健康な日々と未来への希望―― 女性が輝き続けるために 良質な医療と

<11> 2017年 新春号
2017年 新春号 <10>
健康な日々と未来への希望――
女性が輝き続けるために
良質な医療とホスピタリティを
これからもご提供していきます
プレママ
掲示板
2017 新春
取材協力 / 福田病院
地域周産期母子医療センターとしての役割を担うとともに、
年間の出産総数が国内トップレベルの3500人を超える福田病院。明治40年の開院以来、
「高度な医療水準と助産院のあたたかさ」を基本に、女性の健康を生涯にわたってサポートしています。産科・婦人科・小児科・乳腺外科・肛門外科
と幅広いニーズに対応する“ウーマンズ・ホスピタル”としての同院の取り組みをレポートします。
女性のかかりつけ医として
産婦人科を人生のパートナーに
思春期・成熟期・更年期と
ライフステージの変化によって
女性特有の心身の悩みや
体の不調も変わってきます
4月に起こった熊本地震。私は14日の前震
高齢出産の増加や閉経の晩年化など、女性の
の際、当直として勤務していました。ある程度
ライフスタイルも変わりつつあります。そのよ
揺れが落ち着くのを待ち、
LDRや病棟、レス
うな女性の変化する悩みに対応していくの
トラン、NICUなど全館をまわり状況を把
が、女性のかかりつけ医としての産婦人科の
握。ケガ人がいないことも確認できました。
産婦人科というと、お産のイメージが強い
かと思いますが 、本 来は 産 科と婦 人 科 から
命の重さや家族の絆の大切さなど、改めて実感させられた
Interview 昨年の震災。医療を通じて地域の皆さんの
幸せに貢献したい、その想いを新たに
ハイリスクな妊娠・分娩には高度最先端
医療を。正常の出産は“より自分らしく”
誰もが予測しなかった2度の大地震。多くの入院患者様や赤ちゃんを
抱え、病院スタッフも大変心配しました。互いに連携をとり、お一人のケ
ガ人を出すことなく乗り切ることができ安堵しております。また、その
後の物資の援助などでは、県内外から多くのご支援をいただきましたこ
とを、
この場をお借りして御礼申し上げます。
当院は、合併症妊娠など、母体や胎児、新生児の生命にかかわる事態
が発生した際に、高度で専門的な医療を提供する施設として、
「 地域周
産期母子医療センター」の認定を受け、県全域からハイリスクの妊娠、
出産のお母さんと赤ちゃんを受け入れています。
新生児集中治療室(NICU)
・新生児発育治療室(GCU)では、24
時間・365日体制で、最先端の医療サービスを施すとともに、赤ちゃん
にとっては生活の場でもあるという考えのもと、新生児専門の医師・看
護師・保育士が連携をとりつつ、ケアを行っています。
妊娠・出産は女性にとって人生の大切な1ページであり、ご家族に
とってもかけがえのない時間です。
“ 自分らしい、納得のいくお産だっ
た”
と満足していただけるよう、環境づくりやスタッフの気配りなどをこ
れからも磨き上げていくことも重要です。 精神的不安や社会的問題を
抱える妊婦さんをサポート
する体制づくりも
当 院 で は 、昨 年 1 0 月 に「 母 子 サ ポ ートセン
ター」を開設いたしました。その目的は、経済的な
問題や社会的な悩みを抱えた妊婦さんが引き起
こしやすいとされる、児童虐待を防ぐことです。
福 田 病 院
月曜∼土曜/ AM9:00 ∼ PM6:00
日曜・祝日 休診
☎096(322)2995〈代〉
熊本市中央区新町 2-2-6
http://www.fukuda-hp.or.jp/
福田 稠さん
日曜・祝日 休診
☎0964(34)0303
宇城市松橋町松橋 689-1
http://www.matsubase.or.jp/
病院自体は耐震構造なので安全ですが、患
者様が個室にいる不安感や次に地震が来た場
合の避難経路のことも考慮し、1階フロアへの
移動を決断しました。すぐに駆けつけてくれた3名の医師、病院内に残って
いた師長たちらとともに、患者様の前後を職員がはさむ形でワンフロアご
常や月経前症候群、不正出血、子宮疾患、性感染症、更年期障害など、お産
とに、階段を使って1階へ誘導しました。本震時も同様に移動していただき
以外の女性の病気に関するものです。
ましたが、大きな混乱もなく、何より1名もケガ人を出すことなく避難でき
女性は生理が始まる10代の頃から、人に聞けない悩みが出てくるもので
たことが幸いだったと思います。
す。私たち産婦人科医はどんな相談にも乗ることができますので、遠慮せず
想定外の大災害でしたが、事前にマニュアルを準備していたことも功を
にお話しをしてください。仕事や子育てで多忙な30代・40代は、自分の体
奏していたこと、さらには日頃から各部署で連携体制がとれていたことも
のことは二の次…となりがちですが、
この世代こそ乳がん・子宮がんの検診
緊急時を乗り切る大きなポイントでした。
を定期的に受け、早期発見につなげていただきたいと強く思います。
前震・本震、その間には、20名以上の新たな命が誕生しています。中には
また、閉経の前後約10年に起こる更年期障害は、さまざまな症状が現れ
本震の最中が分娩中というお母さんもいらっしゃいました。不安な思いで
ます。最近では、漢方を含め薬の種類も豊富にそろいます。合う薬を見つけ
出産に臨まれたでしょうが、
ご夫婦・ご家族の絆で乗り越えられました。
るには時間がかかることもありますが、多くの方が内服によって症状の改
この地震を通して、皆様の安全確保の重要性を再認識し、災害時用の避
善を図ることができます。
難具を各お部屋に設置し、赤ちゃんとお母さんがより安全に避難できるよ
女性がそれぞれのライフテージで不調があった際、すぐ受診し相談でき
う努めています。当院の建物の一部も改修中でご迷惑をおかけしておりま
る産婦人科のかかりつけ医をもっていると安心です。通いやすさや医師と
すが、より安全かつ快適にご利用いただけるよう、増築・改築のプランも進
の相性、施設が充実しているなどを見極めて、
ご自分に合ったかかりつけ医
めております。熊本の復興・復旧がより豊かで夢のあるものになるよう、福
を見つけておかれることをお勧めします。
田病院もお手伝いできれば幸いです。
地震に負けず元気に生まれ
すくすく育っています!
11月3日に行われたイベント「マタニティ・フェスティバル」では、今
回の震災時に福田病院で誕生したお子さんの元気な姿が、パネル展
で紹介されました。その一部を、紙面でもご披露します。
産婦人科〈母体保護法指定医〉
菊陽レディースクリニック
院長 村本 順一
月曜∼土曜/ AM9:00 ∼ 12:00 PM2:00 ∼ 5:30
福田病院 病院長
河上 祥一さん
娩、不妊治療などお産に関するものです。一方、婦人科が扱うのは、月経異
まつばせレディースクリニック
診療時間
産婦人科医師 医局長
新堀 曜子さん
なっていて、お産も扱う婦人科のことです。産科が扱うのは、妊婦健診や分
産婦人科〈母体保護法指定医〉
病院長 河上 祥一
診療時間
福田病院理事長
これまでも精神的疾患をもつ妊婦さんには、臨床心理士がきめ細や
かに対応しておりました。さらに社会的な問題を抱えている妊婦さんに
は、地域連携室という部署を設け社会福祉士が相談に応じておりまし
た。
「 母子サポートセンター」の新設により、増加傾向にある精神的・経
済的・社会的問題を抱える妊婦さんに対し、医療スタッフから事務職ま
ですべてのスタッフが参加し、問題解決の糸口を見つけていきたいと考
えております。
児童虐待の約4割は0歳児が対象で、父親・母親によるものが大半で
す。妊婦さんと初めて向き合う産婦人科医が早い段階で問題をキャッ
チし、よき相談相手となることで虐待を未然に防ぐこともできると確信
しています。
産婦人科〈母体保護法指定医〉
医療法社人団愛育会
お話しは…
さらなる安全確保の必要性、
スタッフ間のチームワークの大切さ。
震災で学んだことをいかし、夢のある
復興・復旧に向けて歩み始めます
昔に比べ平均寿命が延びている現代では、
役目です。
SPECIAL
2 度の大地震、余震の間にも
たくさんの新しい命が誕生しています
院長 水谷 洋
診療時間
月曜∼土曜/ AM9:00 ∼ 12:00 PM2:00 ∼ 5:30
日曜・祝日 休診
※初診受付は AM11:30、PM4:30 まで
☎096(213)5656
菊池郡菊陽町新山 2-8-23
http://www.kikuyou-lc.com/
婦人科 ※不妊相談もお申し付け下さい
ソフィアレディースクリニック水道町
院長 岩政 仁
診療時間
※水曜・祝日は完全予約制
月・火・木・金・土曜/ AM10:00 ∼ PM2:00
PM4:00 ∼ 7:00
水曜/ AM9:00 ∼ PM1:00、PM2:00 ∼ 6:00
日曜・祝日/ AM8:30 ∼ 12:30
☎096(322)2996
熊本市中央区水道町 9-5-1
http://www.suidouchou-lc.jp/