結核の集団感染の発生について

平成28年12月28日
福
祉
保
健
局
結核の集団感染の発生について
都内の日本語教育機関の学生が結核を発病し、その同居者と通学先の学生等が結核
に集団感染する事例が発生しました。
近年、結核の集団感染報告数が増加傾向にあります。結核は過去の病気ではありま
せん。平成27年には都内でも2,306人の方が、新たに結核患者となっています。
都民の皆さまにおいては、咳や痰などの症状が2週間以上続く場合など、結核が疑
われる症状があれば、直ちに医療機関を受診するようお願いいたします。
1 初発患者の状況
・20歳代男性(杉並区在住)
・平成28年6月上旬から咳、微熱の症状があり、同年7月に医療機関を受診、感
冒薬を処方される。同年9月、症状が改善しないため、別の医療機関を受診し、
結核と診断された。現在は入院治療を終え、通院治療中。
2 接触者健診等の結果(平成28年12月27日現在)
管轄保健所※1
初発患者
杉並保健所
同居者
杉並保健所
日本語教育機関
中野区保健所ほか
関係者
アルバイト先
渋谷区保健所
計
健診
実施者数
―
3
※2
発病者
1
3
結 果
感染者※3
0
0
計
1
3
18
8
8
16
7
28
1
13
5
13
6
26
※1 初発患者は居住地保健所、その他は接触者健診実施保健所。
※2 発病者13人は、入院又は通院治療中であり、他人に感染させるおそれはない。
※3 感染者13人のうち5人は発病予防のため服薬治療中、8人は今後受診予定。
3 感染拡大の主な要因
○初発患者は咳、微熱の症状があり受診したが、結核の診断に至らず、治療開始が
遅れた。
○発病者及び感染者は、初発患者と狭い空間での長時間の接触があった。
4 保健所及び都の対応
○患者の居住地、日本語教育機関及び初発患者のアルバイト先の所在地を管轄する
保健所が、接触者調査、健康診断、相談等を実施した。接触者について引き続き
健康診断等を実施するとともに、内服治療中の方に対し服薬治療の支援を行う。
○都は状況把握、連絡調整など、関係自治体を支援し、医療機関に対して結核の早
期発見、早期診断について周知を行う。
※ 参考 「結核について」
※ 結核予防啓発資料「長引くせきは赤信号」、「その咳、本当に風邪ですか?」