まだ寝ているのですか

コミュニティ
Advent Special Issue, 2016
2016(平成 28)年待降節特別号・新使徒教会日本教区発行
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矢幡 賢治 E -mail: [email protected]
(新使徒教会ホームページ2016年11月24日付nac.todayより)
( 新使徒教ホームページ 2016 年 11 月 24 日付 nac.today より )
まだ寝ているのですか、それとももう起きていますか
今年もあと数週間、教会暦としてはちょうど新年を迎えたところです。待降節の時期がやって来ました。
新使徒教会における 12 月の礼拝は、「成就の時」というテーマを中心にして行われます。そもそも成
就の時とはどういうことなのでしょうか。
人には希望が必要です。希望がなけれ
待降節にはとても深い意味があるので
ば、生き抜くことはできません。絶望
す。キリスト者はキリストの復活の備
は人を落胆させ、弱め、無力にしま
えをしているからです。その日は間近
す。希望のない未来など、まず考えら
で、間もなくおいでになります。目を
れません。このことはすべての国々
覚ましていなさいという緊急性は失わ
にいるすべての人々にいえることであ
れていないのです。まさに夜明けとい
り、いつどのような時でもいえること
う比喩がぴったりです。闇夜に続いて
です。希望や人、あるいは物事によって――つまり約束やメ
新たな日がやって来ます。パウロはこの喩えを用いて、キリ
シア、あるいは目標によって――私たちは刺激を受ける必要
ストの再臨が不可避であることを説いています。まだ夜中だ
があるのです。古代のイスラエル人は何世紀もの間約束され
が、必ず新たな日の夜明けがやって来る、と述べています「夜
ているメシアの来臨を待ちました。預言者たちがこの約束を
は更け、日は近づいた。だから、闇の行いを脱ぎ捨てて光の
彼らの中で生かしてきたのです。モーセよりはるかに優れた、
武具を身に着けましょう」( ロマ 13:12)。
この新しいメシアは、旧約の人々を救済するという、神の未
王がおいでになる
来の約束を宣べ伝えることになっていました。この約束は最
ここで述べているのは、ほかでもない、王の王、イエス・キ
終的にどうなったでしょうか。メシア来臨の希望は薄れまし
リスト、私たちの主であり救い主のことです。
「ホサナ。主の
た。その約束は亡きものとなり、忘れ去れてしまったのです。
名によって来られる方に、祝福があるように、/イスラエル
キリストをめぐって二分する意見
の王に」( ヨハ 12:13)。イエス様は人々から選ばれた王では
その時に、キリストが来臨されました。しかし根強い不信感
ありません。いわゆる王朝の血筋を引く王でもありません。
が浸透していました。その理由は主に、
イエス様がナザレ人で、
イエス様が王であるというのは、天来のお方であるというこ
ベツレヘムという寒村に住む大工を営む家族の出身であるこ
とです。統治はされますが、力や強制によるものではありま
とでした。ほんのわずかな希望として、主流を占めるこのイ
せん。イエス様は平和の君なのです。
エス様拒絶に対抗するチャンスしかありませんでした。イエ
神に不可能はない
ス様を信じ、従い、教えに耳を傾けたび人々が、ほんのわず
こうしたことを心に留め置くならば、マリアの信仰を理解す
かにいたのです。
ることができます「
『…神にできないことは何一つない。
』マ
新たな日の夜明け
リアは言った。
『わたしは主のはしためです。お言葉どおり、
いっぽう、こんにちはどうでしょうか。このことが私たちと
この身に成りますように。
』そこで、天使は去って行った」( ル
どう関係があるのでしょうか。かつてはユダヤの人々が救い
カ 1:37-38)。この御言葉は、2016 年度クリスマスの聖句で
主を待ち望んでいたように、こんにちのキリスト者も救い主
あります。この御言葉は、私たちの信仰生活に興味深さと豊
を待ち望んでいます。イエス・キリストは永遠の命を約束さ
かさを加え、
「神様は約束を成就して下さる!」という確信を
れました。御自身の復活と再臨を約束されました。ですから
与えてくれます。
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