今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主が お生まれになった

430 号
2016・12・1
角笛幼稚園
年主題
平和をともに
12 月の聖句
今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主が
お生まれになった。この方こそ主メシアである。
ルカによる福音書 2 章 11 節
今年も残すところ、あと一ヶ月となり、クリスマスの祝いの時が近づいてきます。角笛幼稚園で
も、園児によるクリスマス・ペイジェントが演じられ、クリスマスの礼拝が捧げられることとなり
ます。
クリスマス・ペイジェントでは、クリスマスの出来事について聖書が記すところに基づいて、劇
に登場するそれぞれの役が決められます。マリアとヨセフ、天使や天の軍勢、羊飼いたち、東の国
からやってきた占星術の博士たち、宿屋の主人、羊やろばや牛や馬といった役です。
自分はなりたい役になれなかったという思いを抱くことも起こることでしょう。しかし、たとえ
そうであったとしても、自分に与えられた役をその劇になくてはならぬ役として一所懸命に演じる。
その経験も、きっと子どもが成長する過程において、大きな意味を持ってくるものであろうと思い
ます。自分たちに与えられた役割をそれぞれに精一杯果たすことの中で、そこに一つのものが生ま
れてきます。そして、お子さんたちが一所懸命に演じるクリスマス・ペイジェントのその中心には、
クリスマスの祝いの中心におられる救い主イエス・キリストがいてくださる。いつもそのことを思
わされます。
神の独り子である御方が、私たちと同じように人間となってこの世界に来てくださった。私たち
の誰もが、自分の力では何もすることができない赤ちゃんとして生まれてきたように、神の独り子
イエスさまも赤ちゃんとして生まれてきてくださいました。しかも、天から来られた方に相応しく
王宮や裕福な家に生まれて、ふかふかのベッドに寝かされたというのではなく、まさに天の高みか
ら私たちが生きるこの地上へと低く低く降って来られたことを表すように、家畜小屋の中で生まれ、
飼い葉桶に寝かせられる方として来てくださったのです。
それは、クリスマスにお生まれになった救い主イエス・キリストは、私たちの中の限られた人た
ちのための救い主としてではなく、私たちすべての者の救い主として来てくださったということを
示しているものです。
「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアであ
る」。これは、野原で夜通し羊の番をしていた羊飼いたちに、天使が現れて語りかけた言葉ですが、
羊飼いたちだけでなく、この地上にあって生きている私たち一人ひとりに語りかけられている言葉
です。
クリスマスの祝いは、一年が終わりを迎えようとするところでなされます。過ぎ去る一年を振り
返る時でもあり、新しい一年に思いを馳せる時でもあります。クリスマスの祝いは、今年一年を振
り返って、一体この自分にどんな良いことがあったかと思わずにはおれない人たち、悲しいことや
辛かったことを思い起こさずにはおれない人たち、そして新たな一年に希望よりも不安や恐れを覚
えずにはおれないような人たちのための祝いでもあります。その人たちにも、救い主イエス・キリ
ストは来てくださったからです。
角笛幼稚園の園児であるお子さんたち、またご家族のみなさま方お一人おひとりの上に、豊かな
クリスマスの時が訪れますように。
園長 七條真明