病 害 虫 対 策 資 料 第 20 号 佐農技防第1223号 平 成 28 年 12 月 27 日 各関係機関長 様 佐賀県農業技術防除センター所長 タマネギべと病発生株の抜き取りの徹底について 県内の極早生タマネギにおいて、今年度作では初めてべと病の発生が確認されました。 発病株は、周辺の健全株の伝染源となるため、ほ場の見回りを行い、見つけ次第除去処分 し て く だ さ い 。な お 、植 え 付 け 時 期 が 早 い 極 早 生 及 び 早 生 ほ 場 や 前 作 で 本 病 の 発 生 が 多 か っ た 圃 場 で は 早 期 か ら 発 病 す る 場 合 が あ る た め 、特 に 注 意 す る よ う 下 記 事 項 を 参 考 に 生 産 者への指導をお願いします。 記 1.発生概況 (1)12 月 26 日 に 、10 月 中 旬 植 え の 極 早 生 タ マ ネ ギ( マ ル チ 栽 培 、ト ン ネ ル な し 、品 種 : ス ー パ ー ア ッ プ )1 ほ 場 で 、べ と 病 の 発 生 を 1 株 認 め た 。複 数 の 葉 身 で 分 生 胞 子 の 形 成 は あ っ た が 、 葉 身 の 湾 曲 や 黄 化 は み ら れ な か っ た ( 写 真 1 、 2 )。 (2)同 日 、 当 セ ン タ ー が 実 施 し た 早 生 、 中 晩 生 品 種 を 対 象 と し た 調 査 ( 県 内 16 ほ 場 ) で は、本病の発生を認めなかった。 写真 2 葉身に形成された分生胞子 (写 真 1 と 同 株 、平 成 28 年 12 月 26 日 撮 影 ) 写真 1 極早生タマネギに発生した べと病 (平 成 28 年 12 月 26 日 撮 影 ) 赤丸は胞子形成部位 2.防除対策 (1)圃 場 を 観 察 し 、 発 病 株 の 発 生 状 況 を 確 認 す る 。 た だ し 、 厳 寒 期 の 発 生 数 は 極 め て 少 な いため、観察は丁寧に行う。 (2)後 述 す る 注 意 点 に 留 意 し 、 発 生 株 の 抜 き 取 り に 重 点 を 置 く 。 (3)厳 寒 期 は 本 病 の 伝 染 が 起 こ り に く い た め 、 こ れ ま で 計 画 的 に 薬 剤 防 除 を 行 っ た ほ 場 で の薬剤防除は、主要な伝染が始まる 2 月下旬からの実施に重点を置く。 (4)定 植 の 遅 れ 等 に よ り 計 画 的 に 薬 剤 防 除 が 行 わ れ て い な い 苗 床 及 び 本 ぽ で は 、 薬 剤 防 除 を徹底する。 【越年罹病株の特徴】 葉 の 光 沢 が な く な り 淡 黄 緑 色 に な り 、 生 育 も 遅 れ 、 葉 は や や 湾 曲 す る ( 写 真 3 )。 15℃ 前 後 の 多 湿 条 件 下 で 、全 身 に 白 色 の つ ゆ 状 ま た は 暗 紫 色 の か び を 生 じ る( 写 真 4 )。 写真3 越年罹病株 写真4 越年罹病株の葉身に形成された 分生胞子 【越年罹病株抜き取りの注意点】 1.分生胞子は乾燥条件で発芽能力が急激に低下するので、分生胞子の形成が見られ るときは、必ず晴れて気温が上昇し、湿度が下がった午後、葉の表面が乾いてから 抜き取りを行う。 2.抜き取り作業により健全株に伝染させないため、抜き取った株はすぐにビニル袋 等に入れ、密封する。 3.抜き取り株は埋設など適切に処分する。 4.抜き取った株を放置すると伝染源となるので、決してほ場周辺に放置しない。 連絡先:佐賀県農業技術防除センター 病害虫防除部 〒 840‐ 2205 佐 賀 市 川 副 町 南 里 1088 TEL (0952)45‐ 8153 FAX (0952)45‐ 5085
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