Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅

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我國に於ける國民所得の發達
汐見, 三郎
經濟論叢 (1922), 14(3): 505-525
1922-03-01
https://doi.org/10.14989/127880
Right
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
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解叢 .
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小 川郷太郎
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法學博士
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最 低生 活 費 課 税 説 を駁 す ・
渋墨博士
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正
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没學補士 財 部
競}
一佐 置 憲 濟階段説
一
経済學士 黒
地 學 観 肚 會 學 説 に就 き て ・
正 雄
三
法學博士 耐 戸
法 學 士
法 學 士
渋墨博 士
文學博士
マ ル ク ス氏 蘇 剰 偵 他 説 の評 論
職 國 の都 市 ・
小 作制 と小 作法
外珊
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我 国 に 於 け る困 民 所 得 の獲 達
経 済道 と経 済 術
時
我 邦 の相 続 税 を 論 ず
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文學跡士 米 田 庄 太 郎
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我 國 に於 け ろ国 民 所得 の磯 達
第 一
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三
郎
余 は嚢 に本 誌 に 於 て ﹁財 産 視 ε 國 冨 統 計 ﹂ ご題 し 、 国 富 統 計 の必 要 な る事 及 び確 實 な る國富 統 .
計 を作 製 す る爲 め に ば 其前 提 ε し て財 産 視 の存 在 を 要 す る 事 を 明 に し て置 いた 。 然 る に 我 國 には
財 産 視 未 だ制 定 せら れ す 、 從 って財 産 税を 基 礎 εす る国 富 統 計 は 現 今 の我 國 に於 て は、 遺 憾 な が
ら 之 を得 る 事 が 出 来 な い ので あ る。
所 が國 富 以 よ に統 計 的 研 究 を 必 要 ご し 、 且 つ我 圃 に於 て 比 較 的 容 易 に確 實 に調 査出 來 るも の で
あ って、 而 も 街 充 分 に開 拓 せら れ て る な い方 面 が あ る 、
所 得 税 に基 く 國 氏 所 得 の 研究 が 是 であ る 。
我 国 の所 得 税 注 は 明治 二十 年 の制 定 に創 ま り 、其 後 大 小 の 改 正 を 経 て今 日 に及 ん で み る 、彼 是 三
十 有 鯨 年 の 歴 史 を 有 毛 て る る の であ る。 故 に此 所 得 税 の統 計 を 利 用 す れ ば 、 一時 代 の 長 き にわ た
・る我 が 国 民所 得 の稜 達 の跡 を 窺 ふ事 が 出 来 る の で あ る 。
、最 誓
至 b其 募
菌
に於 て も 企 てら れ て ゐ ・、≧ ・乱 ・乙 2 。・署
げ 英國 に於け
所 得 税 の材 料 に よ る 国民 所 得 の研 究 は 、 夙 に濁 懊 に於 て ミ お 膏き 鼠曙 町 等 の手 に よ り試 みら
れ て ゐ奈
我国 に於 け る圃 民 所得 の盤連
舞十 四巻
(
第 三號
八 五)
五 〇五
るの で あ る・ 然
る が 如 き . 国国﹁
萌叶
。一
同の米 國 に 於 け る が如 き 、共 に著 し き實 例 で あ る。 世 界 人 戦 争 を中 心 εし て の
叢
漱米 誌 國 の国 民 所 得 の攣 動 、 彼 等 は 北 大問 題 を 所 得 税 統 計 によ り て解 決 せ ん 与
論
.(
h'leyer;EmVe1.s口chau「demGebLeyedel.StatisにikderEinkommensしeller
且92。.)
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War.(∫ou1'naloftheRo)・alStatistic乱lSDciet}・
・eaus.Igo4)
e5KδniglichPrellssi5chen.S仁3t75しischeuBu又
.(Zehschri比d
1)Wagne[=ZurSVIethodikderStatistikdesVolkseinkommen.5
AUgerneinesStatistischesAtchiv.1914.)
2)Allen=SomeChangesintheDistributionoドtheNationalIncome〔luring
論 叢
我国 に於け ろ国民所得の登建
策+四巻
(
第 三號
杢 ハ)
吾 太
し戦 争 が国 民 所 得 の獲 達 に影 響 を輿 へし 事 に於 て は 、我 国 も 決 し て人 後 に落 ち な いの であ.
る。 日
調 べ上 げ 醸
争 ・国 民所 得 あ
關穫
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、
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清 戦 争 は 暫 く 措 く ε し て も 、街 記 憶 に新 な る日 露 戦 争 、・
近 く は 世界 大戦 争 に よ り我 が国 民 所 得 に
心 の藁
き 研究 問 題 であ る 、幸 ひ 我 国 には 、 可 な 蓮
てる る、從.
つて 英米 諸 國 善
如 何 な る受 動 を 来 せ し か は 、實 に興 捷
計 の材 料 が肇
方
法
Stamp:ANewlllustrationofYareto'sLaw.(JournaloftheRoyalStatisticalSociety・1q【4)
dexofIncomes,(QuarterlyPublicationsoftheAmeric乱n.3)Karsten=AnIn
霧
・我 國 で は 比較 的 容 易 に研 究 出家 る。
団 長所 得 の嚢 達 は頗 乃廣 汎 な る.問 題 な る が故 に、 所 得 税 統 計 のみ よ り其 凡 て を 解 決 す る 事 は出
し だ る 研究 を 試 み る 事 は 、 決 して 無 意 義
來 な い、此 事 業 を 完 成 す る矯 め には幾 多 の補 助 材 料 を 必 要 `す る ので あ る。 然 し 、所 得 税 統 計 が
最 も 主 要 な る材 料 a ・が 故 に、 此 材 料 の み より し て 憂
究
で な い、 以 下 余 は 、 專 ら 所 得 税 統 計 を 通 じ て 、 我 が 国 民 所 得 の 内 容 を 明 に し 、 以 て 其 獲 達 の 跡 を
た つ ね だ いの で あ る。
研
の問警 、雷 の澗讐 黎 窪 の問警 に二分し諾 す ・のが便利である。
StatisticalAssociation1920)
第 二
要 があ る。
国民所 得 の統計的 研究 方法は決 して固定 的のも のではな い、其時其所 に順 慰した る方法 を採用
せ ね ば な ら 諏。 故 に我 が国 民 所 得 を 研究 す るに際 して も 、先 づ其 方 法 を 明 に し て 世 魅
国 民 所 得 の 研 究 方 法 は 、 之 を 大 別 し て 、 調 査 客 禮 (薯 霧 )、 調 査 方 法 (話 ︻
。)、 謝 査 主 膿 (5、
。.)、
の暮 憲
調 査 期 間 (≦ 碧 昌)の 四 蓬 す る 事 が 出 來 る 、 以 下 各 項 に つ き て 説 明 を 加 へる 。
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.2)Bowley=TheBritishSuper-TaeandtheDistribution.ofIncome.(QuarteIg1さ ・)].1yJDLu.HalufEuUI1りmiし5・
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國 長 所 褐 は 、 其 表 示 方 法 の如 何 によ り .貴 質 的 所 得 ε名 義 的 所得 ・
しに 分 れ る、 實 質 的 所 得 は所
得 を 構 成 す る経 済 財其 者 で あ って 通常 微 量 を 以 て示 さ る、 一方 名 義 的 所 得 は 所 得 を 構 成 す る経 濟
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財 の貨 幣 搬 で あ る、両 者 ﹁長 ﹁短 あ る 事 は 既 に説 明 し π る厨 で あ る が M 藪 に は国 民 所 得 の統 一的
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観 念 を 得 る必 要 上 名義 的所 得 を 探 る事 εす る、 帥 ち 国 民所 得 憾 、債 値 の共 通 分母 た る貨 幣 に よ り
之 を 表 示す る ので あ る。
次 に我 が 国民 所 得 は 、 其 蹄 薦 者 を標 準 ビ し て 、 国家 所得 、 皇 室 所 得 、 私 人 所 得 の三 に分 つ事 が
出 家 る。 研 究 の 目 的如 何 に よ り域 は此 等 翫 得 の 全 部 を 網 羅 し 、 叉 は 特 に其 一を 限 定す る必 要 があ
るが 、 一般 的 に云 って 私 人 所 得 に 重心 を 置 く べき で あ る .蓋 し現 代 或 明 國 に於 て は 私 有 財 産 制 確
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立 し 国民 所 得 の 大 部 分 は私 人 に 厨す る も の で あ り 、且 つ流 通 経 済 貨 幣 脛 濟 が 私 人問 に最 も よ く 行
は れ て み る か ら で あ る 。 本 研 究 に 於 て は 国 民 所 得 の 範 園 を 私 人 所 得 に 限 定 し て 偉 く 、 ≦ 謬 嵩・﹁ の
所 謂 田鼠く醇 昏汁 o日B葺 自尊 噂ゴ葦 圃
鶉ゴo自 国o富o旨o旨 が 調 査 客 膿 で あ る 。
の
故 に調 査 客膿 に就 て は 、之 を 私 人所 得 に限 定 し 而 し て貨 幣 額 を 以 て表 示 す る 事 εす る.
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あ 第 二 は調 査方 法 であ る、 国 富 統計 の 場 合 の如 く 、 国 民 所 得 の調 査 方 法 は人 的 物 的 の 二方 法 に分
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れ る が、 本 研究 に 於 て は 專 ら 人的 方 法 特 し所 得 税 に基 ( 方 法 を採 用 す る、 其 結 果 国 民 所 得 の中
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ヤ ヘ へ いヘ へ も ヵ わ ヘ へ も セ で も ラ
]所 得 税 の 課 税 物 件 ε な ら ざ る 所 得 、 節 ち 性 質 上 所 得 税 を 課 せ ら れ ざ る も の 、 二 課 枇 最 低 限 以 下
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一
(
の 所 得 、 即 ち 金 額 の 關 係 上 所 得 税 の 課 税 の範 園 外 に あ るも の 、 三 量 的 にも 質 的 に も 所 得 税 の 課 税
義國 ド於けろ国民所得 の膿達
第十四巻
(
第三.
八七) 五〇七
物 件 で あ り な が ら 、 課 挽 技 術 の 關 係 よ り し て捕 捉 し 難 き 所 得 、 換 言 せ ば 所 得 税 を 通 脱 せ る 國 瓦 斯
論 叢
、
掲 言命丈222-229頁
†出稿:前
巻 ・・。一22・頁)
濟 論 叢 第+四
拙 稿 ・ 財 醐 配 圃 富 統 計(縄
Wa,一ner=a.乱,0.S.4r
4)
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我国 に於 げ ろ国 民所得 の獲建
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得 の 三種 は算 定 せら れ な い ので あ る。
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第 十四巻
(
第 三號
八 八)
五 〇八
第 三 は 調 査 主 膿 を如 何 に定 む べき か の黙 であ る。 客 艘 を 國 晟 所 得 の中 で 私 人 に踊 す る所 得 のみ
ごし だ る以 上 、 調 査主 膿 は私 人 ε な る 鐸 で め る。 從 っ て各 個 入 に っき其 獲 得す る所 得 を 調 べ以 て
国 民 所 得 を 算 定 せね ば なら 心、 然 る に我 国 に於 て は 、 所 得 枇 注 の規 定 の上 より し て 、 二 つの制 限
が存 し て み る。.
其 一ε し て は 、 各 私 人 に っき其 獲 得 す る所 の所 得 の 凡 て を 知 る事 が出 楽 な いの で あ る。 我 所 得
税 法 は、 私 人 の所 得 を 三 種 に 分 ち 、各 々異 れ る課 税 方 法 を 探 って みた . 第 一種 法 人 の所 得 は會 肚
に於 て課 税 し、 第 二種 公 債 肚 債 の利 子 は 利 札 交 附 の際⋮
に徴 枕 し、 結 局 第 一種 第 一一
.
種 に厨 せ ざ る所
得 のみ を第 三 種 ε し て 、各 個 人 に つき 綜 合 課 税 し π の で あ る。 故 に 、私 人 の所 得 総 額 の中 に は株
式 の配 當 や 公 債 の 利子 等 は 一切 包 含 せ ら れ な い の であ る。 從 っ て、 國 民 所 得 紹 額 が各 私 人 間 に果
し て如 何 に分 配 せ ら れ てみ る かは 、 正 確 に 之 を知 るを 得 な い 、只 国 民 所 得 の中 第 三 種 に属す る部
分 の み に つき 、 其 分 配 状 態 を 明 にす る事 が出 來 る ので あ るり.
、
其 二は 各 個 入 一人 の所 得 は、 視 注 の 關 係 土 、明 ご な ら な い の で め る。 所 得 税 法 の規 定 によ り 一
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家 の所 得 は 凡 て戸 主 の所 得 に合 算す る 事 εな って み る 、故 に所 得 税 統 計 に現 ば れ な 個 人 の所 得 額
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以 上 の二 制 限 め る が 故 に、 調 査 キ 膿 εし ては 、 私 人 の團 髄 な る 一
・
戸 を 撰 ぶ べく 、 而 し て其 得 る
も
は 、 一個 人 の所 得 で な く實 は 家 族 合禮 の所 得 が戸 主 の名 に於 て示 され て み る に過 ぎな い。
や
所 の所 得 の中 第 三 種所 得 の みが 主 騰 ご關 達 し て問 題 ε な り 得 る の であ る。
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第 四 は調 査期 間 であ る、我 所 得 税 法 で は 暦 年 を 採 用 し て み る、 從 って ﹁我 が 団 長 所 得 ε は 、我
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国 民 が ﹁年 間 に 獲 得 し た る経 済 財 の総 量 な り﹂ ε云 ひ 得 る の で あ る。 故 に 一年 米 満 の期 間 に於 け
る所 得 の状 態は 之 を 明 にす る事 が出 来 な い、 か の国 民 所 得 の季 節 的 攣 動 の問 題 の如 き 、 又 戦 争 が
國氏 所 得 に最 初 に影 響 せし は旬 月 な り ゃ の微 細 の黙 は 、此 材 料 で は解 決 し得 な い の であ る。
以 上調 査 客 騰⋮
、 調 査 方 法 、調 査圭 腸 、 調 査 期 間 の 四 項 にわ たり 、 説 明を 加 へた 、大 艦 此 の如 き
方 法 に基 き 、明 治 三 十六 年 よ り 大 正 八 年 に歪 み十 七 箇 年間 の我 が 国 民 所 得 を 研究 した の で め る。
明.
治 三 十 ⊥ハ年 以 前 を探 ら ざ り し は研 究 材料 の不足 の爲 め 、 大 正 八 年 以 後 仁及 ぼ さ ざ り し ば材 料 の
同質 性 の砂 壌 を 瞑 れ だ から であ る。
一言 注意 す べき は 、本 研究 に は專 ら 相 針 撒 を 使 用 し 、以 て縄 劃 額 過 重 の弊 を防 いだ事 であ る。
上 記 の如 く 、}
町得 撹 統 計 に基 く 國 氏・
所 得 な る以 上 、其 絶 対 額 には 脱 漏 の部 分も 少 から Ψ 、 且 つ税
法 の改 正再 三 あ り し かば 同質 性 に就 い ても 遺憾 の黙 が存 し て み る。 又 名 義 的 所 得 な るが 故 に 、物
優 暴 騰 の際 に於 ては . 其 絶 対 敷 の信 頼 償 値 は 頗 る怪 し いも の であ る。 故 に国 民所 得 の 絶 劃額 は な
る べく 之 を 避 け 、 凡 て相 封 敷 に 換 算 し 元 の で め る。 艶 事 π る や、 此 種 の 國 茂 所 得 を研 究 す る に際
し困 必 要 に し て 且 つ十 分 な る條 件 で あ る。
余 の研 究 の眼 目 は 、我 国私 人 所 得 の至膿 に就 て其 狡 達 の 跡 を 明 にす る に存 し て み る。己 に私 人 の
所 得 ε云 ふ 以 上 は、是 を 獲 得 す る私 人 が無 け れ ば な ら 兎、同 時 に其 所 得 を 構 成 す る根 源 を 推 定 し得
我測に於けろ国民断編の鍍達
第十回春 (
第三號
八九) 五〇九
る の であ る。 弦 に於 て か 、国 民 所得 の騒 達 の 問題 は 、 輩 純 な る絶 掛額 増減 の問 題 を離 れ て 、 其 増
論 叢
第
論
叢
我圃に於けろ国 民所得 の機蓮
第十四巻
(
第三號
九〇) 五 一〇
し減 じだ る国 民 所 得 が 如 何 な る構 成 分 子 を 有 す る か の問 題 、更 に 其増 減 せ し所 得 金 額 は 何 人 の手
を 離 れ 何 人 の 手 に 鵬 せ し か の 問 題 ε な ム の で あ る 。 從 って 問 題 は 自 ら 、 国 民 所 得 の 分 配 歌 態 ε 国
民所 得 の構 成 分 子 ε の二 つに 分 れ る の であ る 。
第 三 国民所得 の構成 分子
飛 が 所 得 税 法 に於 て は 、廿八課 税 物 件 た る 所得 は 、第 一種 所得⋮
、 第 二種 所 一
得、 階
夘三 種一
所用
侍の三 に
労 れ る。 其 中 第 三 種 所 得 に 於 ては 、 大 正 二 年 以 來 小 額 所 得 に謝 し控 除 査 定 の方 法 が採 用 せら れ て
る る から 内国 民 所 得 を 算 定 す る に際 し ては 、 控 除 せ ら れ し 金 額 だ けを 補 は ね ば な ら 澱 、 叉第 二種
公債 肚 債 の利 子 の中 、 国債 の利 子 は 、 明治 ↓
二十 八 年 法律 第 十 九 號 及 び 明治 四 十 二 年法 律 第七 號 に
ミ ら
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より 其 一部叉 は 全 部 を 免 税 せら れ て る るが 故 に 、其 を 加 算 す る必 要 が あ る。結 局 国民 所 得 の 総 額
は 次 の如 く で あ る。
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種 所得 11 の自作 農 業 、山林 、鍍 業 、牧 養 、
商業、工
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第 三號
九 一)
五 一一
密 接 塗 る筈 であ る。
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第 十四巻
債 利 子 支 挑額 其 一
債 利 子 支 掛 額 累 年 比 較.国
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俸 給 所 得 、 財 産 所 得 等 に分 ち戦 前 ε戦 後 こ の国 民 所 得 の構成 を 比 較 し て み る。 余 が先 に財 産 所 得
羅 甲 所得 、箏
(
第 一種乙所得 、第 二櫨所得、冤税国債利子、第三種所得 中の小作料、貸宅地、原野、貸金等)動 勢 所 得 (
第三械所得中 の俸給
給料 、諸給 輿 、瓜 業 、勢力 等 )財 産 動 勢 共 働 の 所 得 露
業等)の 分 類 を施 した の も 大 鵬 同 様 の見 地 よ り 出 凝 した の であ る。 然 し此 分類 ば 、 其 限 界 が頗 る曖
昧 にし て然 も不 自 然 で あ る。殊 に自 作 堤 の所 得 ε商 工 業 の所 得 εを 同 }列 の財 産 動 静 共 働 所 得 に
加 へ. 小作 に よ る所 得 ε株 式 の配 當 ξ を 共 に財 産 所 得 ご し 、 更 に手 工 業者 、 工場 労 働 者 、
會.
耽員 ,
醤 師 .辯 護 ⊥⊥
等 を 無 差 別 に動 勢 所 得 者 誓 に敷 ふ る が如 き 、鯨 b 人 嬬 に 過 ぎ る様 に思 は れ る。
所 得源 に關 し 明瞭 な る分 類 を 施 す に 當 って は、 先 づ 我 が 国 民 経 済 が如 何 な る方 向 に最 も 顯著 な
る腰 展 を 遂 げ つ 、あ る か に着 眼 せ ねば な らぬ 。 思 ふ に 、農 業 林 業 磐 不 動 産 斯 得 を中 心 ご せ る 時 代
よ り . 一韓 し て商 工業 所 得 中 心 の時 代 に進 展 し つ ﹂あ る のが 、我 国 民純 濟 の 重要 な る傾 向 の ﹁で
我 国 に於け る国 民 所得 の獲 達
少 く εち 現 代 の 我 国 に於 て は1
あ る 、自 作 農 ε 工 業 家 ε を結 び 、地 ま ご株 主 εを結 ぶ絆 よb も 、 自 作農 ε地 主 ・
この連 鎖 Y 株 主 ぜ
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工 業 者 ざ の 關係 の方 が 一
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10)拙
稿:所
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得 溌 均 等 員 漁 の 工里患 ε實 現(縄 濟 論 叢 第rt=巻533-535頁)
9)Allen:op.cit
八 年 度 国 債 統 計 年 報:国
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此 総 額 を 、所 得 源 に從 ひ 種 々 に 分類 す る事 が出 來 る。 ≧ すロの如 き、英 国 の国 民所 得 を 動 勢 所 得 、
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第
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論 叢
我国 に於け る園長所得の登達
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第 十四巻
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第一二號
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九 二)
門
五 二
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聞+二年
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心、豊 岩、奨 ゼ
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第 三 種 所 得 中 の田 畑 、 山 林 伐 採 、 原野 其 他 土地 、 教 養 及採 取 業 を 一括 し て農 業 所 得 ε名 付 け 、 其
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以 外 の所 得 ε匠 別 した の で あ る。 此 標 準 に基 き 、第 一表 は次 の如 く 細 分 せら る。
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一、四E間、四四四
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第十四巻
(
第三號
九三) 五 一三 ・
町
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一丑、罵〇一、湘亘一晶
壱= 、妬八 一、曹 δ
我国に於ける国民所得 の登蓮
第 種 所 得 は 、 凡 て 之 を 農 業 以 外 の 所 得 の中 に 入 れ て 置 いた 、 試 に 大 正 八 年 度 主 税 局 統 計 年 報 書
論 叢
\.
■
論 叢
の
麟 欝
箇 に馨 商 民所得.の遽
、
冠
・轟 、 藻
筆 四巻 (
筍三號
排
謙 ∵
の表 でめ ・ 、更 に農 業所 得 及 び農 業
於 て嘉
︾
同
四 学 年
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+ 蒐置
△ 一
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、
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九四) 五 西
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取 せら れ る。 試 ・第 二 表 の摯
た.
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係 の所 糧
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目 盛 に て示 し圖 ・
め に 、 農 業 所 得 は 相 対 的 に は激 減 せ ざ るを得 な く な つ把 ので あ る 、此 傾 向 は 日 露 戦 争 の時 に は 蝕
に嘉
、常 に堅.
留 年に比し増+減△比較)
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して ゐ・
。、 殊 に農 講
矢 琶 苫%年
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外 の 所 得 が 全 所 得 に古 聖 り割 合 を 相 姦
εな って み る。 故 に曾 肚 の所 得 は 、 其 殆 ん ざ 大 部 分が 農 業 以'
外 の も の で あ る ξ 云 ふ 事 が 出 來 る。
叢
・ 、 凡 ・ の所 得 ・ 、 大讐
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外 の所 得 殊 に法 人 所 得 が 大 正 五 叢
完 璽 尭%6隼
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産
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實 の歩 を 運 ん で ゐ ・。 然 ・ に農 業
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第 十四巻 ︹
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・・ 練 ・上下賃 て識
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九六) 五 一六
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・、髪化の差 養 化の比
舞 化 の比警
塁 な ・叢
第+四巻.(
第.
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に叢
所得ε農業所薄
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醗 ・て・・。癸
所得・暴 以外の所得 大別﹄ 更に法入所難 茄
論 叢
総額 ・桑
票 され毒
両線の交叉ぜる際の如き、我園 長維、濟 の愛椿期怨思にしむ るのであ る。
。 も し農 業 所 得 が 蓋
の所 得 籔
或 は殆
大
大 正 五 、 六 年 度 を頂 上 εす る我 国 の 好景 氣 は 、 實 に 法 人所 得 の増 加 で あ っ耽 、 商 工業 會 耽 の所
下せ・であ一
・・
、青 む る割 合
五 割 に垂 ん εす るが 如 き 、著 し き攣 化 で は な いか。 此 間 に、 從 來 二製
得 の激 増 の結 果 で あ る、 從 來 総 額 の 一割 乃 至 二 割 を占 めて みた 第 一種 所 得 が俄 に三 割又 は一
正 六 年 の如 きi
種 々 の結 禦
ん ご 三 割近 くを 占 めて みた農 業 所 得 は 、僅 に 一割 二 分 に迄 減 退 し た ので あ る。
此 等 の統 計 に入り鐘
勢 が 明瞭 錘
で あ る。更 に藝 口せ ば 、世 奨
職
ぞ
得
之 を 牧 め 、農 民 は 之 に比 し て は磐
の分 配 に零
の大 小 に よ り 、 不 動産 時 代 な り ゃ動 産 時 代 な りゃ を 断 害 し 得 る ご せ ば 、 我 国 は 不 動 産 時 代 よ り 動
る階 禦
世 界撃
は專 ら 商 工業 を 中心 与
産 時 代 に進 み つ ・あり ・笹
の楚
困 民 所 得 の分 配状 態
ざ り し ε結 論 し 得 る の で あ る 。
第 四
以 上 、 国 民 所 得 が如 何 な る分子 より 構 成 せら る Σ かを 明 に し 紀 、更 に 、此 国民 所 得 が 何 人 に多
く 蹄 厨 し、 何 人 の受 く る所 得 が滅 甘 し や 、而 し て而 潜 の關 係 如 何 、 これ即 ち 国 民 所 得 の 分 配状 態.
の問 題 で あ る。
、
■
、
、
国 民所 得 の 分 配 を 示 す 最 も 盟 純 な る 方 法 こ し て 、 一戸 當 り 又は 一人 當 り 國 民 所 得 が 算 出 せら れ
五 ︼七
エ
.
て み る、 思 ふに 国 民所 得 総 額 を 分子 ご し 、 一国 の 人 口 叉 は 戸 数 を 分母 こす る此 種 分 数 は 、 分母 子
共 に同質 で あ り 且 つ両 者 の關 係 が洞 質 な る 事 を前 提 ε し て 、 始 め て意 味 を なす の であ 樹 。然 る に
現 今 の如 一私 有 財産 制 確 立 し 、大 小 所 得 の交 錯 せ る肚 會 に於 て は 、 全 一 無 意義 の遊 戯 で あ る 。 然
ら ば 此 に 代 る べき如 何な る方 法 を採 用 す べき か。
我 国 に於 て は 視法 の關 係 上 第 三 種 所 得 に於 て の.
み 、共 各 個人 間 に於 け る 分配 状 態 を捕 捉 す る事
が 出 來 る 。撚 れ ご吃 、 國 民 所 得 の主 要 部 分 π る第 三 種所 得 の分 配 状態 を 相 野 敷 に て算 定 し 、 其 愛
動 を 究 む る事 が田 楽 れ ば 、 これ 軈 て 国 民 全所 得 の 分配 状 態 を 推 定 し得 る所 以 ご な るの で あ る 。 現
ほ
に英 国 の學 者 の如 偉 、其 貧 弱 な る材 料 の中 よ り し て如 何 に かし て 分配 歌 態 を推 察 せ ん ε試 み て み
る 。 鵠。♂
ぐ一
.ざ 曽 騨・
ゴ℃ の 研 究 に 見 る も 、或 は 普 通 所 得 税 の 控 除 査 定 階 級 を 利 用 し 又 は 附 加 所 得 櫨 、相
わ
続 税 の 累 進 階 級 を 利 用 し 、 以 て 国 民 所 得 の 分 配 欣 態 に っ き 共 片 鱗 に て も 捕 へん ご 努 力 し て み る 。
米 国 に於 ても 、 最 近 所得 税 の材 料 整 ふや 、 直 に此 種 の礫 究 が獲 表 せら れ て みるα 故 に我 國 の第 三
九 七)
1(arstCD=op・C7(・,
種所 得 のみ の 分瀧 状 態 を調 ぶ る も 、其 方 法 宜し き を得 れ ば 、先 づ 以 て遺 憾 が無 から う 。
第 十四 巻
(
第 三號
第 三 種所 得 椀 の累 進 階 級 、控 除 査 定 階 級 を 利 用 す る ざ 、我 國 の納 枇 戸 藪 は 、 次 の如 き諸 所 得 階
四 表
叢
我 国 に於 41 ろ国民 所得 の獲 遙
段 に分 配 せら れ る の で あ る。 第 四 表 が即 ち それ で あ る 。
第
論
Stamp:op.cit.,
14)
itishSuレer-TaxatheD3sしribotionofIncome
iうDwley=TheBr'
.Ig6,
Bowley;MeasurementofsocialPhenomena.P
12)
13)
'
論 叢
モ
瑚+六輔 銅†車
岡
三+ 入牢
戸
量 ㍗ 莞四
岡
三+九年
口
唇 五、二空
(
完
四、西 〇
﹁
釜
カ 石
四、四((
︹
第 三號
一〇、美 0
五、。。五
一
δ究
蓋四
茜(
四 + 一年
五 一入
昊 六、誓
戸
蔓 沸、ニカO
同
四 † 二年
九八)
戸
四聖 、量 四
=理 、;[
。
((、九回
=
内、四碧
食 べ交
内、婁.
一、四三 ↓
三 、((ヒ
一、呂合
書く
冒﹂、ヨ四四
肥垂
三六
一昌、茜 .
目呈
≡
H
石£ 9
一落
八面O、
〇四相
同
五 牟
戸
茜 凪、豊 0
幽一
δ 、圏︼
[
八
同
六 年
戸
﹂
更 、四三
韮
、0呈
︼
三 、窒 二
む 、四六六
茜 、一 這
六、奮
一、四皇
述2
辱 ﹁
三
舞
カ
九四栢、五七八
同
七 年
葦
、董
中
藍
昊
同
八 年
九六四、
四五ロ
(
習
=力
四免
一、四舜
六、
暮
西、
四含
量 、三老
空 、( E
莞。劉
第 +四巻
甕
戸
百
ゴ七﹄圏
至 、0茜
壱 、二塁
戸
発 五、
発 四
芙 、萎
禿 、三男
望 ﹁
老く
元四
ご三
年
一 } i
ぎ 呂、目玉六
国
四
戸
四一雲 三
歪戸 年
我国 に於け る国民所得の登達
藷醐
乃壁盤 ㎜響
更 、九夷
豊 、(三
﹁
︼
棄
蚕
一三
、主君
曼 、四冒
互
吾・
豊〇
な三四
三 、 三四
騨
四八、ロ 三
(、五六五
︼三、(耳力
六≦
ズゼ
一三
圓
(δ量
三沢署
至 二 千
千 圓 乃
雌三 塁
三 δ 四(
紐百圓乃醗籍
﹁
二.千 国 乃 至 三 千 圓
}萬 圓 乃 至 一萬 五 千 圓
二三口
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{
(
三(、三き
戸
重力δ渠
四同
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三 萬 圓 乃 至 五 萬 圓
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我国 に於 け ろ国 民 所得 の獲建
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瑚 +六輔
事 が判 ら 恥 い。 更 に 、 所 得 階 段 の間 隔 を 統 ﹁し 、各 所 得 階 段 に属 す る戸 数 が 全膣 に謝 し て青 む る
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計
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各 所 得 階 段 共 に大 艦 増 加 の傾 向 に め るが 、此 間 視 法 の改 正 再 三 あb し か よ
一
合
三
割合 を 相 封 敷 で示 す 必 要 が あ る。 此 目 的 を達 す る爲 め に第 五 表 を 作 製 し た 。
(
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第
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五 百圓 乃 至 千 圓 六
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税局第三十
15)主
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論
叢
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第 十四 巻
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三五・四
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千 圓
三 千圓 乃 至 五 千 圓
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五 千圓乃 至 一萬 圓
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萬圓
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︼見 し て明 瞭 な る愛 化 は 大 正 五 年 を中 心 ごし て其 前 後 に現 は れ て る る
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第 +四巻
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れ も 増 し て み る 。 而 し て 所 得 階 段 を 加 ふ る に 從 ひ 其 増 加 牽 が 大 ご な っ て 来 る ら で あ る。
論 叢
祠
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、
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戸
論 叢
我国 に於りゐ国民所得 の獲達
第 十四巻
.、
(
第三號 一〇二) 五二二
然 し 第 五 表 に て は ,其 間 隔 が 小 な る は 五 百 圓 人 な る 時 は 五 萬 圓 ε 云 ふ 極 め て 不 同 の も の で あ る
か ら 、 是 を 統 一し て 表 示 せ ね ば な ら ぬ 。 百 圓 當 り 納 税 戸 数 幾 何 ε 云 ふ 事 を 調 べ ね ば な ら 阻 。 而 し
て 其 間 の 攣 化 の 事 情 を 一層 明 確 な ら し む る 爲 め に は 、 精 密 な る 勤 敷 圃 表 を 作 製 L 是 に 基 き 研 究 す
る必 要 が あ る。 第 二圖 表 は 此 目 的 の薦 め に作 製 し陀 も の で め る。
本図表の数字に-各所得 階段に於 ザろ官圓當り納税戸数でめろ。、1は五百圓乃至千圓Hば千圓乃至二千圓11に二千圓乃至三千
エ
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圓Wば三千圓乃至五千圓V11五千圓乃至 萬圓W1
1 一萬圓乃至 ︼萬五千圓刷に ⋮萬五千圓乃至二萬圓⋮に二萬圓乃至三萬圓眠
は 三萬圓乃至五萬圓Xは五萬圓乃至十萬 圓に該賞するのであ み。 而して合 計即ち五百圓乃至十萬圓階段の百圓當り納税戸数は
之々太線Fて示した。線の傾斜にエりて愛化の割合た察すろのは第 西 表ミ同様である。
此 圖 表 に基 き考 察 す る ピ、 大 所 得 階 段 の増 加 が相 対 的 に 人 な る事 が 明 に窺 は れ る。 而 し て其 勢
は 日 露 戦 争 の際 には 殆 ん ご 看取 し 得す 、 今 次 の 世界 戦 争 に 至 り 始 め て 著 し く な った の でめ る。 只
問 題 は、 世 界 戦 争 の途 中 から 物 償 暴 騰 ε云 ふ 現 象 が起 つた か ら 、其 ε の關 係 如 何 で あ る。 或 は是
が爲 め に名 義 的 に 凡 て の 所 得 階 段 が 上 昇 し從 って相 野 的 に菱 化 を楽 し 把 の で はな いか ごの 疑 が生
じ る 。然 し所 得 金 額 が 大 な れば 人 な る程 相 封 敷 の増 加 の牽 が 人 な る事 は 、 其 然 ら ざ る 事を 賞 讃 し
て み る 。更 に此 疑 問 に答 ふ る矯 め に は貧 富 の懸 隔 の坂 の傾 斜↓
を も調 べる必 要 が あ る。
貧 富 の懸 隔 の坂 が如 何 な る傾 斜 を ξ つて みる かを 正 確 に調 査 す るに は 、 雰 ﹁
簿。線 の方 法 が最 も
適 當 し て み る。 此 方 法 は 、 最 近 英 米 學者 の採 用 す る所 εな b 、 現 に.ω富ヨ℃は 千 九 百 十 一年 の 英 國
の附 加 所 得 視 に 、 叉 囚p
競 9 は 千九 百+ 四 年 以 後 の米 國 の所得 税 に磨 用 し て み る .我 国 に就 て見
る ε、 衣 の敷 字 を得 る事 が 出 摩 る。
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同
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δ
論
叢
第 五
困 民 所 得 の 獲 達.
我 国 に於け ろ国 民 所得 の蛮 淫.
第十 四巻
(
第 三號
一〇 三)
五 二三
参 加 した る戦 争 で み り な がら 、 日露 戦争 に て は此 事 は 明瞭 でな か った の で あ る。
、
黙 が世 界 大戦 争 の我 が國民 所 得 の分 配 状 態 に齎 し た る顕 著 な る影 響 であ る 、而 し て 同 じ く 我 国 の
守﹁
。
8 線 より 云 へば αが 小 εな う し 事、 相 封 敷 より せば 大 所 得 者 の 割 合 が 大 ごな り し 事、 此 二
み る。 看 過 し難 き黙 で あ る。
殊 に大 正 六 年 の 如 き は 其 ド ソ底 に達 し 、 文 典 前 後 の 五 、 七 、八 の三 年 は 何 れも 小 な る 敷 を 示 し て
日 露 戦 争 時 代 に著 し き愛 化 な かリ レ αが 世 界 戦争 に 至 り 大 に減 じ セ るは 注 目 す べき 事實 で あ る 。
logN=logA一
■
﹂
論 叢
1
我国 に於σ ろ国民所得の獲建
﹁
第十四巻
(
第 三號 [〇四︾ 五二四
所 得 税 に基 き 算 定 し た る 我 国 民 所 得 は 以 上 の 如 く で あ る 。 絶 掛 額 こ し て は 、 過 去 十 七 年 間 多 少
の 消 長 め り し に 止 ま り 、 政 治 算 術 的 興 味 を 満 足 せ し む る 以 外 に 大 攣 化 あ る 事 な し 。 然 晒'、も そ が
如 何 な る根 源 よ り構 成 せら る ﹂ か、 叉 何 人 の手 に ヨリ多 く 何 人 の 手 に 一
目り 少 く 蹄 着 す る に 至 り し
か の 問 題 に 就 て は 、 年 ご 共 に 人 な る 璽 動 を 見 π の で あ る。 余 の 研 究 し た る は 、 實 に比 熱 で あ る 。
而 し て 此 等 大 製 化 は 日 露 職 事 常 時 に は 全 く 見 ざ り し所 に し て 、 世 界 人 戦 争 が 勃 獲 し て 後 に極 め て
明 瞭 ε な つセ の で あ る 。 從 っ て 我 が 国 民 所 得 の 獲 達 の 大 勢 よ り 云 へば 、 日 露 戦 争 よ り も 寧 ろ 世 界
戦 争 の方 が 其 影 響 大 な b ε 云 は ね ば な ら ぬ 。
響 て 宅 四σq器 ﹁ば 、 其 詳 細 な る 統 計 数 字 に 基 き 軍 o島 の9 の 各 地 方 の 所 得 分 配 状 態 を 研 究 し た の で
あ る 。商 工 業 地 の 声ゴ・一
巳p・
巳 ご 農 業 地 の ○。
・
6﹁
。島 ・・
躍 ` を 封 比 し 、其 間 に 団。盆α営 ご b
ゴ玉 {
9 Qq9ゴ器昌
を 配 し、 此 等 諸 地 方 の 所得 分配 歌 態 を 逐年 調 査 し た の であ った。 志 す 所 は 、實 蔦 、所 得 源 が商 工
業 な り ゃ 農 業 な りゃ に より て或 は 國 艮 所 得 の 分配 状 態 に異 る所 な きや 否 や を 統 計 的 に實 讃す る に
あ った の で あ る 。 余 の 研 究 は 、 日 本 全 艦 の 国 民 所 一
得 を 対 象 ` し 、 共 所 得 源 及 び其 分 配 状 態 を 長 年
月 にわ たり 調 査 しπ も の で あ る。 而 し て過 去 十七 年 間 の實 蹟 を 見 る に .所 得 源 に於 ては 農 業 所 得
の 白 む る 割 合 は 追 々 減 少 し .反 之 商 工 業 所 得 の 代 表 ξ も 見 る べき 法 人 所 得 が 漸 次 増 加 し た の で あ
る 、 こ れ 我 が 国 民 経 済 に 於 て 農 業 立 國 の 色 彩 が多 少 薄 ら ぎ 商 工 業 階 級 を 中 .
心ξす る資 本 主 義 の獲
達 せ し 事 を 示 し て み る の で な か ら う か . 更 に所 得 努 配 状 態 を 見 る に 、 大 艦 に 於 て 人 所 得 者 敷 が 全
Statistik,
aufGi・andderneuerenEinkom皿enstαler
Volkseinkommensinf》reussen
〔Jnler5uchungentiberdicVerteiluロddes
16)Wagncr=Weiterestatistische
甲
,
鴨 に占 む る割 合 が増 加 し 、}
、
母卑。 線 の αの 如 き も漸 次 小 εな る傾 向 が 窺 は れ る。 而 し て所 得 源 及
び所 得 分離 状 態 に於 け る此 憂 化 は 、 大 正 五 年 夾 侍 に 明瞭 に現 は れ て来 た の であ る 。 思 ふ に國 民 所
得 の構 成 要 素 ε共 分 配 状態 ε の間 に は 何等 か の密 接 な る 連 鎖 が 無 く ては な ら 濾。 余 は 弦 には 両 者
×
×
X
×
×
,
の間 に或 種 の連 鎖 の存 在す べき事 を 示す に 止 め、 其 連 鎖 の何 た る か に就 て は之 を 後.日 の問 題 ε し
×
て提 出 し て置 き た いので あ る。
×
以 上 余 は 我 国 全膿 に 於 け る國 民 所 得 の獲 達 の状 態 を 考 察 し た の であ る。 我 国 に於 て も 各地 方 に
よ り大 に事 情 を 異 にす るが 故 に、 此 問題 に 凱す る徹 底 的 の 解 決 を 得 る爲 め に は 、更 に地 方 励 研究
策 十四 巻
(第 三號
一〇五)
五 二五
'
に移 ら ね ば な ら 曲。 世 界 大 戦 孚 が 我 国 各 地 方 の 国民 所 得 の獲 達 に 及 ぼ し た る影 響 の如 何 に就 き て
我国に於け る国民 所得 の嶺建
は 、更 に稿 を 新 にし て 論究 し て見 た い。 (二 、二、 ﹁二)
論 叢