従って行う必要があります。無菌状態にするには、121 ℃で少なくとも20 分間の維持が必要です。
フルオートクレーブモデル:Finnpipette TM F2および Digital(分解しなくてもオートクレーブが可能です)
オートクレーブ対応チップコーン:F1-ClipTip TM、Finnpipette F1 、F3 、および Novus(取扱説明書を参照してく
ださい。)
Thermo ScientificマニュアルピペットはすべてSTERRADTM(低温プラズマ滅菌システム)およびエチレンオキシド処
理で滅菌できます。滅菌処理前にピペットは分解します。
30
Maintenance and calibration
薬品による消毒および滅菌
薬品による消毒・滅菌(例)
オートクレーブが不可能であったり実用に即していない
場合は、表面や機器の汚染除去に化学消毒剤や滅菌剤を
過酸化水素(7.5%)
使用します。化学消毒剤や滅菌剤は、懸念される微生物
グルタールアルデヒド(2.5%)
に応じて選択します。また、ピペットパーツの材質の化学
次亜塩素酸ナトリウム(5%)
的適合性(耐薬品性)も考慮する必要があります。化学消
エタノール(70%)
消毒(20℃)
滅菌(20℃)
30分
6時間
20 - 90分
10時間
20分
̶
10 - 30分
̶
毒剤や滅菌剤の例を右の表に記載します。
ピペット下部のチップコーンやチップイジェクタを化学的
に汚染除去しなければならない場合は、ピペットを取扱
説明書に従って分解する必要があります。
UV耐性
Finnpipette F1-ClipTip 、F1、F2、F3、DigitalはUV耐性の材料を使用しています。但し、紫外線の影響によってハン
ドル部分の色が黄変することがあります。ピペット内部のパーツに紫外線を照射したときは、ピストンやO-リングにグ
リースを塗布します。
クロスコンタミネーションの防止
ピペットからサンプルへ
汚染されたピペットや汚染されたチップは、サンプルの汚染の原因になります。
予防法
フィルターチップを使います。
各サンプルのピペッティングごとにチップを替えます。
ピペットを定期的にクリーニングします。
サンプルからピペットへ
サンプルやサンプルからのエアロゾルが、ピペットのチップコーンから入り込むことがあります。
予防法
液体がピペット本体に入り込むのを防ぐために、ピペッティング中はピペットを垂直に保持します。
プッシュボタンはゆっくりと放します。
エアロゾルによる汚染を避けるために、フィルターチップ、または強制置換方式のピペットとチップを
使用します。
サンプルからサンプルへ(キャリーオーバー)
サンプルの残りが、チップ内で次のサンプルと混ざり、間違った試験結果が得られる原因になる可能性があ
ります。
予防法
サンプルごとにチップを替えます。
ピペットが汚染されている疑いがある場合は、適切な方法でクリーニングし、必要に応じてオートクレーブ
します。
31
CHAPTER 4
ピペットサービスセンター
正確で再現性のよいピペッティングを行うためにはピペットの適切なメンテナ
ンスが欠かせません。ピペットサービスセンターは、Thermo Scientific TM
HIGH Y
LIT
QUA CES
VI
SER
ピペットサービスの日本拠点として、質の高いサービスをご提供します。
国内初
マルチチャンネルピペット
および電動ピペット
ISO/IEC 17025認定取得
ピペットサービスセンター
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社ピペットサービスセンターは、財団
法人日本適合性認定協会(JAB)により、試験所・校正機関に関する国際規格「ISO/
IEC 17025」適合の「校正機関」として認定されています。ISO/IEC 17025は、試験
または校正を行うにあたって要求される「管理能力」と「技術能力」を規定しています。
初
国内初
ペット
ット
マルチチャンネルピペット
および電動ピペット
マルチブランドISO校正
Thermo Scientific ピペットだけではなく、あらゆるメーカーのピペット校正を行い、お客様のニーズに幅広く対応します。
(特殊モデルは別途お問い合わせください。)
キャリブレーションレポート
ピペットサービスのために「キャリブレーションソフトウェア」を開発し、分析天秤に接続したコンピュータで、測定値の
読み取りから校正データシートの作成まで自動的に処理します。
サービススタッフはピペット操作に専念できるため、信頼性の高い結果を迅速に提供できます。
校正データはシリアル番号によって管理され、データベース化されます。
キャリブレーションルーム
サービス対象のピペットは全て、ISO 8655準拠のキャリブレーション
ルームで校正を行ってから返却します。キャリブレーションルーム
、湿度
では、重量法による校正を正確に行うため、温度(22±0.5 ℃)
、通風(0.2 m/秒以下)の状態が24時間制御されてい
(50%以上)
ます。
マルチチャンネル専用天秤
ご要望の多いマルチチャンネルピペットの全チャンネル検定に対応
するため、専用天秤を導入しています。ISO校正サービスでは、全
チャンネル検定を標準とします。
当社はマルチチャンネルピペットのマーケットリーダーとしてお客様
をサポートします。
32
Maintenance and calibration
ISO校正証明書
ISO校正証明書(例)
キャリブレーションレポート(例)
キャリブレーションレポート記載内容
「ISO/IEC 17025校正サービス」と一般サービスのレポートではフォーマットや内容の一部が異なります。
ピペットに関する情報(製品番号、製品名、容量、シリアル番号など)
検定に関する情報(日時、環境条件、サービススタッフIDなど)
校正データ、判定(下表参照)
項目
ISO/IEC 17025校正サービス(ISO校正証明書)
一般サービス
マルチブランド
Thermo Scientific
Thermo Scientific
測定実測値
◎
◎
平均値
◎
◎
不正確度
◎
◎
不精密度
◎
◎
不確かさ
拡張不確かさ(U)
メーカー規格
ピペットの規格値
(不正確度、不精密度) (ISO 8655の要件を満たしています)
判定
校正条件(測定回数)
─
ISO 8655規格準用
メーカー規格
(ISO 8655の要件を満たしています)
◎
◎
3点、10回(最大値、中間値、最小値)
2点、5回(最大値、最小値)
トラブルシューティング
症状
原因
チップが確実に装着されていない
溶液が漏れる
正確に分注
できない
特定の液体の
分注が不正確
対処方法
チップをしっかり装着する
チップとチップコーンの間に異物がある
チップコーンを掃除して、新しいチップを装着する
ピストン、O-リング、シリンダー等に異物が付着している
ピストン、O-リング、シリンダーの掃除を行い、グリースを塗る
シリンダー、O-リングのグリース切れ
グリースを塗布する
O-リングの摩耗
O-リングを交換する
操作が正しく行われていない
取扱説明書にしたがって操作を行う
チップが確実に装着されていない
チップをしっかり装着する
キャリブレーションにずれが生じている
取扱説明書にしたがってキャリブレーションを行う
キャリブレーションが適切でない
(粘性の高い液体ではキャリブレーションし直す必要があります)
分注する液体でキャリブレーションを行う
33
INFORMATION
Thermo Scientific 工場規格値とISO 8655規格値の対比表
Finnpipette F1 シングルチャンネル 容量可変
Thermo Scientific 規格
カタログNo.
4641010N
4641020N
4641030N
4641040N
4641060N
4641140N
4641070N
4641080N
4641090N
4641100N
4641110N
4641120N
34
容量
0.2 - 2 µL
0.5 - 5 µL
1 - 10 µL
マイクロ
1 - 10 µL
2 - 20 µL
5 - 50 µL
10 - 100 µL
20 - 200 µL
30 - 300 µL
100 - 1000 µL
0.5 - 5 mL
1 - 10 mL
ISO 8655 規格
検定容量
正確度
精密度
正確度
精密度
2
±0.050
0.040
±0.080
0.040
1
±0.040
0.035
±0.080
0.040
0.2
±0.024
0.020
±0.080
0.040
(µL)
(µL)
(µL)
(µL)
(µL)
5
±0.075
0.050
±0.125
0.075
2.5
±0.063
0.038
±0.125
0.075
0.5
±0.030
0.025
±0.125
0.075
10
±0.100
0.050
±0.120
0.080
5
±0.075
0.040
±0.120
0.080
1
±0.025
0.020
±0.120
0.080
10
±0.100
0.080
±0.120
0.080
5
±0.075
0.040
±0.120
0.080
1
±0.035
0.030
±0.120
0.080
20
±0.20
0.08
±0.20
0.10
10
±0.15
0.06
±0.20
0.10
2
±0.06
0.05
±0.20
0.10
50
±0.30
0.15
±0.50
0.20
25
±0.25
0.13
±0.50
0.20
5
±0.15
0.125
±0.50
0.20
100
±0.80
0.20
±0.80
0.30
50
±0.60
0.20
±0.80
0.30
10
±0.30
0.10
±0.80
0.30
200
±1.2
0.4
±1.60
0.60
100
±1.0
0.4
±1.60
0.60
20
±0.36
0.14
±1.60
0.60
300
±1.8
0.60
±4.0
1.5
150
±1.5
0.60
±4.0
1.5
30
±0.45
0.18
±4.0
1.5
1000
±6.0
2.0
±8.0
3.0
500
±4.0
1.5
±8.0
3.0
100
±1.0
0.6
±8.0
3.0
5000
±25.0
10.0
±40.0
15.0
2500
±17.5
7.5
±40.0
15.0
500
±10.0
4.0
±40.0
15.0
10000
±50.0
20.0
±60.0
30.0
5000
±40.0
15.0
±60.0
30.0
1000
±20.0
8.0
±60.0
30.0
Finnpipette F1 シングルチャンネル 容量固定
Thermo Scientific 規格
カタログNo.
容量
ISO 8655 規格
検定容量
正確度
精密度
正確度
精密度
0.080
±0.120
0.080
(µL)
(µL)
(µL)
(µL)
(µL)
4651020N
10 µL
10
±0.090
4651130N
20 µL
20
±0.14
0.10
±0.20
0.10
4651030N
25 µL
25
±0.15
0.125
±0.50
0.20
4651040N
50 µL
50
±0.30
0.20
±0.50
0.20
4651050N
100 µL
100
±0.40
0.30
±0.80
0.30
0.60
4651140N
200 µL
200
±0.80
0.60
±1.60
4651060N
250 µL
250
±1.0
0.75
±4.0
1.5
4651070N
500 µL
500
±1.5
1.5
±4.0
1.5
4651080N
1000 µL
1000
±3.0
3.0
±8.0
3.0
4651090N
2000 µL
2000
±6.0
4.0
±16.0
6.0
4651100N
3000 µL
3000
±9.0
6.0
±40.0
15.0
4651110N
5000 µL
5000
±15.0
10.0
±40.0
15.0
4651120N
10000 µL
10000
±30.0
20.0
±60.0
30.0
Finnpipette F1 マルチチャンネル
Thermo Scientific 規格
カタログNo.
4661000N
4661010N
4661020N
4661030N
4661040N
4661050N
4661060N
4661070N
4661080N
4661090N
容量
チャンネル
1.0 - 10 µL
8
5 - 50 µL
10 - 100 µL
30 - 300 µL
1.0 - 10 µL
5 - 50 µL
10 - 100 µL
30 - 300 µL
1.0 - 10 µL
5 - 50 µL
8
8
8
12
12
12
12
16
16
ISO 8655 規格
検定容量
正確度
精密度
正確度
精密度
10
±0.240
0.160
±0.240
0.160
5
±0.200
0.150
±0.240
0.160
1
±0.120
0.080
±0.240
0.160
50
±0.75
0.35
±1.00
0.40
25
±0.625
0.30
±1.00
0.40
5
±0.25
0.10
±1.00
0.40
100
±1.30
0.50
±1.60
0.60
50
±1.25
0.60
±1.60
0.60
10
±0.50
0.20
±1.60
0.60
300
±3.0
0.9
±8.0
3.0
150
±2.25
0.75
±8.0
3.0
30
±1.5
0.6
±8.0
3.0
10
±0.240
0.160
±0.240
0.160
5
±0.200
0.150
±0.240
0.160
1
±0.120
0.080
±0.240
0.160
50
±0.75
0.35
±1.00
0.40
25
±0.625
0.30
±1.00
0.40
5
±0.25
0.10
±1.00
0.40
100
±1.30
0.50
±1.60
0.60
50
±1.25
0.60
±1.60
0.60
10
±0.50
0.20
±1.60
0.60
300
±3.0
0.9
±8.0
3.0
150
±2.25
0.75
±8.0
3.0
30
±1.5
0.6
±8.0
3.0
10
±0.240
0.160
±0.240
0.160
5
±0.200
0.150
±0.240
0.160
1
±0.120
0.080
±0.240
0.160
50
±0.75
0.35
±1.00
0.40
25
±0.625
0.30
±1.00
0.40
5
±0.25
0.10
±1.00
0.40
(µL)
(µL)
(µL)
(µL)
(µL)
35
INFORMATION
プラスチックの耐薬品性
ポリプロピレン
(PP)
Finntip
ポリエチレン
(HD-PE)
ポリビニリデンフル
オライド(PVDF)
ポリカーボネート
(PC)
チップコーン
チップコーン
(Finnpipette Digital
(Finntip Stepper、 (Finnpipette F1、F2、F3
MCP クラシック、
Finntip PDP)
Novus、Focus、Digital)
MCP Color)
プランジャー
シリコン
ピペットグリッパー
(CellMate Ⅱ)
無機酸
ホウ酸
◎
◎
◎
◎
◎
クロロスルホン酸
×
△
△
−
−
塩酸(20%)
◎
◎
◎
◎
△
塩酸(25%)
◎
◎
◎
×
△
フッ化水素酸(25%)
◎
◎
◎
◎
×
硝酸(70%)
△
◎
◎
×
×
×
過塩素酸
△
◎
◎
×
リン酸(1%)
◎
◎
◎
◎
−
リン酸(10%)
◎
◎
◎
×
−
硫酸(50%)
◎
◎
◎
◎
×
硫酸(98%)
×
◎
◎
×
×
無水酢酸
△
◎
×
×
×
蟻酸(conc)
◎
◎
◎
×
△
乳酸
◎
◎
◎
−
◎
マレイン酸
◎
◎
◎
◎
−
パルミチン酸
◎
◎
◎
◎
×
サリチル酸
◎
◎
◎
◎
−
タンニン酸
◎
◎
◎
◎
△
有機酸
アルコール
アリルアルコール
◎
◎
◎
×
−
アミルアルコール
◎
◎
◎
×
×
エタノール
◎
◎
◎
△
△
エチレングリコール(60%)
◎
◎
◎
◎
◎
エチレングリコール(100%)
◎
◎
◎
×
◎
フルフリルアルコール
◎
◎
◎
×
◎
グリセロール
◎
◎
◎
◎
◎
イソブタノール
◎
◎
◎
×
◎
メタノール
◎
◎
◎
◎
◎
アルデヒド
アセトアルデヒド
◎
◎
◎
×
△
ホルムアルデヒド(37%)
◎
◎
◎
◎
△
ヘプタン
△
−
◎
−
×
ヘキサン
△
×
◎
−
×
脂肪族炭化水素
アミド
ジメチルホルムアミド
◎
◎
×
×
△
アクリルアミド
◎
◎
◎
−
−
アミン
アニリン
◎
◎
◎
×
△
ピリジン
◎
◎
◎
×
×
トリエタノールアミン
◎
◎
◎
◎
−
ベンゼン
×
△
◎
◎
×
トルエン
×
△
◎
◎
×
芳香族炭化水素
塩基
水酸化アルミニウム
◎
◎
◎
◎
−
アンモニア(conc)
◎
◎
×
×
−
水酸化カルシウム
◎
◎
△
×
◎
水酸化カリウム(10%)
◎
◎
×
×
△
水酸化ナトリウム(10%)
◎
◎
×
×
△
△
◎
◎
×
×
エステル
フタル酸ジブチル
36
◎:耐性あり △:限定的な耐性(短時間なら耐性あり)
×:耐性なし −:データなし
注:この表は、原料となるプラスチックの製造元からの情報をもとに構成した参考資料です。
温度、pH、共存物質などの条件によってはこの表と異なる結果となることもありますのでご注意ください。
ポリプロピレン
(PP)
Finntip
ポリエチレン
(HD-PE)
ポリビニリデンフル
オライド(PVDF)
ポリカーボネート
(PC)
チップコーン
チップコーン
(Finnpipette Digital
(Finntip Stepper、 (Finnpipette F1、F2、F3
MCP クラシック、
Finntip PDP)
Novus、Focus、Digital)
MCP Color)
プランジャー
シリコン
ピペットグリッパー
(CellMate Ⅱ)
エーテル
ジエチルエーテル
△
◎
×
×
×
ポリアルキレングリコール
◎
◎
◎
×
−
ポリエチレングリコール
◎
◎
◎
◎
−
ポリエチレンスルフィド
◎
◎
◎
×
−
プロピレンオキサイド
◎
◎
◎
×
−
ハロゲン化炭化水素
ブロモクロロメタン
×
×
×
×
×
四塩化炭素
△
×
◎
×
×
2-クロロエタノール
◎
◎
◎
×
−
クロロベンゼン
×
△
◎
×
×
クロロフォルム
△
△
◎
×
×
ジクロロエタン
△
△
◎
×
−
△
−
△
−
×
アセトン
△
◎
×
×
×
2-ブタノン
−
−
×
−
−
メチルエチルケトン
◎
◎
×
×
×
△
◎
◎
×
×
複素環化合物
テトラヒドロフラン
ケトン
フェノール
フェノール
無機塩類
塩化アルミニウム
◎
◎
◎
×
△
フッ化アルミニウム
◎
◎
◎
×
◎
炭酸アンモニウム
◎
◎
◎
◎
△
塩化バリウム
◎
◎
◎
◎
◎
塩化カルシウム
◎
◎
◎
◎
◎
硫酸カルシウム
◎
◎
◎
◎
−
塩化銅(Ⅱ)
(5%)
◎
◎
◎
◎
◎
塩化鉄(Ⅱ)
◎
◎
◎
×
△
硝酸鉄(Ⅲ)
◎
◎
◎
×
−
硫酸鉄(Ⅲ)
◎
◎
◎
◎
△
臭化リチウム
◎
◎
◎
◎
−
塩化マグネシウム
◎
◎
◎
◎
◎
硝酸マグネシウム
◎
◎
◎
◎
−
塩化水銀(Ⅰ)
◎
◎
◎
×
−
硝酸ニッケル
◎
◎
◎
◎
◎
炭酸カリウム
◎
◎
×
×
−
亜塩素酸カリウム
◎
◎
×
◎
△
硝酸銀
◎
◎
◎
◎
◎
炭酸ナトリウム
◎
◎
◎
◎
◎
フッ化ナトリウム
◎
◎
◎
◎
−
次亜塩素酸ナトリウム(5%)
△
◎
△
◎
△
塩化スズ(Ⅱ)
◎
◎
◎
◎
△
塩化スズ(Ⅳ)
◎
◎
◎
◎
△
塩化亜鉛
◎
◎
◎
×
◎
硫酸亜鉛
◎
◎
◎
◎
◎
その他
培地
◎
◎
◎
−
◎
DEPC
DMSO
Ficoll-Hypaque
◎
−
◎
−
◎
◎
◎
×
−
−
◎
◎
◎
−
◎
血清
◎
◎
◎
−
◎
尿素
◎
◎
◎
−
△
37
INFORMATION
チップ適合表
Finntip(スタンダードチップ)
マイクロ
16チャンネル対応
(Finntip容量範囲µL)
エクステンド
Flex
10
10
20
50
Flex
200
250
Univ
Flex
300
300
Flex
1000
1000
Flex
1200
5 mL
10 mL
200
Ext
1000
Ext
0.2 10
0.2 10
0.2 10
0.2 50
0.5 200
0.5 250
5300
5300
50 1000
100 1000
50 1200
0.5 5 mL
110 mL
5200
100 1000
◎
◎
◎
◎
◎
●
◎
◎
◎
◎
◎
●
○
○
○
◎
○
○
○
◎
Finnpipette F1 シングルチャンネル
◎
◎
○
○
0.2 - 2 µL
◎
◎
○
○
0.5 - 5 µL
◎
◎
○
○
1 - 10 µL マイクロ
1 - 10 µL ユニバーサル
2 - 20 µL
5 - 50 µL
10 - 100 µL
20 - 200 µL
30 - 300 µL
100 - 1000 µL
0.5 - 5 mL
1 - 10 mL
Finnpipette F2 シングルチャンネル
◎
◎
○
○
0.2 - 2 µL
◎
◎
○
○
0.5 - 5 µL
◎
◎
○
○
1 - 10 µL マイクロ
1 - 10 µL ユニバーサル
2 - 20 µL
5 - 50 µL
10 - 100 µL
20 - 200 µL
100 - 1000 µL
0.5 - 5 mL
1 - 10 mL
Finnpipette F3 シングルチャンネル
◎
◎
○
○
1 - 10 µL マイクロ
2 - 20 µL
10 - 100 µL
20 - 200 µL
100 - 1000 µL
1 - 10 mL
Finnpipette F1/F2 マルチチャンネル
◎
◎
○
○
8ch, 1 - 10 µL
8ch, 5 - 50 µL
8ch, 10 - 100 µL
8ch, 30 - 300 µL
◎
◎
○
○
12ch, 1 - 10 µL
12ch, 5 - 50 µL
12ch, 10 - 100 µL
12ch, 30 - 300 µL
◎
○
16ch, 1 - 10 µL
●
◎
16ch, 5 - 50 µL
Finnpipette Novus(電動ピペット)シングルチャンネル
◎
◎
○
○
1 - 10 µL マイクロ
5 - 50 µL ユニバーサル
10 - 100 µL
30 - 300 µL
100 - 1000 µL
0.5 - 5 mL
1 - 10 mL
Finnpipette Novus(電動ピペット)マルチチャンネル
◎
◎
○
○
8ch, 1 - 10 µL
8ch, 5 - 50 µL
8ch, 30 - 300 µL
8ch, 100 - 1200 µL
◎
◎
○
○
12ch, 1 - 10 µL
12ch, 5 - 50 µL
12ch, 30 - 300 µL
●
◎
16ch, 5 - 50 µL
38
ユニバーサル
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
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◎
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◎
●
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
●
◎
◎
●
○
○
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○
○
◎
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●
◎
◎
●
◎
◎
●
○
○
◎
○
○
◎
◎
◎
●
◎
◎
●
◎
◎
●
○
○
◎
○
○
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◎
●
◎
●
◎
●
○
◎
○
◎
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●
◎
●
○
◎
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
Flex
10 mL
Ext
◎
◎
◎
◎
◎
◎
●
◎
●
◎、○:使用できます。
(◎:最適)
●:チップの容量範囲内で使用できます。
Finntip Filter(滅菌済)
マイクロ
ユニバーサル
16チャンネル対応
エクステンド
Flex
Flex
Micro 20 µL
Filter
50 µL 10 µL 20 µL 30 µL Filter
10 µL 384
10
30
100
µL
Flex
Filter
100
Flex
Filter
200
200
µL
Flex
Filter
300
300
µL
Flex
Filter
1000
Flex
Filter
1200
5 mL 10 mL
100
µL
Ext
200
µL
Ext
0.2 10
0.2 10
0.5 100
5100
0.5 200
0.5 200
5300
5300
100 - 100 - 50 1000 1000 1200
0.5 15 mL 10 mL
5100
5200
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
●
●
◎
◎
●
●
○
○
◎
●
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●
○
○
◎
●
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
0.2 - 0.2 - 0.5 20
50
10
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
◎
◎
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○
○
◎
◎
○
○
●
◎
◎
●
◎
●
●
0.5 20
0.5 30
530
○
◎
○
○
●
●
○
○
●
●
○
◎
◎
○
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○
○
○
○
○
○
○
◎
◎
◎
1000
µL
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
○
◎
◎
●
●
●
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◎
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◎
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◎
◎
◎
◎
●
◎
◎
◎
◎
◎
●
◎
Flex
1000
Filter
µL
10 mL
Ext
Ext
100 1000
◎
◎
◎
◎
◎
◎
●
○
●
◎
●
○
●
39
スマートラボを目指して
本来の研究に専念したい。
よりよい方法を見つけることは、作業を簡単にし、節約も
でき、最終的には近道となります。私たちは、これこそが
スマートだと思います。
ピペットオンライン保証登録
ピペット購入時に、オンラインでユーザー登録をすると、
保証期間が延長されます。詳しくはこちら。
http://www.thermofisher.com/jp-pipette-service
参考文献
1 . World Health Organization, 2004 . Laboratory biosafety manual. 3 rd edition. Geneva, Switzerland.
2 . Kemp, B.M. and D.G. Smith, 2005 . Use of DNase to eliminate contamination in ancient DNA analysis. Forensic Sci. Int. 10 (154 ), pp. 53 -61 .
3 . Prince, A.M. and L. Andrus, 1992 . PCR: How to kill unwanted DNA. Biotechniques 12 (3 ), pp. 58 –60 .
4 . Cone, R.W. and M.R. Fairfax, 1993 . Protocol for ultraviolet irradiation of surfaces to reduce PCR contamination. Genome Research 3 , pp. S15 –S17 .
5 . Sambrook, J., E. F. Fritsch and T. Maniatis, 1989 . Extraction and purification of RNA. In: Molecular Cloning – A Laboratory manual, 2 nd edition. Cold
Spring Harbor Laboratory Press, New York.
関連 WEBサイト
“Lab Workers - Take the Pain Out of Pipetting, ”Published by California Dept of Health Services, Occupational Health Branch. Available at http://www.cdph.
ca.gov/programs/hesis/Documents/labwork.pdf
“Reducing the Risk of Muscuskeletal Injury in Healthcare Laboratory Technologists Performing Pipetting Tasks, ”Published by Occupational Health & Safety
Agency for Healthcare, British Columbia. Available at http://www.phsa.ca/Documents/Occupational-Health-Safety/ProjectUpdateReducingtheRiskofMusculo
skeletalInjur.pdf
“Tips for Pipetting, ”Published by UCLA Environment Health and Safety. Available at
http://ergonomics.ucla.edu/laboratory-ergonomics/tips-for-pipetting.html
※ 2016 年 8 月に制作したものです。
※製品の仕様、外観、記載内容は、予告なく変更する場合があります。
※記載してある会社名、製品名は各社の商標及び登録商標です。
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
ラボプロダクツ事業本部
お問い合わせ
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