Mizuho Industry Focus Vol. 187 主要産業の需給動向と短期見通し (2016年12月) みずほフィナンシャルグループ リサーチ&コンサルティングユニット みずほ銀行 産業調査部 目次 主要産業の需給動向(まとめ) ・・・2 ①産業総合 ・・・7 ②鉄鋼 ・・・11 ③石油化学 ・・・15 ④石油 ・・・19 ⑤自動車 ・・・23 ⑥工作機械 ・・・26 ⑦建設機械 ・・・29 ⑧エレクトロニクス ・・・32 ⑨不動産 ・・・38 ⑩建設 ・・・43 ⑪小売 ・・・47 ⑫電力 ・・・51 1 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 主要産業の需給動向(まとめ) 1/5 足下の動向 向こう半年~1年の展望 • 世界経済は持ち直し傾向。日本経済は輸出が上向く も、個人消費が低水準で推移するなど、自律的回復に は至らず • 世界経済は回復に向かうが、力強さを欠く状況は不変と想定。日本 経済は経済対策や、円安による企業業績回復に支えられる展開が 見込まれる。引き続き内外需ともに勢いを欠くものの、日本産業は 緩やかに回復する見通し • かかる状況下、日本産業の景況感は製造業を中心に 改善、ひとまず底入れ感が伺える状況 • 製造業では、加工業種を中心として熊本地震からの 回復等があったものの、これまでの円高が重石となり、 生産は横ばい。但し、直近の円安により回復の兆しも • 製造業は、在庫調整の進展や円安による輸出拡大、経済対策の顕 在化等により生産増加を見込む — 素材業種では、石油化学・石油の設備能力削減により需給バラ ンスの改善が続くものの、生産水準は構造的に伸びづらい。鉄鋼 は在庫調整の進展から生産量は底入れする見通し 加工業種では、自動車は低調な国内販売、主要輸出国の景気 減速から国内生産は微減を予測。エレクトロニクスでは、新興国 経済の回復等が寄与し、需要が回復に転じる見込み — 素材業種は小幅ながら改善。石油化学・石油で供 給力削減により需給環境が改善、鉄鋼では内需が 久々の前期比プラス — — 加工業種は一部を除き総じて低調。新興国経済の 減速、内需不振などが影響 • 非製造業はプラス材料に欠き、業況は横ばいから弱含みへ 産業総合 • 非製造業の景況感は高い水準を示すも、消費の低迷 から緩やかに低下傾向 — 不動産(オフィス)では市況が堅調。住宅は新設着 工が伸びる一方、分譲マンションは減少。建設は公 共・民間ともに好調であり、受注増加 — 小売では先行きの不透明感、実質可処分所得の伸 び悩みから、消費マインドが低迷 — 電力需要は家庭用、産業・業務用ともに減少傾向 — オフィス市況は良好だが、住宅着工は減少を見込む。マンション は在庫の積み上がりから減少へ。建設は、民間非住宅投資は増 加するも民間住宅投資の落ち込みが大きく、全体としては微減の 見通し — 小売は節約志向が続き、販売額は横ばい圏で推移する見通し。 訪日外客数の増加に対し消費単価の伸びは小さく、インバウンド 需要の効果も限定的と想定 — 電力需要は住宅太陽光による自家消費の増加や省エネが進展 も産業・業務用がプラスに転じ、全体では横ばいとなる見通し (出所)みずほ銀行産業調査部作成 2 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 主要産業の需給動向(まとめ) 2/5 鉄鋼 石油化学 向こう半年~1年の展望 • 普通鋼内需は、2016年度第2四半期に8期ぶりの 前年比プラス。輸入も高止まりが続いている • 需要については、今後も内需が底堅く推移する見 通しであり、粗鋼生産も増加を予測 • 原料炭スポット価格の急上昇から、10~12月の輸 入契約価格が前期比2倍超に値上がっており、製 品価格への転嫁が急務 • 但し、2017年1~3月の原料炭輸入価格は更なる 値上がりが予想され、2016年度下期の値差は大き く悪化することが想定される • 内需は、国内経済の成長により微増。設備能力削 減の結果、輸出と生産は減少、輸入は増加。但し、 稼働率は高水準を維持 • 内需は、微増を予想。輸出は、中国向け生エチレン を中心に減少し、生産も減少するが、輸入品の一 部を国産品に戻し一部相殺し、稼働率は9割を維持 • 国産ナフサ価格は、原油価格上昇を円高が相殺し、 • 国産ナフサ価格は、原油価格上昇と円安進展によ 低価格で推移。エチレンは高価格で推移しており、 り、上昇を予想。エチレン価格は、需給緩和により その結果、スプレッドは相応水準を確保 下落を予想。結果、スプレッドも縮小する • 燃費改善や燃料転換等による国内需要の減少傾 向は継続 石油 • 設備能力の削減や製油所の定修の影響により、 在庫は低水準で推移 • 中国の過剰生産で輸出環境は悪化 • グローバル需要は、堅調な先進国市場と拡大する 新興国市場により順調に増加 自動車 (景況感) 前回 今回 足下の動向 • 国内需要は、燃費不正問題が落ち着きを見せ回 復もみられるが、特段の需要押し上げ要因も無く、 力強さに欠ける展開 • 2017年3月に第二次高度化法の期限を迎え、更な る能力削減から需給バランスは改善方向 • 油価が安定すれば業界再編の効果によって精製 マージンは改善する見込み • グローバル需要は、インドで需要拡大の見通しなが ら、米国の需要に陰りが見える点、中国の小型車 減税の期限満了時の影響が懸念される • 国内需要は消費増税の再延期により駆け込み需 要による底上げも期待できず、微減の見込み (注)景況感の矢印は、需要(受注)・生産の動向・水準、市況などをもとに総合判断したもの (出所)みずほ銀行産業調査部作成 3 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 主要産業の需給動向(まとめ) 3/5 足下の動向 • 国内は9ヵ月連続で前年割れと低調 工作機械 建設機械 (主要製品) エレクトロ ニクス (携帯電話、 エレクト PC・タブレット、 薄型テレビ) ロニクス (電子部品) エレクトロ ニクス (半導体、 ディスプレイ、 電子部品) (景況感) 前回 今回 向こう半年~1年の展望 • 国内受注は補助金・税優遇による押し上げ効果が 徐々に剥落し、反動減が続く見通し • 中国は、電気機械向けの特需剥落に加え、自動 車、一般機械向けも低調 • 海外受注は、グローバルでの自動車の生産台数増 加で、緩やかな拡大を予想。一方、中国は、過剰設 備が解消しておらず、横這いの見通し • これまで需要が低迷していた中国・新興国市場に おいて足下で回復の兆し • 2017年の外需は中国・新興国市場の需要回復を 背景に微増に転じる見通し • 中国メーカーによる供給能力の適正化が進まず、 グローバルベースで供給能力過剰の状態が継続 • 2017年の内需は排ガス規制導入前の駆け込み需 要に対する反動減が底打ちし、微増に転じる見通し • 携帯電話、PC・タブレット、テレビとも、新興国経済 の減速から販売台数減少。携帯電話では米国で のiPhone6s販売不振も下押し要因に • 携帯電話、テレビの販売台数は新興国経済の回復 からプラスを予想。単価は新興国通貨安の緩和、 液晶パネル需給引き締まりから横ばいを見込む • 単価は新興国通貨安がマイナス寄与したほか、携 帯電話での中国系メーカー躍進もあり総じて下落 • PC・タブレットはスマホとの競合等から数量・単価と も減少傾向が続く • 半導体は主要アプリケーションの生産減少、年初 のメモリ価格下落から微減 • 半導体はメモリ価格の回復、スマートフォンの生産 増加、産業向け等用途拡大から増加を見込む • 液晶ディスプレイは主要アプリケーションの生産減 少に伴い減少 • 液晶は、携帯電話・テレビの生産増に加え、需給引 き締まりによる価格下落の減速を受け増加 • 電子部品は機器の高機能化に伴い搭載数が増加 • 電子部品は引き続き堅調な市場拡大を見込む (注)景況感の矢印は、需要(受注)・生産の動向・水準、市況などをもとに総合判断したもの (出所)みずほ銀行産業調査部作成 4 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 主要産業の需給動向(まとめ) 4/5 (オフィス) 不動産 (オフィス) 不動産 (住宅) 不動産 (住宅) 建設 小売 (景況感) 前回 今回 足下の動向 向こう半年~1年の展望 • 東京・名古屋・大阪中心部ではオフィス需要が堅調 で、いずれも空室率の改善が続く • オフィス賃料は、東京が緩やかな上昇基調、大阪・ 名古屋が横ばい • 2017年は、東京・大阪で例年並み、名古屋で大規 模なオフィスビルの供給が予定されるものの、いず れの地域もオフィス需要は底堅く、空室率・賃料は 堅調に推移すると予測 • 新設住宅着工戸数(1~9月)は貸家と分譲・一戸 建等が好調で、前年同期比+5.8%で推移 • 2017年の新設住宅着工戸数は、貸家需要も減少に 転じ、前年比▲1.8%と減少を予想 • マンション供給戸数(1~9月)は首都圏・近畿圏で は前年同期比で減少、初月契約率70%割れの月 が増加しており、当面注視が必要 • マンションは、建設費の高止まりの状態が続くが、 販売価格への転嫁は期待できず、2017年は在庫・ 価格ともに調整される可能性が高い • 2016年7~9月の建設工事受注高は、公共・民間 ともに好調。2016年度の名目建設投資額は、51.8 兆円と前年度比増加を見込む • 2017年度の名目建設投資額は、51.4兆円(前年度 比▲0.7%)を見込む。政府建設投資と民間住宅投 資は減少となるも、民間非住宅投資が増加し、減少 は小幅に留まると予想 • 人手不足率と建設工事費は落ち着きを見せている • オリンピックに向けた工事本格化に伴い、2016年 度内には、人手不足率・建設工事費上昇の可能性 • 先行き不安感、実質可処分所得の伸び悩みから 節約志向は依然として根強く、消費は勢いを欠く • 節約志向は続く。また、インバウンドも訪日外客数 の伸びに対して消費単価の伸びは小さく、消費底 支えは一定程度に留まる見込み • GMSや百貨店など大規模店舗を中心とする業態 が苦戦。一方、コンビニ、ドラッグストアなど利便性、 • 2016年(暦年)の小売業販売額は▲0.1%、2017年 価格を強みとする小型店舗業態は堅調 は+0.3%程度の横ばい圏にとどまる見通し (注)景況感の矢印は、需要(受注)・生産の動向・水準、市況などをもとに総合判断したもの (出所)みずほ銀行産業調査部作成 5 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 主要産業の需給動向(まとめ) 5/5 足下の動向 (オフィス) 電力 不動産 • 家庭用需要は、省エネ機器の普及や、住宅用太 陽光の導入拡大等に伴い、前年同期比減少 • 原子力及び再生可能エネルギーの発電電力構成 比率は緩やかな上昇傾向 (景況感) 前回 今回 向こう半年~1年の展望 • 2017年の電力需要は、家庭用が減少する一方、産 業・業務用が経済成長に伴いプラスに転じるため、 前年比横ばいで推移する見通し - • 2017年は、再生可能エネルギー及び原子力で発 電電力量の20%を占めると予想 (注1)景況感の矢印は、需要(受注)・生産の動向・水準、市況などをもとに総合判断したもの (注2)電力は今回発行分から新たに追加 (出所)みずほ銀行産業調査部作成 6 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ① 産業総合 【全体観】 大企業の景況感は製造業を中心に改善も、先行きは慎重姿勢 足下の景況感は、製造業を中心に改善。先行きについては、海外情勢の不透明感が残るものの円安等がプラス要因 製造業の内、加工業種では新型スマホ関連等の受注増加により電気機械が改善、素材業種では原油価格の底打ちにより石油が下支え 非製造業では消費の低迷から小売が悪化も、公共事業増加等を背景に建設、不動産が高水準で推移 2016年度の設備投資計画は、製造業の伸びが鈍化する一方、非製造業が下支えし全体では底堅い 2017年度については、先行き不透明感等から慎重姿勢が継続する見込みも、円安による収益改善を背景に緩やかな回復が期待される 大企業・業種別の業況判断DI 30 (%Pt) 設備投資計画(日銀短観) 先行き 20 2014年度 2015年度 2016年度計画 実績 実績 16/9月調査 (伸び率、%) (伸び率、%) (伸び率、%) (伸び率、%) 4 .6 7.0 8.6 14.5 8.2 8.6 11.6 3.3 9.5 13.7 11.3 12.9 ▲ 5.6 3.4 6.5 3 .9 9.4 3.3 0.2 23.3 9.7 9.5 1.0 ▲ 1.8 4.6 1.7 ▲ 7.7 ▲ 14.5 19.2 ▲ 3.2 4 .6 6.0 17.0 15.3 1.1 10.1 13.2 3.8 7.8 12.9 ▲ 2.9 4.6 4.7 ▲ 0.9 ▲ 6.4 3 .4 4.9 17.0 10.4 0.2 9.1 11.8 2.6 13.7 10.9 ▲ 5.4 5.8 1.1 ▲ 1.9 ▲ 6.0 16/12月調査 10 0 全産業 製造業 ▲ 10 ▲ 20 12/3 13/3 14/3 15/3 大企業・製造業 16/3 大企業・非製造業 17/3 (年/月) 単位:%Pt 化学 鉄鋼 一般機械 電機 輸送機械 16/3月 16/6月 16/9月 16/12月 同・先行き 大企業・全産業 13 12 12 14 13 製造業 6 6 6 10 8 素材業種 3 6 7 8 8 加工業種 7 6 7 10 9 不動産 卸売 22 19 18 18 16 小売 建設業 45 36 39 40 29 不動産業 37 32 35 33 27 情報通信 電気・ガス 小売業 18 5 11 3 7 3 3 8 13 5 非製造業 電気・ガス (出所)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 非製造業 建設 対個人サービス (億円) 3 8 9 ,6 5 1 143,020 19,867 8,290 15,453 26,600 28,148 246,631 10,971 46,616 16,432 28,111 46,568 30,727 9,441 (出所)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)土地を除き、ソフトウェアを含む 7 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ① 産業総合 【生産】 生産は緩やかな回復に向かう 7~9月期の鉱工業生産は前期比プラス、10~12月期はプラス幅が鈍化する見込み 足下は、新型スマホ関連向け電子・デバイスの生産拡大や、熊本地震からの回復等、一時的な要因に加えて在庫調整の進展から生産は 緩やかな回復基調 2017年度の生産は、円安による輸出拡大や経済対策効果の顕在化による公的需要の堅調さなどを背景に増加基調が維 持される見通し 業種別生産動向 業種別出荷・在庫バランス (%Pt) 60 (2010年=100) 120 出 荷 ( 前 年 比 ) 110 100 ― 90 80 70 60 11/9 12/9 13/9 14/9 15/9 16/9 在 庫 ( 前 年 比 ) (年/四半期) 鉱工業 電子・デバイス 鉄鋼 乗用車 一般機械 化学 (出所)経済産業省「鉱工業指数」よりみずほ銀行産業調査部作成 40 20 0 ▲20 ▲40 ▲60 ▲80 11/9 12/9 13/9 14/9 鉱工業 鉄鋼 一般機械 電子・デバイス 乗用車 化学 15/9 16/9 (年/四半期) (出所)経済産業省「鉱工業指数」よりみずほ銀行産業調査部作成 8 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ① 産業総合 【ご参考】 米国大統領選挙による影響 短期的には米国の需要拡大(インフラ投資)への期待があるものの、通商政策(TPPからの撤退、NAFTA見直し)や医療制度 改革(オバマケアの廃止・修正等)、エネルギー・環境政策などの政策動向には注視の要 トランプ次期大統領の主要な政策方針と日本産業への影響 項目 詳細 TPPからは撤退、NAFTAは再交渉 通商政策 TPP発効により日本産業に期待されていたメリットが喪失 関税引き上げ等の保護主義的政策が実施されれば、自動車をはじめ、日本の対米輸出、在米 事業のサプライチェーンに悪影響が生じる懸念 オバマケアの廃止・修正 医療制度 医療機器・医薬品メーカーの将来的な負担減に 薬価引き下げ(販売価格低下)や規制緩和による競争激化 老朽化インフラの更新・補修中心に投資拡大 インフラ投資 エネルギー・環境 政策 その他 財源として国際法人税改革が焦点(海外留保利益の本国送金が増加の可能性) 日本企業にとってインフラ需要の取り込み機会の創出 自国の化石燃料の開発利用を促進する姿勢、パリ協定から実質的な離脱の可能性 オバマ政権による火力発電所に対する環境規制(Clean Power Plan)を撤廃の方針 パリ協定の実効性が損なわれれば、グローバルでの気候変動対策に負の影響 移民制度改革で移民減につながれば、米国経済に打撃 大規模な所得減税を提案しているが、財源が不明 (出所)みずほフィナンシャルグループ(2016) 「トランプの米国~新政権の論点:議会はトランプを止められるのか~」(MIZUHO Research & Analysis 2016 no.5、 2016年11月)より みずほ銀行産業調査部作成 9 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ① 産業総合 【ご参考】 世界経済見通し 世界経済見通し(みずほ総合研究所) (前年比、%) 暦年 2014年 (実績) 2015年 (実績) 2016年 (予測) 2017年 (予測) 3.6 3.4 3.3 3.7 日米ユーロ圏 1.7 2.2 1.5 1.7 米国 2.4 2.6 1.6 2.2 ユーロ圏 1.2 2.0 1.6 1.3 日本 0.3 1.2 1.0 1.1 6.4 6.1 6.0 6.0 中国 7.3 6.9 6.7 6.5 NIEs 3.5 2.0 2.0 2.2 ASEAN5 4.6 4.8 4.8 4.7 インド 7.0 7.2 7.0 7.6 オーストラリア 2.7 2.4 2.4 2.5 ブラジル 0.1 ▲3.8 ▲3.4 1.0 ロシア 0.7 ▲3.7 ▲0.7 1.0 日本(年度) ▲0.4 1.3 1.2 1.2 106 121 109 116 予測対象地域計 アジア 対ドル為替相場(年度)円/ドル (出所)みずほ総合研究所「2016・17年度内外経済見通し」(2016年12月8日付)より抜粋 10 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ② 鉄鋼 【需要】 内需は底を打ち輸出は高止まり 普通鋼内需は、2016年度第2四半期に8期ぶりの前年比プラスに 内訳は、建設は非住宅向けの低迷が継続する建築を土木が補い+0.9%、製造業は熊本地震の減産から挽回生産に入った自動車向けが増え +1.7%と、ともに前年比プラスを確保 普通鋼の輸出はほぼ前年並みで高止まり。エネルギー向けが中心の鋼管類の輸出は底を打ちつつある状況 2016年度下期から2017年度に向けて、引き続き内需は底堅く推移するものと予測 普通鋼鋼材受注量の推移(四半期) 20 鉄鋼輸出の推移(四半期) (前年比、%) 40 (前年比、%) 30 15 20 10 10 5 0 ▲ 10 0 ▲ 20 ▲5 ▲ 30 普通鋼 ▲ 40 ▲ 10 2011/12 2012/03 2012/06 2012/09 2012/12 2013/03 2013/06 2013/09 2013/12 2014/03 2014/06 2014/09 2014/12 2015/03 2015/06 2015/09 2015/12 2016/03 2016/06 2016/09 うち継目無鋼管 (出所)日本鉄鋼連盟「四半期報」よりみずほ銀行産業調査部作成 2016/09 2016/06 2016/03 2015/12 2015/09 2015/06 2015/03 2014/12 2014/09 2014/06 2014/03 2013/12 2013/09 2013/06 2013/03 2012/12 2012/09 2012/06 製造業向け 普通鋼内需 2012/03 ▲ 60 2011/12 建設向け 販売業者向け うち熱延広幅帯鋼 ▲ 50 (出所)財務省「貿易統計」よりみずほ銀行産業調査部作成 11 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ② 鉄鋼 【生産】 生産は復調へ向かう 在庫の増勢は鈍化し、生産も回復に転じている メーカー、問屋在庫は圧縮が進んでいることから、在庫指数の上昇は最終製品の出荷が増えていないことが要因と推察される 2016年度下期から2017年度に向けては、建材需要の増加と自動車生産の回復から在庫は適正化し、生産量の増加が見込ま れる 2016年度を通じての粗鋼生産量は前年度比+2.0%の増加を予測 鉄鋼業の在庫循環図(四半期) 粗鋼生産の推移(四半期) (千トン) 2013年7~9月期 20 35,000 30,000 15 25,000 10 2015年7~9月期 在 庫 ( 前 年 ▲ 20 比 、 % ) 20,000 5 2016年7~9月期 15,000 0 ▲ 10 10,000 0 10 20 5,000 ▲5 0 ▲ 10 2011/09 2011/12 2012/03 2012/06 2012/09 2012/12 2013/03 2013/06 2013/09 2013/12 2014/03 2014/06 2014/09 2014/12 2015/03 2015/06 2015/09 2015/12 2016/03 2016/06 2016/09 ▲ 15 ▲ 5,000 2014年7~9月期 ▲ 20 見掛消費 輸出 輸入 粗鋼生産 生産(前年比、%) (出所)日本鉄鋼連盟「鉄鋼需給統計月報」よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)経済産業省「鉱工業生産指数」よりみずほ銀行産業調査部作成 12 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ② 鉄鋼 【国内市況】 原料コスト増の転嫁は急務 2016年夏から原料炭のスポット価格が急上昇し、2016年10~12月の輸入契約価格は7~9月の92.5ドル/トンから200ドル/トン へと2倍超の値上がり。2017年1~3月も更なる値上がりが予測される。 10~12月は粗鋼1トンあたり100ドル弱のコスト増であり、製品価格への転嫁が急務であるが、需要の回復もあり、製品価格の 値上げは進むものと予測 但し、値上げへのタイムラグは避けられず、2016年度下期の値差は一旦大きく悪化することが想定される 国内鋼板価格推移 (月次) 国内条鋼価格推移 (月次) (千円/トン) 100.0 冷延薄板 80.0 90.0 H形鋼 80.0 70.0 70.0 熱延鋼板 60.0 異形棒鋼 60.0 50.0 熱延鋼板値差 異形棒鋼値差 冷延薄板値差 2016/06 2016/03 2015/12 2015/09 2015/06 2015/03 2014/12 2014/09 2014/06 2014/03 2013/12 2013/09 2013/06 2013/03 2012/12 2012/09 2012/06 2012/03 2011/06 2016/07 2016/04 2016/01 2015/10 2015/07 2015/04 2015/01 2014/10 2014/07 2014/04 2014/01 2013/10 0.0 2013/07 0.0 2013/04 10.0 2013/01 10.0 2012/10 20.0 2012/07 20.0 2012/04 30.0 2012/01 30.0 2011/10 40.0 2011/12 50.0 40.0 2011/09 90.0 (千円/トン) H形鋼値差 (出所)日本経済新聞よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)原料価格は、鋼板:鉄鉱石輸入価格×1.7+原料炭輸入価格×0.9、条鋼:スクラップ東京地区価格で試算 13 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ② 鉄鋼 【海外】 原料コストの上昇は共通の課題 2015年度後半から下落基調が強まっていた鋼板の輸出価格は足下で下げ止まり 原料コストの上昇は共通の課題であり、鉄鋼製品価格は上げ基調を予測 世界的な需給悪化の原因となっている中国の粗鋼生産量は、G20の自国開催後に一旦増加したが、10月は国慶節もあり減少 している。冬場は不需要期でもあり、当面は減産基調が強まる見通し 輸出市況推移(四半期) 1,200 中国の日次平均粗鋼生産量 (USD/t) 2,350 (千トン) 2,300 1,000 2,250 2,200 800 2,150 600 2,100 2,050 400 2,000 亜鉛めっき鋼板 冷延帯鋼 熱延帯鋼 200 1,950 1,900 1,850 2016/06 2016/02 2015/10 2015/06 2015/02 2014/10 2014/06 2014/02 2013/10 2013/06 2013/02 2012/10 2012/06 2012/02 2011/10 2011/06 0 (出所)World Steel Association ウェブサイトよりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)日本鉄鋼連盟「輸出入実績」よりみずほ銀行産業調査部作成 14 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ③③石油化学 化学 【需要】 内需は微増、輸出は減少 エチレン換算内需は、2016年は490万t(前年比+0.2%)、2017年は491万t(同+0.1%)を予想 足下は、LDPEやPSが底堅く推移。2017年は、国内経済の緩やかな成長を背景に、石化製品需要も微増を維持する見込み エチレン換算輸出は、2016年は215万t(前年比▲15.5%)、2017年は183万t(同▲15.0%)を予想 生エチレンは、国内生産能力の減少に伴う内需対応優先の影響、交易条件の悪化、中国の自給化進展により、減少を予想 PVCは、インドでの農業用灌漑用途での需要増加や中国企業へのアンチダンピング課税による日本企業の競争力向上から、底堅い推移を予想 エチレン換算内需・汎用樹脂国内出荷推移(12カ月移動平均) 5,500 エチレン換算輸出量・汎用樹脂輸出量推移(12カ月移動平均) エチレン換算内需 (千トン) 3,000 エチレン換算輸出 (千トン) 2,500 5,000 2,000 1,500 1,000 4,500 500 250 (2011/3=100) 100 200 95 150 90 100 生エチレン (2011/3=100) LDPE HDPE PS 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/12 11/6 11/3 16/9 16/6 16/3 15/9 15/12 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/12 11/9 11/6 11/3 PVC 50 85 (出所)重化学工業通信社「石油化学新報」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)重化学工業通信社「石油化学新報」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)LDPE=低密度ポリエチレン、HDPE=高密度ポリエチレン、PS=ポリスチレン、PVC=塩化ビニル樹脂 15 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/12 11/9 11/3 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 0 14/12 14/9 14/6 PVC 14/3 13/9 13/12 PS 13/6 13/3 12/12 12/9 HDPE 12/6 12/3 11/12 11/6 11/3 80 11/9 LDPE 11/6 105 11/9 0 4,000 ③ 石油化学 【生産】 能力削減により輸入増加、生産減少も、高稼働が続く エチレン換算輸入は、2016年は78万t(前年比+39.6%)、2017年は67万t(同▲14.5%)を予想 2016年は、国内生産能力削減に伴い、生エチレンやHDPEの汎用品を中心に大幅な増加を見込む。2017年は、輸出の減少から国内生産設備 に生産余力が生じる結果、輸入品の一部を国産品に取り戻すことから、減少を予想 エチレン換算生産量は、2016年は627万t(前年比▲8.9%)、2017年は607万t(同▲3.3%)と減少を予想 2016年は生産能力削減の影響、2017年は輸出が減少する結果、生産量は減少 但し、稼働率は2017年で91.1%と高稼働が継続 エチレン換算輸入量・汎用樹脂輸入量推移(12カ月移動平均) 1,000 エチレン生産量と稼働率の推移(12カ月移動平均) 生産 エチレン換算輸入 (千トン) 800 9,000 600 8,000 400 7,000 200 (単月/右軸) 稼働率(単月) 実質生産能力* 稼働率 (千トン) 6,000 90% 450 LDPE PVC 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 14/9 生エチレン PS (2011/3=100) 14/12 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/12 11/9 11/6 11/3 0 95.2%(16/9) 5,000 90.3% (11/3) 4,000 HDPE 350 90.9%(15/3) 3,000 250 2,000 150 1,000 79.4%(12/6) (出所)重化学工業通信社「石油化学新報」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)重化学工業通信社「石油化学新報」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)実質生産能力は生産量、稼働率より計算 16 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/12 11/9 11/3 11/6 0 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/12 11/9 11/6 ▲ 50 11/3 50 ③ 石油化学 【市況】 エチレンスプレッドは高水準を維持も、今後は縮小 国産ナフサ価格は、足下は原油価格上昇を円高が相殺しており、低価格での推移が継続。2017年は、原油価格が緩やかに上 昇すること、米大統領選挙以降、ドル高・円安が進んでいることから国産ナフサ価格も上昇に転じるものと予想 エチレン価格は、エチレン需給がR.D. Shell・シンガポールプラントでのトラブルもあり一時的にタイト化したことから上昇を続け たが、足下はトラブル解消に伴いエチレン需給も緩和。価格は早晩下落に転じるものと予想 供給面では、R.D. Shellは9月末に再度フォースマジュールを宣言したが、11月上旬に解除 需要面では、中国市場の成長鈍化が見込まれる 国産ナフサ・ドバイ原油価格の推移 90 (円/トン) (ドル/バレル、円/ドル) アジアのエチレンスプレッド 140 1,800 (ドル/トン) エチレンアジア市況 1,600 80 120 1,400 70 100 1,200 60 1,000 ナフサ(MOPJ) 80 800 50 60 600 為替(右軸、円/ドル) 400 国産ナフサ(左軸、円/トン) ドバイ原油(右軸、ドル/バレル) 20 (出所)ロイター社データ等よりみずほ銀行産業調査部作成 17 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/3 (出所)重化学工業通信社「石油化学新報」等よりみずほ銀行産業調査部作成 11/12 0 11/3 11/6 11/9 11/12 12/3 12/6 12/9 12/12 13/3 13/6 13/9 13/12 14/3 14/6 14/9 14/12 15/3 15/6 15/9 15/12 16/3 16/6 16/9 20 アジアエチレンスプレッド (エチレンアジア市況-MOPJ) 200 11/9 30 40 11/6 40 ③ 石油化学 【海外】 中国の樹脂輸入量は頭打ち感、樹脂スプレッドは縮小 日本の最大輸出相手・中国の汎用樹脂輸入量は自給化に伴い減少傾向 HDPEは増加が続く一方で、減少が続くPPやPSに加えて、比較的堅調に推移してきたLDPEにも頭打ち感が見られる アジアの汎用樹脂スプレッドは、原料のエチレン価格が高止まりする中、PP、PVCは横ばい乃至は微増を維持しているが、 LDPE、HDPE、PSでは縮小に転じており、需要の弱さが窺える 川下汎用樹脂の需要が軟調な推移を続ければ、相応水準を維持しているエチレンスプレッドも縮小に転じるものと予想する 中国樹脂輸入量推移(12ヵ月移動平均) LDPE 6,000 HDPE PP PS 汎用樹脂スプレッド推移(アジア) PVC ABS LDPE PP PVC PS (ドル/トン) 700 ( 千トン) HDPE 600 5,000 500 4,000 400 3,000 300 200 2,000 100 1,000 0 (出所) 重化学工業通信社「石油化学新報」、ロイター社データ、ICIS等より みずほ銀行産業調査部作成 18 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 16/9 16/6 16/3 15/9 15/12 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/9 11/12 11/3 16/9 16/6 16/3 15/9 15/12 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/9 11/12 11/6 11/3 (出所)重化学工業通信社「石油化学新報」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)PP=ポリプロピレン、ABS=アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂 11/6 ▲-100 0 ④ 石油 【需要】 内需の構造的減少に加え輸出が鈍化 燃費改善や燃料転換等の構造的要因による内需の減少傾向は今後も継続する見込み 特に重油は電力向けおよび船舶向けのエネルギー転換がマイナスに寄与 ナフサは、国内エチレンプラントの閉鎖や定期修理の影響から足下前年比大幅マイナスも、2017年はほぼ横ばいで推移する見込み 主力の軽油輸出は、スポットでの増減はあるものの、鈍化を見込む 2017年は高度化法(第二告示)対応により、製油所の設備能力削減による輸出玉の低下や、アジアにおける需給悪化の影響から、輸出量は伸 び悩む見込み 国内燃料油需要の前年同月比 日本の軽油輸出量の推移 1.4 10% 250% 軽油輸出 (百万KL) 前年同月比(右軸) 1.2 200% 1 150% 0.8 100% 0.6 50% 0.4 0% 重油 5% 軽油 灯油 0% ジェット ナフサ ▲5% ガソリン 燃料油計 ▲10% 0.2 ▲15% ▲50% 16/10 16/4 15/10 15/4 14/10 14/4 13/10 ▲100% 13/4 16/10 16/4 15/10 15/4 14/10 14/4 13/10 13/4 0 (出所)石油連盟統計よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)石油連盟統計よりみずほ銀行産業調査部作成 19 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ④ 石油 【生産】 設備能力の削減によって稼働率は高水準を維持 ガソリン在庫は製油所の設備能力の削減を背景に低水準で推移 設備能力の削減に加え、製油所の定修の影響により、足下の在庫はここ数年で最低水準 稼働率は高水準を維持しており、今後も継続する見込み 高度化法(二次告知)対応(2017年3月末期限)に向けて設備能力は345~355万b/dまで10%程度削減され、2017年度の稼働率は90%程度ま で改善を見込む 国内ガソリン在庫水準の推移 6 (百万KL) 国内製油所稼働率の推移 FY2013 FY2014 FY2015 FY2016 (万b/d) 原油処理量 500 稼働率(右軸) 設備能力 100% 95% 5.5 400 90% 85% 300 5 80% 200 4.5 75% 70% 100 65% (月) 16/10 16/07 16/04 3 16/01 2 15/10 1 15/07 12 15/04 11 15/01 10 14/10 9 14/07 8 14/04 7 14/01 6 13/10 5 13/04 4 60% 13/07 0 4 (出所)石油連盟統計よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)石油連盟統計よりみずほ銀行産業調査部作成 20 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ④ 石油 【市況】 ガソリンマージンは安定化へ ガソリンの卸マージンは、原油価格が上昇に転じた局面で、上昇分を卸売価格に転嫁できたことから足下改善 今後は、公取による大型統合(JX・東ゼネ、出光・昭シェル)の認可が下り、統合会社の戦略が明らかになるにつれ、マージンは 安定化する見込み 国内ガソリンおよび原油CIF価格の推移 180 国内ガソリンの精製・販売マージンの推移 ガソリン(小売価格) (円/L) 卸マージン(元売) 25 (円/L) ガソリン(卸価格) 160 販売マージン(SS) 原油CIF FY15卸平均 FY14卸平均 20 140 FY13卸平均 120 15 100 80 10 60 40 5 20 (出所)資源エネルギー庁資料等よりみずほ銀行産業調査部作成 16/10 16/04 15/10 15/04 14/10 14/04 13/04 13/10 0 16/10 16/04 15/10 15/04 14/10 14/04 13/10 13/04 0 (出所)資源エネルギー庁資料等よりみずほ銀行産業調査部作成 21 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ④ 石油 【海外】 中国の供給超過による余剰がアジア市場に 中国は国内需要の成長が鈍化する一方、設備能力が過剰となっていることから石油製品の輸出を拡大 特に日本が主力としている軽油の輸出が急拡大しており、アジア市場の需給バランスが崩れ、日本からの軽油の輸出環境は悪化する見込み 中国におけるガソリン需給 350 (万b/d) ネット輸出(右軸) 中国における軽油需給 450 生産 (万b/d) 需要 50 300 (万b/d) ネット輸出(右軸) 生産 (万b/d) 需要 50 400 350 40 250 40 300 200 30 250 30 200 150 20 20 150 100 100 10 10 50 50 16/10 16/4 15/10 15/4 14/10 14/4 13/4 16/10 16/4 15/10 15/4 14/10 14/4 13/10 0 13/10 0 0 13/4 0 (出所)JODI統計よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)JODI統計よりみずほ銀行産業調査部作成 22 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑤ 自動車 【グローバル需要】 中国・インドが需要拡大を牽引 2016年の世界自動車販売台数は、93.7百万台(前年比+4.0%、前回予想比+1.7百万台)を予想 中国が小型車減税効果で大幅増加、インド・西欧5カ国も順調に増加、ASEAN5・米国は軟調、ロシア・ブラジル・日本は低迷の見通し 2017年のグローバル需要は、米国・中国の減速はあるも、インド等の着実な増加により94.1百万台(前年比+0.4%)を見込む 世界自動車販売台数推移 主要国・地域別自動車販売台数推移 (百万台) 100 93.7 94.1 90 17.1 80 70 60 (百万台) 88.9 90.1 5.7 3.2 新興国 38.1% 15.0 15.4 15.5 5.6 3.4 日本 その他 新興国 55.5% 5.7 3.6 5.8 3.9 アジア 5.6 23.5 (除く日中印) インド 28.0 27.5 23.5 24.6 中国 CY2014 インド ASEAN 5 3.2 3.1 米国 40 西欧5カ国 (独・仏・英・伊・西) 16.8 10.9 30 20 先進国 61.9% 39.3 41.0 先進国 45.5% 41.4 41.5 ロシア 2.7 ブラジル 3.5 4.9 4.9 (▲2.2%) (▲0.8%) 24.6 28.0 (+13.9%) 27.6 (▲1.6%) 3.4 3.7 3.9 (+7.6%) (+6.6%) (+7.0%) 3.0 3.0 3.1 (▲4.7%) (+0.1%) (+3.7%) 17.8 17.7 (+5.9%) (▲0.5%) 17.6 (▲0.9%) 11.9 12.4 12.6 (+9.2%) (+4.6%) (+1.2%) 1.8 2.6 (▲26.6%) 10 CY2017e 5.0 (▲34.4%) 日欧米 CY2016e (▲9.3%) (+4.6%) 中国 50 CY2015 1.6 (▲11.5%) 2.0 (▲20.8%) 1.6 (+4.3%) 2.1 (+2.6%) ※ カッコ内は前年比増減率を示す 2017e 2016e 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 0 (CY) (出所)各国自工会資料よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)2016年及び2017年はみずほ銀行産業調査部による予測 23 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑤ 自動車 【国内需要】 燃費不正問題等で低調推移、上振れ要因も無く漸減の見通し 2016年の国内自動車販売台数は、4,936千台(前年比▲2.2%、前回予想比+38千台)を予想 燃費不正問題や2015年4月の軽自動車税増税影響等により国内販売は低調ながら、足下では改善の兆しもみられる 2017年の国内自動車販売台数は、4,897千台(前年比▲0.8%)を予想 燃費不正問題に伴う軽自動車の販売減少が回復するものの、消費増税の再延期により駆け込み需要といった上振れ要因も無く、微減の見込み 国内自動車販売台数推移 四半期別/車種別 国内自動車販売台数実績 (千台) (%) 7,000 軽乗用車の乗用車全体に占める比率(右軸) 商用車 乗用車 6,000 (千台) 40 39.1 35.9 32.8 34.5 35 5,563 商用車 863 5,000 5,047 4,936 4,897 商用車 商用車 商用車 831 818 808 30 25 20 乗用車 4,216 乗用車 乗用車 4,118 4,089 3,000 15 10 2017e 2016e 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 0 2002 0 2001 5 (CY) 商用車 合計 1-3月 982 609 255 1,845 4-6月 574 403 185 1,161 7-9月 697 408 208 1,313 10-12月 609 420 216 1,245 1-3月 814 530 235 1,579 4-6月 591 317 190 1,098 7-9月 686 341 204 1,232 10-12月 614 323 201 1,138 1-3月 796 447 227 1,470 4-6月 627 262 188 1,077 7-9月 705 341 205 1,250 15年 2,000 1,000 乗用車 (軽) 14年 4,000 乗用車 4,700 乗用車 (登録車) 16年 (出所)(一社)日本自動車工業会資料よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)2016年及び2017年はみずほ銀行産業調査部による予測 24 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑤ 自動車 【輸出入・国内生産】 概ね前年並みとなる見通し 2016年の輸出は米国・中国向けが増加することで、4,618千台(前年比+0.0%、前回予想比+38千台)と微増を予想 2016年の輸入は外資系OEMの販売回復基調を背景に342千台(前年比+3.9%、前回予想比+13千台)と見込む 2016年の国内生産は国内販売の減少に連動し、9,212千台(前年比▲0.7%、前回予想比+70千台)と微減を予想 2017年は主要仕向地市場の減速で輸出が微減、国内販売も低調推移が見込まれることから、国内生産は減少の見通し 国内自動車生産台数推移 国内自動車輸出・輸入台数推移 (千台) (千台) 7,000 商用車 乗用車 12,000 11,000 6,000 輸出 9,775 9,278 9,212 商用車 9,076 10,000 4,618 4,578 4,538 4,466 5,000 9,000 1,498 商用車 1,448 8,000 4,000 7,000 3,000 乗用車 8,277 6,000 乗用車 7,831 5,000 2,000 4,000 1,000 3,000 2,000 0 1,000 336 329 342 359 輸入 2017e 2016e 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2017e 2016e 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 (CY) 2001 0 1,000 -1,000 (出所)(一社)日本自動車工業会、日本自動車輸入組合資料よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)2016年及び2017年はみずほ銀行産業調査部による予測 25 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. (CY) ⑥ 工作機械 【需要】 税優遇等の効果が徐々に剥落し、内需は反動減が継続する見通し 2016年度4~10月の日系メーカーの国内受注額は、 3,099億円(前年同期比▲14.3%)と減少 補助金・税優遇による押上効果は前年度に及ばなかったほか、円高による設備投資手控えの動きが見られた 2016年度通年では5,100億円(前年度比▲12.0%)を予想(前回予想据え置き) 2017年度は生産性向上設備投資促進税制および中小企業投資促進税制(共に2014年開始、2017年3月終了)の押し上げ効 果が剥落する影響を織り込み、4,500億円(前年度比▲9.8%)を予想 国内受注の業種別実績(月別) 一般機械 自動車 電気・精密 業種別受注額推移(国内) 航空等 その他 (億円) 7,000 (億円) ものづくり補助金による 押上効果は前年度に及ばず 700 一般機械 自動車 電気 精密 航空機・造船 その他 6,000 600 5,000 500 4,000 400 2017e 2016e 2015 2014 2013 (FY) (出所)日本工作機械工業会開示資料よりみずほ銀行産業調査部作成 2012 16/10 16/9 16/8 16/7 16/6 16/5 16/4 16/3 16/2 16/1 15/12 15/11 15/10 15/9 0 15/8 0 15/7 1,000 15/6 100 15/5 2,000 15/4 200 2011 3,000 300 (出所)日本工作機械工業会「工作機械統計要覧2016」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)2016、2017年度はみずほ銀行産業調査部予想 26 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑥ 工作機械 【需要】 中国における調整期は継続し、外需は低調に推移する見通し 2016年度4~10月の日系メーカーの海外受注額は、 4,020億円(前年同期比▲19.2%)と減少 中国・アジアは、スマホ向けの特需剥落を主因に減少。全地域で、円高を受けた現地通貨ベースでの価格転嫁がマイナス要因 2016年度通年では、6,900億円(前年度比▲15.8% /前回予想比▲200億円)を予想 2017年度は、自動車生産台数の増加が工作機械導入を後押しし、7,230億円(前年度比+4.8% )を予想 中国におけるスマホ向けの新機導入は、スマホ生産台数の伸び鈍化から限定的。中国は、過剰設備も解消しておらず、横這いを予想 中国以外の地域では、自動車生産台数の増加により緩やかな増加を見込む 中国市場における受注実績(月別) (億円) 電気機械 外需地域別受注額推移 (億円) 電気機械以外 アジア(中国) アジア(除く中国) 北米 欧州 その他 12,000 400 350 10,000 300 8,000 250 200 6,000 150 4,000 100 2,000 50 FY 2017e 2016e 2015 2014 2013 2012 2011 10 7 4 16/1 10 7 4 15/1 10 7 4 14/1 10 7 4 13/1 10 7 12/4 ( (出所)日本工作機械工業会開示資料よりみずほ銀行産業調査部作成 ) 0 0 (出所)日本工作機械工業会「工作機械統計要覧2016」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)2016、2017年度はみずほ銀行産業調査部予想 27 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑥ 工作機械 【在庫、価格】 生産調整は、2017年まで継続すると見られる 2015年下期以降、景気後退トレンドが継続しており、2017年も内需の減少により、生産調整基調が継続すると予想 機種別単価はおおむね横這い圏で推移。大幅な在庫の積み上がりもなく、2017年も横這いを予想 為替変動は現地通貨ベースの価格転嫁として反映される模様であり、円ベースでの価格に対する影響は限定的 マシニングセンタはアジア電気業種向け機種の増減による変動が大きい 工作機械在庫循環図(四半期) 在庫増加 景気後退 トレンド 30 2016年 4月~6月期 在 庫 ( 前 生産減少 年 ▲30 比 、 % ) 機種別価格推移 2014年 4月~6月期 (百万円) 25 研削盤 20 20 10 旋盤 生産増加 0 ▲20 ▲10 0 10 20 30 15 40 10 ▲10 マシニングセンタ 2016年 7月~9月期 5 ▲20 景気拡大 トレンド 0 2013 2014 2015 2016 1-9 CY 在庫減少 生産(前年比、%) 2012 ( 2011 ▲30 ) 2013年 1月~3月期 (出所)経済産業省「生産動態統計調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)経済産業省「生産動態統計調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 28 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑦ 建設機械 【需要】 微増に転じる見通し 足下で国内外ともに需要回復の兆しがみられることから、2017年の世界建設機械需要は微増に転じる見通し 日本:排ガス規制導入前の駆け込み需要に対する反動減が底打ち 北米:米国は公共工事向けの需要が見込まれる一方、カナダは鉱山・エネルギー向けの需要低迷が継続 中国:これまで需要低迷が継続していたものの、足下で回復の兆しがみられる状況 建設機械販売額推移(世界・年次) 建設機械出荷額推移(日本・月次) (US$ Billion) 125 (億円) 3,000 (%) 30 2,000 20 1,000 10 100 75 0 2.0 9.2 2.2 9.8 ▲ 1,000 ▲ 10 12.2 12.3 ▲ 2,000 ▲ 20 25.2 25.7 ▲ 3,000 ▲ 30 25 2011 日本 2012 北米 2013 2014 欧州 2015 中国 4.6 4.6 2016e 2017e インド 15/1 15/2 15/3 15/4 15/5 15/6 15/7 15/8 15/9 15/10 15/11 15/12 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 18.4 50 0 (CY) 0 19.7 その他 (出所)Off-Highway Research, The Global Volume and Value Serviceより みずほ銀行産業調査部作成 (注)対象機種は油圧ショベル、ミニショベル、スキッドステアローダー、ホイールローダー、 バックホーローダー、モーターグレーダー、ダンプトラック、ブルドーザー、 ラフテレーントラッククレーン、クローラーローダー、モータースクレーパー 内需(左軸) 外需(左軸) 内需前年同月比(右軸) 外需前年同月比(右軸) (出所)(社)日本建設機械工業会HPよりみずほ銀行産業調査部作成 (注)対象機種はブルドーザー、ホイールローダー、油圧ショベル、ミニショベル、道路機械、 建設用クレーン、コンクリート機械、トンネル機械、基礎機械、油圧ブレーカ破砕機、 その他建設機械 29 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑦ 建設機械 【生産】 供給能力の過剰状態が継続する見通し 中国メーカーによる供給能力の適正化は進んでいないのが現状 他方、日系メーカーは中国メーカーに先駆けて中国における生産能力の縮小を実施することで、競争力の強化を企図 中国に起因する供給能力過剰問題の解決には相応の時間を要するとみられることから、2017年も供給能力の過剰状態が継続 する見通し 建設機械生産台数推移(世界・年次) 建設機械生産台数推移(日本・月次) (万台) 100 90 80 (台) 40,000 (%) 30,000 15 20,000 10 10,000 5 0 0 20 70 60 4.5 4.9 11.7 12.5 14.2 20 10 ▲ 10,000 ▲5 14.4 ▲ 20,000 ▲ 10 10.1 10.3 ▲ 30,000 ▲ 15 16.5 16.7 ▲ 40,000 ▲ 20 2016e 2017e 40 30 0 (CY) 2011 2012 日本 2013 北米 2014 欧州 2015 中国 15/1 15/2 15/3 15/4 15/5 15/6 15/7 15/8 15/9 15/10 15/11 15/12 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 50 国内生産台数(左軸) インド (出所)Off-Highway Research, The Global Volume and Value Serviceより みずほ銀行産業調査部作成 (注)対象機種は油圧ショベル、ミニショベル、スキッドステアローダー、ホイールローダー、 バックホーローダー、モーターグレーダー、ダンプトラック、ブルドーザー、 ラフテレーントラッククレーン、クローラーローダー、モータースクレーパー 前年同月比(右軸) (出所)(社)日本建設機械工業会HPよりみずほ銀行産業調査部作成 (注)対象機種はブルドーザー、ホイールローダー、油圧ショベル、ミニショベル、道路機械、 建設用クレーン、コンクリート機械、トンネル機械、基礎機械、油圧ブレーカ破砕機、 その他建設機械 30 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑦ 建設機械 【市況】 販売価格は横這いの見通し 先進国市場では環境規制やICTに対応した最新型機種の導入が進む一方、新興国市場では廉価な従来型機種の需要が根強 いことから、販売価格は横這いで推移する見通し 主な建設機械の販売価格推移(世界・年次平均) 主な建設機械の販売価格推移(日本・月次平均) (百万円) (US$) 300,000 14 12 250,000 10 200,000 8 150,000 6 100,000 4 2 50,000 油圧ショベル ミニショベル ブルドーザー 油圧ショベル (出所)Off-Highway Research, The Global Volume and Value Serviceより みずほ銀行産業調査部作成 ミニショベル (出所)経済産業省「生産動態統計月報」よりみずほ銀行産業調査部作成 31 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. 16/9 16/8 16/7 16/6 16/5 16/4 16/3 16/2 16/1 15/12 15/11 15/10 15/9 2017e 15/8 2016e 15/7 2015 15/6 2014 15/5 2013 15/4 2012 15/3 2011 15/2 0 (CY) 15/1 0 ⑧ エレクトロニクス 【携帯電話】 2017年は新興国が持ち直しプラスに転じる 2016年の世界の携帯電話販売額は2,845億ドル(前年比▲6.9%/前回予想対比▲315億ドル)となる見通し 中国は販売台数が増加する一方、格安機種のシェア拡大から販売額が減少。米国はiPhone6sの不振から販売台数の減少を見込む 新興国は南米経済の停滞による販売台数の減少に加え、通貨安の進行によりドルベースでの単価が下落し、販売額は落ち込む見込み 2017年の携帯電話販売額は2,863億ドル(前年比+0.6%/前回予想対比▲324億ドル)を見込む 経済の持ち直しにより、南米をはじめ新興国でのスマートフォン販売台数が伸びる見通し。通貨安に歯止めがかかることで単価も横ばいを予想 自国を中心に急成長してきた中国企業が、足下はインド、ASEANへの進出を加速しグローバルシェアを拡大している 発火事故の影響から今後はSamsungのシェアが低下する可能性があることも、中国企業の存在感を高める方向に 携帯電話の地域別市場規模の推移 (百万台) 2,500 スマートフォン国別メーカーシェアの推移 スマートフォン上位10社メーカーシェア推移 Rank 1 (十億ドル) 100% 350 90% 携帯電話販売額(右軸) 300 80% 2,000 20% 4% 46% 70% その他 1,500 インド 60% 150 23% 50% アジア 1,000 13% 250 200 40% Others メーカー名(3Q16時点のシェア) 1 1 1 1 1 Samsung (19%) 2 2 2 2 2 2 Apple (12%) 3 3 3 3 3 3 Huawei (9%) 4 4 4 4 4 4 OPPO (7%) 5 5 5 5 5 5 BBK (5%) 6 6 6 6 6 6 Xiaomi (4%) 7 7 7 7 7 7 Lenovo (4%) 8 8 8 8 8 8 LG (3%) 9 9 9 ZTE (3%) 10 4Q15 9 Gionee 10 2Q16 9 10 3Q15 9 TCL 10 1Q16 10 3Q16 TCL(2%) 米国 23% 韓国 30% 中国 100 500 欧州 50 北米 0 中国 20% 0 2011 2012 2013 2014 2015 2016e 2017e (CY) (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 40% 24% 10% 0% 7% 10 2011 2012 2013 2014 2015 1Q16 2Q16 3Q16 (CY) (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 32 (CY) (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)□は中国企業 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑧ エレクトロニクス 【PC ・タブレット】 PC・タブレットとも市場縮小が続く 2016年の世界のPC出荷金額は1,530億ドル(前年比▲9.7%)、2017年は1,521億ドル(前年比▲0.5%)を予想 タブレット等の代替品の登場、緩やかな単価の下落等から趨勢的に減少傾向が続いており、日本を除く全地域で出荷額はマイナスとなる見通 し。尚、日本はWindows7搭載PCの販売終了を控えた法人需要の増加が下支え 2017年は新興国経済の回復もあり販売台数は前年比略横ばいに持ち直すも、単価の下落により金額ベースの減少が続くと予想 2016年の世界のタブレット出荷金額は394億ドル(前年比▲12.3%)、2017年は381億ドル(前年比▲3.2%)を予想 大画面スマートフォン等の代替製品との競合が強まる中、数量・価格とも下落が続いている。足下キーボード着脱式機種の発売が相次いでお り、タブレットに占めるシェアは2015年8%から2016年には15%程度まで高まる見込み PC・タブレット合計での台数の減少傾向に変化はないが、一部の小型PCの需要はキーボード着脱式タブレットにシフトする方向性と考えられる 世界タブレット市場予測 世界PC市場予測 (百万台) 400 (百万台) 400 (十億ドル) 300 350 (十億ドル) 300 350 250 300 250 300 200 250 200 150 150 200 250 200 150 150 100 100 100 100 50 50 0 50 50 0 0 0 (CY) 先進国出荷台数 新興国出荷台数 (CY) 出荷金額(右軸) 先進国出荷台数 (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 新興国出荷台数 出荷金額(右軸) (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 33 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑧ エレクトロニクス 【薄型テレビ】 価格下落が一服、台数拡大により2017年は出荷額微増 2016年の世界の薄型テレビ出荷額は870億ドル(前年比▲5.4%/前回予想対比+6億ドル)となる見通し 販売台数は、ブラジルの景気減速、メキシコの補助金失効等により中南米が落ち込み、世界全体でも減少を見込む 販売単価は下落が続いており、画面サイズの大型化、4K対応機種の導入は進むものの下げ止まるには至らず 2017年の薄型テレビ出荷額は878億ドル(前年比+0.8%/前回予想対比+15億ドル)と反転を見込む 販売台数は新興国の景気持ち直しにより増加する見通し 足下液晶パネル価格が上昇に転じており、2017年は価格下落圧力が弱まるものと推測される。一層の大型化・高画質化の進展も加わり、平均 単価は前年比横ばい程度で推移する展開を予想 薄型テレビ市場予測 (百万台) 250 5% 14% 薄型テレビの画面サイズの予測 25% 34% (百万台) 100 (十億ドル) 140 90 120 80 100 70 200 60 150 80 50 60 100 40 30 40 20 50 20 0 10 0 0 2011 2012 2013 2014 2015 先進国出荷台数 新興国出荷台数 中国出荷台数 世界出荷額(右軸) 2016e 10"-19" 2017e (CY) 20"-29" 2014 30"-39" 40"-49" 50"-59" 2015 2016e 2017e 60"+ (CY) 4K比率 (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 34 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑧ エレクトロニクス 【半導体】 2017年は再び成長軌道を取り戻す 2016年の世界の半導体出荷額は3,313億ドル(前年比▲1.0%/前回予想対比+66億ドル)となる見通し 主要アプリケーションの生産が総じて低調であったことに加え、供給過剰により年前半DRAM(メモリ)の価格が下落した影響が大きい 尚、足下DRAM価格は持ち直しており、自動車の電動化・電装化やスマートフォンの高機能化に伴い圧力センサ、磁気センサ等の出荷も急速に 伸びていることから、前回予想より下げ幅は縮小するものと見られる 2017年の出荷額は3,358億ドル(前年比+1.4%/前回予想対比▲42億ドル)と再び成長軌道に乗るものと予想 前年対比でのDRAM価格の上昇に加え、僅かながらスマートフォンの生産台数が増加すること、産業向けを中心に搭載員数が増加することから 前年比プラスを予想。携帯電話等の主要アプリケーションの生産台数見込みを引き下げたことから、前回予想時より出荷額は微減を見込む 半導体市場推移 (出荷額ベース) 半導体市場推移 (アプリケーション別CAGR) (CY) 市場成長率 (十億ドル) 分類 主要なアプリケーション 2010-2015 CAGR 2016 前年比 2017 前年比 Data Processing PC、サーバー ▲ 0.0% ▲ 6.0% ▲ 2.0% Communications スマートフォン +7.4% ▲ 0.9% +3.2% 2% Consumer 家庭用映像機器(TV等) ▲ 5.8% ▲ 0.8% +1.0% 0% Industrial 産業 +3.9% +10.8% +8.5% Automotive 自動車 +6.5% +6.1% +0.3% Military/Aerospace 軍事、航空宇宙 +1.0% +0.0% +0.0% +2.1% ▲ 1.0% +1.4% 400 10% 350 8% 300 6% 250 4% 200 150 100 ▲ 2% 50 0 2011 2012 2013 2014 2015 2016e ▲ 4% 2017e (CY) Data Processing Communications Consumer Industrial 市場成長率(右軸) Automotive Military/Aerospace Total Semicon (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 35 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑧ エレクトロニクス 【ディスプレイ】 当面は需給のタイト化から価格下落圧力が弱まる 2016年のFPD(Flat Panel Display)の出荷額は998億ドル(前年比▲11.4%/前回予想対比+1億ドル)を見込む 大型TFT-LCDは主要アプリケーション(TV、PC、タブレット)の生産数量減少に伴う減少傾向が続く 中小型TFT-LCDは車載モニターの増加が下支えとなるも、携帯電話の数量減少の影響が大きく、全体では減少を見込む 2017年の出荷額は1,092億ドル(前年比+9.4%/前回予想対比+47億ドル)と増加に転じる見通し 大型TFT-LCDは主要アプリケーションである薄型テレビの生産増加に伴い出荷が伸びる見込み。供給サイドのライン転換が計画される中、需 給が引き締まり価格は微増に転じると予想 中小型TFT-LCDは、携帯電話の生産台数が微増に留まることに加え、一定程度有機ELにシフトすることで数量・金額ともに減少を見込む 有機ELは、既存事業者の能力増と2017年後半からの新規事業者参入により、増加トレンドが続く見通し 主要FPD市場予測(出荷額) 有機EL市場見通し(出荷額) (十億ドル) 140 20% 120 +9.4% +14.9% 100 60 15% 10% 80 5% ▲ 5.0% ▲ 4.6% ▲ 4.2% +0.5% ▲ 5% ▲ 11.4% 0 2011 2012 2013 2014 2015 大型TFT-LCD 中小型TFT-LCD 有機EL 市場成長率(右軸) (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 20 15 0% 40 20 (十億ドル) 25 2016e 10 ▲ 10% 5 ▲ 15% 2017e (CY) 0 2011 PDP Smartphone 2012 Tablet 2013 2014 Smart Watch 2015 OLED TV 2016e Near Eye 2017e (CY) others (出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成 36 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑧ エレクトロニクス 【電子部品】 自動車、産業向けを中心に着実に成長 2016年の世界電子部品生産額は2,042億ドル(前年比+3.2%)となる見通し 主要アプリケーションの生産は伸び悩むものの、機器の高機能化に伴う搭載員数増加のトレンドが継続 2017年の生産額は2,116億ドル(前年比+3.6%)と、引き続き堅調な市場拡大を見込む スマートフォン、薄型テレビ等の最終製品の生産が持ち直すほか、引き続き高機能化に伴う搭載員数の増加が見込まれる 加えて、自動車の電動化・電装化や産業機器の高機能化・多機能化の進展等により、自動車向け、産業向けで着実な成長が期待される 世界電子部品市場予測(生産額) コネクタ用途別比率推移 (百万ドル) 25 24 90% 25% 11% その他, 12% 13% 28% コンピュ ータ, 21% 19% 家電・ AV, 16% 15% 通信, 16% 17% FA・ 計測, 8% 10% 自動車, 28% 27% 80% 23 20% 22 21 20 100% 30% 7.8% 19 2.1% 18 3.2% 17 16 -3.5% 3.6% 2012 2013 電子部品世界生産額 10% 50% 5% 40% 30% 0% 2014 2015 2016e 2017e 21% 15% 6% 20% 10% ▲ 10% 15 2011 60% ▲ 5% -3.5% -4.8% 70% 15% (CY) 20% 0% 2011 2012 2013 2014 2015 2016e 世界生産額伸び率(右軸) 2017e (CY) (出所)JEITAよりみずほ銀行産業調査部作成 (注) 電子部品の内訳は受動部品(コンデンサ、コイル、抵抗器、コイル等)、接続部 品(コネクタ、スイッチ等)、変換部品(小型モータ、センサ、アクチュエータ、音響 部品等)、その他(電源、高周波製品等) (出所)産業情報調査会「2016年コネクタ市場」よりみずほ銀行産業調査部作成 37 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑨ 不動産 【地価】 主要都市の地価上昇は今後も続く見込み 2016年第3四半期における三大都市圏・地方中心都市等の地価は、上昇が約8割、横ばいが約2割と上昇傾向が継続。好調な オフィス市況、大規模再開発事業の進展、訪日客による旺盛な購買・宿泊需要により、主要都市を中心に上昇基調は続く見込 み 2016年の基準地価(全国平均)は、全用途平均は未だ下落しているものの下落幅の縮小傾向が継続している 地方圏の下落幅も縮小傾向が継続。地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)では三大都市圏を上回る上昇率 用途別では、住宅地の下落幅は緩やかなペースで改善、商業地は昨年の下落から横ばいに転じた 主要都市(三大都市圏・地方中心都市等)の地価変動 基準地価の長期推移 (1983年=100) 100% +20% 18% 90% 180 住宅地(前年比) +15% 80% 商業地(前年比) 160 全用途(前年比) 70% +10% 60% 50% 70% 全用途(右軸) 140 +5% 120 0 100 上昇 40% 30% 20% 10% 80 ▲10% 60 2% 0%~3% 0% -3%~0% -6%~-3% -9%~-6% (出所)国土交通省「地価LOOK」よりみずほ銀行産業調査部作成 -12%~-9% 2016Q3 2016Q2 2016Q1 2015Q4 2015Q3 2015Q2 2015Q1 2014Q4 2014Q3 2014Q2 2014Q1 2013Q4 2013Q3 2013Q2 2013Q1 2012Q4 2012Q3 2012Q2 2012Q1 2011Q3 2011Q4 3%~6% (CY) 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 10% 0% 6%~ ▲5% ~-12% (出所)国土交通省「都道府県地価調査」 よりみずほ銀行産業調査部作成 38 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑨ 不動産 【オフィス】 東京・大阪・名古屋中心部の需給は安定して推移 2016年は、東京では直近で供給の多かった2012年に次ぐ規模(30棟/349千坪)のオフィス床新規供給を予定。2017年は、東 京では過去の平均を下回る22棟/224千坪、大阪では 3棟/49千坪、名古屋では過去最大規模の4棟/128千坪の供給を見 込む 東京・大阪・名古屋中心部の空室率は改善傾向。東京では賃料反転の目安と言われる5%を切る状態が続き、 2016年後半か らは3%台で推移するものの、ハイスペックビルの供給が進む一方でその希少性は低下しており、賃料の上昇は小幅に留まって いる模様 東京・大阪・名古屋中心部のオフィス需要は根強く、2017年も空室率・賃料は安定した推移を見込む 東京・大阪・名古屋中心部のオフィスビル供給推移 (千坪) 700 600 ※赤線は1990年から2015年までの 東京5区の平均供給量 エリア別空室率・賃料の推移 (千円/坪) 20 東京5区 18 大阪中心部 16 名古屋中心部 14 500 12 400 10 8 300 6 4 200 2 100 0 2011 2012 2013 2014 2015 2016(e) 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016(e) 2017(e) 0 (%) 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 16/06 16/07 16/08 16/09 16/10 (CY) 東京5区 賃料 大阪中心部 賃料 名古屋中心部 賃料 東京5区 空室率(右軸) 大阪中心部 空室率(右軸) 名古屋中心部 空室率(右軸) (CY) (出所)両図表とも三鬼商事公表データよりみずほ銀行産業調査部作成 ※賃料・空室率は12月時点 (注)2016年、2017年はみずほ銀行産業調査部予想 (注)東京(都心5区)=千代田・港・中央・新宿・渋谷区、大阪=梅田・淀屋橋・本町・船場・心斎橋・難波・新大阪地区、名古屋=名駅・伏見・栄・丸の内地区 39 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑨ 不動産 【住宅】 新設住宅着工戸数を牽引した貸家需要も2017年には減少を予想 2016年1~9月の新設住宅着工戸数は717千戸(前年同期比+5.8%)で着地。2016年は、相続税対策としての建設ニーズが強 い貸家が牽引する形で969千戸(前年比+6.6%)と大幅な増加を予想 近時はアパートの空室率の上昇が目立ち始めており、 2017年には貸家需要も減少に転じ、951千戸(前年比▲1.8%)を予測 新設住宅着工戸数の推移と予想 2016年の新設住宅着工戸数 (千戸) 1,400 (%) +20% 1,387 144 1,200 209 1,000 新設住宅着工戸数 1,290 1,230 1,198 1,215 1,174 118 175 118 128 124 185 218 1,236 1,151 1,160 116 126 208 200 215 1,189 141 204 +6.6% 1,094 140 141 239 980 117 126 883 169 183 788 800 531 92 457 424 438 600 813 834 450 452 465 504 77 543 442 969 892 111 118 91 117 951 909 136 138 135 115 111 125 124 128 127 110 123 421 116 ▲10% 356 286 319 362 379 419 417 ▲30% 321 400 479 431 475 452 387 368 373 370 353 359 315 319 285 0% ▲20% 465 298 200 7~9月 ▲1.8% 1,061 229 305 306 312 355 ▲40% 285 283 291 ▲50% 分譲・共同 分譲・一戸建等 2017(e) 2016(e) 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2002 2001 2000 1999 1998 1997 2003 貸家 合計 年初来累計 (1~9月) 前年比 7~9月 年初来累計 (1~9月) 253 717 + 7.1% + 5.8% 持家 79 216 + 3.9% + 2.6% 貸家 113 306 + 11.2% + 9.6% 分譲・共同 24 89 ▲ 4.6% ▲ 1.8% 分譲・一戸建等 37 106 + 10.4% + 9.1% 282 0 持家 2016年 +10% (CY) (出所)国土交通省「住宅着工統計」よりみずほ銀行産業調査部作成 合計(前年比)(右軸) (出所)国土交通省「住宅着工統計」よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)2016年・2017年はみずほ銀行産業調査部予想 40 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑨ 不動産 【住宅】 分譲マンション供給戸数は減少基調が続くと予測 2016年1~9月の首都圏及び近畿圏のマンション供給戸数は大きく減少し、2016年は7.1万戸(前年比▲9.0%)を予想 マンション価格が上昇する中、平均初月契約率は好不況判断の目安とされる70%を割る月が増加しており、在庫数も増加 マンション建設費が高止まりする中、販売価格への転嫁は難しい状況が続く 2017年は新築マンションの在庫・価格ともに調整される可能性が高く、供給戸数は6.8万戸(前年比▲4.2%)を予想 分譲マンション供給戸数の推移 ( 百万円) 4.6 5.6 4.5 4.0 3.4 3.3 2012 2013 2014 2015 2016(e) 2017(e) 40 70 4,000 35 65 3,000 30 60 2,000 55 1,000 (CY) 2016/10 4.4 5,000 2016/08 4.5 2011 0 2010 2 75 2016/06 1.8 45 2016/04 1.8 6,000 2016/02 1.8 80 2015/12 4 1.9 50 2015/10 1.9 1.8 2015/08 2.3 2.0 6.8 2015/06 2.2 7.1 7,000 2015/04 6 1.9 供給戸数 7~9月 年初来累計 (1~9月) 前年比 7~9月 首都圏 8,707 23,161 ▲ 11.4% 近畿圏 4,522 13,463 + 12.3% 年初来累計 (1~9月) (出所)不動産経済研究所公表データより みずほ銀行産業調査部作成 (注)12カ月移動平均 (戸) 8,000 50 0 13/10 2016年 近畿圏 在庫数 近畿圏 契約率(%)(右軸) 85 2014/10 1.9 2.5 首都圏 在庫数 首都圏 契約率(%)(右軸) 55 2014/08 2.5 7.8 2014/06 2.2 8.3 2014/04 1.8 2.4 近畿圏 60 2014/02 8.7 首都圏 (%) 90 2013/12 9.4 8.5 初月契約率と在庫数の推移 他 10.5 10 8 近畿圏 2015/02 首都圏 2014/12 (万戸) 12 新築マンション価格の推移 14/02 14/06 14/10 15/02 15/06 15/10 16/02 16/06 16/10 (出所)不動産経済研究所公表データよりみずほ銀行産業調査部作成 ▲ 16.8% ▲ 4.7% (出所)不動産経済研究所公表データより みずほ銀行産業調査部作成 41 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑨ 不動産 【売買】 採算の取れる物件の減少により取引額は減少 2016年11月に公表された「不動産投資家調査」によれば、東京・大阪・名古屋における期待利回りは、引き続きほぼ全てのア セットタイプで低下したが、その低下幅は縮小傾向 2016年1~9月の不動産取得額は約2.9兆円と前年同期比80%程度の水準 高値警戒感による様子見と円高を受けた外資系法人の取得減少が大きな要因 マイナス金利による運用難を背景に、不動産取得額に占めるJ-REITや私募REITの割合が増加 買主は採算重視の姿勢を強めており、2016・2017年の取得額は直近ピークの2014年水準には届かない見込み 物件タイプ別期待利回りの一覧 4.8 5.3 5.7 5.0 5.1 5.5 5.5 5.7 5.8 4.9 5.0 5.5 5.5 5.6 5.7 4.8 5.0 5.4 5.5 5.5 5.6 50% 40,000 40% 30,000 30% 20,000 20% 10,000 10% SPC・私募REIT等 海外の企業・ファンド等 2015 2014 2013 建設・不動産 J-REITの占める割合 2016(1~9月) J-REIT その他事業法人・公共等 (出所)日本不動産研究所「不動産投資家調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 2012 ( CY) 0% 2011 0 2010 3.8 5.0 5.5 5.0 5.4 5.8 60% 50,000 2009 3.9 5.0 5.5 5.0 5.5 5.9 70% 2008 4.7 5.4 5.5 5.6 6.0 6.3 2007 4.7 5.5 5.7 5.6 6.0 6.3 2006 4.7 5.5 5.6 60,000 5.7 6.0 6.4 2005 4.8 5.7 5.8 ( 億円) 2004 3.7 5.2 5.4 '15年10月 '16年4月 '16年10月 2003 3.8 5.3 5.5 (単位:%) 商業店舗(郊外型ショッピングセンター) 3.7 東京(郊外) 5.1 大阪 5.4 名古屋 ビジネスホテル 東京(JR・地下鉄の主要駅周辺) 4.7 5.4 大阪(JR新大阪駅周辺) 5.5 名古屋(栄地区) 物流施設(配送型シングルテナント) 4.6 東京(湾岸/江東地区) 5.3 東京(内陸/多摩地区) 5.4 大阪(湾岸/大阪港地区) 大阪(内陸/東大阪周辺) 名古屋(湾岸/名古屋港地区) 3.7 名古屋(内陸/名古屋市北部) 5.0 5.4 2002 '15年10月 '16年4月 '16年10月 2001 (単位:%) オフィスビル 東京(丸の内・大手町) 大阪(御堂筋) 名古屋(名駅) 賃貸住宅(ファミリー) 東京(城南) 大阪 名古屋 賃貸住宅(ワンルーム) 東京(城南) 大阪 名古屋 商業店舗(都心型高級専門店) 東京(銀座) 大阪 名古屋 買主セクター別取得額の推移 外資系法人の占める割合 (出所)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 42 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑩ 建設 【需要(全体)】 建設工事受注は、公共・民間ともに増加 2016年度7~9月の建設工事受注高(元請)は、15.5兆円(前年同期比+4.6%)と増加。年度でも増加を見込む 2016年4月に政府が指示した公共事業執行前倒しの効果が表れ、公共工事が5.1兆円(同+11.9%)と受注高の増加を牽引。下期も現状トレンド での推移を見込む 名目建設投資額は、2016年度は51.8兆円(前年度比+1.7%)、2017年度は51.4兆円(同▲0.7%)を見込む 2016年度は、大規模補正予算の計上から政府建設投資が増加し、貸家の牽引により民間住宅投資も増加を見込む 2017年度は、政府建設投資は大型補正予算の2016年度比予算減少が想定されることから減少、民間住宅投資も貸家ニーズの落ち着きから減 少となるも、大型再開発案件等の工事本格化により民間非住宅投資が増加し、減少は小幅に留まると予想 建設工事受注高(元請)の推移 公共(土木) 60 公共(建築) 民間(建築) (兆円) 受注高( 兆円) 年度累計 7~9月 ( 4~9月) 15.5 28.8 5.1 8.2 2016年度 51.8 50 民間(土木) 直近3ヶ月(2016年度7~9月)の建設工事受注高 53.8 57.2 元請受注高 公共 (土木) (建築) 46.1 民間 40 (土木) (建築) 36.0 31.9 30 4.2 10 28.8 28.3 4.8 4.8 8.8 6.1 10.4 4.6 5.1 FY13 6.2 6.1 11.1 10.0 FY14 5.2 3.0 +18.6% +1.1% +11.6% 0.0% 10.5 20.6 +1.5% +3.4% 1.5 9.0 2.7 17.9 +25.4% ▲1.6% +16.0% +1.5% FY15 名目建設投資額の推移 100 17.9 80 2.7 5.2 0 FY12 3.3 1.8 (出所)国土交通省「建設工事受注動態統計調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 30.5 20 前年同期比( %) 年度累計 7~9月 ( 4~9月) +4.6% +4.3% +11.9% +7.1% FY16 4~9月 (出所)国土交通省「建設工事受注動態統計調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 60 3.0 (兆円) 84.0 75.2 民間住宅 40 民間非住宅 20 政 府 56.8 47.7 43.3 45.3 51.3 51.2 51.0 51.8 51.4 15 16E 17E (年度) 0 92 97 02 07 11 12 13 14 (出所)国土交通省「建設投資見通し」よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)2016、2017年度はみずほ銀行産業調査部予測値 43 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑩ 建設 【需要(公共)】 公共事業の執行前倒しの効果が表れている 2016年度7~9月の公共工事前払保証金請負額は、4.1兆円(前年同期比+6.8%)と増加。年度も増加を見込む 足下、政府が指示した公共事業の前倒し執行の効果が表れており、全国的に増加。2016年度通年でも、熊本震災復旧の補正予算及び第2次補 正予算の執行が進むことが期待され、増加を見込む 2017年度の公共工事前払保証金請負額は、2016年度対比微減で推移すると予想 2017年度は、震災を契機とした2016年度規模の大型補正予算の計上は想定しにくく、当年度では公共工事関連予算の減少が想定されるが、 2016年度補正予算関連の工事もあり、減少は小幅に留まると予想 公共工事前払保証金請負額の推移 【地域別】公共工事前払保証金請負額 (兆円) 2.5 FY12 2.0 2016年度 (年度累計) 12.4兆円 FY13 14.6兆円 FY14 14.5兆円 FY15 14.0兆円 FY16 8.8兆円 全国 1.5 1.0 0.5 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 前払保証請負額(兆円) 年度累計 7~9月 (4~9月) 前年同期比(% ) 年度累計 7~9月 (4~9月) 4.1 8.8 +6.8% +5.3% 北海道 0.2 0.6 +2.1% +7.4% 東北 0.7 1.5 ▲0.3% +1.3% 関東 1.1 2.3 +8.2% +7.9% 北陸 0.2 0.5 ▲3.1% +9.9% 中部 0.5 1.0 +6.2% ▲0.6% 近畿 0.5 1.0 +26.4% +8.4% 中国 0.2 0.4 +3.6% ▲3.6% 四国 0.2 0.3 +10.4% +11.6% 九州 0.5 1.0 +6.7% +8.9% (出所)保証事業者会社協会「公共工事前払金保証統計」よりみずほ銀行産業調査部作成 (出所)保証事業者会社協会「公共工事前払金保証統計」よりみずほ銀行産業調査部作成 44 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑩ 建設 【需要(民間)】 民間は、住宅・非住宅ともに増加 2016年度7~9月の住宅着工面積は、20.5百万㎡(前年同期比+5.0%)と増加。年度でも増加を見込む 相続税対策としての建設ニーズが強い貸家が牽引し、前年同期比で増加。年度でも貸家の牽引により、増加を見込む 2017年度は、貸家建設ニーズの落ち着きから、2016年度対比で減少を予想 2016年度7~9月の非住宅着工面積は、11.8百万㎡(同+2.5%)と増加。年度では微増を見込む 倉庫が好調であり、前年同期比で増加。建設工事費は落ち着きを見せており、年度では現状のトレンドにて微増を見込む 2017年度は、首都圏の不動産再開発プロジェクト等の大型案件の工事本格化が想定されるなか、人手不足に伴う建設工事費の再高騰により着 工が遅れる可能性があり、2016年度対比で増加は一定程度に留まると予想 新設住宅着工面積の推移 9.5 9.0 8.5 8.0 (百万㎡) FY12 FY13 FY14 FY15 FY16 (年度累計) 79.4百万㎡ 87.3百万㎡ 74.0百万㎡ 75.6百万㎡ 40.6百万㎡ 民間非住宅着工面積の推移 5.0 住宅・非住宅着工面積(主な使途別) (百万㎡) 着工床面積 2016 年度 住宅 非住宅 7.0 3.5 6.5 6.0 3.0 5.5 5.0 2.5 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 (出所)国土交通省「建築着工統計」より みずほ銀行産業調査部作成 FY12 FY13 FY14 FY15 FY16 (年度累計) 44.6百万㎡ 47.7百万㎡ 45.0百万㎡ 44.3百万㎡ 23.8百万㎡ 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 (出所)国土交通省「建築着工統計」より みずほ銀行産業調査部作成 45 事務所 店舗 工場 倉庫 前年同期比 ( %) 7~9月 年度累計 ( 4~9月) 7~9月 年度累計 ( 4 ~9 月) 20.5 40.6 +5.0% +4.1% 11.8 23.8 +2.5% +1.0% 1.4 2.9 ▲13.4% ▲6.7% 1.6 3.3 ▲10.7% ▲5.9% 2.0 4.0 ▲23.2% ▲16.9% 2.2 4.7 +33.4% 4.5 4.0 7.5 ( 百万㎡) +20.8% (出所)国土交通省「建築着工統計」より みずほ銀行産業調査部作成 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑩ 建設 【供給】 人手不足率と建設工事費は落ち着きを見せている 足下の人手不足率と建設工事費は落ち着きを見せている 建設技能労働者の不足率は、東日本大震災直後以来のマイナス値となった2016年3月から上昇し、7月には1.3%(全国)となったが、9月には 1.1%(全国)と低下 建設工事費デフレーターは、2016年6月の110.7(建設総合)から2.4ポイント低下し、9月は108.3(建設総合)で着地 オリンピックに向けた工事本格化に伴い、2016年度内には、人手不足率と建設工事費が上昇する可能性あり 建設技能労働者不足率の推移(6職種・単月) 15 10 118 (%) 九州 113 東北 108 関東 不足 建設工事費デフレーターの推移(基準:2005年度=100) 建設総合 建築総合 土 木 103 全国 5 16/9 16/6 16/3 15/12 15/9 15/6 15/3 14/12 14/9 14/6 14/3 13/12 13/9 13/6 13/3 12/12 12/9 12/6 12/3 11/12 11/9 98 (出所)国土交通省「建設工事費デフレーター」よりみずほ銀行産業調査部作成 0 【参考】建設技能労働者不足率の推移(全国・6職種・年平均) 6 ▲5 過剰 不足 ▲ 10 (%) ピーク1990年4.2% 4 2 11/9 11/12 12/3 12/6 12/9 12/12 13/3 13/6 13/9 13/12 14/3 14/6 14/9 14/12 15/3 15/6 15/9 15/12 16/3 16/6 16/9 0 (出所)国土交通省「建設労働需給調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)6職種:型わく工(土木)、型わく工(建築)、左官、とび工、鉄筋工(土木)、鉄筋工(建築) 過剰 ▲ 2 ▲4 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 (出所)国土交通省「建設労働需給調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 46 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑪ 小売 【個人消費】 先行き不安から消費水準は低位で推移 2016年7~9月期のGDP家計最終消費支出は前期比横ばいで、勢いを欠く状況 依然として低い水準で推移しており、消費増税(2014年4月)前の水準に及ばず 消費者態度指数は切り返しの兆しがあるものの、 「収入の増え方」「暮らし向き」判断を中心に方向感は定まらず 足下では「収入の増え方」と「暮らし向き」判断が足踏みするなど、引き続き先行き不安が意識される経済環境は変わらず 今後、実質ベースでの可処分所得が伸びなければ、引き続き消費者態度指数は横ばい圏内で推移する見込み 家計最終消費支出の推移(実質・季節調整値) 消費者態度指数及び前月差要因寄与度(季節調整値) (二人以上世帯) (P) (前月比、P) (年換算、兆円) 消費増税 2014年4月 305 4.0 3.0 300 44.8 45.2 45.4 収入の増え方:左軸 消費者態度指数:右軸 CY2015 1-11月:41.2 42.9 43.2 42.6 2.0 41.3 41.6 41.7 295 CY2013平均 291兆円 290 CY2014平均 289兆円 CY2016平均 290兆円 CY2015平均 289兆円 CY2016 1-11月:41.6 42.6 41.7 43.0 42.3 42.0 40.9 40.7 40.1 39.3 1.0 46.0 暮らし向き:左軸 0.0 285 10月 7月 4月 2016年1月 10月 7月 4月 2015年1月 10月 7月 4月 2014年1月 10月 7月 4月 32.0 2013年1月 7- 9月 4- 6月 2016年1‐3月 10-12月 7- 9月 4- 6月 2015年1‐3月 10-12月 7- 9月 4- 6月 2014年1‐3月 10-12月 7- 9月 4- 6月 2013年1‐3月 34.0 ▲ 2.0 (出所)内閣府「四半期GDP第2次速報」よりみずほ銀行産業調査部作成 40.0 36.0 ▲ 1.0 280 42.0 38.0 38.2 37.0 44.0 (出所)内閣府「消費動向調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 47 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑪ 小売 【雇用・所得環境】 所得改善の一方、貯蓄重視の節約志向が続く 雇用・所得環境は改善の兆しが見られる 高い有効求人倍率(10月/1.40)や完全雇用に近い失業率は、今後さらなる賃金上昇の可能性を示唆 但し実質ベースの可処分所得は増えておらず、さらには平均貯蓄性向が上昇する傾向 貯蓄重視の節約志向は依然として根強く続く見込み 有効求人倍率・完全失業率 (倍)1.60 有効求人倍率:左軸 1.40 可処分所得と平均貯蓄性向の推移(実質) 5.0(%) 完全失業率:右軸 4.5 3.5 1.00 27.0% 2.5 99.0 10月 7月 4月 2016年1月 10月 7月 4月 2015年1月 10月 7月 4月 2014年1月 10月 7月 98.0 97.0 有効求人倍率と現金給与総額の相関 25.0% 96.0 2016年9月 1.40 95.0 1.30 24.0% 94.0 1.20 有 効 1.10 求 人 1.00 倍 率 23.0% 93.0 99.0 99.2 99.4 99.6 99.8 10月 7月 4月 10月 7月 4月 10月 7月 4月 2016年1月 98.8 2015年1月 98.6 現金給与総額(名目・季節調整済、2010年=100) (p) (出所)厚生労働省「毎月勤労統計調査」「労働力調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 2014年1月 98.4 10月 2013年1月 2013年1月 0.80 22.0% 7月 92.0 0.90 98.2 26.0% 4月 4月 2.0 2013年1月 0.60 (倍) 28.0% 可処分所得(2010年=100):左軸 平均貯蓄性向(%):右軸 100.0 3.0 0.80 (二人以上勤労者世帯:12カ月移動平均) 101.0 4.0 1.20 (P) (出所)総務省「家計調査」、「消費者物価指数」よりみずほ銀行産業調査部作成 48 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑪ 小売 【小売業販売額】 小売業販売額は横ばい圏での推移を見込む 小売業販売額(自動車・燃料小売業除く)は、2016年は前年比▲0.1%、2017年は同+0.5%と横ばい程度の見通し GMS、百貨店の中長期的な不振は止まらず、大型店舗の出店は鈍化。一方、利便性や価格訴求力を強みとするコンビニエンスストア、スー パー、ドラッグストアは積極的に出店する方針で、小型店舗へのシェアシフトが見込まれる 訪日外国人消費(買物代)による小売業販売額の底支えは、一定程度に留まる 訪日客数が伸びる一方、購買品目は低価格品へシフト。単価の伸びは小さく、2017年の買物代消費は1.6兆円程度(前期比+10.1%)と伸び率 は急速に鈍化する見込み 小売業販売額(自動車・燃料小売業除く) 大店立地法届出による規模別新規出店件数 (十億円) (%) 114,000 小売業販売額(除く、外国人消費) 112,000 1,454 1,486 YoY 1,650 2.0% 715 110,000 10,000㎡以上 400 2.5% 訪日外国人消費(買物代) 250 200 150 100 0 1-6月 7-12月 1-6月 2013年 106,000 110,433 110,288 110,681 0.5% 108,061 買物代合計 102,000 2017年(e) 2016年(e) 2015年 2014年 ▲0.5% 7-12月 2015年 1-6月 7-12月 2016年 1-6月 2017年 78,829円 (十 億 1,000 円 800 ) 90,000 64,566円 70,000 19.7 49,661円 1,454 10.4 1,486 1,650 50,000 40,000 30,000 20,000 715 463 10,000 0 0 2013年 2014年 2015年 2016年e 2017年e (出所)経済産業省「商業動態統計調査」「大規模小売店舗立地法届出の概要」、観光庁「訪日外国人消費動態調査」よりみずほ銀行産業調査部作成 49 80,000 60,000 13.4 400 200 61,404円 58,517円 100,000 1人当たり買物代(円/人) 25.6 24.2 1,400 600 100,000 1-6月 訪日外客数(百万人) 1,600 1,200 0.0% 7-12月 2014年 訪日外国人消費(買物代)の見込 1,800 2013年 1,000-3,000㎡未満 300 463 109,997 3,000-5,000㎡未満 350 (出 店 件 数 ) 1.0% 104,000 5,000-10,000㎡未満 50 1.5% 108,000 450 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑪ 小売 【業態別の状況】 主要三業態(スーパー、コンビニエンスストア、百貨店) 概況/今後の見通し スーパー既存店売上高(部門別・前年同期比) (%) スーパー 25.0 総販売額 食料品 衣料品 住関連品 20.0 15.0 衣料品と住関連品は専門店やECとの競合から引き続き苦戦する が、食料品は単価上昇が寄与し、総販売額は微増で推移する見込 み 10.0 5.0 0.0 コンビニエンスストア ▲5.0 出店余地の減少、FCオーナーの経営環境が厳しくなっていることか ら成長鈍化の可能性も ▲10.0 ▲15.0 10月 7月 4月 2016年1月 10月 7月 4月 2015年1月 10月 7月 2014年1月 インバウンドによる販売高の下支えも限定的に。また、単身世帯の 増加や購買力の伸び悩みから、大都市含めて今後も伸びは期待薄 4月 ▲20.0 百貨店 (出所)日本チェーンストア協会資料よりみずほ銀行産業調査部作成 コンビニエンスストア売上高・客数・客単価(前年同月比) (%) 7.0 6.0 5.0 全店売上 既存店売上 客数 客単価 百貨店地区別売上高(売上高・前年同期比) (%) 30.0 東京23区 25.0 大阪市 8都市合計 地方合計 全店売上高 20.0 4.0 15.0 3.0 10.0 5.0 2.0 0.0 1.0 ▲5.0 0.0 ▲10.0 ▲1.0 ▲15.0 ▲2.0 ▲20.0 (出所)日本フランチャイズチェーン協会資料よりみずほ銀行産業調査部作成 10月 7月 4月 2016年1月 10月 7月 4月 2015年1月 10月 7月 4月 ▲25.0 2014年1月 10月 7月 4月 2016年1月 10月 7月 4月 2015年1月 10月 7月 4月 2014年1月 ▲3.0 (出所)日本百貨店協会資料よりみずほ銀行産業調査部作成 50 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑫ 電力 【需要】 震災以降国内電力需要は緩やかな減少傾向 2017年の国内電力需要は、概ね横ばい(前年比+0.1%)で推移する見通し 家庭用需要(系統需要)は、省エネ機器及び住宅用太陽光の普及に伴い、減少傾向 2016年の家庭用需要は、冷房需要の増加により前年と同水準の2,701億kWhを見込む 一方、住宅用太陽光による自家発自家消費量の増加に伴い、2017年は2,686億kWh(前年比▲0.5%)を見込む 産業・業務用需要は省エネの進展に伴い減少傾向にあるものの、経済成長率上昇に伴い2017年はプラスに転じる見通し 家庭用需要と住宅用太陽光(自家消費分)の発電量推移 住宅用太陽光発電量(自家発自家消費分):右軸 (億kWh) 1,000 900 家庭用需要:左軸 電力需要の実績及び見通し 家庭用 (億kWh) (億kWh) 20 9,927 9,907 10,000 産業・業務用 推計・見通し 9,788 9,652 9,535 9,497 9,504 18 9,000 800 16 700 14 600 12 7,000 500 10 6,000 400 8 5,000 300 6 4,000 200 4 3,000 100 2 2,000 0 0 1,000 8,000 2,886 2,893 2,830 2,749 2,701 2,701 2,686 7,041 7,014 6,958 6,902 6,833 6,797 6,817 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 0 (CY) (出所)両図表とも資源エネルギー庁「電力調査統計」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (注1)住宅用太陽光(自家発自家消費分)の発電量は、FIT買取量よりみずほ銀行産業調査部推計値 (注2)産業・業務用需要には、産業用1,000kW(一部500kW)以上の自家発自家消費量を含む 51 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑫ 電力 【供給】 原子力・再生可能エネルギーの発電量が緩やかに増加 再生可能エネルギーの発電電力量構成比率は上昇傾向。2017年も緩やかな拡大が続く見通し 原子力については、2016年に新規制基準の下で再稼働したユニットに加え、2017年には2基程度の再稼働を見込み、 発電電力量構成比の3%を占めると予想 発電電力量構成比率の推移(推定) 発電電力量構成比率の推移見通し(暦年ベース) 推計・見通し 100% 100% 90% 90% 80% 80% 70% 70% 60% 火力 60% 再エネ 50% 再エネ 30% 40% 原子力 20% 30% 10% 20% 50% 40% 84% 82% 80% 火力 原子力 2011Q1 2011Q2 2011Q3 2011Q4 2012Q1 2012Q2 2012Q3 2012Q4 2013Q1 2013Q2 2013Q3 2013Q4 2014Q1 2014Q2 2014Q3 2014Q4 2015Q1 2015Q2 2015Q3 2015Q4 2016Q1 2016Q2 0% 10% 15% 16% 17% 0% 0% 2015 2% 2016 3% 2017 (CY) (出所)両図表とも資源エネルギー庁「電力調査統計」等よりみずほ銀行産業調査部作成 (注1)みずほ銀行産業調査部推計値 (注2)発電電力量構成比率に自家発自家消費分は含まれない 52 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. ⑫ 電力 【市況】 電力スポット取引価格は下げ止まる見通し 電力卸取引所におけるスポット取引のシステムプライスは、燃料価格の下落に伴い、2014年から下落傾向 今後、燃料価格の緩やかな回復に伴い、システムプライスは下げ止まる見通し 50Hzエリアと60Hzエリアの電力スポット取引価格差は、2015年以降拡大傾向 2015年及び2016年は、特に50Hzエリアにおいて、新電力による電力調達が活発化しているものと思料 電力スポット取引価格(システムプライス)推移 (円/kWh) 50Hz/60Hzのスポット価格とシステムプライスの価格差 (円/kWh) 2.5 20.0 2.0 18.0 50Hzの電力スポット取引価格と、システムプライスの差 60Hzの電力スポット取引価格と、システムプライスの差 16.0 1.5 14.0 12.0 1.0 10.0 0.5 8.0 6.0 0.0 4.0 2.0 ▲0.5 ▲1.0 2011Q1 2011Q2 2011Q3 2011Q4 2012Q1 2012Q2 2012Q3 2012Q4 2013Q1 2013Q2 2013Q3 2013Q4 2014Q1 2014Q2 2014Q3 2014Q4 2015Q1 2015Q2 2015Q3 2015Q4 2016Q1 2016Q2 2016Q3 2011Q1 2011Q2 2011Q3 2011Q4 2012Q1 2012Q2 2012Q3 2012Q4 2013Q1 2013Q2 2013Q3 2013Q4 2014Q1 2014Q2 2014Q3 2014Q4 2015Q1 2015Q2 2015Q3 2015Q4 2016Q1 2016Q2 2016Q3 0.0 (出所)両図表とも日本卸電力取引所における取引情報よりみずほ銀行産業調査部作成 (注)50Hz/60Hzの電力スポット取引価格は、電力管内毎のエリアプライスを、旧一般電気事業者の販売電力量(2015年度)で加重平均し算出 53 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. (産業総合) (鉄鋼) (石油化学) (石油) (自動車) (工作機械) (建設機械) (エレクトロニクス) (不動産) (建設) (小売) (電力) 総括・海外チーム 木村 祐太 素材チーム 大野 真紀子 素材チーム 國府田 武文 素材チーム 大村 定雄 自動車・機械チーム 小澤 郁夫 自動車・機械チーム 大西 智敦 自動車・機械チーム 仲谷 能一 テレコム・メディア・テクノロジーチーム 宮下 裕美 公共・社会インフラ室 藤井 洋平 公共・社会インフラ室 工藤 和仁 公共・社会インフラ室 小崎 寛之 公共・社会インフラ室 川端 淳之 流通・食品チーム 中川 朗 資源・エネルギーチーム 山本 武人 03-5252-6030 03-6838-6989 03-6838-6664 03-5222-5045 03-6838-1235 03-6838-1234 03-5200-7718 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] 03-5222-5078 03-5222-5073 03-6838-6622 03-6838-1220 03-6838-1215 03-6838-6623 03-5222-4489 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] 2016年12月27日発行 Mizuho Industry Focus/187 2016 No.11 © 2016 株式会社みずほ銀行 本資料は金融ソリューションに関する情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定の取引の勧誘・取次ぎ等を強制するものではありません。また、本 資料はみずほフィナンシャルグループ各社との取引を前提とするものではありません。 本資料は、当行が信頼に足り且つ正確であると判断した情報に基づき作成されておりますが、当行はその正確性・確実性を保証するものではありません。本資 料のご利用に際しては、貴社ご自身の判断にてなされますよう、また必要な場合は、弁護士、会計士、税理士等にご相談のうえお取扱い下さいますようお願い申 し上げます。 本資料の著作権は当行に属し、本資料の一部または全部を、①複写、写真複写、あるいはその他の如何なる手段において複製すること、②当行の書面による 許可なくして再配布することを禁じます。 編集/発行 みずほ銀行産業調査部 東京都千代田区大手町1-5-5 Tel. 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