みずほ欧州経済情報 - みずほ総合研究所

みずほ欧州経済情報
2016年12月号
◆ トピック
流動化するイタリア政局
イタリアではジェンティローニ新政権が誕生した。組閣後
の注目点は早期解散総選挙の行方となるが、伊銀の不良債
権処理問題が長期化すれば政局に影響する可能性もある。
◆ 景気判断
ユーロ圏景気は回復が続く
10~12月期の景気回復の勢いは高まった模様だが、年明け
後に関しては、内需減速を背景に回復ペースが鈍化すると
みられる。景気を見通す上での論点は3つある。
1.トピック:流動化するイタリア政局
国民投票後にレンツィ首
イタリア政局が流動化している。12 月 4 日にイタリアで行われた上院の権
相は辞任、
ジェンティロー
限縮小を柱とした憲法改正に関する国民投票では、憲法改正に「反対」の支
ニ外相が後任に
持率が 59.1%と賛成の支持率(40.9%)を上回った。マテオ・レンツィ首相
は、国民投票の「反対」という結果を受けて辞任した。セルジオ・マッタレ
ッラ大統領は後任としてパオロ・ジェンティローニ外相(民主党)を指名、
ジェンティローニ政権は 12 月 14 日までに上下院の承認を終え、発足した。
組閣後の注目点は、
下院選
組閣後の注目点は、下院選挙制度の改正の行方と、早期の解散総選挙実施
挙制度改正と、
早期解散総
の有無である。与党民主党を中心とした主要政党は、解散総選挙の実施は下
選挙の行方
院選挙制度の改正が前提条件と考えている。仮に現在の下院の選挙制度下で
解散総選挙が実施された場合、反政府のEU懐疑政党である「五つ星運動」
が過半議席を獲得する可能性があるためである。同党は、政権についた場合、
ユーロ離脱の是非を問う国民投票を実施したい旨を表明しており、その動向
が懸念されている。
イタリアでは、ボーナス議席付き二回投票制を柱とする下院選挙制度が
2016 年 7 月より施行されている。現在の制度は比例代表制を基本とするが、
選挙で 40%以上の最大得票を得た政党が単独で 340 議席が得られる「プレミ
アム議席制度」がある。下院の議席総数は 630 議席であり、どの党も 40%
の得票を得られなかった場合は、上位二党による決選投票となる。従って、
現在の下院選挙制度下では、
「五つ星運動」が、決選投票を経て単独で下院
の過半議席を得る可能性が高まる。
現在の下院選挙制度は、単独政党にプレミアム議席を与えることの違憲性
について、憲法裁判所で審理が行われている。判決は、2017 年 1 月 24 日に
発表される模様だ。報道によれば、議会解散権を持つマッタレッラ大統領は、
解散総選挙は、憲法裁判所の判決を待ち下院選挙制度の改正を行った後でな
ければ行うべきでないとの姿勢を示している。与党民主党は、1 月 24 日に予
定されている憲法裁判所の判決を待ち、下院の選挙制度を改正、2017 年内に
も解散総選挙に踏み切るとの見方が高まっている。伊メディアの報道では、
レンツィ書記長は 2017 年 6 月ごろの総選挙を狙っているとされる。
しかし、
上下院で二度ずつ承認を受ける必要がある現在の制度下では、レンツィ氏の
思惑よりも時間がかかる可能性もある。
「五つ星運動」
の支持率は、
与党民主党と拮抗
下院選挙法の再改正については、
「単一政党」に対して 340 のボーナス議
席を与える現在の制度から、
「単一の政党または政党グループ」に対して同
様のボーナス議席を与える制度に変更される可能性が高いとみられる。下院
の選挙制度が改正された場合、民主党は他党との会派結成により過半議席を
獲得する可能性が高まると考えられる。他党との連立を否定している「五つ
星運動」は、比較第一党になるのが相対的に難しくなるが、今後の支持率次
第で、単独で 40%に達する可能性もゼロとは言えない。12 月 19 日時点での
伊調査会社EMGの支持率調査をみると、民主党の支持率が 30.6%であるの
に対して「五つ星運動」の支持率は 27.6%と両者は拮抗している。
1
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
金融機関の再編や資本
今後の政局に影響を与え得るもう一つの要因として、国内で進行中の金融
増強プロセスが政局に
機関の再編や資本増強プロセスの行方が挙げられる。欧州債務危機以降、イ
影響する可能性も
タリア金融機関の不良債権は、総額約 3,600 億ユーロまで増加した。このた
め、一部の金融機関では、不良債権処理と資本増強による財務体質の強化が
模索されてきた。しかし、イタリア国民投票の結果を受け、一部の投資家が
伊銀の増資に応じることに慎重な姿勢に転じ、国内第 3 位の大手行は増資が
予定額に届かなくなるなど、先行きに暗雲が垂れ込めている。
ジェンティローニ政権
このため、イタリア政府は、金融システム不安の一掃に向け、金融機関の
は、ベイル・アウトを含
自助努力を中心とした資本増強から、国による救済(ベイル・アウト)を含
めた資本増強へ
めた資本増強に方針を転じた。新政権は、財務基盤の弱い複数の金融機関へ
の資本注入用の資金として 200 億ユーロの追加債券発行をイタリア議会に提
案、承認を得た(12/21)
。
伊銀のベイル・アウトがスムースに進むのかは、政治的にみて重要だ。ま
ず、上記大手行については、劣後債に投資を行なっていたリテール投資家の
損失負担を回避できるかが注目される。イタリアでは金融機関発行の劣後債
に投資する個人投資家が多く、彼らに損失負担を強いれば与党の支持率低下
は不可避と考えられる。
イタリア政府はEU法
EUでは、欧州債務危機の経験から金融機関へのベイル・アウト実施に対
の例外規定を用いて「予
するハードルは高くなっており、国が資本注入を行う前提として、株主だけ
防的な」資本注入を実施
でなく投資家にも一定の損失負担(ベイル・イン)が求められる。しかし、
2016 年から施行されたEUの新たな破綻処理法制(銀行再生破綻処理指令
(BRRD)
)の中には、
「予防的かつ一時的」な資本注入ならば、同法が適用さ
れない例外規定(第 32 条 4 項 d)がある。イタリア政府はその例外規定を用
いて金融機関への予防的な資本注入を目指す模様だ。
ただし、この場合でも、劣後債についてはベイル・インの対象からは除外
されず、通常は劣後債投資家の損失負担が発生する。上記大手行のベイル・
アウトのケースでは、劣後債に投資している個人投資家を保護するため、劣
後債の販売が事前の商品説明等がなく「不当に販売された」ものであるとし
て、個人投資家の劣後債をシニア債と交換し、損失負担を回避するスキーム
が模索されている。欧州委員会は、不当販売に伴う債券交換であれば「純粋
に民間の取引」であり、欧州委の承認は不要と述べている。個人投資家の損
失負担を回避したうえで、政府は上記大手行の株式を購入する予定とされる。
前述の通り、イタリア政府は選挙法を早期に改正した上で、2017 年にも解
散総選挙を狙っていると考えられる。その為には、金融機関の不良債権処理
問題は、個人投資家への損失負担を発生させない形で一刻も早く処理したい
というのが本音だろう。しかし、
「五つ星運動」など反政府政党は、完全な
国有化による議会での金融機関の監査が必要、として政府への攻勢を強めて
いる。個人投資家への負担がなくとも、納税者負担が伴う「ベイル・アウト」
による金融機関救済は「五つ星運動」にとっては追い風となる。伊銀の不良
債権処理問題が長期化すれば、選挙戦にも影響を与える可能性があろう。
2
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
2.ユーロ圏経済の概況:景気回復が持続。年明け後の回復ペースは鈍化
企業業況は 10~12 月期
の成長率加速を示唆
10~12 月期のユーロ圏景気は回復が続いており、回復ペースは前期よりや
や加速した模様だ。成長率との連動性が高いユーロ圏合成PMIは 11・12
月とも 53.9 と景気判断の節目となる 50 を超え、10~12 月平均(53.7)は 7~
9 月平均(52.9)を上回った(図表 1)。個人消費の回復が続いていることに加
え、輸出が復調しつつあることが成長率を押し上げているとみられる。
2017 年の成長率は鈍化
2017 年を展望すると、ユーロ圏の景気回復ペースは鈍化する見通しである。
する見込み。景気を展望
見通し上の論点は 3 つあり(図表 2)、第 1 に個人消費の減速が見込まれる。
する上での論点は 3 つ
油価の持ち直しに伴ってインフレ率が上昇し、家計の実質賃金が下押しされ
るためだ。名目賃金が伸びれば物価面からの下押し圧力を相殺できるが、労
働需給がタイトなドイツでさえ、生産性の低さや諸外国との競争激化の中、
企業は賃上げに慎重である。第 2 に固定投資の低調さだ。英国とEU(欧州
連合)との将来関係などを巡る不確実性が残存するため、企業は投資への慎
重姿勢を維持するだろう(詳細は 5 頁)。第 3 に財政面からの景気押し上げに
期待できないことだ(詳細は前月号)。各国予算案を踏まえると、ユーロ圏全
体でみて、2016 年は小幅な財政拡大となった模様だが、2017 年は中立財政
が計画されている。
以上より、みずほ総合研究所は、内需を中心とした景気の減速を見込み、
2017 年のユーロ圏GDP成長率が+1.3%と、2016 年(+1.6%の見込み)か
ら低下すると予測している(図表 3)。輸出受注の改善やユーロ安の効果を踏
まえれば、今後の輸出回復ペースは加速が期待され(詳細は 5 頁)、外需寄与
度はプラスに転じる見通しだ。しかし、それだけでは内需減速の影響を相殺
できないだろう。
2017 年の選挙ではEU
ユーロ圏にとって 2017 年は選挙イヤーである。3 月にはオランダ総選挙、
懐疑政党の躍進が懸念
4・5 月にはフランス大統領選、6 月にはフランス総選挙、そして 8~10 月に
される
はドイツ総選挙が予定されている(図表 4)。また、イタリアでは前倒し選挙
の可能性がある。既存政党への不信や移民問題などを背景に、オランダでは
「自由党」
、フランスでは「国民戦線」
、ドイツでは「ドイツのための選択肢」
、
イタリアでは「五つ星運動」といったEU懐疑政党が支持を伸ばしている。
選挙の結果、これら政党が躍進すること、ひいては、EUあるいはユーロ離
脱の是非を問う国民投票が実施されることが懸念されている。
世論調査をみる限り、EU懐疑政党は議席を拡大するものの、単独で過半
議席を獲得するには至らないと考えられる。しかしながら、EU懐疑政党の
躍進の結果、世論に配慮するために既存政党が内向き志向を一段と強め、今
後のEU統合深化に対する逆風が強まると思われる。また、世論調査を過信
してはならないことは英国民投票や米国大統領選が示す通りであり、世論調
査に表れない「隠れ懐疑派」が存在する可能性がある。選挙が想定外の結果
となるリスクに注意が必要である。
3
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
図表 1
ユーロ圏PMI
図表 2
2017 年のユーロ圏景気見通しの論点
(Pt)
55
景気見通し上のメインシナリオ
54
個人消費は減速
油価の持ち直しに伴うインフレ率上昇が、実質賃金を下押し。労
働需給がタイトなドイツでさえ企業が賃上げに慎重なため、名目
賃金の拡大に期待できず
固定投資は低調
←
拡
張 53
景
気
52
→
51
英国とEUとの将来関係を巡る不確実性が残存するため、企業
は投資への慎重姿勢を維持する公算大
縮 50
小
49
2014/12
財政は景気に中立的
15/12
合成PMI
製造業
16/12
サービス業
各国の予算案を踏まえると、2017年はユーロ圏全体で中立財政
の計画。2016年のような財政面からの景気押し上げは見込めず
(年/月)
(資料)Markit よりみずほ総合研究所作成
(資料)みずほ総合研究所作成
図表 3 ユーロ圏短期見通し
2015
実質GDP
内需
2016
図表 4 2017 年のユーロ圏選挙スケジュール
前年比、%
2.0
1.6
1.3
前年比、%
1.8
1.9
1.1
前年比、%
1.8
1.7
1.3
総固定資本形成 前年比、%
2.9
2.8
1.6
政府消費
前年比、%
1.4
1.9
1.0
在庫投資 前年比寄与度、%Pt
▲ 0.2
▲ 0.0
▲ 0.1
前年比寄与度、%Pt
0.2
▲ 0.2
0.2
輸出
前年比、%
6.2
2.3
4.0
輸入
前年比、%
6.2
3.0
3.8
個人消費
外需
(注)網掛けは予測値。
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
図表 5
景況感
ユーロ圏景気の全体感を示す主要統計
金融
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11 2016/12
ユーロ圏(19カ国)
前期比、%
0.5
0.3
0.3
n.a.
-
-
-
-
-
-
ドイツ
前期比、%
0.7
0.4
0.2
n.a.
-
-
-
-
-
-
フランス
前期比、%
0.6
▲ 0.1
0.2
n.a.
-
-
-
-
-
-
イタリア
前期比、%
0.4
0.1
0.3
n.a.
-
-
-
-
-
-
スペイン
前期比、%
0.8
0.8
0.7
n.a.
-
-
-
-
-
-
ユーロ圏合成PMI
Pt
53.2
53.1
52.9
53.7
53.2
52.9
52.6
53.3
53.9
53.9
ユーロ圏製造業PMI
Pt
51.7
52.0
52.1
54.0
52.0
51.7
52.6
53.5
53.7
54.9
ユーロ圏サービス業PMI
Pt
53.3
53.1
52.6
53.2
52.9
52.8
52.2
52.8
53.8
53.1
長期平均=100
104.0
104.3
104.3
106.5
104.5
103.5
104.9
106.4
106.5
n.a.
1.7
1.5
1.5
1.6
-
-
-
-
-
-
末値、%
0.00
0.00
0.00
n.a.
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
末値、%
0.16
▲ 0.13
▲ 0.19
n.a.
▲ 0.18
▲ 0.13
▲ 0.19
0.08
0.20
n.a.
末値、€/$
1.14
1.11
1.12
n.a.
1.12
1.11
1.12
1.10
1.06
n.a.
ユーロ圏ESI
見通し
オランダ下院選挙
3月
EU懐疑政党「自由党」が比較第1党となる可能性。ただし、単独過
半議席の獲得は困難、選挙後の組閣に時間がかかる見込み
フランス大統領選(初回投票)
4月
EU懐疑政党「国民戦線」ルペン党首が決選投票に進む公算大
フランス大統領選(決選投票)
5月
反ルペン票が結集、極右大統領の誕生が阻止される見込み
ドイツ下院選挙
8~10月 反ユーロ政党「ドイツのための選択肢」は躍進も、メルケル首相率い
る「キリスト教民主同盟」が比較第1党となる見込み
イタリア総選挙
年内? 下院選挙制度に関する憲法裁の判断(1月中)の内容次第で、年内
に前倒し選挙の可能性も
(資料)各種資料・報道よりみずほ総合研究所作成
Q1 2016
実質
GDP
成長率
選挙とそのメインシナリオ
2017年
2017
専門家調査(当年のユーロ圏GDP成長率、%)
ECB主要政策金利
ドイツ10年国債利回り
ユーロ/ドル
(資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECB、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成
4
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
3.ユーロ圏内外需動向:輸出に復調の兆し。消費の大幅増は一時的
ユーロ圏域外輸出は復
調へ。受注も改善
ユーロ圏の輸出は復調しつつある。ユーロ圏域外輸出(国際収支統計の
財・サービス輸出金額)は、9 月分が上方修正(前月比▲1.7%→同▲0.8%)
され、新たに発表された 10 月分(同+1.8%)は増加した(図表 6)。
新興国経済の持ち直しなどを背景とした輸出受注の改善は、輸出が回復を
続けることを示唆している。今後については、為替面からの押し上げ効果も
見込まれる。米大統領選後から足元にかけて、ユーロは対ドルで 6%ほど減
価している。欧米の金融政策の方向性の違いなどからユーロの減価傾向は続
くとみられ、米国向け輸出の回復ペースは徐々に加速し、小幅ながら輸出全
体を押し上げるだろう(米国向け輸出は域外向け輸出全体の 1 割強を占める)。
ユーロ圏生産は減産と
ユーロ圏生産は一時的に減少している。10 月のユーロ圏鉱工業生産は前月比
なったが一時的なもの
▲0.1%と 2 カ月連続で減産となった。主要国の内訳をみると、ドイツ(同+
にとどまる見込み
0.1%)やスペイン(同+0.1%)が小幅な増産にとどまり、イタリア(同±0.0%)が
停滞、フランス(同▲0.2%)が減産となった。
ここ 2 カ月の減産は夏場の反動であるとみられる。輸出向けを中心に製造業受
注が持ち直している点を踏まえれば、生産は早晩復調が見込まれる。
ユーロ圏企業の設備投
資計画は低調な内容
ユーロ圏企業は投資に慎重だ。欧州委員会が半年毎に行う、ユーロ圏製造
業の設備投資調査(10・11 月調査)では、2016 年の見込み値が半年前から下
方修正され(前年比+5.8%→同+1.2%)、2017 年の低調な計画(同+2.4%)
が示された(図表 7)。ドイツなど主要国毎の設備投資調査をみても、総じて
2016 年は下方修正、2017 年も慎重姿勢を継続という構図が共通している。
年明け後に始まるであろう英国・EU間の交渉の内容・進捗次第では、両
者の経済関係などを巡る不確実性が増大する可能性があり、2017 年の投資計
画は下方修正されるリスクがある。
ユーロ圏実質雇用者報
酬は改善
ユーロ圏家計所得は改善している。7~9 月期のユーロ圏実質雇用者報酬は
前期比+0.6%と増加した(図表 8)。雇用の増加に加え、賃金上昇率の高まり
やディスインフレを背景に、雇用者報酬の伸び率は 4~6 月期(同+0.2%)か
ら上昇した。
今後に関しても実質雇用者報酬は改善すると考えられるが、その伸び率は
やや鈍化すると思われる。企業の雇用見通しは良好であり(図表 9)、雇用回
復の持続が示唆される。しかしながら、賃金上昇率は低位にとどまるとみら
れるほか(詳細は 3 頁)、油価持ち直しを背景に物価上昇が進んで実質雇用者
報酬を下押しするだろう。
ユーロ圏消費は回復。た
ユーロ圏消費は回復している。10 月のユーロ圏小売数量は前月比+1.1%、
だし足元の月次指標の
11 月のユーロ圏新車登録台数は同+2.2%と大幅に増加した。もっとも、実
強さは一時的だろう
質雇用者報酬の改善ペースが鈍化するとみられる点を踏まえれば、足元の小
売・新車の強さは持続的ではなく、消費拡大ペースは減速すると考えられる。
5
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
図表 6
244
ユーロ圏域外輸出金額
図表 7
改定前
(10億ユーロ)
改定後
242
240
238
236
234
232
230
2015/4
前年秋時点
15/7
15/10
16/1
16/4
16/7
図表 8
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
▲ 0.2
▲ 0.4
▲ 0.6
図表 9
15
16
(年/四半期)
図表 10
Q1 2016
外需
雇用
16/5
16/11
(年/月)
ユーロ圏内外需関連統計
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11 2016/12
鉱工業生産
ユーロ圏(19カ国)
前期比、%
0.8
▲ 0.2
0.4
0.0
▲ 0.7
2.0
▲ 0.9
▲ 0.1
n.a.
n.a.
ドイツ
前期比、%
1.6
▲ 0.5
0.2
0.0
▲ 1.8
3.4
▲ 1.8
0.1
n.a.
n.a.
フランス
前期比、%
▲ 0.3
▲ 0.3
▲ 0.1
▲ 0.3
▲ 0.4
2.4
▲ 1.4
▲ 0.2
n.a.
n.a.
イタリア
前期比、%
0.7
▲ 0.2
1.2
0.0
0.7
1.8
▲ 0.8
0.0
n.a.
n.a.
スペイン
前期比、%
0.0
0.3
0.6
▲ 0.4
0.0
1.6
▲ 1.5
0.1
n.a.
n.a.
%
81.9
81.5
81.6
82.3
-
-
-
-
-
-
前期比、%
▲ 1.2
▲ 0.3
1.0
2.7
▲ 0.8
3.1
▲ 0.8
2.2
n.a.
n.a.
n.a.
ユーロ圏設備稼働率
ユーロ圏製造業受注
(大型輸送機器除く)
ユーロ圏経常収支
億ユーロ
28.6
31.3
28.0
n.a.
27.4
29.0
27.7
28.4
n.a.
ユーロ圏財・サービス輸出 前期比、%
▲ 1.4
▲ 0.2
0.4
n.a.
▲ 0.4
1.3
▲ 0.8
1.8
n.a.
n.a.
ユーロ圏財・サービス輸入 前期比、%
▲ 2.0
▲ 0.9
1.3
n.a.
1.4
0.4
▲ 1.5
2.8
n.a.
n.a.
ユーロ圏実質雇用者報酬 前期比、%
0.9
0.2
0.6
n.a.
-
-
-
-
-
-
%
10.3
10.1
10.0
n.a.
10.0
10.0
9.9
9.8
n.a.
n.a.
ユーロ圏小売数量
前期比、%
0.8
0.2
0.4
n.a.
0.4
▲ 0.1
▲ 0.4
1.1
n.a.
n.a.
ユーロ圏新車登録台数
前期比、%
3.3
▲ 0.5
0.3
n.a.
▲ 0.2
▲ 0.4
4.2
▲ 3.9
2.3
n.a.
ユーロ圏失業率
家計
15/11
(資料)欧州委員会よりみずほ総合研究所作成
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
企業
実績
ユーロ圏企業の雇用見通し
(DI、%pt)
12
製造業
10
サービス業
8
全産業
6
4
2
0
▲2
▲4
▲6
▲8
2014/11
15/5
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3
賃金
実質雇用者報酬
当年秋時点
(資料)欧州委員会よりみずほ総合研究所作成
(前期比、%)
2014
2013
2015
2017
計画
ユーロ圏実質雇用者報酬
雇用者
物価
当年春時点
16/10
(年/月)
(注)国際収支ベースの財・サービス輸出金額。
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
2012
2014
2016
(前年比、%)
金融危機前のレンジ
10
8
6
4
2
0
▲2
▲4
▲6
▲8
▲ 10
ユーロ圏製造業の設備投資計画
(資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECBよりみずほ総合研究所作成
6
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
4.ユーロ圏物価動向:低インフレが持続。ECBは緩和策の延長を決定
11 月のユーロ圏インフ
11 月のユーロ圏インフレ率は前年比+0.6%と 10 月(同+0.5%)から小幅
レ率は小幅上昇。コア・
に上昇した(図表 11)。食品・エネルギー物価が上昇に転じたことが主因であ
インフレ率は横這い
る。一方、基調的な物価動向を表すコア・インフレ率(エネルギー・食品等
を除く)は同+0.8%と、低位で横這い推移を続けた。
ECBはAPPの月次
欧州中央銀行(ECB)は 12 月 8 日の政策理事会において、
①資産購入プロ
購入額の縮小・期間延長
グラム(APP)における月次購入額の縮小(2017 年 4 月以降)や、②APPの
などを決定
期間延長を決めると共に、③購入対象となる債券の残存期間を見直し、④預
金ファシリティ金利を下回る利回りの債券も必要に応じて購入対象に含め
ることにした(図表 12)。更に、⑤インフレ見通しが下振れたり、金融市場の
状況がインフレ見通し達成と整合的でなくなったりした場合には、APPの
規模・期間を拡大するとされた。
低金利政策の弊害、物価
APPの①減額と②延長を決めた背景には、低金利政策が銀行セクターに
見通し達成への警戒が
及ぼす弊害への懸念(詳細は前月号)と、物価見通し達成の実現性に対する警
今回の決定の背景に
戒感がある。後者に関しては、ECBスタッフの見通しにおいてコア・イン
フレ率の 2017・18 年予測が下方修正されたほか(図表 13)、19 年のインフレ
率見通しは「ECBが目指す水準と整合的とまでは言えない(ドラギ総裁)」
とされている。なお、③と④はAPPの円滑な実施が目的と考えられる。
ECBはテーパリング
観測の強まりを懸念
記者会見において、月次購入額の縮小という決定はテーパリングではない
かと質問されたドラギ総裁は、
「テーパリングとは購入額を徐々にゼロに縮
小する政策であり、今回の話題にさえ上っていない」と強調した。理事会メ
ンバーは月次購入額の縮小が金利上昇に繋がることを懸念しており、こうし
た発言や⑤によって、市場のテーパリング観測を抑制しようとしている。理
事会後もユーロ圏各国の国債利回りは低位での推移を続けており、一先ず、
市場参加者とのコミュニケーションは成功したとみられる(図表 14)。
7
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
図表 11 ユーロ圏インフレ率
(前年比、%)
1.2
図表 12 ECB理事会の決定事項(12 月 8 日)
(前年比、%)
1.0
0.5
0.9
政策金利
変更なし
資産購入プログラム(APP)
0.0
▲ 0.5
0.6
0.3
▲
▲
▲
▲
0.0
▲ 0.3
①2017年4月以降の月次購入額を縮小
(800億ユーロ/月→600億ユーロ/月)
1.0
1.5
2.0
2.5
②期間を9カ月延長
(2017年3月→同年12月)
③購入対象となる債券の残存期間を見直し
(残存期間の下限2年→1年)
▲ 3.0
▲ 0.6
2015/11
16/2
16/5
16/8
16/11
ユーロ圏インフレ率
(年/月)
コア・インフレ率
エネルギー・食品・アルコール・煙草(右目盛)
④必要なら預金ファシリティ金利を下回る利回りの債券も購入
⑤インフレ見通しが下振れたり、金融市場の状況がインフレ見通
し達成と整合的でなくなったりした場合、APPの規模・期間を拡大
(資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成
図表 13
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
ECBスタッフの景気・物価見通し
図表 14 ユーロ圏各国 10 年国債利回り
2.5
(単位:%)
2017
GDP成長率
インフレ率
コア・インフレ率
12月
修正幅
12月
修正幅
12月
修正幅
2018
(%)
米大統領選
ECB理事会
2019
1.7
1.6
+0.1
±0.0
-
1.3
1.5
1.7
+0.1
▲ 0.1
-
1.1
1.4
1.7
▲ 0.1
▲ 0.1
-
2.0
1.6
1.5
1.0
0.5
0.0
11/1
(注)修正幅は 9 月見通しとの比較。
(資料)ECBよりみずほ総合研究所作成
11/15
ドイツ
イタリア
12/1
フランス
スペイン
12/15
(月/日)
(資料)Datastream よりみずほ総合研究所作成
図表 15 ユーロ圏物価関連統計
Q1 2016
物価
商品
ユーロ圏インフレ率
コア(エネルギー・
食品等除く)
エネルギー
0.1
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
▲ 0.1
0.3
n.a.
2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11 2016/12
0.2
0.2
0.4
0.6
n.a.
0.8
0.8
n.a.
▲ 0.9
▲ 1.1
n.a.
0.4
0.7
n.a.
0.3
0.3
0.3
n.a.
1.1
1.1
1.1
n.a.
0.3
0.6
0.8
0.7
n.a.
0.4
0.4
0.5
0.5
0.7
n.a.
n.a.
▲ 0.1
▲ 0.2
0.2
▲ 0.2
0.1
n.a.
▲ 0.3
n.a.
▲ 0.7
▲ 0.3
0.0
0.5
0.5
n.a.
▲ 0.5
▲ 0.0
n.a.
▲ 0.2
0.0
0.1
0.6
n.a.
n.a.
▲ 2.5
▲ 0.8
n.a.
▲ 1.3
▲ 0.6
▲ 0.5
n.a.
n.a.
n.a.
▲ 4.9
▲ 7.9
▲ 3.3
n.a.
▲ 4.5
▲ 3.0
▲ 2.2
n.a.
n.a.
n.a.
▲ 34.3
▲ 27.0
▲ 8.7
n.a.
▲ 17.9
▲ 2.8
▲ 2.8
2.1
4.7
n.a.
前年比、%
1.0
0.8
0.8
n.a.
0.9
0.8
0.8
前年比、%
▲ 7.4
▲ 7.7
▲ 5.1
n.a.
▲ 6.7
▲ 5.6
▲ 3.0
食品・アルコール・タバコ 前年比、%
0.8
0.9
1.1
n.a.
1.4
1.3
0.7
非エネルギー工業品
前年比、%
0.6
0.5
0.3
n.a.
0.4
0.3
サービス
前年比、%
1.1
1.0
1.1
n.a.
1.2
1.1
ドイツ・インフレ率
前年比、%
0.1
0.0
0.4
n.a.
0.3
フランス・インフレ率
前年比、%
0.0
0.1
0.4
n.a.
イタリア・インフレ率
前年比、%
▲ 0.0
▲ 0.4
▲ 0.0
スペイン・インフレ率
前年比、%
▲ 0.8
▲ 1.0
生産者物価(消費財)
前年比、%
▲ 0.4
輸出物価
前年比、%
▲ 0.4
輸入物価
前年比、%
ブレント原油(ユーロ建て) 前年比、%
0.5
(資料) Eurostat、Datastream よりみずほ総合研究所作成
8
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
5.英国経済の概況:消費中心に景気回復ペースは鈍化
景気回復ペースは鈍化
英国景気は回復しているが、そのペースは減速している模様だ。GDP成長率
との連動性が高い英国立経済社会研究所(NIESR)の月次GDPは 11 月も増加し
たが、その 10・11 月平均は 7~9 月期比+0.3%と、7~9 月期(前期比+0.7%)
より低下した(図表 16)。
個人消費に減速感。雇用
個人消費には減速感がうかがわれる。11 月の新車登録台数(前月比▲0.6%)
所得の鈍化や消費者マ
は 3 カ月連続で減少し、また、同月の小売数量(同+0.2%)はクリスマス・セール
インドの悪化が背景
の割に小幅な増加にとどまった(英国では近年、クリスマス・セールの開始時期が
11 月に前倒しされている。こうした季節要因は季節調整で除かれるはずだが、セ
ール前倒しがここ数年の事象であり、完全に除去できていないと推察される)。
雇用所得の鈍化や消費者マインドの悪化が、消費減速に影響している模様だ。
10月の就業者数(3カ月移動平均)は前月比▲0.1%と2 カ月連続で減少し、同月
の民間賃金(賞与除く、3 カ月移動平均)は同+0.1%(9 月同+0.2%)と上昇幅
が縮小した(図表 17)。消費者マインドは、先行きの経済・雇用情勢に対する懸念
などから再び悪化しており(図表 18)、購買意欲の減退を示唆している。
今後の注目点はポンド
先行きに関しては、物価上昇により家計実質所得が押し下げられ、消費に
安がどこまで川下物価
下押し圧力が加わる見通しである。この点、注目されるのは、ポンド安(に
に転嫁されるか。現地エ
よる輸入物価・生産者物価の上振れ)を企業がどこまで消費者物価に転嫁す
コノミストの見解は分
るかだ。足元では、一部商品がポンド安を理由に値上げされているが、11 月
かれる
のインフレ率は前年比+1.2%にとどまり、幅広く価格転嫁が進んでいるわ
けではない(図表 19)。
年明け後の物価動向は英国内でも意見が割れている。筆者は 12 月初に英
国でエコノミストと面談を行ったが、インフレ率が 4%近くまで上昇すると
いう見方と、転嫁が進みにくくインフレ率は 2%台前半までしか上昇しない
という見方に分かれていた。前者の場合、消費失速が見込まれる。一方、後
者の場合、消費は減速すれど回復を続けよう。ただし、価格転嫁できなかっ
たことで企業収益が悪化し、設備投資の抑制要因になるとの意見が聞かれた。
BOEは金融政策を据
イングランド銀行(BOE)は 12 月の金融政策委員会(MPC)で、金融政
え置き。景気・物価見通
策の現状維持を決定した。議事録によると、BOEの景気見通しに修正を加
しに修正は無し
える材料は無かったという。11 月MPC以降のポンド高に関しては、市場参
加者の思惑次第で今後もポンド相場の変動は激しくなるとみられるため、今
後の状況を見極めると指摘するにとどまり、物価見通しは据え置かれた。
EUへの離脱通告が遅
れる可能性が高まる
英政府は 2017 年 3 月末までに欧州連合(EU)に離脱通告する方針だが、
それが遅れるリスクに注意が必要だ。現在、通告に際して議会承認が必要で
あるかを最高裁が審理中であり、1 月にその結果が判明する。最高裁の判決
次第では、政府は 3 月までに対EU交渉の方針を議会に示した上、通告の是
非を議会に諮る必要が生じる。今のところ通告自体はなされるとみているが、
交渉方針に関する議会での議論が紛糾し、その結果、議会承認を得るのに時
間がかかる可能性が高まっている。
以上
9
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
図表 16 GDP公表値と月次GDP
(前期比、%)
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
▲ 0.2
▲ 0.4
▲ 0.6
図表 17 雇用関連統計
(前月比、%)
月次GDP
0.6
GDP公表値
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
▲ 0.1
2012
13
14
15
▲ 0.2
2014/10
14/4
15/10
15/4
就業者数(3カ月平均)
民間賃金(賞与除く・3カ月平均、右目盛)
16
(年/四半期)
(資料)英統計局、NIESR よりみずほ総合研究所作成
(資料)英統計局よりみずほ総合研究所作成
図表 18 消費者マインド
図表 19 インフレ率
(DI、%pt)
(前月差、%pt)
8
8
6
6
4
4
2
2
0
0
▲2
▲4
▲6
▲8
▲ 10
2015/11
2.0
▲2
貯蓄
失業
経済
所得
消費者マインド(右目盛)
16/2
▲4
▲6
▲ 10
16/11
(年/月)
16/8
(前年比、%)
(前年比、%)
(注)今後 12 カ月の見通しを尋ねたもの。
(資料)欧州委員会よりみずほ総合研究所作成
1.0
1.5
0.0
1.0
▲ 1.0
0.5
▲ 2.0
0.0
▲ 3.0
▲ 0.5
2015/11
16/2
16/5
16/8
英インフレ率
コア・インフレ率
エネルギー・食品・アルコール・煙草(右目盛)
▲8
16/5
16/10
(年/月)
▲ 4.0
16/11
(年/月)
(資料)英統計局よりみずほ総合研究所作成
図表 20 英景気の全体感を示す主要統計
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016 Q4 2016
2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11 2016/12
前期比、%
0.4
0.7
0.5
n.a.
-
-
-
-
-
-
合成PMI
Pt
54.7
52.8
51.2
54.4
52.4
47.6
53.6
53.9
54.8
n.a.
製造業PMI
Pt
51.7
50.3
51.3
54.9
52.3
48.2
53.4
55.5
54.3
n.a.
サービス業PMI
Pt
54.6
53.2
50.9
53.6
52.3
47.4
52.9
52.6
54.5
n.a.
成長率
実質GDP
景況感
企業
鉱工業生産
前期比、%
▲ 0.2
2.1
▲ 0.4
▲ 1.7
0.2
▲ 0.4
▲ 0.3
▲ 1.3
n.a.
n.a.
外需
財輸出
前期比、%
▲ 0.9
7.6
▲ 1.5
7.8
0.8
0.5
▲ 1.4
8.7
n.a.
n.a.
財輸入
前期比、%
2.4
3.3
7.0
▲ 3.3
1.9
6.0
0.1
▲ 5.2
n.a.
n.a.
雇用
失業率
民間賃金(賞与除く、
3カ月平均)
小売数量
%
5.1
4.9
4.8
n.a.
4.9
4.9
4.8
4.8
n.a.
n.a.
前期比、%
0.8
0.8
0.6
0.3
0.1
0.2
0.2
0.1
n.a.
n.a.
前期比、%
1.5
1.2
1.8
2.1
2.0
0.2
0.0
1.9
0.2
n.a.
Nationwide住宅価格指数 前年比、%
5.0
4.9
5.3
4.2
5.2
5.6
5.3
4.6
4.4
n.a.
物価
消費者物価指数
前年比、%
0.3
0.4
0.7
1.0
0.6
0.6
1.0
0.9
1.2
n.a.
金融
主要政策金利
末値、%
0.50
0.50
0.25
0.25
0.50
0.25
0.25
0.25
0.25
0.25
末値、%
1.84
1.32
1.05
n.a.
1.08
0.88
1.05
1.51
1.71
n.a.
末値、£/$
1.44
1.34
1.30
n.a.
1.33
1.31
1.30
1.22
1.25
n.a.
家計
英10年国債利回り
ポンドドル
(資料)英統計局、Nationwide、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成
10
みずほ欧州経済情報(2016 年 12 月号)
2016年 12月 2 7日
発行
欧米調査部上席主任エコノミスト 吉田健一郎
03-3591-1265 kenichi ro.yoshid a@mizuho- ri.co.jp
欧米調査部主任エコノミスト 松本 惇
03-3591-1199 atsushi .matsumot o@mizuho- ri.co.jp
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